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がん教育、がん検診、治療と仕事の両立支援の三本柱で、がんを生涯にわたってマネジメントしていくことが既にある未来である

がん対策推進企業アクションの職域におけるがん対策の最新情報宮崎セミナーに出席しました。

アドバイザリーボードの議長をされている中川恵一先生の講演を聴きました。

中川先生は、東京大学大学院で、総合放射線腫瘍学の特任教授をされています。

私は、厚労省健康局がん対策・健康増進課長をしていたときから付き合いがあります。

およそ10年ぶりの再会でした。

中川先生の講演のタイトルは「職域がん対策の進化」で、大変勉強になったので、ハベレオ通信で紹介させていただきます。

日本では、生涯で男性は3人に2人が、女性は2人に1人ががんに罹患している状況。

世界のトップクラスで、この理由は日本が高齢化したから。

がんは、台風や地震のように突然に起こる災いではない。

相当に制御可能な病気であり、備えることが大事。

神経の難病であるALSは原因不明で発症を防ぐことはできないが、がんは防ぐことができる。

がんのことを知ることにより、コントロールが可能である。

例えば、子宮頸がんは、1次予防のワクチンと、2次予防の検診により、根絶することが可能ながんとなっている。

子宮頸がんは、20歳前後の性交渉でヒトパピローマウイルスが感染しておよそ20年後、40歳前後に発症のピークが来る。

オーストラリアは、子宮頸がんの根絶に近い状態になりつつある。

宮崎県は子宮頸がんによる死亡率が高い。全国3位の状況。

防ぐことができるのに、防げていない。

私も、自分ががんになるとは思っていなかった。

当直のときに、超音波検査装置で自分の身体を診ていたら、膀胱の中に突起物があるのを発見した。

尿がたまっていて、膀胱が膨らんでいたのでよく見えた。

2018年12月9日のこと。

その画像を後輩の医師に見せたら、「膀胱がんですね」と言われた。余命まで告げられた。

膀胱の内部は上皮組織からなっている。外部に接している臓器は上皮からなる。

例えば、喉、食道、胃などの臓器は、上皮からなり、細胞の新陳代謝が激しい。

遺伝子のコピーがたくさん作られる。そんなときに、うまくコピーできないとがん細胞になる。

膀胱がんは、表面から次第に奥の組織へと浸潤していく。

痛みがない。がんの特徴は症状がないこと。

肺炎は症状があるが、肺がんは症状がない。
膀胱炎は症状があるが、膀胱がんは症状がない。

内視鏡による手術を受けて、12月31日に退院した。

1月4日の御用始めの日からは通常に勤務した。

治療と仕事の両立支援は、基本的に早期発見から始まる。

がんになって治療をするときに、社員のほうから言い出さないと、会社は分からない。個人情報の壁がある。

治療と仕事の両立支援をやっているかどうかを調べることは、いい会社かどうかを判断するメルクマークになる。

ひとつの社風であり、ブラック企業では絶対にない。

がんになった患者の3分の1が離職をすると言われている。

がんを知ることは、がんをコントロールすることになる。

がんの治療法を知ることは大事。

前立腺がんの高精度放射線治療は、副作用もすくなく、わずか1回の照射、6分30秒ですむ。

外科の先生に診てもらうと手術になる。

欧米では6割は放射線治療の適用となるが、日本では3割。

がん教育は、学習指導要領に入っている。

学習指導要領に入っていることは、日本人として知っておかないといけないこと。

高精度放射線治療も教科書に載っている。

がんの緩和ケア、がん検診も学校で教えられている。現在の子ども達は知っているが、大人は知らない。

がんの原因は、遺伝や感染がある。

乳がんや卵巣がん、前立腺がんは遺伝がある。

胃がんは感染が原因で、ピロリ菌によるもの。

日本では中学生では2%くらいしか感染していないが、高齢者は80%が感染している。

胃がんは、ピロリ菌の感染が根絶されれば減っていく。

中学生の教科書には、がんの大きさが1㎤から2㎤の大きさになるのに1~2年間かかることが掲載されている。

