「コルヒチンの夏」という小説は、全国の痛風患者が買ってベストセラーになる
昨年、植物学者の牧野富太郎がモデルのNHK朝ドラ「らんまん」を、椎葉村の実家で見ました。
ちょうど、「キレンゲショウマ」をやっている週でした。

キレンゲショウマは、夏に黄色の花が咲く、大変美しい植物です。
ドラマでは、四国の石鎚山に生えているキレンゲショウマが植物学上の新種であることを描いておりました。
送られてきた標本を見た主人公は、「おはん誰じゃ?」とその美しさに驚いています。
キレンゲショウマは、宮崎県でも高千穂や椎葉の山々で自生しています。
椎葉村の実家は、母が元気なときは旅館をやっていました。
ここに北九州市の小倉から、俳句をされるお年寄り夫妻がよくやってきました。
父は、この夫婦から、はじめてキレンゲショウマのことを聞いたそうです。
夫婦を案内した父の話では、熊本との県境ちかくの道路の坂にはキレンゲショウマが生い茂っていたとのこと。
実家にある植物図鑑で調べても載っていなかったそうです。
そこで、日向市の本屋にキレンゲショウマが載っている植物図鑑を特別に注文したと言っておりました。
上椎葉にある鶴富屋敷の近くの厳島神社には、キレンゲショウマが移植されており、黄色い花を咲かせています。
私は、山のキレンゲショウマは見たことはありません。
最近は、鹿が増えてキレンゲショウマの群生は少しずつ姿を消しているそうです。
椎葉村の向山地区の出身で中学の後輩に、山に詳しいのがおります。
その後輩に聞いたら、実家の近くに湿地帯があって、貴重な高山植物が生えるそうですが、鹿の被害で今は生えている花が変わっているとのこと。
毒のある花は鹿が食べないので生き残るそうです。
都井岬の馬が食べない草には毒があるのだ、と教えてくれました。

植物が、昆虫や両生類やは虫類のように毒を産生して生き残ろうとしていることに驚きました。
一昨年、延岡でグラリオサの球根を食べた人が亡くなりました。
グラリオサの花は、人気があり、花束や生け花に使われます。
グラリオサの毒は、コルヒチンという痛風の発作のときに服用する薬です。
実は、私は昨夏に痛風発作を起こして、コルチヒンを飲むことになりました。

ちなみに、痛風は、大変な痛みが出ます。
風を当てても痛みます。本当です。
まさに、名前のとおりの病気!
「コルヒチンの夏」という小説を書いたら、全国の痛風患者が買ってくれて、ベストセラーになる!
舞台は高千穂。
キレンゲショウマの群生している坂で、死体が発見される。
当初は自殺と思われていた。
高千穂警察署の老刑事は、高千穂保健所の保健師から、この地区では投身自殺は他県から来た人がほとんどという話を聞き、他殺を疑って捜査を開始する。
犯人はキレンゲショウマの愛好家ではないかと、ある男を特定した老刑事が、突然痛風に罹患した。
衝撃を受ける捜査本部。
老刑事は捜査から離脱し、病院に入院する。
男の家に張り込んだ若い刑事が庭の土を採取する。
分析の結果、キレンゲショウマの花粉が検出された。
DNA検査の結果、死体が発見された場所で採取された花粉と遺伝子パターンが一致した。
若い刑事が、入院中の老刑事に、事件が解決したことを報告する。
「これは捜査本部の同僚からのお見舞いです」と持ってきた球根の山を渡した。老刑事は訊いた。
「なんだこれは。山芋か?」
「グロリオサの球根です。コルヒチンの塊なので、これで早く病気を治して下さい」
「馬鹿野郎! 俺を殺す気か。でもありがとな。退院したら庭に植えるよ」
老刑事は笑った。
ちなみに、老刑事は花が好きという設定です。
意外にいいかも。
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