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メジナ虫症は人類史上初めて根絶寸前に追い詰めた寄生虫疾患である

「死因の人類史」という本を読んでいたら、興味深い記事があったのでハベレオ通信で紹介させていただきます。

メジナ虫症(ギニア虫症ともいう)が、寄生虫学における最近の成功例としてあげられています。

絶滅まであと一歩まできているそうです。

まずは、メジナ虫症について、最近恒例になったGeminiに聞いてみました。

人類がまもなく絶滅(根絶)させようとしている寄生虫の一つだと言ってきました。

現在の状況や特徴について、まとめてくれました。

1 メジナ虫症とは

メジナ虫という寄生虫が、ケンミジンコなどの微生物と介して人の体内に入ることで引き起こされる疾患です。

感染経路:幼虫を含んだケンミジンコがいる生水を飲むことで感染します。

症状:感染から約1年後、成虫(体長1メートルに達することもある細長い虫)が皮膚を突き破って外に出ようとします。

その際、激しい痛みや焼けるような水ぶくれが生じます。

「火の蛇」の由来:この「焼けるような痛み」から、旧約聖書に登場する「火の蛇」の正体ではないかという説もあります。

2 治療と対処法

現在、この寄生虫に対する有効なワクチンや特効薬はありません。

唯一の取り出し方:虫の先端が皮膚から出てきたら、それを棒に巻き付け、毎日数センチずるゆっくりと巻き取っていくという、古代から変わらない方法で数週間かけて抽出します。

注意点:途中で虫が切れてしまうと、体内で死滅した虫が原因で激しい炎症や二次感染を引き起こすリスクがあります。

3 根絶への歩み

かつてはアフリカやアジアで数百万人もの感染者がいましたが、現在は「人類が天然痘に続いて2番目に根絶する病気」として、あと一歩のところまで来ています。

対策:薬ではなく、「水をフィルターでろ過して飲む」という衛生教育の徹底が最も効果を発揮しました。

現在の課題:近年、チャドなどの地域で犬への感染が報告されており、野生動物を介した感染サイクルをどう絶つかが、完全根絶に向けた最後の課題となっています。

なるほど。よくわかりました。

「死因の人類史」では、さらに詳しい記述があります。

病気を引き起こすメジナ虫(ギニア虫)は回虫の一種で、病気そのものは最近までアフリカを中心に数百万人が罹患していた。

寄生虫の常として、メジナ虫も人間にとって実に厄介な生活環(ライフ・サイクル)を生きている。

幼虫はいわゆるミジンコと呼ばれる小さな甲殻類の一種に寄生して水中に生息しており、このミジンコが入った水を飲むと、ミジンコは遺産で死滅するが、メジナ虫の幼虫は体内に放出される。

幼虫は胃や腸の壁を突き破り、腹腔内に生息して成長を続ける。

成虫は人間の体内で交尾、オスは交尾後に死に、メスはその後約1年かけて成長する。

体長が1メートルほどとなり、細いスパゲッティくらいの太さになると宿主の体内を下方に移動、このとき耐えがたいほどの劇痛を引き起こす。

この回虫が「炎の蛇」と呼ばれる所以だ。

やがて皮膚内に水ぶくれを起こしたメスの成虫は、そこから数週間かけて出てくる。

水ぶくれはたいてい足にでき、あまりの痛みに歩けなくなるほどで、痛みを和らげようと頻繁に水に浸けようとするのだが、このときの水との接触が引き金になって幼虫が放出、ふたたびミジンコに食べられて寄生する準備が整い、こうしてメジナ虫の生活環がひとまわりする。

死にいたることはあまりないとはいえ、感染すると何ヶ月ものあいだ想像もできない痛みに苦しみ、障害が永久に残る可能性もある。

WHOは、1981年からユニセフ、アメリカCDC、ジミーカーター元アメリカ大統領が率いる非営利団体「カーターセンター」などとともに、メジナ虫症撲滅計画を進めてきた。

この病気ならではのいくつかの特性、ー診断が容易(回虫の存在が肉眼で確認できる)、幼虫は水中でしか生息できない

感染阻止の対策が簡単で安価、などの理由で撲滅の対象としては格好の疾患だった。

さらに、この病気が発生する国々の政府がこぞって計画に参加した点も都合がよかった。

メジナ虫を駆除するには、この回虫の生活環をある段階で断ち切れば十分だった。

方法は二通り ー ミジンコが混じった水の飲用をやめるか、新しい幼虫が水中に放出されるのを防ぐか、である。

ミジンコの混入が疑われる水は、ナイロンメッシュで濾過すれば安全に飲め、ミジンコも泳ぐ白い斑点として視認できる場合が多い。

また水ぶくれから虫が出てきたとき、あとで安全に処理できるよう、足や脚はバケツに入れるようにして、中の水は乾いた地面に空ければ幼虫は死んでしまい、飲用水の供給源が汚染されることはない。

1980年代以降、撲滅計画は大きな成果を上げてきた。

まず、病気の発生地域を残らず示した図が作成され、それぞれの発生例を報告することから始まった。

感染リスクのあるコミュニティーには、村を基盤とする保健所職員の手で新しい対策が導入された。

1985年の時点で20カ国、約350万の新規感染者が発生していたが、(中略)2020年、報告された発症数は、6カ国ーカメルーン、エチオピア、マリ、チャド、アンゴラ、南スーダンーの19の村からわずか27件にまで減少していたのである。

350万人から27人への減少率は、99.999%という目をみはる数字だ。

メジナ虫症は人類史上初めて根絶寸前に追い詰めた寄生虫疾患で、成功すれば天然痘に次いで二番目に人類が完全勝利を収めた病気になる。

しかもこの撲滅事業は、治療や感染を予防するワクチンなしで行われてきた。

必要なのはメジナ虫の生活環を断ち切るだけであり、とくに感染リスクがあると思われる場所には徹底して行われなければならない。

この病気に終止符が打たれるのはまさに偉業であり、しかも国際的な対策チームが慎重に選んだ疾患に対して、低コストで得組む方法が示されている。

メジナ虫症が日本になくてよかったと思いました。

寄生虫は生活環(ライフ・サイクル)が大事ですね。

薬も使わずに、手術もやらずに、疫学的手段で、病気を予防して根絶までもっていくとは、公衆衛生は凄い!!!

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