【薬剤師向け】褥瘡治療におけるカデックス軟膏の臨床的役割
昨日、カデックス軟膏を調剤しました。
ご家族が受け取りに来て、使用目的は「床ずれ(褥瘡)治療」とのこと。
カデックス軟膏の臨床的役割を実践的に学びなおしたので共有します。
加えて褥瘡治療の全体感を掴む内容をまとめました!
カデックス軟膏の基本情報
カデックス軟膏(一般名:カデキソマー・ヨウ素)は、デンプンの微粒子ビーズにヨウ素を担持させた独特な製剤です。
日本皮膚科学会ガイドライン(2023)では、ステージIII以上の褥瘡に対して使用を提案する(弱い推奨)とされています。
カデックス軟膏の3つの主要作用

①強力な滲出液吸収作用
カデックス軟膏の最大の特徴は、吸水作用です。
デンプンビーズが創面の過剰な滲出液を吸収し、適切な湿潤環境を維持します。
使うべき場面は、滲出液が多い褥瘡。
つまりジュクジュクした創面です。
特に黄色期(壊死組織があり滲出液が多い状態)や感染による滲出液増加時に活躍します。
吸水能力は一般的な水溶性基剤より高く、「ベタベタした創面を整える」イメージです。
②感染制御作用
ヨウ素の広範囲な抗菌作用により、創部の細菌を減少させます。
グラム陽性菌・陰性菌、MRSA、真菌など幅広い微生物に効果があります。
感染や炎症を伴う褥瘡、特に発赤、腫脹、異臭、膿性滲出液がある場合に適しています。
ガイドラインでも「感染制御作用を有する」薬剤として、
スルファジアジン銀(ゲーベンクリーム)、
ポビドンヨード・シュガー(イソジンシュガーパスタ)
とともに推奨度Bとされています。
③デブリードマン効果
滲出液を吸収する過程で、壊死組織や細菌、膿などを巻き込んで除去する作用があります。
これを「化学的デブリードマン」と呼びます。
黄色壊死組織(スラフ)が付着している創面や、外科的デブリードマンができない、または不十分な場合に有用です。
カデックス軟膏を使うべき創面の状態
処方箋でカデックス軟膏を見たら、以下のような創面を想像してください。
滲出液が多い(1日に何度もガーゼ交換が必要)
黄色い壊死組織がある(スラフ、膿苔)
感染徴候がある(発赤、腫脹、異臭、熱感)
ステージIII以上の深い褥瘡
逆に使うべきでないのは、滲出液が少ない・乾燥した創面や、上皮化が進んでいる創面です。
過度に乾燥させてしまい、治癒を遅らせる可能性があります。
また、ヨウ素過敏症の患者や、甲状腺疾患のある患者(特に広範囲・長期使用時)には注意が必要です。
服薬指導のポイント
ここから先は
¥ 400 (数量限定:残り 10 / 10)
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
