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靴が痛い人へ。シューフィッターが現場で提案してきた「買い替える前の処方箋」5選

靴が痛い。

これは、一日を台無しにするくらいつらい悩みです。

私は靴専門店で17年間、小売販売とフィッティングの仕事をしてきました。
現在は関西のシューズメーカーで営業・商品企画に関わっています。

その中で、本当にたくさんの「靴が痛い」という相談を受けてきました。

「ローファーのかかとが脱げる」
「パンプスのつま先が痛い」
「サイズを下げると痛いのに、上げるとかかとが浮く」
「立ち仕事で足裏が痛くなる」
「くるぶしが履き口に当たって痛い」

こういう相談は、店頭では日常的にありました。

靴が痛いと、多くの方はまずこう考えます。

「サイズが合っていないのかな」
「もう買い替えるしかないのかな」
「もっと柔らかい靴にした方がいいのかな」

もちろん、本当にサイズが合っていない場合や、靴そのものを買い替えた方がいい場合もあります。

ただ、現場で多くの足と靴を見てきた経験から言うと、靴の痛みはちょっとした調整で改善できるケースもかなりあります。

原因は、靴そのものではなく、

  • 靴の中で足が前に滑っている

  • 甲まわりに隙間がある

  • かかとが抜けている

  • 足裏が支えられていない

  • 足の位置が低く、履き口に当たっている

といったことにある場合があるからです。

この記事では、私が店頭で実際によく提案してきた、買い替える前に試してほしい調整アイテムを5つ紹介します。

※この記事にはAmazonアソシエイトリンクを含みます。Amazonのアソシエイトとして、HAYAさん@シューフィッターは適格販売により収入を得ています。
紹介しているアイテムは、靴専門店での販売経験・シューフィッターとしての知見をもとに、用途別に選んでいます。


靴が痛い原因は「サイズ」だけではありません

まず最初に伝えたいのは、靴が痛いからといって、必ずしも「サイズが小さい」とは限らないということです。

実際、店頭ではこういうケースがよくありました。

サイズを上げると、たしかにつま先は楽になる。
でも今度は、かかとが浮く。
かかとが浮くから、足が前に滑る。
前に滑るから、結局つま先が痛くなる。

つまり、サイズを上げたのに痛みが消えないわけです。

これは、靴の中で足が安定していないことが原因です。

靴選びで大切なのは、単に「大きい・小さい」だけではありません。
足が靴の中で正しい位置に収まっているか。
前に滑っていないか。
かかとが抜けていないか。
足裏が支えられているか。

