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イシナギの肝臓を食べると、急性ビタミンA中毒症となり顔の皮が剥ける

ビタミンAは、脂溶性のビタミンで、動物の油や肝臓に多く含まれています。

ビタミンには、水溶性と脂溶性の2つの種類があり、この区別は重要な意味合いをもっています。

例えば、水溶性ビタミンの代表にビタミンCがありますが、取り過ぎても尿から排泄されるので、問題はありません。

一方、脂溶性ビタミンは、体内の脂肪成分に蓄積されますので、過剰に取り過ぎると健康影響が起こります。

脂溶性ビタミンの代表例は、ビタミンAです。

過剰な摂取により、急性ビタミンA中毒症を起こします。

おいおい、ビタミンAを過剰に摂取することがあろうか、と思われるでしょう。

ところがあるのです。

海釣りをされる人もいるかと思います。

イシナギという魚の肝臓は、ビタミンAでできているというほど大量のビタミンAが含まれております。

釣り上げたイシナギの肝臓を食べて、ビタミンAによる食中毒を起こすことがあります。

大物は体長が一五〇センチ、体重五〇kg以上にもなるというスズキ科の魚です。

中毒症状は激烈です。

食後三〇分から一二時間で発症し、激しい頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、顔面のむくみ(浮腫)が見られ、下痢や腹痛を伴うことがあります。

二日目から、顔面や頭部の皮膚の剥離が始まります。

回復するのに、二〇日から一か月もかかることがあります。

イシナギの肝臓には、一g当たり三〇mg~六〇mgのビタミンAが含まれています。

一度に三〇〇mg以上のビタミンAを摂取すると、健康影響を起こします。

つまり、イシナギの肝臓を一〇gを食べるだけで中毒を起こします。

このため、イシナギの肝臓は一九六〇年から食用禁止となっています。

国民皆保険が一九六一年なので、イシナギの方が先輩です。

肉は美味しく、肝臓を除去しておれば店頭で販売してもいいことになっています。

イシナギのことを知らずに、肝臓を除去せずに販売して食中毒になった例もあります。

イシナギ釣りのシーズンは産卵期の五月~七月です。

と言うことで、シーズン外れの記事になりますが、ご注意を。

普段は四〇〇~五〇〇mの深海にいますが、産卵の時期には一〇〇mほどの浅場に出てきます。

くれぐれも、大物のイシナギを釣ってこないようによろしくお願いします。

いや、釣ってきてもいいですが、肝臓は食べないように!

公衆衛生は、いろいろとむずかしいのです。

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