見出し画像

宇宙人の母

祖母は宇宙人と握手。

そして母は宇宙人。一体どんな家系?

小学生の頃は姉妹で二段ベッドに寝ていた。妹とは寝る前に話が盛り上がり興奮のあまり眠れないことが多々あった。

子どもが「寝るべき時間」が過ぎても話は終わらずよく怒られたものだ。親に叱られ眠りにつく、小学生の頃はずっとそうだったと思う。

ある夜のこと、いつものようにおしゃべりに夢中になっているとドアに人の気配。

振り返ると無言の母が立っていた。

「ギャー!!!」

すぐに声をかけるはずの母が無表情で黙って立っている。怒られても平気な2人には不気味そのものでしかない。

「ワタシハ宇宙人ナノダ・・・」

2人して頭の中が「?」でいっぱいになる。

「実ハ、ワタシハ宇宙人ナノダ・・・」

もう、どう対応していいかわからない。ママ、頭が変になっちゃったの?

妹も私も無言になり、眠りについた。

次の日、妹と昨夜の母について声を潜めて確認しあった。

「ママ、頭が変になっちゃったんだよね?」

恐る恐る朝食を食べに行くと母はいつもと変わらず朝食の用意をしている。本当になんと言っていいかわからない。2人して朝食と身支度を済ませ、宇宙人の件には触れることなく小学校へと向かった。

何年かして「宇宙人」問題に触れる機会が訪れた。母は自慢げに、

「宇宙人って信じて眠っちゃうなんて小学生って可愛いわよね」

と言った。

早く寝ない子供らを眠りにつかせるために無表情で宇宙人になりきったのだと自慢をする。

なりきっていたのか😨

意図を汲み取れず、妹と私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

「あ・・・ごめん。私達、頭がおかしくなったと思って」

「薄気味悪くて寝たんだわ、なんか本当にごめん・・・」

「小学生が薄気味悪いなんて思うわけないじゃなーい!」

すぐ眠りについたという点で母の宇宙人作戦は成功したのかもしれない。

信じ込ませるという点では失敗をしたが。

子どもに変なことを仕掛けると同情される、というお話。

この記事が参加している募集