麻酔科は、一昔前はフリーランスの麻酔科医が高給で手術を請け負うことが跋扈していた
最近のハベレオ通信では、他人のふんどし作戦を展開しておりましたが、新規一新して、自力でネタを探さないといけない、と本屋に行きました。
当然のごとく漫画コーナーを見ました。
医療漫画の新作がありました。
DOCTOR PRICE (ドクタープライス)です。原作は逆津ツカサさん。作画は有袖まさきさん。
私が知らなかっただけで、5巻まで出ており、既にテレビドラマ化されていました。
以下、ネタバレを含みますが、ご紹介させていただきます。

プロ野球選手を目指していた主人公の鳴木金成(なるき・かねなる)が、生涯賃金は医師の方が多いと知り、医師になります。
ところが、医師の転職支援の仕事の方が稼げると、医師専門の転職仲介会社を立ち上げます。
実のところ、あんまり期待せずに、読み始めたところ、はまりました。
医師の狭い世界のさまざまな「あるある」が、満載でした。
まだ1巻しか読んでいませんが、医療法、診療報酬、専門医、女医、消防などのネタもちりばめられており、なかなか勉強になりました。
借金まみれの後輩の救急医を年俸2千万年で雇ってもらおうとしたのですが、院長は、「絶対に無理」と断ります。
そこで、鳴木は、「地域医療体制確保加算」を持ち出します。
救急搬送を年間2千件以上受け入れた病院には、診療報酬が加算されることを説明しました。
要件をクリアーすれば、入院患者1人につき6200円が加算されます。
この病院では年間1800件の救急搬送を受け入れているので、この医師をやとって残り200件を獲りに行くことを提案します。
院長は、医師を増やす余裕はないと断ります。
しかし、鳴木は、「今いる医師を1人クビにすればいい」と言い放ちます。
鳴木は、消防署の救急隊のデータを院長に示しました。
院長は木曜日の救急搬送の受け入れが、圧倒的に少ないことに気がつきました。
木曜日の救急担当の医師が受け入れを拒否したという情報は上がってきておりません。
鳴木は、「救急の受け入れ拒否はデータとして残りますが、救急受け入れ拒否の痕跡がないということは、救急隊が意識的に搬送先にしたくないと思っている証拠だ」と指摘します。
救急隊員の間で、木曜日はこの病院に救急搬送をしない方がいいと、認識されていたのです。
木曜日の救急担当の医師は、救急対応が慣れていない、離婚したばかりで、子どもの都合で残業もできない女性の麻酔医でした。
院長は、この女医をくびにして、借金まみれの救急医を採用します。

鳴木のすごいのは、この女医の転職も担当するのです。
麻酔科は、一昔前はフリーランスの麻酔科医が高給で手術を請け負うことが跋扈していましたが、新専門医制度によって同じ病院に3日間勤務が必要になったので、常勤に復帰したそうです。
このため麻酔科医の常勤のポストが少なくなっているそうです。
緊急の手術が入ることから定時に帰宅するわけにもいきません。
なかなか彼女の希望する病院がないのですが、鳴木は、整形外科の単科病院を紹介します。
この病院では、緊急に行う手術はなく、全て予定された手術で時間管理がしやすかったのです。
しかし、整形外科の病院では麻酔医は足りていると、断られます。
鳴木は、「おたくの病院は並列麻酔をやっている」と、麻酔科医が一時的に手術室から離れたことによって生じた過去の医療事故の例を指摘します。
主人公の名前が、金の成る木とか、とって付けたような名前で、ふざけているのかと思いきや、医学や医療法、診療報酬などの知識がないと、ストーリーの構築が困難だと思いました。
すごい漫画だと思いました。
さっそく全巻揃えますよん。
