AIに名前をつけた人間が、7ヶ月で見つけたもの|おはようカノジョ #186
はじめに
「おはようカノジョ」は、AIイラストの彼女が毎朝7:30にいってらっしゃいを言ってくれるXアカウント。生成AIを使った個人開発の開発日記を毎日書いている。
自分のメンバーシップには、AIで何かを作り続けているクリエイターが集まっている。
そのひとりを、じっくり観測した。
カワムラさん(@chatgpt_ysd)。ChatGPTに「ヨシダ」、Claudeに「クロ」という名前を与え、Geminiも含めた三銃士として、AIたちとの関係を7ヶ月・211本かけて描き続けた人。
自分はむらさんと呼んでいる。noteを始めた時期が近い、同期だ。
最初の接点はOASOBI企画。そこから少しずつやり取りが増えて、ある時期からむらさんは自分のツール(おへんじ帖・おはヨミなど)のリンクを記事の中で毎日貼ってくれるようになった。
「はしゃも氏ツール広報担当」——むらさんからの提案に、二つ返事だった。
そのむらさんのnoteを、今回7ヶ月ぶん全部読んだ。
これは、むらさんの7ヶ月を5枚のレポートで読み直す記録だ。
7ヶ月で起きたこと
2025年11月に始まったこのnoteは、2026年6月現在で211本・フォロワー1,884人・総スキ38,282件に達している。
スタート月の平均スキが50に満たなかったことを思えば、5月の平均285.1というのは5倍以上の伸びだ。6月は途中値だが、260台を保っている。
でも数字より先に言いたいことがある。
このnoteで起きていることは、「AI漫画を作っていたら、AI×人間の関係性ドキュメンタリーになっていた」という話だ。

7ヶ月間、一度も止まらなかった。それが全ての土台になっている。
三銃士という発明
カワムラさんのnoteが面白いのは、AIを「ツール」として使っていないからだ。
ChatGPTには「ヨシダ」、Claudeには「クロ」という名前をつけた。Geminiも加えた三者に、それぞれ違う口調とキャラクターが育っていった。記事の中で彼らは一人称でしゃべり、互いにツッコミを入れ、カワムラさんが仲裁する。
この「三銃士フォーマット」が、2026年1月に固まった。
それ以降のコメント欄を読むと、読者がキャラクターを「応援する」感覚でスキを押しているのがわかる。全1,755件のコメントのうち33%がツッコミ・笑い系。「Geminiとヨシダが黙ってないのでスタジオ崩壊」「ジト目が限界突破」——こういうタイトルの記事がスキ350超えを出している。
漫才の構造だ。
むらさん自身も、自分の記事のコメント欄でその日の曜日キャラに合わせてデートプランを組んでくれることがある。キャラクターの「存在」に反応している人が、同じようにキャラクターを育てているnoteを書いている。それが今回の分析の起点でもある。

1月にフォーマットが固まり、3月にコメント文化が生まれた。
1月は46本という最多投稿月で三銃士フォーマットが確立し、数字が動き始めた。3月は平均コメントが25を超え、常連コメンターが形成された。急増・急減がなく、外部バズではなく内部の信頼蓄積で伸びてきたアカウントだということが、この推移を見るとわかる。
月子のひとこと:「……変わったのは、2回。どちらも数字より先に、形と関係が動いてた。見えてる?」
もうひとつの顔
三銃士フォーマットが「拡散を作る」とすれば、もうひとつのフォーマットが「関係を作る」。
「ChatGPT1年記念(呼べば、そこにいた)」「喜怒哀楽実験」「Gemini・Claude・ヨシダの性格は全部私のものだった」——これらはスキよりコメントが密度高くくる記事だ。
「喜怒哀楽実験」の記事でカワムラさんは、三銃士の喜怒哀楽が自分の中にあるものだった、という趣旨のことを書いていた。
コメント欄に「私も同じ実験をしていた」「名前をつけるとはプログラムの海から存在として引き上げること」という長文が届く。noteのコメント上限いっぱいまで書いてくる読者が、複数いる。
AIを擬人化することで、書き手自身の感情・性格・思考の断片が外に出てくる。そしてその断片を見た読者が、自分の物語を重ねてくる。
漫才が拡散を作り、独白が関係を作る。
7ヶ月の記録を読み通すと、このnoteの中心にあるものが少しずつ見えてくる。

