福岡大学 朔啓二郎名誉学長が解説:LDLとHDLの「質」が血管の健康を左右する
2025年2月に開催された長寿因子HDL研究会ミーティングに福岡大学 朔啓二郎名誉学長、福岡大学 スポーツ健康科学研究科 研究科長 上原吉就教授、Raydel Research InstituteのCho局長が参加しました。
朔啓二郎名誉学長は、コレステロール輸送と血管の健康について研究成果を共有。
従来の「LDL(悪玉)とHDL(善玉)の量」に注目するだけでは不十分であり、LDLの質的特性やHDLの機能が血管の健康に大きな影響を与えるという見解が示されました。
※この記事は研究会のウェブサイトで公開しているもののダイジェスト版となります。詳しい記事はこちらからご覧ください。
https://hdl-research.jp/posts/colum017
LDLとHDLの輸送メカニズム(FCT・RCT)
コレステロールは、フォワード・コレステロール・トランスポート(FCT)によりLDLを介して細胞へ運ばれます。
一方で、リバース・コレステロール・トランスポート(RCT)により、HDLが余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運搬します。
この輸送バランスが崩れると、動脈硬化リスクが高まります。
LDLの「量」だけでなく「質」が重要
同じLDLコレステロール値でも、粒子の大きさや性質の違いによって動脈硬化のリスクが大きく変わります。
大型のLDL(buoyant LDL):動脈硬化リスクが低い
小型で高比重のLDL(small dense LDL):血管壁に蓄積しやすく、動脈硬化を引き起こしやすい
特に、糖尿病や慢性腎不全の患者では、small dense LDLが増加しやすいことが指摘されました。
酸化・修飾LDLと「超々悪玉」の危険性
LDLは酸化や修飾を受けると、陰性荷電LDLに変化し、動脈硬化リスクがさらに高まります。
特に、小型の陰性荷電LDLは「超々悪玉」と呼ばれ、心血管疾患のリスクが極めて高いことが示されました。
これを評価する手法として、キャピラリーイソタコ電気泳動法が活用され、LDLの質的変化を精密に分析できることが紹介されました。

HDLがLDLの質を改善し、血管を守る
HDLは、LDLから余分なコレステロールや修飾された成分を引き抜き、肝臓へ運搬することで、LDLの質を改善します。
これは、HDLが血管の「掃除屋」として働くためであり、動脈硬化防御に重要な役割を果たしています。
詳細な記事はこちらでご覧ください
【長寿因子 HDL研究会について】
長寿因子 HDL研究会は、多くの疾患の引き金とされる“血管系の疾患”に深く影響する「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する研究会です。「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目指し、シンポジウム開催、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信などを多角的に展開しています。
商号 : 長寿因子 HDL研究会
代表 :上原吉就(うえはら・よしなり)博士/医師
設立 : 2023年5月
事業内容:
「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目的としたシンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信など
URL :https://hdl-research.jp/
X :https://x.com/HDL_researchsoc
Instagram:https://www.instagram.com/hdl_researchsoc/
