外貨準備における為替スワップのポジション①
今回は、外貨準備における為替スワップのポジションのメモを記載します。今回は備忘録なので、必要に応じて加筆・修正します(マニアックなので、自分用のメモです)。
まず、日本の有する外貨準備は、IMFがマニュアルを作っており、それに従っています。財務省のウェブサイトにも、「外貨準備の公表にかかるガイドライン(International Reserves and Foreign Currency Liquidity: Guidelines for a Data Template (IMF作成))に沿って計上しています」と説明されています。
具体的なガイドラインは具体的には下記になります。
https://www.imf.org/external/np/sta/ir/irprocessweb/pdf/guide2013.pdf
これを読んでいて分かったのですが、IMFが定義する外貨準備は、外貨(特にドル)の流動性がどれくらいあるかということを大切にしているので、為替スワップで、ドルをファンディングしている場合、そのドル(外貨)の保有は脆弱だといえます。そのため、為替スワップのポジションについても、開示を求めているということです。
たしかに、ある国がたくさん外貨をもっていたとしても、それが為替スワップによるものであれば、数か月後には(外貨をだして)自国通貨を受け取らなければならないということであれば、外貨準備の流動性があるとはいえないということです。
これについては、Chapter 3のPredetermined Short-Term Net Drains of Foreign Currency Assets (Nominal Value)に記載がなされています。これは、日本語では、「Ⅱ.短期の外貨建債務等」と訳されていますが、日本語だとマニュアルとの関係が良く分からなくなるので、英語でみたほうがよいとおもいます。
日本語だと下記のとおりです。

英語だと、この部分のタイトルは、「Predetermined Short-Term Net Drains of Foreign Currency Assets」であり、IMFのガイドラインのChapter 3の「Predetermined Short-Term Net Drains of Foreign Currency Assets (Nominal Value)」の部分をゴリゴリよんでいけばよいことになります(タイトルからわかるように、下記はnotional value、すなわち、デリバティブの想定元本だということわかります)。

そのうえで上記を読むと、「Aggregate short and long positions in forwards and futures in foreign currencies vis-à vis Yen」とありますが。この中に、Short PositionとLong Positionという記載があります。デリバティブのlongとshortについてどう定義しているかというと、
186 For financial derivatives, the distinction between short and long positions, which reflect future outflows (i.e., contingent decreases in foreign currency resources) and inflows (i.e., contingent increases in foreign currency resources), respectively, is maintained.
と説明されています。
したがって、Long Positionというのは、将来ドルが増えるもの(inflows (i.e., contingent increases in foreign currency resources))ということが理解できます。よって、下記のカッコにおいて外貨準備がLong Positionが20億ドルとなっているのは、想定元本ベースで、将来、200億ドル分の外貨(おそらく大部分は米ドル)が受け取れるということを意味します。下記の通り、その満期も記載されています。

上記を総合すると、外貨準備は、200億ドル分の(想定元本ベースで)為替スワップの取引を行っているということが推測されます(そして、現在、日銀がドル供給オペを実施していないということを考えると、その大部分は外為特会であることが予測されます)。
ちなみに、「Aggregate short and long positions in forwards and futures in foreign currencies vis-à vis Yen」なので、スワップだけでなく、先物も含むのですが、外貨準備のfuturesの時価評価はゼロであるため、現時点で先物のポジションはないと推測されます。

以上が今回のメモになりますが、IMFのマニュアルなども以前であれば読むのが大変でしたが、今ではAIがあるので、さくさく読めるということがわかりました。上記について間違いがあるかもしれず、必要に応じて加筆修正します(違和感がある点があればご指摘ください)。
