見出し画像

宮崎大学医学部は、宮崎県と連携して県内での勤務を条件に奨学金を支給する「地域枠」制度を設けて人材育成に取り組んでいる

延岡市で開催された「未来の地域医療を支える君たちへ 地域医療を支える人材育成講演会」で講演をされた積島先生の講演概要をご紹介します。

出身は延岡市。

小学校時代に父親から「延岡は医師が少ない」と聞き、県立延岡病院で医師が多数退職した報道に触れたことがきっかけとなります。

宮崎大学医学部に入学。大学時代は空手部でした。

キャプテンを務め、当時の友人や先輩は、今でも相談できる大事な存在となっているそうです。

大学卒業後に、初期研修医として様々な診療科を経験し、内科医の道を選びました。

現在は、医師5年目です。内分泌内科を選んで3年目です。学生時代に出会った妻も同じ内分泌・糖尿病が専門。

小さな子どもがおり、育児と診療の両立を目指していますが、宮崎市内から延岡市への長距離通勤など、その難しさに直面しています。

今年の4月から延岡市医師会病院で内分泌内科医として勤務しています。

内分泌内科は、ホルモンをつくる臓器(甲状腺、副腎、下垂体など)の病気を専門としています。

甲状腺ホルモンは、身体のアクセルのような役割があります。

過剰になると脈が速くなる、体重減少を引き起こします。バセドウ病が有名です。

副腎ホルモンは、ガソリンのような役割があります。

副腎不全などで不足すると疲れやすさ、食欲不振、血圧低下を引き起こします。

日本の糖尿病患者数は、約1000万人、予備軍も約1000万人。

10人に一人は糖尿病、もう一人が予備軍です。高齢になればなるほど有病率は上昇します。

糖尿病はざっくり言えば、膵臓から出るインスリンというホルモンがうまく働かなくなることで血糖値が上がる病気。

原因は、インスリンを出す力が低下するインスリン分泌低下と、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性の二つ。

生活習慣だけではく、遺伝的要因も半々程度関係してます。

高血糖による症状は、疲れやすい、体重減少、喉の渇き、多飲、多尿などがあります。

糖尿病の合併症は、自覚症状がないまま進行するのが特徴。

三大合併症は、「しめじ」と言いまます。

細かい血管が傷つくことで起こります。

しは、神経障害で、足の感覚が鈍くなります。立ちくらみを起こします。

めは、目の網膜症で、視力低下や眼底出血を起こします。

じは、腎症で、腎機能が低下し、進行すると透析が必要になります。

その他の合併症として、太い血管にも影響して、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。

糖尿病の治療の目標は、こうした合併症を防ぎ、糖尿病でない人と変わらない生活の質(QOL)と健康寿命を全うすることです。

新しい治療法に、SGLT阻害剤があります。

尿から糖を排出し血糖値を下げる薬です。心不全治療にも用いられます。

新しい医療機器として、持続血糖測定器(CGM)があります。

皮膚にセンサーを張り、針を刺さずに常時血糖が測定できます。

インスリンポンプは、機械が自動でインスリンを体内に注入する装置です。

血糖値センサーと連携し、24時間血糖値を調整します。

糖尿病内科医の役割は、患者ひとり一人の背景を理解して、多様な選択肢から最適な治療を選ぶことです。

人の話を聞くのが好きな人や、新しい技術に興味がある人に向いています。

宮崎県では県全体で医師不足が課題となっていますが、特に医師の偏在が問題です。

全国平均を上回る医師数がいるのは、宮崎市周辺のみとなっています。

宮崎大学では、宮崎県と連携して県内での勤務を条件に奨学金を支給する「地域枠」制度が設けられており、人材育成に取り組んでいます。

自分も地域枠の医師。今年から延岡市で勤務を始めた。

地域医療は、病院間の連携(病病連携)や、医師、看護師、薬剤師、理学療法士など他職種がチームとして患者に関わる連携が非常に大事。

医師はチームをまとめる役割を担うが、医療は医師だけで支えられているわけではなく、多様な職種が活躍しています。

大学生活は仲間と乗り越える団体戦であり、そこでできた友人は一生の財産になります。

医師になってからも常に学び続ける姿勢が求められます。

医療の世界に興味を持ち、将来一緒に宮崎の医療を支える仲間となることを期待しています。

積島先生は、50分もの長い時間、人の前で講演するのは、初めてと言っておりました。

ご自身のご家族や友人の写真や、専門だけでなく地域医療についても、経験に基づいた話をしていたところに好感が持てました。

糖尿病は、治す病気ではなく教育する病気だと言われておりますが、まさに教育的な講演でした。

是非、宮崎県内で、糖尿病の予防や治療の幅広い分野で活躍してもらいたいと思います。

ちなみに、11月14日は世界糖尿病デーでした。

世界糖尿病デーは、インスリンを世界で初めて犬の膵臓から抽出したカナダ人の医師バンディングの誕生日から来ています。

保健所でも、ブルーのクリスマスツリーのような飾りつけをしました。


いいなと思ったら応援しよう!