財務省が言及したFIMAレポに関するメモ
財務省が昨日、下記のようなポストをわざわざしています。これはFIMAレポですが、これについて簡単なメモを記載します。
日本の通貨当局は、市場の流動性ニーズに対応するための幅広い手段を有しています。
— 財務省 (@MOF_Japan) July 31, 2026
これらには、必要に応じて、米連邦準備制度の常設FIMAレポ・ファシリティ(Foreign and International Monetary Authorities Repo…
これは要は米国中央銀行を相手に米国を貸し出して、ドル調達ができるというレポです。レポの仕組みは下記の5・6章で丁寧に説明しましたが、要は、担保付の借入です。
イメージとしては下記のような取引です。

日本の文脈でいえば、ニューヨーク連銀から600億ドルを上限に、日本政府が米国債を出して、ドルを短期的に借り入れができる仕組みです。これは借り入れられる期間が、オーバーナイトと7日間の2タイプがあります。
7日間の借入が上限ですが、必要に応じてロールできるという点がポイントです(「The term of the agreement will be overnight, but can be rolled over as needed.」と書いてあります)。したがって、ニューヨーク連銀から7日間借り入れて、ドルを返済しなければいけないところ、もう一度、米国債を出してドルを借りるという形でロールすることができます(ロールできないと介入原資ということにはなりません)。
財務省が「常設FIMAレポ・ファシリティ」という形で「常設(Standing)」と記載されているので、このレポは常設化されています。歴史的には、2020年3月のコロナの時に導入された一時的なFIMAレポが、2021年7月に常設化されたという経緯を有しています。日本政府を含む各カウンターパートに対して、600億ドルの上限があります(いわゆるドルスワップの場合、上限がないようですが、この点についてはまた別の機会に記載します)。
この仕組みは、為替介入という文脈でみれば、『米国債を売らなくても』、日本政府が米国債を出して、ドルを調達することが可能になります。現在、このタイミングで、「常設のレポ」を有していることをわざわざ財務省がポストしたので、為替介入の資金源が豊富だということを示したいということに加え、今話題になっている協調介入と関係しているのだと想像します。しかし、なぜこのタイミングで矢継ぎ早に協調介入など様々なことをやってくるかは不明ですね。。
FIMAレポのリリースが出ていますが、要は米国債のレポです。米国相手に米国債を担保に、米ドルを短期的に借りられるということです。要は『米国債を売らなくても』日本政府がドルを調達できる仕組みです。これは円買い介入をするための原資になりうる点がポイントだと思います。上限は600億ドル。レポ… https://t.co/v502uNqqWP
— 服部孝洋(東京大学) (@hattori0819) August 1, 2026
日経でもこのXのポストについて報道しています。
政府・日銀による為替介入は外国為替資金特別会計が保有するドル資産が原資になるとみられている。保有する米国債を売却しなくても十分なドル資産を確保できると市場に訴える意図があったもようだ。
しかし、このような制度も、今ではAIを使えばこういう制度もすぐに理解できてしまうので便利な時代になりました。レポは、初学者からするとものすごくイメージがしづらい取引なので、ぜひ「マネー・マーケット入門」の5章を読み、そのまま6章を読んでもらえればどういうことをやっている課はイメージできると思います。
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