アリューシャン列島の師団の壊血病予防のために偽造電報を使って統制品をフライング・ゲットした
「経理から見た日本陸軍」(文春新書)
という本があります。
防衛省事務官だった本間正人氏が書いた本です。
千島列島の得撫島の守備を担当していた
陸軍第四二師団では、
兵が歩いているうちにバタバタと倒れて死ぬ
という怪奇現象が頻発しました。
調べた結果、
ビタミンC不足による壊血病
であることが判明しました。
予防と治療に有効なものは抹茶
ということが判明し、
第42師団では抹茶を入手しようとしました。
ところが、遠洋航海を行う海軍が、
抹茶を統制物質に指定して抑えておりました。
海軍の「切符」がない限り、
入手することができなかったのです。

第四二師団の柴田昌郎主計大尉は、
「師団の命運を握る抹茶を入手せよ」
という師団長の特命を受けて、
内地に出張しました。
京都の宇治にある抹茶屋に行ったところ、
既にこの店の抹茶は
海軍に押さえられていました。
柴田大尉は、東京に引き返して、
海軍省の近くの虎ノ門の郵便局から
「海軍省衣糧課長」の名前で電報を打ちました。
陸軍の柴田主計大尉が行くので、譲渡されたし
柴田大尉が宇治の抹茶屋に行って、
「海軍省から電報が来ているか」と聞いたところ、「来ています」と返事がありました。
こうして柴田大尉は、抹茶を入手し、
持てるだけ積んだ飛行機で
得撫島に帰還しました。
その後は、第四二師団では
壊血病で死ぬ兵士はいませんでした。
偽造電報を使って統制品の抹茶を
フライイング・ゲットした柴田大尉は、
数百人抜きで陸軍主計少佐に出世しました。

私が青森県にいたときの県の幹部が若い頃に、
農水省の建物にある郵便局から偽造電報を打って
県庁の財政課に連絡し、
畜産関係の新規事業をつくった
という武勇伝を聞いたことがあります。
いずれの方法もやったら処分を受けるので、
まねしてはいけません。

抹茶にビタミンCが含まれているとは、
知りませんでした。
考えてみると、
抹茶は薬だと思った方がいい感じですね。
記事を書いていて、抹茶が飲みたくなりました。
抹茶アイスはときおり食べますが、
抹茶をのんだことがあまりありません。
今度、試してみようかしら。
