【マッチレビュー】25-26 PL 第28節 リバプール vs ウェストハム セットプレーFC化

熾烈なトップ5争いを続ける中で、勝ちが必須だった試合。前節の内容を考えると、セットプレー以外での得点は難しいのでは…と思っていたが、実際にセットプレーの流れから3得点となり、ある意味理想的な内容だった。お互いパフォーマンス自体は好調とは言い難かったが、それでも計7得点が生まれるのだからフットボールというのは難しいですね…それでは試合を振り返っていこう。
先発メンバー

思っていたより離脱が長引きそうなフロリアン・ヴィルツは今節も欠場。ジョー・ゴメスが右SBのスタメンとなったこともあってか、ヴィルツの代わりに前節出場するも低調だったカーティス・ジョーンズはベンチに下がり、ドミニク・ソボスライがトップ下のスタメンとなった。
試合スタッツ

支配率は低いほうが得点が生まれる傾向は今回も。それにしても、枠内シュート6本で5点は出来すぎかもしれない。
アルネ・スロットのコメント
コーナーキックから最初の3ゴールが決まったこと、そしてセットプレー全般でのチームの成長にどれほど喜んでいるか…
・非常に喜ばしい。第一に、それが勝利の要因だから
・第二に、私は『私の見解で今季は結果より良いプレーをしている』と言い続けてきた
・状況は正常に戻った。シーズン前半はセットプレーから多くのチャンスを作るも得点できず、相手のセットプレーのほとんどがゴールになった
・今日はまさにその逆の展開だった
・セットプレーから得点を重ねることで、得点できない時よりも状況がはるかに明るくなった
・これはチームとサポーターにとって本当に喜ばしいこと
リバプールのセットプレーに起きた変化について…
・先ほども言ったが、状況が正常に戻ったということ
・戦術的な組み立てもほんの少し変わった
・一時期、アーセナルにセットプレーの得点で大差をつけられていた。それが今や3点差まで詰め、さらに差を縮めている
・とはいえ今週末のアーセナル戦は何が起こるか分からない。彼らがまたセットプレーで3点決めても驚かない
ウェストハムに先制点を許した試合の流れについて… .
・今シーズン特に多かったのは、試合中に3~5分間ほど苦戦する時間帯があったこと
・そして何度も言っているように、その4~5分の間に失点するケースが多かった
・今日は相手が1点差に迫るような瞬間は一度もなかったと思う
・相手が1点を返した後、我々はガクポが4点目を決めた
・4-2となっても我々は再びチャンスを作り出した。つまり、本当に脅かされる状況はなかったということ
・ただ、スタジアムに緊張感が漂っているのは感じられた。当然だ。今シーズン、何度も非常に有利なリードを無駄に失ってきたから
・今日も全く不必要な失点だったが、実際に起きた
ヴィルツが火曜日に復帰するかについて...
