職員面談でどんな話をするの?
4月から異動になりました。小学校畑の長かった私が、何のいたずらか中学校勤務に。新しい職場で、新しい子どもたち、新しい職員の皆さんたちと仕事を共にしていく・・・。ワクワクとともに、不安もたくさんありました。
早くみんなのことが知りたい。私のことを知ってもらいたい。
それには、対話が必要です。
教員の世界にも、人事評価制度があります。
詳しくは、下の資料にお任せするとして、その制度の中に、期首・期末面談というものがあります。
つまり、職員の皆さんとの1 on 1での対話のチャンスです。
そこで、今回の記事では、この面談の時に、教頭としての私がどんなことを対話しているのかについて、書いていきます。
1.野望と現在位置

私たち教員は、人事評価シートなるものを書かねばなりません。
そこには、今季の具体的な目標や取り組む方法を書き込み、期末にはそれに対する自己評価を記入します。
そして、年度末には、観点別に自己評価していく欄もあります。
それを読ませていただき、ふだんの仕事ぶりから、私たちのような管理職が、他者評価をさせていただくのです。
前期の初めの面談では、先生方が書いた前期の目標や取り組んでいくことが書かれた人事評価シートが話のタネになります。
私は、先生方にたずねます。
○○先生が、今期やってみたいこと、チャレンジしてみたいことは何ですかか?
希望でも、野望でも、妄想でもいいから、教えてください。
するとだいたいの先生方は、ちょっと苦笑い、照れ笑いしながら、今やっていること、やってみたいことを話してくれます。
学級作り、授業作り、分掌の仕事・・・。いろいろな側面から、お話ししてくれます。
聞き手の私としては、「ふんふん。」「いいですねぇ。」「なるほど〜。」「そうですよね〜。」と共感的に聞くように心がけています。
時々、「それってこういうことですか?」「たとえば、どんなふうに?」など質問をはさんでいくことで、深掘りしていきます。
こうやって対話を続けていくと、その先生のやりたいこと、やろうとしていることとともに、実際どんなふうに進んでいるのかという現在位置についても二人で確認することができます。
目指したいゴールとそれに向けて歩んできた足跡をふりかえるようなことをすることことで、道をはずさずに、また一歩進めたような感じがするわけです。
2.3つの不

次に私は聞きます。
そうして仕事をしていく中で、不安に感じていることはありませんか?
どの先生も、つとめて明るく、前向きに仕事に取り組んでいただいていますが、本当にこれでいいのか?まっすぐ歩けているのか?こんなことがうまくいかないんだよね・・・というような「不安」なことを話し始めてくれます。
私は、先生たちが感じている「不安」を聞くに徹します。先ほどと同じように、共感的なあいづちや深掘りしていくような質問を入れながら聞くことで、不安なんだけど安心して話してもらえるように気をつけています。
自分の経験上、「なんだそんなことか」と思ってしまうときがないわけではありません。
でも、その年齢、その立場、その状況で、本人が感じている不安は、そんな簡単なわけがありません。
話してくれるうちに、「(その不安に対して)こう思うようにしている」とか「こうして対処している」とか「こうしたらいいと思っている」というような自分なりの解決策を話してくれる時もあります。
そんな時も共感したり、質問したりしながら、対話を通して、よりクリアな解決策が導き出されるようにしています。
大切なのは、「不安」を安心して、話してもらえるようにすること。解決策は気付いてないかもしれないけれど、自分でもっているものです。
たいていの面談はこの「不安」の聞き取りに時間の大半を費やしてしまいますが、「不満」や「不便」についても聞き取るようにします。
こちらの2つは、先生たちからの話を聞いた上で、改善策を提案し、実現に向けて動き始めるようにしています。(たとえ、実現しないとしても、アクションを起こしてくれたと感じてもらうことが大切です。)
まぁ、グチとも言えるようなことは、共感と共に受け流すしかないのですが・・・(^^;
3.全員と話す

私が一般教員だったころにも、当時の教頭先生、校長先生と話す面談の機会がありました。いや、あったはずです。
というのは、面談をするという提案は職員会議でされるものの、いっこうに始まらないのです。何人かは、呼ばれて話しているようなのですが、私の順番はなかなか回ってきません。結局、呼ばれず・・・・。
なんだか心がざわざわしますよね。
普段からよく報告や相談をしていたので、「(私が)忙しいのに、わざわざ面談する時間をとるのは、気が引ける」といった優しい心づかいからなんだと思うようにしていましたが・・・・。
それでも、なんにもないのはやっぱり寂しいし、不安に思ってしまう。
「同じような思いをしてもらいたくない」という理由もあって、私は、必ず定期的(年に3回か4回)に全員と面談をするようにしています。
人事評価制度上は、教員の皆さんと面談すればそれで十分なのですが、学校というところは先生だけで成り立っているわけではありません。
公務補さん、事務員さん、支援員さん、事務生さん、スクールサポートスタッフさん、うちにはいないけど給食のおばちゃん・・・etc。
といった具合に、さまざまな立場で学校のことを支えてくださっている方々がいます。
全員と面談とは、まさにこれらの方々全員と面談するということです。
何も教育に、学校という職場に、熱い思いを持っておられる方は先生だけではありません。裏方として支えてくださる方も話していると、実に熱い思いを持っておられます。
お一人10〜15分くらいの面談時間を設定していましたが、気が付いたら30分、1時間なんてことも。
やっぱり話してみないとわからないものです。
まとめ:効果的なチームの条件:心理的安全性の担保

Googleの「プロジェクト・アリストテレス」チームが、社内180のチームを分析対象として、さまざまな角度から調査し、「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」という結果を発表しました。
ハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン教授は、心理的安全性とは、
チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態
と定義づけています。
教頭としては、教職員チームが互いにこの心理的安全性に浸れるチームであってほしいと、いろいろと調整を図ってはいるつもりです。
少なくとも、私との関係においては、心理的安全性が担保されているという安心感を抱いていてほしい。
職員室の担任ともいわれる教頭。
担任の姿勢や思いは、きっと子どもたち、いやチームのメンバーに伝わるはずです。
今回の記事は、期首面談を通して、どんなことを考えながら、教職員の皆さんとどんなことを対話しているかについて書いてきました。
結局のところ、この心理的安心感を感じてもらうための一つのきっかけとして、この面談を大切に位置付けているのだとあらためて感じています。
了
