Charactical Design~このアプローチは、「愛情」を否定しない~
本書でこれから展開していく「Charactical Design」の世界では、「データ」「分析」「戦略」といった、一見すると子育てとは縁遠いように思える言葉が出てきます。もしかしたら、あなたはこれらの言葉に、少し冷たい、非人間的な印象を受けるかもしれません。「子育ては理屈じゃない」「愛情が一番大事なのに、分析なんて必要なのか」と。
その懸念は、もっともです。だからこそ、最初に最も重要なことをお伝えさせてください。
Charactical Designは、親子の「愛情」を否定するどころか、その愛情を最も大切で、最も強力な原動力であると位置づけています。
ここで、一つの比喩を用いて説明しましょう。
もし、あなたの子育てを一台の車に例えるなら、親が子を想う「愛情」とは、その車を動かすための強力な「エンジン」です。このエンジンがなければ、どんなに立派な車体を持っていても、一ミリたりとも前に進むことはできません。子供の幸せを願い、そのために何かをしたいと強く思う気持ち。それこそが、私たちを親として突き動かす、全てのエネルギーの源泉です。
しかし、どれほどパワフルなエンジンを積んでいても、それだけでは快適なドライブが約束されるわけではありません。もし、あなたが初めて訪れる複雑な街で、「地図」も「カーナビ」も持たずに運転しているとしたらどうなるでしょうか。
目的地にたどり着けないばかりか、アクセルを踏み込めば踏み込むほど(つまり、愛情を注げば注ぐほど)、道に迷い、一方通行を逆走し、時には意図せず壁にぶつかってしまうかもしれません。そして、車に乗っている子供も、あなた自身も、不安と疲労で消耗してしまいます。愛情という強いエネルギーが、かえって迷走と思わぬ衝突を生み出してしまうのです。
Charactical Designが提供するのは、まさにこの「地図」であり、「カーナビ」の役割です。
あなたと子供がそれぞれどんな特性(才能)を持った車なのかを理解し、目的地(子供の健やかな成長や、良好な親子関係)まで、どのようなルートを通れば最もスムーズに進めるのかを可視化します。渋滞しやすい場所(衝突しやすいパターン)を予測し、最適な迂回路(関わり方の工夫)を提案します。
もうお分かりいただけたでしょうか。
「愛情」と、私たちがこれから学んでいく「技術(Charactical Design)」は、決して対立するものではありません。「エンジン」と「地図」が揃って初めて、私たちは安心してアクセルを踏み込み、目的地へと向かうことができるのです。
本書は、あなたのそのかけがえのない愛情というエネルギーを、決して無駄にすることなく、まっすぐに、そして最も効果的に子供の心へと届けるための、具体的で再現性のある「方法論」なのです。
