宮崎大学医学部の地域枠の一年生に講義をして、感想が届いた
宮崎大学医学部の地域枠の学生に講義をしました。
タイトルは、「宮崎県の医療の将来像」です。
講義を聴いた地域枠の学生さんからの感想が届きました。
A4の用紙にびっしりと書き込まれた手書きの文章を見て、手応えを感じました。
しかも講義を受けた後に書いて、その場で提出するので、結構大変だったと思います。

地域枠の学生の感想で多かったのは、次のようなものでした
宮崎県の人口が減少することについては、
誰も知らなかったようです。
具体的に、毎年7千人、町1個分が消えていく、と言ったらほとんど全員がそのことを感想にかいていました。
高齢化が進み、
病院の入院患者は75歳以上が75%を占める。
75歳以上の後期高齢者の特徴は、
多くの合併症を抱えており、
難聴や認知症を持ち、
介護保険の利用者であり、
施設の入所者も多い。
そんな入院患者に、
急性期の臓器別の専門医は通用しないが、
「病気を診ずして病人を診る」総合診療医は
通用する。
そういうことを講義で言ったので、
描いていた臓器別の専門医を考え直そう、
総合診療医をめざそう
と書いた学生がいました。
医師としての品位を損する行為があった者には、法律に基づき
医師免許の取り消しや
医業の停止を行うことを
実例で伝えたところ、
かなりの学生がびびっておりました。
医師免許をとったら資格は永遠だ、
と思っていたようです。
文科省が作成した
医学教育コアモデルカリキュラムには、
医療機関で働く医師を養成する
とは書いておらず、
地域の多様な場や人をつなぐことを目的
としていると言ったところ、
これに多くの学生が衝撃を受けていました。

またALL MIYAZAKIの体制で医師養成をしている宮崎県の体制にも反応がありました。
知事、教育長、宮崎大学学長、宮崎県県医師会長が応援していると聞いて、感謝している学生もいました。
医には、医学、医療、医道がある。
特に医道の、医の倫理が大事で、
「利他」の精神や、
幕末長崎に来たオランダ人医師ポンペの言葉
を紹介したところ、
かなりの反響がありました。
医の倫理は、
学生時代に徹底的に教える必要があります。
産業医大の学長の言葉
「感謝されない医師を目指せ」
という言葉を紹介したところ、
感謝されない予防を担う公衆衛生医師に
興味をいだく学生もいました。
これは、将来の宮崎県に勤務してもらう公衆衛生医師の確保にもつながると確信しました。
「快適領域」にとどまっていては発展はない。
快適領域の隣には
恐怖領域があるので
なかなか一歩が踏み出せないが、
恐怖領域を越えると成長領域に到達して、
おおくの発展がある
そういうことを語ったところ、
何人かが快適領域を脱して成長領域に行きたい
と抱負を述べていました。

学生は、打てば響くという感じでした。
面白い話をすると笑ってくれ、
医師法の処分の話をすると
シーンとなっていました。
「75歳以上の合併症の多い一人の後期高齢者に、急性期の臓器別専門医が個別撃破で立ち向かってどうする。病気を診ずして病人を診よ、高木兼寛の言葉を思い出せ!」
この言葉を発していた瞬間が、一番学生が聞いてくれていたような気がします。
学生さんたちに、
絶え間ない情報提供を行い、
地域での診療の面白さを経験させる取組を、
オール宮崎で取り組みたいですね。
TBSの日曜劇場で、総合診療医のドラマ「19番目のカルテ」が放映されました。
病気を診ずして、病人を診よ。
高木兼寛の言葉は、古今を貫いています。