ここを見る必要があります。

そのために役立つのが、今回紹介する調整アイテムです。


1. ローファーが脱げる・足が前に滑るなら「タンパッド」

店頭で圧倒的に多かった相談のひとつが、学生ローファーです。

それまでスニーカーで過ごしていた学生さんが、学校指定で急にローファーを履くようになる。

すると、

「かかとが脱げる」
「足が前に滑る」
「つま先が痛い」
「歩きにくい」
「これなら履きたくない」

という相談が本当に多くありました。

スニーカーは紐や面ファスナーで足を固定できます。
一方、ローファーは基本的に紐がありません。

そのため、足と靴の間に少しでも隙間があると、靴の中で足が動きやすくなります。
足が前に滑ると、つま先が圧迫されます。
かかとも抜けやすくなります。

そこでよく使っていたのが、タンパッドです。

タンパッドは、ローファー専用のアイテムではありません。
基本的には、シュータンのある靴であればかなり幅広く使えます。

シュータンとは、靴の甲部分にあるベロのようなパーツです。
その裏側にパッドを貼ることで、甲まわりの隙間を埋め、足を靴の中で安定させます。

学生ローファーでタンパッドを使うと、特に効果を感じやすかったのは、

  • かかとが脱げにくくなる

  • 足が前に滑りにくくなる

  • 「これなら履けそう」と本人が納得しやすい

という点でした。

靴が大きすぎる場合はもちろん限界があります。
ただ、サイズ自体は大きく外れていないのに、甲まわりに隙間がある。
そういう場合には、タンパッドがかなり役立ちます。

ローファーだけでなく、革靴や一部のスニーカーにも使えます。

ただし、パンプスのようにシュータンがない靴には使えません。
その場合は、後で紹介するジェルパッドや踵パッドを使います。

選ぶなら、厚みがありすぎず、靴の中で違和感が出にくいタイプがおすすめです。


2. パンプスの前滑りには「ジェルパッド」

婦人靴やパンプスで多かったのが、サイズ選びの板挟みです。

サイズを下げると、つま先が詰まって痛い。
でもサイズを上げると、今度はかかとが浮く。

この悩みは、本当に多かったです。

パンプスはローファー以上に調整が難しい靴です。
シュータンがないので、タンパッドは使えません。
甲をしっかり押さえる構造も少ないため、足が前に滑りやすいです。

この場合、私が店頭でよく使っていたのが、前滑り防止用のジェルパッドです。

ジェルパッドは、足裏の前側に入れて使います。
足が前に滑るのを抑え、つま先への圧迫を軽減する目的で使います。

特に、

「サイズを下げると爪先が痛い」
「サイズを上げるとかかとが浮く」
「長時間履くと足が前に詰まってくる」
「パンプスの中で足がズレる」

という方には、まず試す価値があります。

ポイントは、ただクッションを足すことではありません。
目的は、前滑りを止めることです。

パンプスでつま先が痛い方は、靴が小さいと思いがちです。
でも実際には、足が前に滑ってつま先にぶつかっているケースがあります。

その場合、サイズを上げると余計に前滑りしやすくなり、かえって痛みが増すこともあります。

だからこそ、ジェルパッドで足の位置を安定させることが大切です。

選ぶなら、薄めで靴の中に入れても窮屈になりにくく、滑り止め効果のあるタイプがおすすめです。

厚みが3種類あるので、つま先の余裕に合わせて選んでください。


3. かかとが浮く・靴擦れするなら「踵パッド」

ジェルパッドで前滑りを抑えても、まだかかとが浮くことがあります。

その場合に使っていたのが、踵パッドです。

踵パッドは、靴のかかと内側に貼って、かかとまわりの隙間を埋めるアイテムです。

パンプスやローファーで、

「歩くたびにかかとがパカパカする」
「かかとが擦れて痛い」
「靴擦れができる」
「サイズを下げるとつま先が痛いから、下げられない」

という方に使いやすいです。

婦人靴の場合、私の店頭感覚では、まずジェルパッドで前滑りを抑え、それでも必要なら踵パッドを使うことが多かったです。

なぜなら、かかとが浮く原因が、単純なかかとの隙間だけではなく、足が前に滑っていることにある場合も多いからです。

足が前に滑る。
すると、かかと側に隙間ができる。
その結果、かかとが脱げる。

この流れです。

だから、先に前滑りを抑える。
それでもかかとが抜けるなら、踵パッドで微調整する。

この順番の方が、うまくいくことが多かったです。

選ぶなら、厚すぎず、靴擦れしやすい部分をやさしくカバーできるタイプがおすすめです。

↑↑↑薄くて剝がれにくいのでおすすめです。


4. くるぶしが当たって痛いなら「かかと用インソール」

「くるぶしが靴の履き口に当たって痛い」

これも、店頭ではよくある相談でした。

特に革靴、ローファー、パンプスなどで起こりやすいです。

