失礼な!
朝、食事をしていると、防犯カメラが突然作動した。誰かが来たのかと見ていると訪問者はキツネだった。そしてカメラの前で犬のお座りのような格好をして、目を宙に据えたままじっとしている。なんと!ウンチをしているらしかった。
キツネの姿が消えてから外に出ると、3センチほどのウインナソーセージを2本つなげたようなウンチがあった。ホウキで茂みの中に処理しようとしたら、そこにはドングリのようなのが3個転がっているではないか。そして家の西側にも4センチほどのが2本あった。こちらは半分乾きかけていた。
失礼な! 我が家の庭を何だと思っているのだ!
でもよく考えたら、この森の先住者はキツネたちだったのだ。それを私たちが「緑が素敵!」なんてほざいているけど、私たちは動物たちを森から追い出していたのだった。
軽井沢に移住したころ、別荘の建物は数えるほどしかなかった。散歩のとき、よくカモシカに出会った。お父さんキジを先頭に何羽かの子キジをはさんで、お母さんキジがしんがりで道路を横切って行った。
キャリーと散歩をしていたら、向こうの方にキツネがいてこっちの様子を伺っている。キャリーはバカな子だからキツネには気がつかずに、私にまとわりついていた。
夜になると夜鷹がピーピーと鳴きながら、我が家の回りをうろついていたっけ。
別荘が増え、コロナ禍以降は定年退職組の定住が増え、移りゆく自然を楽しんでいるうちに、彼らの姿は減った。
森を歩いていて時にはキジやカモシカに出会うことはあるけれど、そんなとき私は木になったふりをして道を譲ることにしている。そうやって森の先住者に気を遣っているのに、私の家の玄関先をトイレにしなくたっていいじゃない!
ウンチをするってことは、私の家は安心なところだと思っているのだろうけど、やっぱりトイレにするのはやめて。
