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汚市悟無鳴 食品衛生儀 油断有間仕 築城経十年 落城即一糞

昨年米国のマクドナルドで、大規模な食中毒事件が発生しました。

米国のCDCは、アメリカのマクドナルドで販売されていた「クォーターパウンダー」という名前のハンバーガーを食べて食中毒が発生したと発表しました。

症状を訴えたのは、西部と中西部の10州の13歳から88歳までの49人で、コロラド州の高齢者1人が死亡しました。

聞き取り調査ができた18人中12人が、症状が出る前にこの商品を食べていました。

原因は、腸管出血性大腸菌O157でした。

アメリカのマクドナルドによると、22日に初期の調査結果を発表し、使われていたタマネギが食中毒に関係している可能性があるとしています。

これにより、マクドナルドの株価は、一時10%を超える下落となりました。

この初動のニュースを聴いて、
「またハンバーガー?アメリカ人はこりないな」
と思いました。

O157による食中毒事件は、
1982年の米国の加熱不良の
ハンバーガーから始まったのです。

しかし、今回の集団食中毒は、
歴史的な発端となった牛肉の汚染ではなく、
みじん切りのタマネギでした。

マクドナルドは全米1万4000店のうち、
約2割の店で
クォーターパウンダーを
メニューから外しました。

具体的には、
コロラド、カンザス、ユタ、ワイオミングの各州と、
アイダホ、アイオワ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューメキシコ、オクラホマの州の一部だと報道されています。

もし日本でこのような広域的な食中毒が起こったときの対応はどうなるのでしょうか。

食品衛生法には、広域的な発生時の対応が規定されています。

ポイントは3つです。

①患者発生が一定数以上または広域にわたり、危害防止、緊急を要する場合、またはそのおそれのある場合は、厚生労働大臣は都道府県知事に期限を定めて調査、報告を求めることができます。

②保健所長は、たとえ医師の届け出がなくとも、食中毒の原因を明らかにするための調査を行わなければなりません。

③その結果は、都道府県等を通じて国に報告をしなければならないことになっています。


つまり、O157などの腸管出血性大腸菌の食中毒が、国内に広域的に発生した場合は、保健所はボーッとしていてはいけないのです。

地方衛生研究所も、いつでも遺伝子検査ができるようにスタンバっておく必要があります。

厚生局長(九州の場合は九州厚生局)が、この広域調査の指揮をとることになっていますので、厚生局もボーっとしてはいけません
(以前、私は関東信越厚生局に勤務しておりました)。

O157に代表される腸管出血性大腸菌は、
わずかな菌量で発生します。

我が国には、
発生源となる牛はどこにでもいます。 

また、汚染された食べ物は、
世界中から日本国内に入ってきます。

O157は、
牛の生レバーや火が通っていない牛肉にいる

と思っている人が多いと思いますが、
そんなことはありません。

これまでの発生例を見ると、牛肉以外では、
水、
野菜、
植物の種、
海藻の乾物、
こしょうや醤油などの調味料

が汚染されています。

お祭りの屋台の「冷やしキュウリ」
特別養護老人ホームに届けられる「地元の漬物」が汚染されていると、
一体誰が予想した
でしょうか。

鮭の卵であるイクラは本来無菌ですが、
北海道の業者のイクラが
加工の過程でO157で汚染されて、
富山県の寿司屋に提供された例がありました。

富山県の保健所が、
富山市、黒部市、入善町の個人経営の寿司屋で、同時期に食中毒になった患者から
聞き取りをして、
共通食が「イクラ巻き・いくら軍艦巻き」
であることを突き止めました。

この3件の寿司屋は、
同じ北海道の業者のイクラを
つかっていたのです。

保存されたいたイクラから
採取したO157の遺伝子型と、
患者の便から特定された遺伝子型
も一致しました。

同じ業者のイクラが
東京都と神奈川県にも出荷されており、
食中毒の患者の便から同じ遺伝子型のO157
が検出されました。

食品衛生法の改正の柱の
新たな食品衛生管理法HACCPの導入
広域的に発生した大規模食中毒調査
の主たるターゲットは、
腸管出血性大腸菌O157です。

一言で言えば、
「食品衛生法O157改」
です。

全国チェーン店の食材だけが
問題ではありません。

腸管出血性大腸菌は
ごくごく微量で発症しますので、
汚染されていれば
どんな食品からでも発生
します。

さらに、ごくごく微量で、
人から人への二次感染も引き起こします。

アニメの「サザエさん」一家のイクラちゃんも、
下痢便にO157があれば、
サザエもマスもカツオもワカメも汚染されます。

食品ではない波と舟はこのかぎりではありませんが、それこそ、イクラでもあるのです!

同じ魚卵系の、宮崎県産のキャビアで
O157が発生したら、
せっかく築き上げてきた宮崎ブランドは
一瞬で地に落ちます。

卵(キャビア)が採れるようになるまで、
古代魚チョウザメは10年かかります。


椎葉村でもチョウザメが養殖されています。

食品製造・加工・料理に従事する方々は、
衛生管理に注意が必要です。

保健所の仕事は予防であり、
手洗いなどの衛生管理を徹底させることは
宮崎県のブランドを守ることになります。

現代は食品のグローバルな戦国時代。

武田信玄や上杉謙信を見習って
食品衛生の家訓をつくりました。大意は下に示したとおりです。

汚市悟無鳴 

食品衛生儀
油断有間仕

築城経十年 
落城即一糞


O157があるので

食品衛生は
油断してはいけない

長い年月をかけて築いた信用も
一瞬に無くなってしまう

恐縮です。

高校のときに、漢文は赤点をとった気がします。

桃木先生、その節は申し訳ございませんでした。
今頃になって反省しております。

高校の後輩になる東村アキコさんの
上杉謙信を描いた「雪花の虎」は面白いです。

漢文は出てきませんので、安心して読めます。

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