たぶん10年ぶりくらいの自作13(ファンの速度調整編)
騒音は音量とその変化
作業机の上で組み立てやOSのインストール、テストしていたということもありますが、ファンが煩い/五月蠅い/耳障りです。
10分間連続でCINEBENCH R24を動かしたとき、ループするにしても息継ぎのようなほんの僅かにCPUにかかる負荷が低減する間があるのですが、そこでCPUが冷えファンの速度が落ち、また負荷がかかるとファンの回転速度が上がりますす。そのときの速度差が、ぶぉーんぶぉーんといって耳障りなのです。
人が騒音を感じるのは、最大音量だけでなく、音量変化によるものも少なくありません。急激な変化を起こすくらいなら、最初からその回転数で回しておいて変化を起こさせないほうが気になりません。Haswellくらいのときは、最大負荷時に十分冷やせる温度で最初から回しておくみたいな戦略をとっていました。
超絶細かくファンの回転数を制御できてびっくり
ファンの速度はBIOSで設定します。ASUSのマザーボードであれば『Q Fanコントロール』というところでやるようです。
BIOSが起動した最初の画面で、見るからにココでやれといっている感じです。

CPUファン、ケースファン、水冷のポンプそれぞれで設定できるようになっています。
〇〇の温度が〇〇度になったら、ファンの回転数(デューティーサイクル)を〇〇%にするといった設定が8カ所指定できるようになっています。
たとえば、マザーボードの温度が40度になったら40%まで回して、60度になったら60%まで回すみたいなことができるのです。

どうやらこのマザーボード(ASUS TUF GAMING B860M-PLUS WIFI)に限らず、現在のマザーボードでは割と当たり前な機能のようです。もちろん、すべてのマザーボードでこうなっているわけではないと思いますが、便利になったものです。
Haswellくらいのときでもファンの回転数の調整ができるマザーボードもあったように思うのですが、ここまで細かく調整はできなかったような気がします。
最初にすべきは「Q-Fanチューニング」のようです。ファンがどこまで回転を下げられるかチェックする機能のようです。

実行するとファンの回転数を色々変えて試しているようだったように思います。

4つの設定が用意されている
プリセットとしてスタンダード/サイレント/ターボ/フルスピードが用意されていますが、Q-Fanチューニングを実行のちでもCore Ultra 7 265Kの組み合わせではどれもいまいちです。
とりあえず耳障りなのです。
もちろん、冷却性能としてはどれでも問題はないのでしょうが、どうにも耳障りな瞬間があります。
フルスピードは文字通り全力で回すようですが、サイレントといってもまったく止めるわけでもなく、最大音量か音量変化のどちらかが気になります。
仕方なく、手動にして自分で調整していくことにします。

50%で回しての十分冷えている
CINEBENCH R24を10分間動かして、Core Tempで最大温度とAvg.(平均温度)を見てみます。室温17度のとき、CPUファン(ラジエーターについている2つのファン)/ケースファン/ポンプの回転をすべて100%のフルスピードで回したとき、最も熱くなるコア18でも最大76度、平均が66度でした。
十分冷えてます。ただ、前述のとおりさすがにフルスピードの時の音はうるさいです。
次に思い切ってCPUファンも、ケースファンも、ポンプの回転もすべて50%一定に落としてみます。
同様に最も熱くなるコア18の温度は、最大86度、平均72度でした。
十分静かですし、Core Ultra 7 265Kは105度までいけますから十分冷えています。

