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不登校の子どもと夏休み|「しんどい」と認めたら楽になった話

頑張りすぎていた私が気づいた、本当の向き合い方



少し前まで、夏休みが憂鬱な理由はシンプルでした。

子どもが家にいる。3食作る。暑いのに出かけられない。なんとなく幽閉されているような、あの独特の息苦しさ。「わかる」と思ってくれるお母さん、多いんじゃないでしょうか。

去年から、それが変わりました。娘がいじめに遭い、五月雨登校になって——そして今年、ついに学校に行かなくなった娘と、最初の夏を迎えています。

「どう過ごせばいいんだろう」「何かしてあげなきゃ」「でも何もできない」——そんな気持ちのまま、梅雨が終わっていきました。

そんな夏に、気づいたことがあります。

「しんどい」と口に出した瞬間、少しだけ息ができた。

頑張ることをやめた瞬間に、何かが変わったんです。この記事では、そのことを正直に書きます。同じように夏を前にざわざわしている親御さんに、少しでも届いたら嬉しいです。




不登校の子どもにとって、夏休みはどんな時間?

学校に行っている子どもにとっての夏休みは「解放」ですが、不登校の子どもにとってはちょっと事情が違います。

娘がまだ完全には学校を休んでいなかった、五月雨登校のころのことです。夏休みが近づいたある日、娘が「夏休みが怖い」と言いました。最初、私は意味がわかりませんでした。「学校に行っていないのに、夏休みが関係あるの?」と思っていたからです。

娘が教えてくれた理由は、こうでした。

「学校があるあいだは、○○(いじめていた子の名前)は学校にいるじゃない?授業中も休み時間も、あの子は学校のなかにいる。でも夏休みになったら、どこにいるかわからない。駅前のショッピングモールにいるかもしれない。私たちが行くファミレスにいるかもしれない。それが怖い」

その言葉を聞いたとき、胸をつかまれるような気がしました。

学校でいじめられている子、学校が怖くて行けない子にとって、夏休みは安心できる「解放の時間」ではないのかもしれない。
学校という「壁」がなくなることで、いじめた側の子が自分の生活圏に現れるかもしれないという恐怖。外に出るたびに「会うかもしれない」という緊張を抱えること——娘の「夏休みが怖い」は、私が想像していたものとまったく違う次元にありました。

お子さんが夏休みに妙に外を嫌がったり、情緒が崩れやすくなったりする場合、もしかしたらこういう見えにくい恐怖が背景にあるのかもしれません。「夏だから」だけでは説明のつかない怖さが、子どもの中にあることがある。そのことを、娘に教えてもらいました。

今は完全に学校を離れ、娘の不安の質も少しずつ変わってきましたが、あの夏の言葉は今でも忘れられません。




「夏休みだから楽しいはず」は、うちの娘には当てはまらなかった

不登校になってからの娘の場合、学校に行っていない分、「夏休みだから!」という特別感はありません。むしろ、学校がある時期よりも「どこにも行けない自分」をより強く感じることがあるようで、梅雨明けのころから情緒が不安定になることが多くありました。

また、ASDの娘にとって、猛暑の夏は感覚過敏との戦いでもあります。日差しのまぶしさ、蝉の声、空気のベタつき——これだけでもう外に出ることへのハードルがぐっと上がります。

「夏休みなのに何もできない」「せっかくだから思い出を作ってあげたい」と焦る私と、「行きたくない・できない・疲れた」と訴える娘の間で、毎年静かな衝突が起きていました。




「楽しい夏にしなければ」という呪いにかかっていた

これ、自分では気づきにくいんですよね。

「不登校でもいい、学校に行かなくていい」とは思えていたのに、「夏休みらしいことをしてあげなければ」という圧力からは逃れられていなかった。

SNSに流れてくる夏の思い出写真、「子どもと〇〇に行ってきた!」という投稿を見ては、「私は何もできていない親だ」と自己嫌悪に陥っていました。

元教員の私には、「子どもの成長を支える環境を整えなければ」という意識がどこかに染みついていて、それが「良い夏休みを演出すること」に変換されていたのだと思います。

でもそれ、完全に自分の首を絞めてました。

娘はそんなに多くを求めていなかった。「お母さんが怒らずにいてくれる」「家が安心できる場所であること」——それだけで十分だったのに。




「しんどい」と認めたら、何かが変わった

転機は去年の夏でした。

あるとき、娘に「ねえ、ちょっと今日ママ疲れてるから、一緒にゴロゴロしていい?」と言ってみたんです。無理に何か提案するのをやめて、ただ正直に。

娘は「うん、いいよ」と言いました。それだけでした。

そしてそのあと、何も計画していないのに娘のほうから「ねえ、一緒にこれやろう」と誘ってきたんです。ずっと私が「何かしてあげなきゃ」と頑張っていたときには起きなかったことが、私が「もう無理」と白旗を上げた瞬間に起きた。

「しんどい」と言うことで、距離が縮まったような気がしました。

完璧な親を演じているとき、子どもはそのよそよそしさを敏感に感じ取っているのかもしれません。特にASDの娘は感情の読み取りが難しいと言われながらも、親の緊張感や焦りはなぜかちゃんと感じ取るみたいです…