この場合、靴の履き口そのものが高すぎることもあります。
ただ、調整で改善できるケースもあります。

私がよく提案していたのが、かかと用インソールです。

これは、足全体ではなく、かかと部分だけを少し持ち上げるアイテムです。

足の位置を少し上げることで、くるぶしが履き口に当たる位置をずらします。
たった数ミリでも、当たり方が変わると痛みが軽くなることがあります。

もちろん、入れすぎると靴が浅くなって脱げやすくなるので注意が必要です。
厚みのあるものを無理に入れるのではなく、まずは薄めのものから試すのがおすすめです。

特に、

「サイズは合っているのに、くるぶしだけ当たる」
「歩くと外くるぶしが擦れる」
「履き口の高さが合わない」

という方には、かかと用インソールが役立つ場合があります。

選ぶなら、薄めで、かかとだけを自然に少し上げられるタイプがおすすめです。


5. 立ち仕事で足裏が痛いなら「アーチサポートインソール」

最後に紹介したいのが、立ち仕事の足裏対策です。

販売員、接客業、工場や作業現場、医療・介護職の方から、足裏の痛みについては本当によく相談を受けていました。

年齢層としては40代以降の方が多かったです。
ただ、若い方でも扁平足気味の人が増えている印象があり、足裏の悩みは年齢を問わず増えているように感じます。

私自身も、長年の立ち仕事で足裏に痛みが出ることがありました。

単なる「だるさ」ではありません。
足裏に痛みが出る。
夕方以降になると足が重くなり、立ち続けること自体がつらくなる。

そういう状態を経験してきました。

そこで行き着いたのが、アーチサポートインソールです。

足裏の疲れ対策というと、柔らかいクッションを入れたくなる方が多いと思います。
気持ちはよくわかります。

ただ、長時間立つ・歩く場合は、柔らかさだけでは解決しないことがあります。

足裏が沈み込みすぎると、足は無意識にバランスを取ろうとします。
すると、足裏やふくらはぎまわりに負担がかかります。

大切なのは、足裏をただ柔らかく受け止めることではなく、土踏まずを支えて足を安定させることです。

このあたりは、以前の記事「『柔らかい靴なら楽になる』は間違いです」でも詳しく書きました。
立ち仕事や通勤で足が疲れる方は、あわせて読んでいただくと理解しやすいと思います。

アーチサポートは、靴や足の状態によって使い分けが必要です。

立ち仕事で足裏が痛くなる方にとって、本命になるのは、土踏まずをしっかり支える硬めのプレートタイプです。
足裏が沈み込みにくくなり、長時間立っていても足が支えられやすくなります。

ただし、すでに足裏に痛みが出ている段階で、いきなり硬いものを入れると、人によっては当たりが強く感じることもあります。

その場合は、まずある程度クッション性のあるタイプで痛みを和らげる。
その後、足の状態を見ながら、支えの強いタイプに移行する。

この順番がおすすめです。

つまり、アーチサポートは「硬ければ正解」でも「柔らかければ正解」でもありません。

足の状態に合わせて、

  • 痛みが強い段階では、クッション性もあるタイプ

  • 長時間の立ち仕事対策なら、支えのあるプレートタイプ

  • 靴の容量が少ないなら、薄めのタイプ

というように選ぶ必要があります。

選ぶなら、状態に合わせて、クッション性とサポート力のバランスを見られるタイプがおすすめです。


買い替える前に、まず「どこが合っていないか」を見る


靴が痛いとき、すぐに買い替えたくなる気持ちはよくわかります。

ただ、店頭で多くの相談を受けてきた経験から言うと、調整で改善できるケースもあります。

ローファーで足が前に滑るなら、タンパッド。
パンプスでつま先が痛いなら、ジェルパッド。
かかとが抜けるなら、踵パッド。
くるぶしが当たるなら、かかと用インソール。
立ち仕事で足裏が痛いなら、アーチサポートインソール。

もちろん、すべての靴の痛みがこれで解決するわけではありません。
サイズが大きく違う靴、形が足に合っていない靴、すでに足に強い痛みが出ている場合は、無理に履き続けない方がいいです。

ただ、靴を買い替える前に、

「足がどこで動いているのか」
「どこに隙間があるのか」
「どこが支えられていないのか」

を見てみるだけで、解決の選択肢は増えます。

靴は、少しの調整で履き心地が大きく変わることがあります。

この記事が、痛くて履けなかった靴をもう一度見直すきっかけになれば嬉しいです。


著者プロフィール

靴業界歴20年超。
靴専門店での小売販売17年を経験。紳士靴、スニーカー、婦人靴、子ども靴など幅広いジャンルの販売・フィッティングに携わる。
現在は関西のシューズメーカーで営業・商品企画を担当。シューフィッター資格保有。

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