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災害派遣で自衛隊が行う給水作業は、完璧である。


平成三〇年七月の西日本豪雨で、岡山県や広島県などでは大きな水害が発生しました。

当時、私は厚労省の医政担当の審議官をしており、「広島県の現地対策本部に急行せよ」と命令を受けました。

いそいで新幹線に乗って、広島まで行きました。

到着してすぐに、中国四国厚生局長や広島県庁の部長に挨拶に行きました。

本部で説明を受けると、広島県では水道施設が広域的に破壊されており、特に医療機関での水道復旧が問題となっておりました。

医療機関は治療のために水を使用します。
特に腎臓の透析は大量の水が必要です。

また入院者の多い病院も、多くの水を使います。

被害のあった地域の病院を中心に電話で聞き取りを行い、給水が必要な場合は、全国の市町村から派遣された給水車と自衛隊の給水車を使って水を供給することにしました。

市町村の給水車は一トンでしたが、自衛隊の給水車は五トンでした。

指揮命令系統が明確な自衛隊は、対策本部に常駐している自衛隊員に伝えると、給水作業を完遂させて報告をしてくれました。

市町村の給水車の活動情報については、広島県の水道担当に確認してもわからないことがありました。

そのため、病院への給水は、供給できる水の量が多くてきちんと実施してくれる自衛隊にもっぱら担当してもらいました。

呉市は大きな被害のあった地域ですが、市内に国立病院機構の呉医療センターと労働者健康安全機構の中国労災病院の二つの災害拠点病院がありました。

労災病院は約四〇〇床あり、一日約一〇〇トン給水してという要望がありました。

一方の呉医療センターは、約六〇〇床で多いのですが、給水は不要でした。

理由を聞いたら、井戸水が利用できるので外部からの給水はいらないとのこと。

もともと海軍病院で、水の危機には十分に備えがありました。

労災病院は、「うちは災害拠点病院だから優先的に給水してもらいたい」と言っておりました。

このときに、「災害時に使えない(優先的な支援が必要な)災害拠点病院とは何なのか?」と疑問がわいてきました。

DMATがいるだけでは駄目だと思いました。

その後、異動となりましたが、
医政局地域医療計画課の担当には
「災害拠点病院の要件を見直して水を入れるように」

と言い残しました。

その一年後に、
災害拠点病院の要件が見直されました。

「少なくとも三日分の病院機能を維持するための水を確保しておくこと、井戸設備を含む」
という要件が新たに設けられました。

水を制するものは公衆衛生を制す。
大リーグボールは水に弱い。

どちらも名言です。

ご存じでない方に。

前者は、トラコーマで書きました。
「水を制するものが公衆衛生を制す」です。

後者は、「巨人の星」の飛雄馬のライバルで、熊本出身の左門豊作の言葉。
いや、花形満だったか。

興味ある方は、調べてみて下さい。
いずれにせよ、水を制する者は公衆衛生を制す、を覚えて下さいね。

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