スタチン治療|キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール併用の有用性示唆|前臨床研究成果が学術誌掲載
HDL研究会に所属するチョ・ギョンヒョン教授らの研究成果が、国際学術誌『Pharmaceuticals』に掲載されました。
本論文は、アトルバスタチン単独、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール単独、および両者併用の影響を前臨床モデルで比較検討したもので、HDL関連指標に加え、LDL-C、総コレステロール、中性脂肪、血糖、酸化ストレス、各臓器の所見、繁殖関連指標まで多面的に評価した研究です。
※noteでは、HDL研究会のWEBサイトで公開している記事の一部を公開しています。
記事全文はこちら:https://hdl-research.jp/posts/column026
研究のポイント
1.ポリコサノール単独ではHDL関連比率に特徴的な変化
本研究では、アトルバスタチンが総コレステロール、トリグリセリド、LDL-Cの低下で強い作用を示した一方で、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール単独では、HDL-C/総コレステロール比がより高かったことが報告されています。
脂質低下の強さとは異なる軸で、ポリコサノールの特徴が示された点は注目されます。
2.スタチン単独では捉えきれない領域を、併用群で補完する可能性
要旨では、アトルバスタチン単独では保護効果がみられなかった高血糖、酸化ストレス、抗酸化指標低下に対し、ポリコサノール併用群では血糖値およびMDA値の低下、抗酸化関連指標の上昇が認められたと記載されています。
これは、スタチン単独では十分な変化が得られなかった代謝ストレス関連指標に対して、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール併用が補完的に働く可能性を示す結果です。
3.主要臓器に関わる所見でも改善方向の変化
さらに併用群では、脂肪肝、炎症、腎臓でのROS産生、脳老化関連変化の軽減、生殖関連の健康状態の改善も報告されています。
肝機能値や腎機能値そのものを直接示したものではありませんが、少なくとも前臨床モデル上では、肝臓・腎臓を含む主要臓器への代謝ストレスに対し、保護的な方向に作用したことを示す重要な結果といえます。
まとめ
この研究は、アトルバスタチンがTC、TG、LDL-C低下で強みを示す一方で、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールはHDL関連比率の面で特徴を示し、さらに併用時には血糖、酸化ストレス、抗酸化能、主要臓器に関わる代謝ストレスなど、スタチン単独では十分に捉えきれない領域を補完しうる可能性を示した前臨床研究です。
本研究はゼブラフィッシュを用いた前臨床研究であり、ヒトにおける有効性や安全性を直接示すものではありません。
ただし、スタチン治療環境下でキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールがどのような補完的作用を示しうるかを考えるうえで、重要な基礎的知見といえます。
記事本文はHDL研究会WEBサイトよりご覧いただけます:https://hdl-research.jp/posts/column026
長寿因子HDL研究会について
長寿因子 HDL研究会は、多くの疾患の引き金とされる“血管系の疾患”に深く影響する「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する研究会です。「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目指し、シンポジウム開催、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信などを多角的に展開しています。
商号 : 長寿因子 HDL研究会
代表 :上原吉就(うえはら・よしなり)博士/医師
設立 : 2023年5月
事業内容
「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目的としたシンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信など
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