昭和の宮崎県内の小学生は皆「夏休みの友」に泣かされた
宮崎県立看護大学の大学院生の講義が終わりました。
4月から8月にかけて月1回、土曜日の午前中の180分の講義をやるのは、かなり大変でした。
事前の準備や当日使用するスライドの作成では、自分もまだ知らないこともたくさんありました。
できるだけ判りやすい本を探したりして、大変勉強になりました。
「教える事は学ぶことになる」ということを、今回はそれこそ身体で学びました。
このような機会を与えていただいた、県立看護大学の松本教授にはお礼を申し上げます。
最後の講義は、保険医療福祉計画の策定・実施・評価でした。
保健師の必須のスキルということで、「小学校の夏休みの計画」を例に解説しました。

夏休みの課題やイベントには以下のようなものがあります。
①夏休みの友
②絵日記
③自由研究
④図画・工作
⑤読書感想文
⑥ラジオ体操
⑦家族旅行(椎葉村のおばあちゃんの家に2泊3日)
計画のゴールは、9月1日に担任の先生に①~⑥の課題を提出することです。
③の自由研究は、椎葉村に行ったときに昆虫採集をするとともに、椎葉村のまことしやかな昔話を調べることにしました。

夏休みの計画の評価です。
まず①ストラクチャー評価です。
これは基盤となる体制の評価です。
人的要因は、昆虫採集や椎葉村での昔話の収集は父からの協力が得られました。
さらに椎葉村歴史民俗資料館の人から詳しい話を聴くことができました。
予算がないので、標本箱は段ボールでサランラップで手作りして、昆虫を指す針は待ち針になりました。
次に②プロセス評価です。
プロセス評価は、目標達成に向けた過程(プロセス)の質的な評価です。
優先順位をどうするか検討した結果、読書感想文は最下位におき、AIの力を借りました。
ラジオ体操は、はんこをもらう必要がありますが、前半は皆勤を目指し、後半はいけるときはいくことにしました。
③のアウトプット評価は、量的な評価です。
夏休みの友1冊。日記帳1冊。昆虫標本箱1冊。椎葉村のまことしやから昔話集1冊。ラジオ体操出席カード。絵1枚。
④のアウトカム評価は、成果の評価です。
椎葉村のまことしやかな昔話集が、金賞を受賞しました。
かように、計画を立てたら、評価をしないといけません。
計画を立てただけでやった気になることはよくわります。

PDCAサイクルについても説明しました。
工場の品質管理から始まったものです。
P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(改善)で、P(計画)からA(改善)までが1サイクルです。
次のサイクルへはA(改善)からP(計画)に戻り、この循環を何度も繰り返すことから、PDCAサイクルと呼ばれます。
このサイクルを回し続ければ、継続的に業務が改善され、おのずと業務の効率化や業績の向上をもたらすとされています。
戦後、日本はこのサイクルで、品質管理を向上させ、高度経済成長時代を迎えました。
しかし、PCDAには以下のような弱点があります。
①それまでに実行してきた施策や行動を評価分析して次の改善策を考えるため、現在進行中のものや今後の環境の変化を取り込みにくい。
②毎回きまったメンバーや手順で考えるといったルーティン化しやすく、結果として現状維持や小規模な変化にとどまり、イノベーションを起こすことは難しい。
③PDCAを回すことが目的化し、複雑で刻々と変わる環境変化の厳しい現在では、結果として過剰適用になり負のスパイラルに陥ってしまう。

少年ジャンプの過剰適用の例があります。
1995年に少年ジャンプは史上空前の600万部を売り上げました。しかしこれ以降、次第に売り上げを落としていきます。
少年ジャンプには、友情、努力、勝利の要素を盛り込むこと至上命令で、読者の心を掴むための重要な要素だとされていました。
ところが、同じような漫画が集まった結果、マンネリで飽きられてしまったのです。
少年ジャンプから左遷されていた編集者が、編集長として呼び戻されることになりました。マシリトさんです。
編集方針を改めて、初代の編集長の方針(新人主義、二人三脚主義、アンケート主義)に立ち返ることになります。
新人は新しい風を引き入れてくれる。しかも原稿料は安い。
新人は、週刊誌の連載を全く知らないので、担当する編集者が二人三脚でサポートする。
アンケート調査結果が悪い作品は、連載終了。
これでジャンプから読者が離れていくのを阻止しました。
行政であろうが民間であろうが、どのような組織であっても計画を立てて、実施し評価をすることになります。
計画を策定、実施し、評価する事務のスキルは本当に大事です。
講義で紹介するのを忘れていましたが、この本はおすすめです。
漫画です。
生きのびるための事務(マガジンハウス)
坂口恭平原作、道草晴子漫画
糸井重里さんは、「この本を読んで興奮している。素晴らしい。人生の奥義だ。青春の戦略だ。幸福の技術だ。」と言っています。
「事務」が一番大事です。

ところで、宮崎県の誇る「夏休みの友」を知らない人がいると聴きました。
夏休みの毎日の宿題帳のようなもので、昭和の宮崎県内の小学生は皆、「夏休みの友」に泣かされました。
知らない人は、お父さん、お母さんに聞いてみてください。
いきなり、怒りだしたり、泣き出したりする人が続出するかもしれないので、リアクションにはお気をつけて。