・それは時期尚早
・先週、彼が今日の試合に出場できないとは思っていなかったと述べた通り、負傷の状況は時に好転も悪化もする
・現時点では回復にそれほど時間はかからないと考えているが、火曜日の復帰はおそらく早すぎる
スロットのコメント通り、翌日のアーセナルはセットプレーから2点を決めていて流石としか言いようがない。あとは、ヴィルツの復帰はだいぶ怪しい雰囲気になってきている。ズルズル長引くパターンかもしれない。
ウーゴ・エキティケのコメント
良い仕事をしたという実感について…
良い勝利だった。チームとしてよくやったよ。この勝利には本当に満足している。リーグ終了まで長い道のりだから、このまま続けていかないとね。でも、本当に嬉しいよ。今日の勝利は本当に重要だった。
前半早々に得点し、前半だけで3ゴールを決めたことについて…
早い段階で得点すると、チームにもファンにもプラスになるね。自信が持てる。もちろん、前半終了時点で3-0は気分が良い。ただ、相手も逆転の可能性を示してきた。僕らは失点したが、失点したらまた得点する力が必要だ。そして5得点。試合で大量得点するのは久しぶりだから、嬉しいよ。
セットプレーからの得点について、チームが練習を重ねてきたか…
シーズン序盤は確かに課題があった。全員で話し合って、ピッチ上でセットプレーの練習を積み重ねてきた。今日、それが実を結んだのは良いことだね。多くのエネルギーを注いできたから、当然の結果だと思う。
ウェストハムが最後まで諦めなかったこと、それがリーグの特徴であることについて…
どの試合も難しいよ。素晴らしいチーム、素晴らしい選手たちで溢れている。彼らは試合終了まで決して諦めない。だから試合は常に困難で、楽な試合などないんだ。でも、僕らは勝利できることを示した。この勢いを維持しないとね。
リバプールでのデビューシーズン16得点目について…
正直、もっと決められたはず。満足はしていないよ!でも、重要なのは得点だけじゃない、アシストもだ——今日は1つか2つアシストできた。チームに貢献して、関わり続けられることが何より大切だと思う。勝利が最優先だから、個人的には満足しているよ。今後の試合が楽しみだ。
向上心について…
もちろん、成長の余地はある。直近の試合でも得点のチャンスはあったんだ。だから努力を続けないと。チームにもっと貢献できる最高の自分になりたいよ。もっと力になれると分かっているからね。常に学び、成長することが大切。今後の試合ではさらに上を目指し、より多くの得点と貢献を心がける。
今季最大の当たり補強。これは何回も言っているけど、エキティケの課題はゲーム体力だけだと思う。これは試合に出続け、プレミアに慣れれば向上する…はず。そうなったら、リーグを代表するストライカーになれるね。
選手採点
リバプール・エコー
アリソン・ベッカー 7
愚かなパスミスで相手にボールを渡す場面はあるも、前半にはシュートを反応よく防ぎ、後半にはフェルナンデスのシュートをキャッチ。サマーヴィルのシュートも好セーブで防いだ。
ジョー・ゴメス 7
トリッキーなサマーヴィルに手こずったが、前半は時折前線へ進出。後半はウェストハムのプレッシャーが強まり苦戦。途中交代。
イブラヒマ・コナテ 6
ウェストハムの危険なカウンター攻撃に対し、必要な場面で守備に介入したが、1本のクロスへの対応ミスがハマーズの先制点につながった。
ヴィルヒル・ファン・ダイク 7
強靭な体躯でディフェンダーを押し退け、2点目をヘディングで決めた。守備面でも堅実な働きを見せたが、一部のクリアは不必要にリスクを伴っていた。
ミロシュ・ケルケズ 6
ボーウエンのスピードに苦戦する場面もあったが、いくつかのクロスはもっと良い結果に値するもので、最後まで諦めなかった。
ライアン・フラーフェンベルフ 6
粘り強さと洞察力で先制点を生んだが、危険な守備エリアでのミスパスを1度幸運にも見逃された。それでも先週より改善。途中交代。
アレクシス・マク・アリスター 7
ソボシュライと10番ポジションを入れ替え続けながら、3点目を素晴らしいボレーで決めた。後半からようやく中盤の戦いを掌握した。
モハメド・サラー 6
ディウフとのフィジカル対決を避けなかったが、大半は期待に反する結果に終わった。コーナーキックの供給が3点目を導いた。
ドミニク・ソボスライ 7
危険なコーナーキックを連発し2点目を生み出した。前半は中盤で精力的に動き回ったが、その後は沈静化した。
コーディ・ガクポ 7
左サイドでバランスを取りながら精力的に動き、前半終了前の最大の貢献は守備参加だった。決定機を逃したが、後にディフレクトしたシュートで挽回。試合終盤はトップでプレーし、フリンプングの5点目を生む絶妙なパスを供給。
