お歯黒をしていた江戸時代の既婚女性には、むし歯や歯槽膿漏がほとんどなかった
地域歯科保健推進協議会があり、出席しました。
宮崎県庁の健康増進課の歯科医師の先生にも出席していただきました。
協議会の会長で、宮崎市郡医師会の理事をされている歯科医が司会をされました。
宮崎市郡医師会では、乳幼児からのむし歯予防を推進するために、保育所・幼稚園の職員及び保護者に対して健康教育を実施するとともに,幼児期の集団によるフッ化物洗口を実施しております。
綾町では町内の3つの幼稚園・保育所でフッ化物洗口が実施されています。
また、町独自の取組として、各園を回ってむし歯のない子に表彰し、歯科医師による講話をして、歯科啓発品の授与を行う「綾っ子歯っピー大会」を実施しています。
綾町のゆるキャラの「もりりん」が巨大な歯ブラシで歯の健康の啓発活動も行っているとのことでした。
国富町でも、町内の保育所・幼稚園でのフッ化物洗口を推進しております。
町内に10の園があり、中央保健所と組んで職員の研修会などを開いたり、保護者に対する園の歯科医の講演を行うなどの取組を進めた結果、8園がフッ化物洗口を実施することになりました。
国富町のゆるキャラは、町の名物白玉まんじゅうが好物の宇宙人「しらたまん」と「しらたまちゃん」です。

宮崎県の誇る歌人若山牧水の銘菓ではなく,「名歌」があります。
牧水の中で、私が一番好きな歌です。
しらたまの歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり
「しらたま」は「歯」の枕詞。
しらたまは歯の化身。
純白のしらたまんとしらたまちゃんが歯ブラシを持って、むし歯と戦う構図は、絵になります。
綾町の「もりりん」とタッグを組んで、これに宮崎犬の「ひぃ君」と「むぅちゃん」と「かぁ君」の三人、いや三匹が加われば、最強です。
これはいつか、歯科保健の大会かなにかのイベントで実現したいですね。

6月4日はむし歯予防デーで、椎葉小学校の頃に何度も絵を書かされた記憶があります。
しかし、これとは別に11月8日は「いい歯の日」となっていることは知りませんでした。
歯に関係する日は二つあるのは、それだけ大事だからでしょう。
もともと日本人には、歯を染める「お歯黒」という習慣がありました。
江戸時代においては、女性が「結婚したこと」を示すシンボルでした。
一種の結婚指輪のような役割を果たしており、未婚女性と既婚女性をひと目で区別する社会的サインでした。
ペリーの日本の見聞録には、女性のお歯黒について記述があります。相当な印象を残したものと思われます。
実は、お歯黒には公衆衛生的な意味があったのです。
お歯黒の成分は、主に二つを混ぜ合わせて作られます。
かね水:鉄分を酢や酒に漬けて酸化させた溶液(酢酸第一鉄)
ふしのこ:ウルシ科の植物にできる「虫こぶ」を粉末にしたもの(タンニンが豊富)
これらが化学反応を起こして「タンニン酢酸」という黒い物質に変わります。
この成分が歯の表面のタンパク質と結合して強固な膜(皮膜)を作り、むし歯菌の酸から歯をガードし、エナメル質を保護していました。
実際、お歯黒をしていた江戸時代の既婚女性には、むし歯や歯槽膿漏がほとんどなかったと言われています。
お歯黒は、一見すると奇異に映るかもしれませんが、当時の社会的な役割、美意識、生活の知恵の詰まった、非常に合理的な文化でもありました。
現代のフッ素塗布、フッ化物洗口に近い効果がありました。

邪馬台国が登場する魏志倭人伝には、「歯黒国」の記述もあります。
日本は、むし歯のない歯科保健大国でもあったのです。
椎葉村に住む私の母方の祖母は、お歯黒をしておりました。
母の実家に行ったときに、くぎが数本入ったボールと、酢が入ったビンをもっている姿を見たことがあります。
くぎと酢は何の関係があるのか不思議に思っておりました。お歯黒の顔を見て驚いたことを記憶しております。
しらたまとお歯黒、真逆ですが、公衆衛生は面白いです。
もともと、「面白い」という言葉は、隠れたアマテラスが岩戸を少し開けて外をのぞいたところ、その光に照らされた面(顔)が白くみえたことから生じたものです。宮崎発祥です。
