「ひえつき節を歌って踊れる総合診療医」よりも「兼ねる、束ねる、繋げる総合診療医」の方がいい
県庁の出先機関の長が集まり、宮崎県の人口100万人割れが迫る中での「賢い縮小」の在り方について議論しました。
県庁の幹部が出席している中で、農林振興局長の司会で、活発な意見交換がなされました。
管内の医療のことを聞かれたので、思いの丈を話しました。
人口は約9万人いるが、2040年には7万人、2050年には6万人に減る。
人口減少の医療へのインパクトは、大きく2つある。
1つ目は患者が減ること、2つ目は医療従事者が減ること。
特に病院の医療従事者の減少は致命的。
看護師が確保できないと病床が維持できない。
院長が高齢で後継者がいない病院はリスクがある。
突然、病院がなくなることがありうる。
保健所は医療監視で一年に1回病院を訪問して内容を見ている。
勢いのある病院とそうでない病院は一目瞭然である。
老朽化が進んでいる病院も多い。
人口減少とともに高齢化が進んでる。
宮崎県で入院している75歳以上の後期高齢者は75%になる。
後期高齢者の特徴は、多くの合併症を持つ、難聴や認知症をもつことがある。
介護保険を利用しており、施設入所者も多い。
入院患者の多くが後期高齢者になるのに、1970年代の高度成長期の、人口が増加する時代の医学教育が行われている。
半世紀前の日本は、人口が増加し、各地に多くの病院が建てられ、医学は細分化されていった。
一県一医大政策で整備された医科大学においては、急性期の臓器別専門医の育成が進んだ。
しかし人口が減少して慢性期の複数の疾患を持つ後期高齢者が中心となった今、急性期の臓器別専門医はもはや通用しない。
このような病態像の患者さんに、地域医療でもとめられているのは、人間を丸ごと診る総合診療医である。
さながら、日本海軍は戦艦の大砲打ちを養成したが、実際の戦争では、空母の飛行機と潜水艦にやられた。
海上の2次元の教育が主流で、空と海中という3次元の戦いに対応できていなかった。
これを教訓とすべきである。

保健所では、今後、本庁と共同して以下を実施する予定。
①地域医療構想調整会議において、病院のダウンサイジングについて議論を行う。
医療に関するデータを提供して関係者に考えていただく。
決して政治案件にしないようにする。
②宮崎大学医学部に地域を診れる総合診療医を重点的に教育するように働きかけを行う。
③医療のデータ分析や医療機関の実態調査を行い、そのデータを、県医師会、宮崎大学、各地域医療構想調整会議に提供する。
会議の最後に、副知事からお話がありました。
先ほど、総合診療医の話がありましたが、人口減少の世の中では「兼ねる、束ねる、繋げる」ということが求められる。
1人の人が、いろんな仕事をやらなければならない。
そのために必要なことは、総合診療医のような取組と、医療のDX化でしょう。

厚労省に特定機能病院(大学病院)の在り方に関する検討会があり、報告書がとりまとめられました。
その中には、以下の記述があります。
これまで標榜が求められてきた16診療科に加えて、病理診断科、臨床検査科及び総合診療科の設置及び当該3つの専門医研修プログラムの基幹病院となることを求める。
国も総合診療医の養成へと舵を切りました。
副知事の「兼ねる、束ねる、繋げる」は、総合診療医のをキャッチフレーズになると思いました。
私は、「ひえつき節を歌って踊れる総合診療医」で売りだそうと思っていましたが、副知事の方がいいですね。

ちなみに、ひえつき節は、椎葉村に伝わる民謡です。
アニメのオッドタクシーで、宮崎出身のアルパカ白川がタクシーの中で、いきなり歌ったので、運転手が怖がるシーンがあります。
宮崎市で開催された稲垣潤一さんのコンサートで、稲垣さんとデュエットする女性がいきなりひえつき節を披露したので、びっくりしました。
すごくマニアックな紹介ですいません。
椎葉中学校の卒業生は、全員がひえつき節が歌えて踊れます。
我が国初の総合診療医ドラマ「19番目のカルテ」は好調のようで、よかったです。