ウーゴ・エキティケ 7
早い時間帯に先制点を決め、3点目では素早くボールを危険区域に戻す機転を見せた。時折ボールキープが物足りなかったが、4点目のガクポへのアシストを成功させた。途中交代。
交代選手
リオ・ングモハ(エキティケと交代 77分) 7
ボールに触れるまで時間がかかったが、1度の素晴らしい突破はハーマンセンのセーブに阻まれた。
ジェレミー・フリンポン(ゴメスと交代 77分) 7
スピードで即座にウェストハムを脅かし、クロスが5点目の得点に繋がった。
トレイ・ニョニ(グラヴェンベルフと交代 86分)
フリンポンからのパスで初ゴールを決めるべき場面があった。
全員6~7点に。もちろん悪くはないが、そこまで良い選手もいなかったというのがこの試合を表している。ただ、途中交代のングモハ、フリンポンは相変わらず素晴らしかった。疲れた状態でこの2人を相手にするのはしんどそうだ。
プレミアリーグ順位表

チェルシーがアーセナルに敗れたことで、ついにリバプールは5位に浮上。これはこのブログで何回も書いているが、最後までユナイテッド、もしかしたらアストン・ヴィラも含めた4チームでのトップ5争いは続くだろう。
所感
シーズン中盤まで、明確に課題となっていたセットプレー。今季はプレミアリーグ全体でセットプレーへの意識が著しく上がっており、それを代表するのがアーセナルだろう。正直、彼らはセットプレー以外だとそれほどの脅威はないのだが、特にCKの完成度は尋常じゃなく、試合の流れとか関係なしに得点を奪っていく。
リバプールは明確にその流れに乗り遅れてしまっていたが、ここに来てセットプレーの精度が飛躍的に上がっている。
変化のきっかけとなったのは、このルイス・マホーニーという人物がセットプレーのアナリストに就任してから。前任のセットプレーコーチだったアーロン・ブリッグスが昨年末に(おそらく責任を取って)クラブから去り、代わりにセットプレーの責任者に就いたと見られている。
今季最大の謎だったのは、高さがありながらそこまでキック精度が高くないガクポに左CKのキッカーを任せていたことだったが、マホーニーになってからはそれも徐々になくなった(主にソボスライが蹴っている印象)。また、アーセナルの得意技であるGKの妨害をする動きも見られるようになったと思う。この試合の2点目も、ジョー・ゴメスが相手GKをぎりぎりまでブロックする形をとっていた。
キャプテン弾で突き放す💨
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) February 28, 2026
コーナーキックに合わせたのは
中で待ってた #ファン・ダイク🇳🇱
お手本のような完璧なゴールで
2点目をゲット👏
🏆 プレミアリーグ第28節
⚔️ リヴァプール v ウェストハム
📺 https://t.co/ERP5hEMYvJ pic.twitter.com/cJU3PEvn1t
ここに来てセットプレーが武器となりつつあるのはチームとして本当に大きい。ヴィルツが負傷し、両ウィングの突破力にも期待できない現状だとオープンプレーからチャンスを作り出すのは至難の業であり、もしセットプレーが昨年までと同じような状態だったら…どうにもならなかっただろう。
そのオープンプレーについては、この試合だと後半フリンポンとングモハが投入されてからはかなりの期待感があった。もちろん、ウェストハムは前に出るしかない状況でスペースがあったという事情はあるが、やはりフリンポンのスピードやングモハのドリブル突破は相手に脅威を与えている。
スロットは17歳のングモハに過度な負荷をかける選択には消極的であり、その考え自体には賛成できるので、この試合みたいに15分くらいの出場機会は確実に確保するようになると嬉しいね。そして徐々に時間が20分、30分…と伸びていけば理想的だ。
ここに来てリーグ戦3連勝を飾り、勢いが出てきたリバプール。正直、パフォーマンス的にはそこまで良いと言えるものではない(スロットもフォレスト戦の低調っぷりは認めているし)。それでも、大事なのは結果と言える時期に入っており、何とかこの調子で最後まで行ってもらいたいところだ。
そんなリバプールの次の試合は、プレミアリーグでのウルブス戦(A)。今季長らくぶっちぎりの最下位だったが、最近は徐々に調子を上げており油断ならない相手でもある。今週末にはFAカップでも対戦するチームだが、ここはもちろん必勝で。ヴィルツはまだ戻ってこないようなので、再びセットプレーに期待したいですな。それでは、今回はここまで。YNWA!
