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血液感染以外での感染のないC型肝炎ウイルスは、日本は2027年までに撲滅を達成する

臨床的に問題のあるウイルス性肝炎には、現在のところA,B,C,D,Eの5つがあることが判っています。

私が、医学生だった頃は、A型肝炎とB型肝炎しか判っておらず、それ以外は非A非B肝炎と言われていたことからすると隔世の感があります。

医学の進歩はすごいなと思います。

このうちA型肝炎ウイルスとE型肝炎ウイルスは、水や豚レバーなど飲食物で感染し、感染症法では4類に位置づけられています。

B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスは、かつては血液や体液を介して感染し、感染症では5類となっています。

D型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルスと共存していると言われており、金魚の糞または小判鮫的な存在なので、臨床的にはそれほど問題になっていません。

A型肝炎ウイルスとE型肝炎ウイルスは、経口的に感染し食中毒の原因となります。

A型肝炎ウイルスは生牡蠣、E型肝炎ウイルスはブタの生レバー、シカの刺身、イノシシの加熱不十分な肉を食すると起こることがあります。

急性症状が中心で、慢性化することはないと言われています。

一方、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染しますので、輸血などの医療行為、針刺し事故などで感染することが知られています。

どちらも慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんと重症化しますので、徹底した予防や治療を行う必要があります。

献血された血液は核酸増幅検査によるスクリーニングが行われていることから、現在では輸血による感染はほぼゼロとなっています。

B型肝炎ウイルスは、感染した母親から出産のときに感染する(垂直感染)と、成人期の性行為による水平感染があります。

C型肝炎ウイルスは、血液感染以外での感染はほとんどないと言われており、いずれ消えていく運命です。

日本では、2027年までに撲滅を達成されることが示唆されています。

B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの難しいところは、持続感染者(キャリア)の存在です。

自覚症状がないため、適切な治療を受ける機会がありません。本人が、気がつかないうちに進行して肝硬変や肝臓がんになることがあります。

B型肝炎ウイルスのキャリアは110万人~120万人、
C型肝炎ウイルスのキャリアは90万~130万人、と推定されています。

キャリアの人を早く見つけて、
肝硬変や肝臓がんへの移行する人を減らす

ことが、国の目標となっています。

こうした目標が掲げられるようになった背景は、治療薬の進歩にあります。

これまではインターフェロンの注射しかありませんでした。

今では、
インターフェロンを使わない
インターフェロンフリー治療が
行われるようになりました。

B型ウイルスによる慢性肝炎の治療薬としては、核酸アナログ製剤のテノホビルなどが開発され、保険適用となっています。

C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎の治療は、
内服するだけでウイルス排除が可能
な薬が開発され、保険適用となっています。 

こうした抗ウイルス剤は高額ですが、
国の助成制度があり、
原則月当たり1万円を超える場合は
医療費が支給されます。

私が医学生だったときには、
当時の日本医師会の武見太郎会長が
「21世紀は慢性肝炎が国民病となる」
と警告していました。

前の厚生労働大臣のおじいさんです。

しかし、この予想は外れ、
B型肝炎もC型肝炎も治療薬が出来て、
新たなステージへと転換しました。

2009年に肝炎対策基本法が成立し、
肝炎対策の推進に関する基本的指針は、
5年ごとに見直され、
対策が進められてきています。

施策の基本的な方向は、次の3つです。

肝がんへの進行予防、
感染治療の効果的推進のため、
経済的負担軽減を図る。


検査・治療・普及・研究を
より一層総合的に推進する。


検査未受診者の解消、
肝炎医療の均てん化、
正しい知識の普及啓発を着実に実施していく。


まずは検査を受けてもらって、
抗ウイルス薬による治療を進めていくことが
重要です。

B型肝炎の予防は、
新生児期のワクチン接種が有効です。

こうした取組を進めて、
我が国から肝炎ウイルスを撲滅していくことは、かなり現実的な話だと思います。

肝炎ウイルス対策は、ワンヘルスです。

E型肝炎ウイルスは、
ブタやイノシシ、シカにも広く感染しています。

食中毒によるA・Eの急性肝炎予防と、
検査による早期発見と医療費助成による
速やかなB・C肝炎治療を推進していく
必要があります。

こうした知識や制度などの
普及啓発をみんなで展開していくといいですね。

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