このため、がん検診は1~2年の間隔で設定されている。

がんは細胞の老化で起こる。

がんは上皮から発生する。

上皮は死にやすい。新陳代謝が盛ん。これを補うために新しい細胞ができる。そこで遺伝子のコピーミスが起こる。

タバコや一日三合以上の酒は、がん化を促す。
子宮頸がんや肝細胞がんは、ウイルス感染ががん化を促す。

放射線もがん化を促す。

がんで多いのは、自然発生するがん。

遺伝子の経年劣化が原因。遺伝子は物質であり、劣化する。

どの遺伝子が劣化するのか。それはランダムに起こる。

自然発生は運である。偶発的な損傷であり、生活習慣を整えるだけではなく、早期発見のための検診を受ける必要がある。

がんは遺伝子の老化と、免疫力の老化、の組み合わせで起こる。

世界でも最も高齢化が進んでいる日本人こそ、がんを知る必要がある。

がんに備える基本としては、生活習慣とがん検診がある。

がんというリスクに備えるためには、二段構えで対応する必要がある。

がんを交通事故に例えると、生活習慣が安全運転、がん検診がシートベルトになる。

たばこはがんの原因となるが、加熱式たばこは、現在のところリスクが不明。日本が最大のマーケットとなっている。

フィリピンやインドネシアでは所持不能という扱いになっている。

酒は百薬の長という諺があるが、いずれ死語となるのではないか。

間接喫煙のようなリスクはないが控えた方がいい。宮崎は焼酎を飲む人が多いが、一日三合までに。

糖尿病は、がんのリスクを1.2倍高める。
ずっと坐っている人も、がんのリスクを高くする。

がん検診は、健康増進法にあるエッセンシャルなものをきちんと実施する必要がある。

いろいろと新しい種類のがん検診があるが、むやみやたらに飛びついてはいけない。

科学的根拠があると国が評価しているがん検診は、無料か自己負担額が低くなっており、安価である。

高価ながん検診は選ばないこと。

がん検診で大事なことは、精密検査を受けること。
精密検査を受けるようにという通知が来たら、受ける必要がある。

がんと診断されるのが怖いと思うのではなく、がんを見つけられるチャンスと捉えればいい。

生涯を通じると、55歳までは、女性の方ががんが多い。

これは老化現象としてのがんではなく、感染やホルモンが原因のがんだからだ。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が原因で30~40歳に多い。乳がんは閉経直前のホルモンバランスの崩れる40歳代が最多。

会社では30~40代の女性が多い。職域での乳がん検診、子宮頸がん検診が大事。

一方、人で不足の日本では、高齢者が70歳まで働くことになる。老化現象としてのがん検診が大事になる。

子どもには学校でがんについて学ぶことができるが、大人はがんの教育を、会社や企業でやってもらいたい。

ちなみに学校では、医学生とがん経験者がペアを組んで、がん教育を行うと効果がある。

学校医の先生は忙しく、また高齢の先生が多いので、生徒からは離れた存在。

学校医より、わかい医学生の方が、年が近いお兄さんお姉さん感覚で話がとおりやすい。

医学生にとっても役に立つ。学生時代にはインプットしかしない連中だ。アウトプットする機会を与えると勉強する。

今の中学生は、学校でがんを学んでいる。高精度放射線治療も学んでいる。

がんを知ることを、全ての日本人に行ってもらいたい。

勉強になりました。

がん教育、がん検診、治療と仕事の両立支援の三本柱で、がんを知って、がんを生涯にわたってマネジメントしていくことが「既にある未来だ」と感じました。

講演を聴いて「がんマネジメント」という本を書いたらとひらめきました。

がんを知るがん教育、がんにそなえるがん検診、がんの治療と仕事の両立を実現させる、こうした生涯にわたるマネジメントは大事です。

特に女性は、遺伝と生活習慣だけでなく、子宮頸がんと乳がんという「変数」があります。

我が国初の女性総理である高市総理が、2月20日の施政方針演説で訴えた「女性の生涯にわたる健康支援の強化」が必要だと感じました。

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