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今朝の至福〜料理好きな母のことなど

結婚の年に、母からもらった銅製の卵焼き器をよーく温めて。
ごま油は少し多めに。

3つの卵に白だしをちょろっと。
水をちょろっと。

よく混ぜて。

強火に固定して、卵液をジュワッと3分の1。
パタパタと手前に3回巻きます。少し崩れても大丈夫。

またごま油をひとたらし。
卵を巻いたのを卵焼き器の奥にやって。

じゅわっと2回目。

同じように手前に向かってまきまき。

またごま油。

最後の卵液をジュワッ

きれいに巻いて。

包丁入れて。

フワフワと、口でほどけるだし巻きができた。
さあ、召し上がれ。
私はこそっと端だけいただきます。


母はお料理が好きで、日本料理教室の江戸近茶流(宗主・柳原尚之)のお免状をいただいて料理教室も開いていた。

長年の介護やいろいろでお教室はお休み中だけれど、人にお料理をもてなすのが大好きで。

だし巻き卵も、ちゃんとおだしを取って薄口醤油と酒で仕上げるところから母に教わったのだった。
※江戸近茶流は東京なので、だし蜜を使って真四角の卵焼き器を使って作る甘いだし巻きです。
私の好みは関西風な甘くないだし巻き。

いかのおろしかた、魚の三枚おろし、とりむね肉を包丁でたたいて作るつくね、しんじょ、かきたま汁。

2回だけ、教室に混ぜてもらって教えてもらった。いまも私の料理は、母のお師匠さんの本「ちゃんと作れる和食」(マガジンハウス/柳原一成)が底になっている。

刺身包丁も出刃包丁も、母に見立ててもらった。

その母が、味の感覚が数年前からほぼなくなった。甘みをほんのり感じるだけで、食の楽しみがなくなってしまったのだそう。

西洋医学はもとより、はり・きゅう、整体、漢方薬、いろいろ試したけれどあまり変わらないらしく、母はもう半分あきらめている。

大好きだったチョコミントアイスも「冷たい、甘い」しか感想がなく、寂しそうだった。

加齢とはいえ、なぜよりによって母が一番大事にしているものが奪われてしまうのだろうと思ったものだけど。

それでも長年の感覚で、やはり料理はしっかり3食作って、時々ひとにも腕をふるったおもてなしもしているらしい。

その母の前向きさを、今朝は卵焼きを作りながら、思った。

長女が競技ダンスの大会のたびに母の家に泊まる。

母がその料理を毎回張り切ってしてくれていて、負担になっていないか心配もあったけれど、姉は「それが母の生きがいにつながっているから、よかったなと思っているよ」と言ってくれた。

なんでもおいしいおいしいと食べる長女を、母はほほ笑ましく見くれているようだ。
それが母の活力の一助になっていると良いなと、図々しいながら、私も思っている。


さて。
そうこうしているうちに、お湯が沸く。
さじ1杯のコーヒーの粉を、ろ紙の中にパサッと入れて。

プロフィールにもしている月兎印の赤いコーヒー用のポットでトポトポとお湯を注ぎ15秒。
それからゆっくりゆっくりお湯を回し入れて。

いい香り。

早朝に、夫とふたりですでに飲んだのだったけど、いまは私ひとりのためにコーヒーを淹れる。

そんな、朝。

なんだかゆったり、至福な朝でございました。

よき1日になりますように。


月兎印の株式会社フジイ様、去年倒産していたんですか?!
こちらは特約店cotogoto様のページ。
あんなに素敵なものを作っていたのに。
寂しいことです。


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