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地域枠の医学生は自分に投資する必要がある

先週末に、宮崎県キャリア形成卒前支援プランキックオフミーティング~地域医療について考えよう~がありました。

宮崎大学地域枠、長崎大学宮崎県枠、自治医大の合格者とその保護者が出席しました。

宮崎県知事の前で、「こんな医師になりたい!」と宮崎大学地域枠A・B・C合格者から各1名、長崎大学宮崎県枠合格者、自治医大合格者から各1名の計5人が宣言をしました。

その中で「全人的な医療をやりたい」と述べた学生さんがおり、知事が「これは高木兼寛のことを意識して述べたのですね」と感心されておられました。

河野宮崎県知事

知事が退席された後に、地域医療講話として15分間講演をしたのですが、高木兼寛のことをかなり盛り込みました。

まだ高校生か浪人生なので、知らないだろうと高をくくっていたら、後生畏るべし。

高木兼寛のことを知っていた学生がいたとは……。

私が高校の頃には、高木兼寛のことは全く知りませんでした。

産業医大に進学して、公衆衛生の講義の中で、宮崎県出身で、海軍で疫学をつかってかっけの予防を行った世界的にも有名な医師だということを初めて聞きました。

作家の吉村昭さんの「白い航跡」で、高木兼寛の功績が一般に知られるようになりました。

吉村昭さんには、青森にいたときに、白い航跡の本にサインをしていただいたことがあります。

吉村先生は、飲み会で「私は宮崎県の恩人だ」と笑いながら言っておりました。

「私が、小村寿太郎と高木兼寛の小説を書くまでは、宮崎県人でさえ、二人のことを知る人はほとんどいなかった」とおっしゃっていました。

小村寿太郎の小説は「ポーツマスの旗」です。

宮崎県人ならば、吉村昭さんのこの二つの小説は読んでおくべきです。

宣言する合格者

さて、私は新しく医学生となる学生さんたちに、次の5つが大事だと言いました。

①今日のセミナーの後に、ご両親にお礼を言うこと

②それぞれが入学して学ぶ大学に惚れること

③憲法第25条を暗記すること

④高木兼寛のことを研究すること

⑤自分に投資すること


①は「感謝脳」を育むためのものです。

まず、最初に、これまで育ててくれた両親に感謝の言葉を言ってくださいと言いました。

②は、大学で出会う先生や同期や先輩や後輩は一生の宝です。何歳になっても助けてくれます。

私も、産業医大の先生や同期からいろいろと助けてもらいました。

初代学長だった土屋健三郎先生からは、「感謝されない医師」になれと言われて、厚労省の医系技官となりました。

土屋学長からは、「働く人の健康を守ることを最優先せよ」という教育を受けました。

2011年4月21日に、東日本大震災での東京電力福島第一原発の医療支援のために集まった6人の医師は、全員が産業医大の出身でした。

所属は、東京電力、産業医大、日本救急医学会、広島大学、新潟労災病院、厚生労働省と全員違っておりましたが、偶然の一致で驚きました。

なんとかして原発内で働いている人の健康を守りたいという心が共通していました。

全員が土屋健三郎学長の影響を受けていたのです。

グループワークのテーマを説明する黒木先生

③の憲法第25条は生存権の条文です。

医師法、歯科医師法、薬剤師法、保健師助産師看護師法、獣医師法の任務には、公衆衛生の向上に寄与することが銘記されています。

医師になるのであれば、医師法第一条の医師の任務の規定と、憲法第25条との関係について理解しておくことが不可欠です。

私は、富山県に赴任するときに、知事から辞令をもらう前に、県の労働組合の事前交渉がありました。

幹部のひとりから「憲法第25条を言え」と言われて、答えることができたので助かりました。

もし知らなかったらと思うと、ぞっとします。

④の高木兼寛のことは、触れました。

宮崎市高岡町に高木兼寛の生家跡があるので、ぜひ、車の免許を取得したら、最初のドライブでここに行って写真をとってくるようにお願いしました。

東京の青山墓地には、奥さまと二人ではいっているお墓があります。

東京慈恵会医科大学が管理しており、私が行ったときは、きれいに清掃された花がありました。

宮崎大学と慈恵医大は、KANEHIROプログラムを結んでおり、卒前教育での交流事業があります。

⑤の自分への投資については、変動、不確実、複雑、曖昧なVUCAの時代を生き残るためにも大事だと強調しました。

投資の例として、つみたてNISAによる資産形成,iDeCoによる自分の年金の構築、読書、日本地域医療学会学生会員になること、プレゼンスキルの取得、の5つをあげました。

NISAによる投資で経済がわかります。医療は医療費という経済がないと回りません。

年金が崩壊するというトンデモ話を信じているなら、自分でつくればいいのです。IDeCoで社会保障が学べます。

読書は、まさに学びの王道です。

読書を通じて、医学はもちろん、医療はサービスでありビジネス書や英語の本、心理、経営、自己啓発、マーケティング関係を学ぶ必要があります。

日本地域医療学会の学生会員は、年間100円です。

全国の総合診療・地域医療を学びたいと考える医学生が多数参加している学会です。

私も、2年連続、冨山、新潟で開催された学会に参加して感銘を受けました。

最後のプレゼンスキルは、一番重要です。医師はプレゼン力が大事です。

読書をしてその感想分をnoteにアップするとか、いろいろな方法があります。

発表するとそれを聞いた人から連絡があります。自分を引き上げてくれる人は、いつも他人です。

会場をみていたら、学生さんの中にはメモをとる人が何人かいました。

野村監督なら、一番最初に言うと思います。

メモを取れ、頭の片隅に記憶を残せ、いつか役に立つときが来る。

「失敗」と書いて、「せいちょう」と読む。

ファシリテーターの宮本先生

私の講演の後は、学生さんたちは、7グループに別れて、約1時間のグループワークをしました。

宮崎の医療をよくするために自分は何ができるか〜学生時代にやるべきこと、できること〜」をそれぞれの考えを述べ合いました。

各グループで最後にまとめたスローガンが良かったです。

1班 交流と還元

2班 一期一会

3班 宮崎と仲良くなろう!

4班 見すえるはグローバル、ローカルに還元


5班 学びを生かす

6班 地域に根ざした医師 ー患者さんと医療の架け橋ー

7班 技術も人間性も備えた医師になる

小松先生の総括

グループワークのファシリテーターは、地域医療振興機構宮崎大学分室の医師だけでなく、現役の宮崎大学医学部生3人が勤めました。

数年前は、スタートアップセミナーに参加した人たちです。そうした現役の学生さんにも刺激になったと感想を述べていました。

いいスタートアップセミナーとなったと思います。

企画・準備をされた宮崎県医療政策課の皆さん、宮崎大学医学部の教職員・学生の皆さま方にお礼を申し上げます。

お休みの日にありがとうございました。

週末私は、綾町で買ってきた鮎の日干しを少しオーブンであぶって、熱燗を注いた骨酒を堪能しました。

最高でした!

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