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「ジャケ買い」はあったが、「前書き買い」は初めての経験だった

研修医の羅針盤(羊土社)という本を読みました。

「現場の壁」を乗り越える、
国試に出ない必須3スキル、
というサブタイトルが付いております。

作者は、
県立広島病院整形外科の三谷雄己先生と
JA広島総合病院救急・集中治療科の
髙場章宏先生です。

医師国家試験を終えた医学生、
臨床研修1,2年目の研修医を
主な対象にしています。

臨床現場という大海原で航海を始める、
すべての研修医を導く羅針盤の
ような1冊となり、
立派な臨床医をめざすという
人生をかけた旅路を素敵にする
助けになるよう、
願いを込めて執筆した

と前書きにありました。

VUCA時代と呼ばれる現代において、
医療環境や自己の状況は常に変化し続けます。

重要なのは、あるべき状態(ビジョン)を描き、自ら見えない壁(問題点)を発見し、
それを乗り越える力を身につけることです。

こういうことがコア・メッセージで、
本の中では繰り返し登場します。

「こうした不確実な現実の世界でその力を育むための羅針盤となることを心より願っている」
とありました。

二人の筆者の先生の前書きだけで、
うるうるきてしまう本です。

私は、
このような本をこれまで見たことはありません。

表紙がきれいな「ジャケ買い」はありましたが、「前書き買い」は初めての経験です。

臨床現場で必要な3つのスキル
を提示しています。

①患者さんや他職種とのコミュニケーション・スキル
②診断する力(臨床推論スキル)
③治療方針や対応を決定するスキル(意思決定スキル)


これまでの臨床の教科書では、
②と③が重視されていましたが、
この本では、
コミュニケーション・スキルが一番先に挙げられています。

現場では、これが一番大事なのです。

臨床現場という大海原を旅するには、
仲間とのコミュニケーションが必要不可欠
だと言っています。

ポイントを3つ示しています。

①相手の立場になって考える
②目的があることを意識する
③相手への気遣いや思いやりの心を忘れずに!


コミュニケーションは、
どんなときも、相手の立場になって考え、
行動することが何よりも重要

だと指摘しています。

これって、いろんな職場でも同じだと思います。

医学書というよりは、
臨床現場で快適に働くためのビジネス書
だと感じました。

医師国家試験は個人戦、臨床現場は団体戦

国家試験では答えは一つですが、
臨床現場では答えは一つではありません

正解がないとしても、
患者さんにとって最善
と考えられる選択をしなければなりません。

国家試験で誤った選択肢を選んだ場合は、
自分自身の得点に影響するだけであり
他人に迷惑をかけることはありません。

臨床現場では、
誤った選択をすることで
他職種への負担をかけたり、
患者さんに不利益を与える可能性があります。

他者と協力し、
1つとは限らない「正解」を導き出し、
自分で責任をもって決断することが
臨床現場では求められています。

国家試験の勉強をするだけでは、
これらを達成する知識やスキルを
身につけることはできません。

厚生労働省が示している
「臨床研修の到達目標」
は、
医学生の認知度は3%、
臨床研修医で15%だとのこと。

「到達目標」はまだ十分認知されていませんが、
筆者は、
この目標は医師として現場で必要とされる需要や資質や能力が多く含まれていることがわかる
と言っております。

普通は、
国はけしからん、
厚労省は現場の実態を知らない、
という本がよく散見されますが、
この本は違います。

厚労省の「到達目標」の中に、
コミュニケーション能力
チーム医療の実践

などが挙げられていることを評価しています。

すべての職場でいえることですが、
コミュニケーション能力は大事
です!

相手の立場を考え、
自分の目的を達するために、
相手への気遣いや思いやりを忘れず
に、
行動していきましょう。 

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