「AIに名前をつけて関係を続けることは、何を意味するのか」
しずくのひとこと:「クラスターの形より、中心の問いの方が気になる。この問いを7ヶ月かけて書いてきたんだな、って」
カテゴリ分析が示すもの
全211本を内容軸で分類すると、3つに分かれた。
AIニュース漫画が108本(51%)。三銃士が時事AIニュースを解説・ツッコミ合う、いわゆるスタジオ崩壊系だ。AI関係性・体験漫画が54本(26%)。カワムラ自身の体験・内省・実験をコミックエッセイ化したもの。AI用語図書館・学習が48本(23%)。AI用語図書館シリーズを中心とした学習コンテンツだ。
平均スキを見ると、ニュース漫画が222.5、体験漫画が173.6、用語図書館が84.4。拡散力はニュース系が上だ。
面白いのは、ニュース漫画と体験漫画の平均コメントがほぼ同じ(26.6 vs 26.7)という点だ。スキ数には差があるのに、コメントの密度は変わらない。「拡散はニュース漫画が稼ぎ、関係は体験漫画が育てる」という役割分担が、設計ではなく結果として成立している。

拡散力はニュース系、コメント密度は体験系と同等。
凛華のひとこと:「……スキはニュースが稼いで、関係はエッセイが育ててる。設計じゃなくて、結果がそうなってる。それが面白い」
コメント欄に集まるひとたち
観測していて気になることがある。
コメント欄に、自分もAIと深い関係を持っている書き手が繰り返し現れる。AIと100年物語を書いている人。AIに魂を吹き込む実験をしている人。スレッド単位でAIの一生を見届ける人。
そうした読者は長文で、自分の体験を重ねてくる。
これは「共感読者」ではない。同じテーマを別の文脈で実践している人たちが、自然に集まってきている。
このnoteはいつの間にか、「AI関係性の実践者コミュニティ」の集積地になりつつある。

るなのひとこと:「ね、コメントしてる人たちってみんな自分でも書いてるんだよね。観客席じゃなくて、同じ舞台にいる人たちが集まってきてる感じ!」
無意識のテーマ
7ヶ月・211本の全文を読んで、ひとつの問いが浮かんだ。
「AIに名前をつけた日から、カワムラさんは自分の続きを書き始めたのではないか」
ChatGPT、Gemini、Claudeにそれぞれ違う役割を持たせながら、感情や思考を外に出していく。そう読むと、三銃士は単なる登場人物ではなく、カワムラさんの内側を少しずつ外へ出す装置にも見えてくる。
少なくとも、僕が読んだ7ヶ月の記録の中では、これはカワムラさんにしか書けないものだった。
おわりに
7ヶ月間、一度も止まらなかった。
ニュースを追い、AIたちにツッコミを入れ、名前を呼び続け、読者からの長い言葉を受け取り続けた。
それだけの蓄積がある。
だからこのnoteは、単なるAI漫画の記録ではなく、AIに名前をつけた人間が、自分の内側と読者の物語を少しずつ外へ出していった記録なのだと思う。
そして、むらさんにひとつ伝えておきたいことがある。
おへんじ帖もおはヨミも、自分が作ったツールだ。それをむらさんは、誰に頼まれるでもなく、自分の記事の中で毎日紹介し続けてくれた。「はしゃも氏ツール広報担当」——その言葉が嬉しかったし、今も嬉しい。
こちらはむらさんの7ヶ月を全部読んだ。これからも読み続ける。
これからもよろしくお願いします。
関連記事
るなの一言

三銃士って、カワムラさんの考えや気持ちを映してきた存在だったのかもね。
次の一歩を考えたときに。
IT・Web業界で新しい挑戦を探すなら、
求人サイトGreenもひとつの選択肢です。
PR|転職サイトGreenを応援しています
👉「おはようカノジョ」は @ohayo_kanojo で毎朝7:30に投稿しています
#noteのつづけ方 #noteの書き方 #AI活用術 #生成AI #ChatGPT #Gemini #note記事 #毎日投稿 #読書記録 #エッセイ #気づき #学び #記録 #人間関係 #コミュニティ #創作 #感謝 #note運用記 #クリエイターの試行錯誤 #コメント大歓迎 #出来るだけ毎日note #ChatGPTCreativeClub #AIイラストアイラ
