世界禁煙デーに合わせた禁煙啓発イベントの企画は難しい
5月31日はWHOが定めた「世界禁煙デー」です。
厚生労働省では、世界禁煙デーに合わせて、禁煙フォーラムなどの啓発イベントを開催しています。
私が、健康局のがん対策・健康増進課長だったときに担当しました。
フィギュアスケートで、女子初の4回転ジャンプを成功させた安藤美姫さんを呼んで、トークイベントを実施しました。
芸能人では、安藤さんのほかに何人か候補者がいたのですが、課長特権(?)で安藤美姫さんに決めました。
もし、選んだ芸能人がタバコを吸うことがばれたら、厚労省としては一発アウトですので、慎重に、責任ある立場の課長がじきじきに決めることにしたのです。(すこし怪しい気もしますが……)
例えば、女優さんにはタバコを吸う人が多いとか、元アイドルはタバコを吸うとか、いろいろ難しいことがあります。
独断で安藤美姫さんに決めたのですが、広告代理店の人から、安藤美姫さんのお母さんの了解をもらって欲しいと言われたのです。
本人が了解しても、母親がうんと言わないとイベントに出ることができないとのこと。
安藤さんのお母さんは、いわゆる「ステージ・ママ」でした。
「母親と会う日時をアレンジしますので、課長から直接お母さんに頼んでください。そこのところよろしく!」
と言われました。
おい、それをするのが広告代理店じゃないのかーと思いましたが、
「我々がやるよりも厚労省の課長から直接お願いした方が効果があります!」
と言いくるめられてしまいました。
これはやばい。
もし断られたらどうしようか。
そもそも話が合うのか……。
聞くと、私とお母さんの年齢は同じくらいで、ほぼ同級生でした。
そして運命の日、横浜のホテルで対面しました。

まず、厚生労働省の禁煙対策やWHOの世界禁煙デーの説明をしてから、安藤美姫さんのイベントへの出演依頼をしようと思いました。
名刺を交換した際に、
気になっていたことを
ついつい聞いてしまいました。
「高校のときに別冊マーガレットに連載されていた槇村さとるさんの『愛のアランフェス』を読まれていましたか?」
当時、人気のフィギュアスケートの漫画でした。
私は、高校時代には宮崎市内に下宿をしておりました。
同じ下宿にいた延岡出身の同級生(男)は、少女漫画しか読まない奴でした。
マーガレット、リボン、なかよし、ブーケなどを読んだ後に、私の部屋に持ってくるのです。
こげなもん、いらんがな。
最初は見向きもしませんでしたが、ためしに読んでみるとなかなか面白い!
伊賀のカバ丸やら、ポケットにいつもショパンやら、岩館真理子さんやら、すっかりはまってしまいました。
東村アキコさんと同じです。
ミキティのママは、当然のごとく読んでいて、話が盛り上がりました。
黒川さんが素敵、
コーチも格好いい、
ロシアのペアはすごい、
などとずっと漫画の話をしていたら、
しびれを切らした
広告代理店の人がやってきました。
「ところで、話は決まりましたか?」
う。いかん。忘れておりました。
「実は、安藤美姫さんに厚労省の禁煙イベントに出ていただきたいのですが」
と頼んだところ、即OKでした。
漫画は身を助けます!

安藤美姫さんは、子どもが生まれてそれほど経っていない時期でした。
週刊誌には
「独占スクープ!父親は外国人のコーチか?」
といった記事がたくさん出ており、
子どもを連れて外に出歩くことはないだろう
と思っていたら、
まさかの子連れ本人登場で、驚きでした。
ちなみに、赤ちゃんの髪の色と目の色は、△×○▲□×●(削除しました)。
週刊誌の記者には気をつけて。
ステイ・ホーム!
これはコロナのときの標語でしたね。
今となっては懐かしいです。
実際のイベントでは、安藤美姫さんは、
子どもとタバコの害について話されていました。
子どもを産んだばかりなので、
説得力がありました。
いつか、
フィギュアスケートの試合を間近で見て、
花束をリンクに投げてみたいと思っています。