不登校育児の夏、親が陥りやすい3つの罠

経験談と、周りの不登校育児をしているママ友の話を聞いていて、よくあるパターンがあると感じています。

① 「充実させなければ」プレッシャー

学校行事がない分、「家でもせめて何か学びを」「体験を」と焦ること。これが積み重なると、子どもも親も消耗します。

② 「他の家族と比べてしまう」罠

SNSを見すぎると、夏の楽しそうな投稿ばかりが目に入ります。アカウントを一時的にミュートするか、見る時間を決めてしまうのが正直おすすめです。

③ 「夏休みに挽回できるかも」という期待

「学校に行けていないけど、この夏に社会性を取り戻させたい」「外出に慣れさせたい」という焦り。気持ちはわかりますが、夏だけで何かが劇的に変わることはほぼなく、無理をさせると秋以降の状態が悪化することも珍しくありません。

「何もしない夏」が、実は最高のリセット期間になることがあります。

元教員の視点から一つだけ補足すると、「夏に遅れを取り戻す」という発想自体が、不登校の子どもには逆効果になりやすいと感じています。不登校になる子どもの多くは、すでに「自分はできない」という気持ちを自分の中に抱えています。夏休みだけは、そのプレッシャーを少し脇に置いてあげられる期間にできるといいと思います。具体的に言うと、「漢字ドリルを〇ページやる」より「今日好きなことを一つだけやる」を目標にする、それだけで子どもの夏の過ごし方は変わることがあるはずです!




私が実際にやったこと|「しない」リストが助けてくれた

去年は夏休みに向けて、「やること」より先に「しないこと」を決めました。


  • 毎日どこかに連れて行こうとしない

  • 昼夜逆転を無理に直そうとしない(安全でありさえすれば)

  • 他の子と比べた発言をしない

やることのハードルが高い日は、「しないことを守る」だけで合格にしました(笑)

それだけで、娘との衝突がかなり減りました。ADHD傾向のある息子は相変わらずエネルギーが有り余ってましたが、娘のペースを守ることで家全体の空気が穏やかになると、息子も落ち着きやすくなる気がした夏でした。

在宅ワークをしながらこれを維持するのは正直しんどいですが、AIに家事のリマインドや段取りを手伝ってもらいながら、現在進行形で、少しずつ楽になっています。




不登校育児の夏、我が家が実際に使っている「逃げ道」

「しない」リストを作るのと並行して、私がもう一つ意識してきたことがあります。それは、「逃げ道をあらかじめ用意しておくこと」です。

突然娘の情緒が崩れたとき、息子が「退屈すぎてつらい」と泣き始めたとき、私自身がもうダメだと感じたとき——そういうときのために、「これをすれば今日はなんとかなる」という手札を何枚か持っておくようにしています。

我が家の逃げ道はこんな感じです。

娘向け

  • スケッチブックとコピックや色鉛筆、あるいはハンドメイドキット(レジンやビーズアクセなど)を夏前にそっと用意しておく

  • 「何もしない」が許可されている、とあらかじめ伝えておく

  • 好きなアニメ、動画を好きなだけ見ていい日を作る(「今日は鑑賞デー」と宣言する)

息子向け

  • エアコンの効いた商業施設の遊び場に、時間を決めて連れて行く(午前中に体を動かすと午後が落ち着く)

  • 100均のスライムキットなど、手を動かすキットをストックしておく

  • 兄妹で一緒にできる何かを一つ決めておく(例:週1回のカードゲームの日)

私自身向け

  • 30分だけでも一人になれる時間を予めスケジュールに入れる

  • 「今日は合格」と言える基準を前日夜に紙に書いておく(起きた、ご飯を食べた、安全でいた、以上)

  • スマホのメモに「きつかった瞬間」を一言だけ記録しておく

特にこの「合格基準を下げる」という発想は、AIに家事の段取りを相談していたときに「今日達成したいことを3つ以内に絞りましょう」と言われたのがきっかけでした。最初は拍子抜けするくらいシンプルに感じましたが、やってみると本当に違う。「ご飯を三食作った」だけで合格にする日があっていいんです。




夏休みを「しんどい」と言える場所を作ること

不登校育児をしていると、どこかで「私だけが大変なんじゃない、もっと大変な人がいる」と自分に言い聞かせて、「しんどい」を押し込めてしまいがちです。

でも、しんどいものはしんどい。

特別支援学校に勤めていたころの私は、「専門家だから落ち着いて対応しなければ」とずっと思っていました。でも退職して、ワンオペで発達凸凹の子どもたち2人と毎日向き合うようになって、「専門的知識があっても、自分の子どもの前では関係ない」と何度も思い知りました。

知識は助けになるけれど、感情は別のところにある。

「しんどい」と認めることは、弱さじゃない。むしろ自分を守ることだと、今は思います。

夏休みに向けて、一つだけお願いがあるとしたら。

誰かに「しんどい」と言える場所を、一か所だけ持ってください。

それがネット上のコミュニティでも、noteのコメント欄でも、信頼できるママ友でも。「しんどい」を吐き出せる場所があるだけで、夏の重さは少し違います!




おわりに|頑張りすぎた夏より、正直な夏がいい

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

正直に書くと、今も夏は怖いです。でも以前ほどの恐怖はありません。

「完璧な夏休みを演出しなければ」というプレッシャーから少しずつ自由になって、「今日も家族が安全でいられた」を合格ラインにするようにしてから、夏への向き合い方が変わりました。

今すぐできること、一つだけ提案します。

今夜、「今日しんどかったこと」を一行だけノートに書いてみてください。

誰かに見せなくていい。ただ、自分が「しんどかった」と認めるために。それだけで十分効果があると思います!

この記事を読んでくださった方、似たような思いを抱えている方、ぜひコメントで「私もそう!」と教えてください。一人じゃないと感じるだけで、明日が少し軽くなります。

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不登校育児や在宅ワークについて、もっと詳しく書いた記事もあります。よかったら覗いてみてください。



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