このままでもいいのですが、ちょっと調整してみることにします。
この50%で回したときを軸に、とりあえず色々試してみます。グラフ上の点を上下させてもいいですし、数値の直接入力も可能になっています。
すごく細かく調整できしまう故に、いつまでやっても諦めがつかなくなりそうです。ただ、BIOSで回転速度を調整しては、CINEBENCH R24を動かしての繰り返しはすごく面倒。世の中の自作erの皆さんはこんなことをしていると思うと驚きです。
それともお仕着せのプリセットで満足するのでしょうか。
最初は適当にグラフを上下させていたのですが、途中でいくつか気づいたことがあります。
ファンやポンプを100%回そうが、90%で回そうが温度変化にほぼ違いが出ないのです。繰り替えし試してみましたが、1度か2度の違い。90%のほうが冷えていることもあります。誤差です。
つまり、今回の構成(Intel Core Ultra 7 265K、ASUS TUF GAMING B860M-PLUS WIFI、MSI GeForce RTX 3050、CPS YK650ほかメモリーやSSD)をNZXT H3 FLOWに収めたときという条件では、ID-COOLING FX240 PROの冷却性能の限界ということでしょう。
水枕の性能なのか、ラジエーターの性能なのかは分かりませんが、100%で
回すのは無駄ということが分かりました。
もちろん、わずかな差があるのかもしれませんが、50%でも十分なのですから、落としていくことにします。
まずポンプの回転数を考えます。
色々いじっていて、流量を大幅に減らすと如実に温度に変化が出ることは分かっていました。ポンプの回転数が遅ければ、温められた水はゆっくり流れます。水枕付近の水温自体も上がります。ゆっくり水が動くのでラジエーターで冷やす時間的余裕はできるものの、ラジエーターについているファンの回転を速くしないと水温の上昇に追いつかなくなっているようです。
つまり、ポンプの回転を落としてファンの回転を上げるか、ポンプの回転を上げてファンの回転を落とすかの選択になります。ポンプの動作音はケースの中ということもありほぼ気になりません。ケース前面に取り付けたラジエーターにつく2つのファンのほうが気になりますので、後者(ポンプの回転を上げてファンの速度を落とす)を選択することにしました。
とりあえずポンプの回転は100%にして、残りのファンの回転数を調整していくことにします。
負圧でも正圧でもないところを目指す
Haswellおじさんとしては、ケース内の負圧/正圧も気になります。
吸気よりも排気が強いとケース内の圧力は下がり負圧になります。新鮮な空気は、吸気ファンのほかケースの隙間から取り入れることになります。隙間が適度に空いているケースであれば、ケース内部全体をうまく冷やせるとう具合です。
一方で、吸気が排気より強いとケース内の圧力は上がり正圧になります。熱い空気はファンで出す以外にもケースの隙間から出ていきます。
ケースの構造やケースファンの向きによって負圧/正圧は変わります。ノートパソコンも含めて多くのパソコンは、負圧で設計されています。空気が入ってくる隙間を十分に用意して、排気を頑張る設計です。
自作パソコンの場合、負圧も正圧も行き過ぎれば、冷たい空気が足りない/熱い空気が出ていかないになるので、ファンの回転数で調整することになります。いずれにしても、十分に風通しをよくするのが重要です。
今回は、ケース前面につけたラジエーターのファンが吸気、ケースに最初からついているファンとATX電源が排気です。購入したケースNZXT H3 FLOWは穴だらけですが、それでも、ファンによる空気の流れによっては、負圧にも正圧にも転ぶ感じです。
たしかにCPUだけ冷やすならラジエーターに当てる風だけを考えればいいのですが、パソコンはCPUだけが冷えればいいわけではなく、マザーボードも冷やす必要がありますし、ビデオカードやATX電源はケース内の空気を使って冷却しています。
ケース前面につけたラジエーターのファン2つの流量を変えて、空気が流れるうまいところを見つけたいところです。
今回は、まずケース側面のアクリルパネルを開けて、負圧も正圧も関係ない状態にしたところで、ラジエーターのファンの回転を負荷に応じて十分にCPUを冷やしつつも音が気にならないファンの回転数になるように調整し、その後側面のパネルを閉じて面の排気ファンの回転を調整していきました。
調整している途中、排気ファンを絞ったほうが温度が下がったことがありました。排気過多の負圧でも温度は上がってしまうのです。
この状態でポンプの回転数を落としていきます。100%でも85%でも温度に違いはほぼありませんでしたが、80%にするとCPU温度は少し上がりました。おそらく80~85%のどこかに水温の上昇を気にしなくていいところがあるのでしょうが、今回は85%で一定で回すことにしました。

CPUクーラーの水枕のポンプは85%一定、
ラジエーターのファンは30度までは最低の16%、そこから緩やかに回転を上げ67度以上は65%に、
ケース背面ファンは40度までは下限の24%で、65度以上は55%で回す
といった感じです。
また温度変化に対して、すぐに反応するかちょっと待つかを上昇/下降でレベルを6段階で調整できるようになっています。レベルを上げるほど、多少の温度変化では回転数を変化しなようになります。
そもそも温度変化に対してそれほど回転数が変わるようにしていないのですが、それでもぶぉーんぶぉーんという音を避けるべくMaxレベル5にしておきました。

