リネン100%のデニム ”I am dork LINEN DENIM"
ANSNAMのI am dorkから待望の新型、LINEN DENIM。
春先入荷時は本当に瞬殺だった。
個人的にも展示会で惹かれ、欲しいと思っていた1本だったからリストックさせていただいた。
リネン100%でデニムを作る。
しかも、それをただのリネンパンツではなく、インディゴロープ染色まで施した“育つデニム”として成立させている。
I am dorkらしい発想だと思う。






LINEN DENIM
col INDIGO
size 2
¥46,200(in tax)
この生地に使われているのは国産のリネン100%デニム。リネン特有のシャリ感や光沢、風を抜けるような軽さを持ちながら、糸には約100年前の古い時代のデニムと同じくインディゴロープ染色が施されている。
ロープ状に束ねた糸を何度もインディゴに潜らせ、空気酸化によって色を定着させる伝統的な染色技法。この染色方法の特徴は、糸の表面だけを濃く染め、芯を白く残すこと。だから穿き込むほどに表面のインディゴが削れ、ヴィンテージデニムのような美しい経年変化が生まれる。
実はこのロープ染色、本来はコットン糸との相性が良い技術として発展してきたもの。リネンは繊維が長く滑らかで、ハリもあるからコットンとはまったく性質が異なる。
だからリネン100%の生地でロープ染色を採用している例は決して多くないと思う。
僕自身も初めて見たし、中野さんですら「初めて見た珍しい生地」と話していたほど。
育ち方は普通のXXデニムみたいにバキバキのヒゲを作るというより、繊維の長いリネンだから、徐々に青みが抜けてグレーがかったスモーキーなブルーへ変化していくはず。
この先どう変化していくのかまで含めて楽しめる素晴らしい生地。
デニムの色落ち文化と、リネンの清涼感や落ち感。
本来交わることの少ない二つの魅力を、一つの生地の中で成立させてしまった、かなりマニアックな試み。
それがこのリネンデニムの面白さだと思う。





そして、実際に穿いてみるとまず驚くのが、その心地良さ。
リネン100%ならではのドライなタッチ。
肌に張り付く感覚がほとんどなく、常に生地と身体の間に空気が流れているような感覚がある。
汗ばむ真夏ですら快適。
デニムと聞くとどうしても重さや暑さを想像してしまうが、このパンツはまったく別物だ。
風を受けるたびに生地が揺れ、リネン特有の清涼感が身体を包み込む。
真夏に穿きたくなるデニム。
そんな矛盾した言葉が成立してしまう。
見た目もまた素晴らしい。
リネン特有の上品な光沢。
光が当たる角度によって生地の表情は大きく変化し、インディゴの濃淡が豊かに浮かび上がる。
深いネイビーに見えたかと思えば、次の瞬間には少しグレーがかった柔らかな表情を見せる。
一般的なコットンデニムにはない独特の陰影。
同じインディゴでありながら、その見え方は明らかに別物。
デニムの無骨さと、リネンの上品さ。
その相反する魅力が同居しているからこそ、このパンツには独特の色気がある。
シルエットに関して、
気に入って毎シーズン仕入れているI am dorkの定番WORK PANTSは、裾まで一直線に落ちる迫力満点のドカンシルエット。
対してこちらは、一見すると同じようなワイドパンツに見えながら、実は裾に向かってほんの少しだけテーパードを効かせている。
その変化は本当に僅か。けれど、その僅かな差が大きい。
ワイドなのに重たく見えず、ルーズなのにどこか品がある。
リネン特有の落ち感も相まって、生地が身体の周りを自然に流れるような美しいシルエットを描いてくれる。
定番WORK PANTSが"無骨な迫力"だとしたら、こちらは"抜け感と色気"。
同じブランドのパンツでありながら、目指している景色は少し違うように感じる。



そして何より、このパンツはサイズを合わせて穿くものではないと思っている。
I am dorkが描くのは、映画"KIDS"に出てくるような自由で気取らない90年代のスケーターたち。
だからウエストはあってないようなもの。
ベルトでギュッと絞り、腰回りにたっぷりと生地を溜めながら穿くくらいがかっこいい。
その少し不格好なバランスの中に、不思議な格好良さがある。
だから当店ではサイズ2だけをセレクト。
身長170〜180cmくらいの方が穿いた時、このパンツが持つ本来の迫力や抜け感、そしてI am dorkらしい空気感が最も自然に表現できると思う。
綺麗に穿くためのデニムではない。
けれど、上質なリネンとドレス由来の縫製によって、不思議なくらい品が残る。





サンダルにTシャツだけでもいい。
古着のデカいネルシャツなんかもいい。
シャツやジャケットを合わせてもいい。
”適当に穿いているようで、なぜか格好いい”
”カルト的人気を誇る映画"KIDS"に出てくるスケーターのような自由さと、ドレス仕立ての上質さ”
本来交わらないはずのものを成立させてしまう。
その矛盾こそがI am dorkの魅力であり、このパンツの魅力だと思う。
真夏の強い日差しの下で穿きたい。
そして何年もかけて、自分だけの一本に育ててほしい。
そんな気持ちで仕入れた、特別なリネンデニムです。

HAUTE 橋本
