外為特会の基礎㉒:外国為替資金
今回も、外為特会に関する説明です。今回は外国為替資金です。この「資金」という概念は、外為特会を理解するうえで難しいポイントの一つです。今回はこの点について議論します。
まず、下記は特別会計ガイドブックから切り出してきたものですが、外為特会とともに、外国為替資金があります。

私の理解では、このように特会とは別に、「資金」を設けている理由は2つあります。一つ目は、外為特会は為替介入の資金を管理するという目的であることから、日々、一定の売買をする必要があります。実態としては、外為特会は、円建てのFBでファンディングして、米国債などを保有しています。米国債は債券なので満期を迎えますから、テクニカルに償還を迎えて再び投資するという必要もあります。
もっとも、その取引のたびに、例えば、国会などで特別会計における歳入・歳出をとりあつかうには煩雑すぎます。また、このようなことはマーケット業務にあっていないといえます。そのため、実際の売買は、外国為替資金と呼ばれる「資金」で売買して、年度末などに特別会計に繰り入れて、特別会計で、会計の報告をするという形がとられています。
下記にも、外為特会と外国為替資金の関係をしめしていますが、下記で記載されているように、外国為替市場(つまりマーケット)で売買される部分は外国為替資金が担っているということがわかるとおもいます。また、その運用収益が特別会計に入るという形になっています。

二つ目は、単年度会計が有する問題を避ける点です。現在、メディアでも日本の財政制度の単年度主義が問題になりますが、外為特会は、為替介入の資金を管理するという観点で、単年度主義はそぐわないといえます。そのため、外国為替資金というファンドを設けることで、単年度主義をこえて管理することが可能になります。
この点について、河上(2016)では下記のように説明しています。
一般会計年度を超えて現金をもつことが必要となる場合が存在することに鑑み、財政法第44条では「国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる」と規定し、法律主義のもとで特別の資金の設置を認めているのである。
そして特別の資金とは「一会計年度内に消費し尽くすことのない意志をもって保有する金銭」、あるいは「一会計年度内に消費し尽くさずに、特定の目的用途に充てるため保有する国庫金で、その運用の結果取得する財産も含まれる」と解される(p.30-31)。
資金の概念について、「予算と財政法」では下記のように記載しています。
特別の資金とは、一会計年度内に消費し尽くすことを予定せず、一般の現金と区分して保有、運用され、主として歳計外で経理される金銭である。
資金は、まず、一会計年度内に消費し尽くされないものであり、会計年度独立の原則の例外をなすところにその特徴である(p.372)。
なお、資金の概念については、私が前国庫課長と対談して、下記のようなものを作ったため、関心がある人はぜひこちらをご参照ください。
今回は以上になりますが、必要に応じて加筆修正します。なお、これまでの内容は下記にまとめていますので、こちらをご参照ください。
