積ん読から読む①真造圭伍「ひらやすみ」9巻

読書感想文は、苦手だ。
映画にしても小説にしても、感想は「よかったなぁ」「重い話だったな」などで、あまり分析をしたことがない。

仕事で2、3本映評を書いたことがあったけど、そのつもりで観なければ分析や評論なんてできやしない。

だから自分へのチャレンジ。
積ん読を減らしながら、今月中に全部の感想を書く。

ラインナップは以下の通り。

漫画
①ひらやすみ
②聖☆おにいさん
③きのう何食べた?

小説
①ゲーテはすべてを言った
②走ることについて語るときにぼくの語ること
③舞台
④おいしいごはんが食べられますように
⑤ある男
⑥コーヒーが冷めないうちに
⑦学問
⑧JR上野駅公園口
⑨色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年
⑩走れ、走って逃げろ
⑪亡霊の烏

14冊を、20日で???
芥川賞作品もあるのに??

いや、、やり始めることに意義がある!
がんばる。

まずは、漫画から。

「ひらやすみ」(真造圭伍/小学館)



あらすじ

俳優の仕事を辞めて、釣り堀でアルバイトをしながら「ばっちゃん」から譲り受けた平屋に住むヒロト、ヒロトの従姉妹で山形から上京して美大に通うなつみ。
平屋に住むふたりを中心にした、友達や街に住むひとびととの交流を描いた日常生活。

登場人物はちょっとずつ傷ついている

ちょっとずつ傷ついている人たちが、不器用に生きている。

夢破れて俳優をやめたヒロトも、会社をやめたヒデキも、売れない小説家も。

「陽キャ」といわれる女の子も、バリバリ仕事している女の人も、人当たりよく周囲みんなに好かれる学生も、コンクールで入賞したなつみの美大の友達も。

阿佐ヶ谷を舞台に、日常を送るなかで、少しずつ人と触れ合い、少しずつ、本当の自分を自分で認めて、少しずつ、自分の道を歩いていく。

そんな、あたたかい、やさしい、ほっこりな物語だ。進み方も、とてもゆっくり。

でも9巻は、静かながらもいろいろな人が前に進み始めた。静かに胸が高鳴る。

読む人も、おそらくだけど多かれ少なかれ、傷を負いながら生きているのではないだろうか。

その大小さまざまな傷に、優しくクリームを塗って癒していくような、そんな作品だと思う。

まだこれから人生を切り拓くだろう子どもたちには、あまりピンときていないようだった。

真造圭伍さんという作家


「真造さん」は、私は初めてこの漫画でお名前を知った。
はじめは新聞で作品が紹介されていて、次に名前を聞いたのは、母からであった。母は「真造さん」と親しみを込めて呼ぶ。

母は数年前から色鉛筆画を習い始めた。
70の手習いだ。

もともと落書きとか絵とか好きだったようで、近所に足繁く通う若い人向けの画廊ができて、そこで色鉛筆画教室が紹介されていて通い始めた。

その先生が「真造さん」の美大時代からの友達で、作品を紹介されたのだと、私にうれしそうに本をプレゼントしてきた。

その教室は期間限定開催だったため、いまはその先生の紹介で別の先生のところに電車で1時間かけて通っている母。

まったくアグレッシブな母だ。

直接「真造さん」のことは知らないながら、母の先生の友達ということで、おこがましくも、少し親近感を抱きながら本を読ませていただいている。

いまアニメがはじまり、11月にNHKにて岡山天音主演のドラマが始まる。

なかなかに楽しみなことだ。

積ん読から読む②平野啓一郎「ある男」
積ん読から読む③高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」


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