NHKで銀河テレビ小説というドラマがあり、三畳一間で聴いた椎名誠さん原作の「新橋烏森口青春編」の最終回のシーンを鮮明に覚えている
宮崎は台風で、朝から雨が降っているので、雨の思い出話をします。
初めて東京に出てきて、労働省の労働衛生課に勤めたときのことです。
中野区のある公務員住宅に住みました。
当時の労働省は、世帯用の宿舎に独身職員を住ませておりました。
今もそうだと思います。今風に言えば、シェアハウスかも。
6畳、6畳、4畳半、3畳の4つの部屋があり、一つだけ空いていた3畳の部屋に入居しました。
親切な3人の先住民たちは、身体一つで東京に出てきた私に、都会で生きていくサバイバル術を授けてくれました。
1つ トイレは掃除されていないので、発生したアンモニアにより目を悪くする恐れがあるので、目をつぶって早めに済ませること
1つ 台所の水道は赤さび水なので、飲用には適さないこと
1つ 風呂はガス風呂だが、発火が難しい。ハンドルをぐるぐると回して、カチカチと音がした後に素早く点火スイッチをひねるとよい。
カチカチ山かと思いました。
しかも、ビールやつまみを用意してくれて、即席の歓迎会をやってくれました。
提供するものが何もないので、福岡から買ったお菓子を開けようとしたら、止められました。
「これは、明日、出勤する課の庶務係にお土産ですと渡した方がいい」とアドバイスされました。
この適切な指導のおかげで、「今どき気が利く新人だ」と思われて、労働衛生課では評価されました。
しかも福岡のお菓子は、知っている人が多く、盛り上がりました。
確か「博多ぶらぶら」だったと思います。
課の人数にははるかに満たない数しかありませんでしたが、食べた人がわざわざ私の席までお礼を言いに来ました。
お土産は、お値段以上の効果があると認識しました。
若かった三人はおそらく退官していると思いますが、最初に大事なことを教えてくれて感謝しています。
三畳一間の部屋は、布団を敷いたら、ほとんどスキマがありませんでした。
しかし、座ったままで部屋の中のどこにでも手が届き、便利でした。
余談ですが、「スキマスイッチ」という歌手の名前を聞くと、なぜが親しみが湧いてきます。
かように狭い部屋でしたが、
居住費が月額2000円+消費税と
極めて低額でした。

この宿舎から、霞ヶ関にある労働省に通いました。
最寄り駅は、西武新宿線の沼袋駅です。
西武新宿駅で降りてアルタ前まで歩いて、地下鉄丸の内線に乗り換えました。
この頃は、まだ地下道で繋がっていませんでした。
雨が多くて、よく傘をさして駅への道を歩きました。
9月はずっと雨だったような気がします。
終電近くの電車で帰って寝るだけの生活で、日曜日は疲れてひたすら眠っていました。
三畳一間にはテレビもないので、ウォークマン的なラジカセで、イヤホンを通してテレビの音声を聞いていました。
NHKで銀河テレビ小説というドラマがあり、たまたま早く帰った日に、椎名誠さんの原作の「新橋烏森口青春編」の最終回を聴きました。
そのシーンを鮮明に覚えております。
いや映像は見ていませんので、勝手に自分の頭の中で想像したものです。
彼女と初めてのデートの約束をしたのですが、待ち合わせ場所に来るかどうか不安でたまりませんでした。
しばらく待っていると、彼女が姿を見せたのです。
そのとき、主人公のシーナ君がつぶやいた台詞が、「ロイヤル・ストレート・フラッシュだ」でした。
その後、ニュースとなったので、これで終わりだと悟りました。
唐突な終わり方だったので、本を買って確認してみたら、原作どおりでした。
もし、椎葉茂樹の名前で、小説「雨の沼袋青春編」を書いたら、椎名誠さんのファンの方々が「最新作が出た!」と勘違いして買ってくれるかもしれません。

銀座のあるレストランに入ったときに、ワインリストに傘マークがあるものがあり、雨の日には半額と書かれていました。
雨が降っていたので、お店の人に聞いたら、「雨の日の半額サービスのワインです。今日はおすすめですよ」と言われました。
そんな店もあるのか、と感心しました。
宮崎で同じ事をやったら、赤字になるかも。
でもなんか応援したい気がします。
