外為特会とFBの発行について
今年は、国債発行計画の中で、円買いの為替介入との関係について一定の議論がなされました。その内容について簡単にメモをしておきます。下記の内容は必要に応じてアップデイトします。
まず、下記が特別会計ガイドブックにある外為特会のBSになります。これをみると、資産サイドは主に有価証券であり、これは外貨建ての債券が中心であると考えられます(内訳は筆者が知る限り非公表)。一方、注目したい点は、負債サイドですが、その主な財源が政府短期証券(いわゆるFB)であるという点です。

https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/special_account/fy2021/2021-zentaiban.pdf
FBとは、政府の短期的なファイナンスのために発行される債券であり、年限は1年以下となっています。そのため、1年たったら償還を迎えますから、資産側に有価証券などがある以上、基本的にFBを再度発行する形でロールするということが行われています。このようにしてみると、外為特会は、FBで短期調達して外貨運用するような金融機関のように見ることもできるかもしれません。
もっとも、今回のように円買いドル売りの介入を行った場合、FBのロールをする必要がなくなります。具体的には、下記の図表1の右側になりますが、外貨建ての資産を売り、円を買うことになるため、その円を用いて、FBの償還がなされます。そのため、円買いの為替介入がなされる場合、前述のロールしていくFBの発行量が減ることになります。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h26pdf/201412902.pdf
下記の記事にも、外為特会は資産サイドに外貨建て資産、負債サイドにFBなどにより調達していることが記載してありますが、財務省にインタビューしたうえで、「基本的には過去の借金の返済に回す」(国際局為替市場課)というコメントが紹介されています。
為替介入の金庫「外為特会」 外貨準備の元手は国の借金 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
今年の国債の発行計画において短期債の発行が相対的にしやすいという議論がなされていた印象ですが、その背景には、円買いの為替介入がなされたため、FBの発行量が上述のロジックで減ります。現在、市場にはFBとTBがTビルとして流通していますから、市場で消化可能な短期国債(つまりTB)の増加が可能になったというわけです。
