国会のミネラルウオーターは、リチウムがたくさん入っているものを選ぶべき
リチウムは、モバイル機器や電気自動車などの電池材料として用いられます。
オーストラリアやカナダ、中国などの鉱山でとれますが、精製加工を行うプラントは中国に集中しています。
こうした「中国依存」は、安全保障上の課題となっています。
日本の企業は、カナダで鉱山開発から精製まで一貫して行う体制を構築し、米中摩擦が激化しても安定供給ができるようにするとのニュースがありました。

実は、リチウムは、躁病患者の治療に使われます。
リチウムが躁病の患者に効果があることを発見したのは、オーストラリアのケイドという無名の精神科医です。
ケイドは、第二次世界大戦でオーストラリア軍の軍医として従軍し、日本軍の捕虜となりました。
捕虜収容所に三年いて、戦後、母国に帰国することができました。
ケイドが躁病の患者を観察したところ、早口でしゃべり、多幸感にあふれていました。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状に似ていると感じました。
バセドウ病の症状は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて引き起こされます。
ケイドは、躁病はある代謝物が過剰になって起きた中毒ではないか、と仮説を立てます。
躁病患者は、その代謝物が分解された化学物質を多く外に出しているのではないかと、尿に目を付けました。
ケイドは、躁病の患者の尿を集めて、モルモットに注射する実験を始めました。
当初、尿酸濃度を変えて実験することを考えますが、尿酸は解けにくいことが判りました。
そこで、尿酸の代わりに解けやすい塩を使用することとして、塩酸リチウム塩を使用してみました。
するとモルモットがおとなしくなったのです。
この沈静効果は、尿酸のときには観察されませんでしたので、リチウム塩の効果であることが判明しました。
リチウムは自然界に多く存在する金属元素です。
火山性の岩ならほとんどにあります。
またリチウムは安全でした。
躁病患者にリチウムを投与してみたところ、躁状態が改善したのです。
一九四九年に、ケイドはこの実験結果をオーストラリアの医学雑誌に投稿しました。

地球の裏側の医学雑誌は、普通見られませんが、デンマークのオークス大学の精神医学のショウ教授が目にしました。
ショウ教授の家系には躁病患者がおり、ケイドの論文が目に入ったそうです。
ショウ教授も試してみて、リチウムが躁病患者に効果があることを確認しました。
一九六〇年代半ばには、リチウムが躁状態の改善に効果があることは、一般の精神科医にも知られるようになりました。
ちなみに、ペリエなどのミネラルウオーターにはリチウムがたくさん入っているそうです。
国会の各委員会室で用意してあるミネラルウオーターには、リチウムがたくさん入っているものを選ぶべきだと密かに思いました。
理由は、……おいしいからです。
それ以外の理由など、あるはずもありませぬ!