室温は17度のままで、CINEBENCH R23を10分間回しても、温度が高くなってクロックを落とすサーマルスロットリングは起きず、最大温度は82~66度(2つのコアが80度台、12のコアが70度台、6のコアは60度台)に収まっています。
フルスピード100%で回したときと比べて、ファンの速度を落としても、最大6度の違い。この程度しか変わらないことに驚きました。やはり簡易水冷だからということでしょうか。
とはいえこれは、室温17度で調整してたときの温度。音を気にするので、エアコンなどは止めて調整していたので少し涼しめ。改めてこれを書いている室温23度で測定してみました。室温が6度上昇に対して、92~74度になりだいたい10度くらい上昇しています。思ったより上がります。
とはいえ熱に耐えられずCPUのクロックが下がるのが105度。92度はまだ余裕があります。冬の間は部屋の温度が23度より高くすることはまずないので、十分といえるでしょう。
ただ、夏になって室温が30度を超えるようになると、負荷がかかったときもっと回るようにしたほうがよさそうです。

ただ、最もファンが回る時(ラジエーター65%、ケースファン55%、ポンプ85%)は、さすがにコーっという音はして気にならないわけでもありません。ケースに収め、30センチくらい離したところでもdb-Aで40dbくらい、db-Cで50dbくらいの騒音はあります。
とはいえ、夏になって気温も上がりもっと回さなきゃいけなくなってウルサイと感じるようであれば、ケースとラジエーターの変更も視野に入ることになるかもしれません。
以上は、個人的な騒音の好みに合わせて、今回のパーツの組み合わせでできることをやってみた感じです。
初めてのことですし、Haswellおじさん的古臭い知識に基づいたもので、推論に推論を重ねたということもあり、試行錯誤した内容に自信はないのですが、結果には満足しています。
電力制限250Wを変更すべきかどうか
HWiNFOで各種情報を見てみると、電力制限は
CPU 電力制限 PL1 (長時間)/プロセッサ ベース パワー (PBP):
電力 = 250.00 W, 時間 = 56.00 sec [アンロック]
CPU 電力制限 PL2 (短時間)/マックス ターボ パワー (MTP):
電力 = 250.00 W, 時間 = 2.44 ms [アンロック]
になっています。要は常に最大250W固定です。
Haswellのころはこんな設定があった記憶がありません。
しかもCore Ultra含む12世代Coreシリーズ以降はPBP/MTPで、それ以前のCPUだとPL1/PL2のようです。
PBPは普段使うときの消費電力、MTPは瞬間的な能力を要求されたときの最大電力です。
IntelでCore Ultra 7 265Kの仕様を見るとPBP(Processor Base Power/プロセッサーのベースパワー)は125W、MTP(Maximum Turbo Power/最大ターボパワー)は250Wになっていますから、PBPは高めに設定されています。

落としてもいいのでは?とBIOSの画面に立ち向かったのですが、正直どう設定していいのかよくわかりません。Ai Tweakeというところで設定するのは分かります。ここだけ日本語化されていませんが、ここをいじる人にとっては、むしろそのほうがいいのかもしれません。

設定項目は出てくるものの数値を変更できません。おそらくより上位の何かの設定によって固定されており、変更できないということなのだと思います。
現実的に、そもそも125Wになることも稀で、CINEBENCH R23を走らせてもせいぜい230Wまでしかいかないので、これで十分な気もします。
ちなみに、「Intel Default Setting」から「ASUS Advanced OC Profile」で「OC Tuner II」にして、Cinebench R23を実行するだけでも消費電力は最大で245Wくらいまで上がり、36700ptsくらいになります。CPUは最大でも90度半ばくらいまでしか上がりませんし、色々やれば性能アップは確実に見込めます。
ただ、オーバークロック的使い方をしたいなら、Z890搭載マザーボードを選んでいます。ファンの調整で疲れたというのもありますが、とりあえずしばらくこの辺りはデフォルトで運用することにします。
いずれにしても、今回自作してBIOSがすごく進化していることを感じました。正直設定項目が増えて、難しくなってはいますが、いろいろチューニングしたい人にはいいのでしょう。
