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PCカスタマイズの楽しみ方

はじめに

いつも使っているパソコンの電源を入れ、机へ座る。

壁紙を落ち着いた写真へ替え、よく使うアプリだけをタスクバーへ残す。机の上で絡まっていたケーブルを整え、キーボードの位置を少し手前へ動かすだけでも、見慣れた作業環境の印象は変わります。

PCカスタマイズというと、ケースを開けて高価な部品を交換したり、光るパーツを組み込んだりする姿を思い浮かべるかもしれません。

けれど、入口はもっと身近です。

使わないアプリを整理する。保存先を見直す。文字や画面の大きさを合わせる。キーボードやマウスを、自分の手に合うものへ替える。必要になったらメモリやストレージを増やす。

PCカスタマイズは、性能を競うためだけではなく、今あるパソコンを自分の作業、遊び、創作へ合わせて整えていく趣味です。

「部品の名前が分からないと難しいのではないか」

「設定を変えて、元へ戻せなくなったら困る」

「結局は新しいパソコンを買うほどお金がかかるのではないか」

最初から内部へ触れる必要はありません。現在の状態を記録し、無料で戻せる設定から一つずつ試せば、手持ちのパソコンだけでも始められます。

大切なのは、何となく部品を増やすのではなく、「何を使いやすくしたいのか」を決めることです。


PCカスタマイズの基本情報

主な楽しみ方 設定、画面、入力機器、収納、内部パーツを、自分の用途に合わせて少しずつ整える

最初に取り組みやすいこと デスクトップ画面、保存場所、スタートアップアプリ、キーボードやマウスの配置を見直す

おすすめの頻度 週1回ほど短く確認し、大きな変更は月1〜2回程度

1回の作業時間 設定の変更なら30〜60分、周辺機器の入れ替えなら60〜90分ほど

内部パーツを交換する場合 確認、バックアップ、作業、動作確認を含めて2〜3時間ほど

短時間で楽しむ場合 壁紙、通知、タスクバー、ケーブル一本の整理なら15〜30分ほど

主な場所 自宅のPCデスクと、部品を安全に広げられる明るい作業場所

天候の影響 ほとんど受けず、一年を通して自宅で続けやすい

最初に目指す状態 変更した目的と結果が分かり、問題があれば元へ戻せる

週2〜3回楽しむ場合も、毎回パーツを交換する必要はありません。ある日は設定を一つ見直し、別の日は使用中の温度や空き容量を確認し、休日にケーブルや周辺機器を整えるという続け方ができます。

むしろ、大きな変更を短期間に重ねると、不具合が起きたときに原因を見つけにくくなります。一度に一つだけ変え、数日使ってから次を考える方が、使いやすさの違いを確かめられます。

PCカスタマイズにかかる費用

PCカスタマイズは、手持ちのパソコンを使えば0円から始められます。

本体を新しく購入する費用を、趣味の必須初期費用へ含める必要はありません。設定変更、アプリの整理、ケーブルの配置、机の高さの調整など、お金をかけずに改善できる場所も多くあります。

無料で始める場合

Windowsの個人用設定、保存場所、通知、スタートアップアプリ、画面表示などは、基本的に追加費用なしで変更できます。

机の上にある物を減らし、使っていないケーブルを外し、モニターと椅子の位置を整えるだけでも、作業のしやすさは変わります。

設定の整理 0円

不要なアプリやファイルの見直し 0円

壁紙やアイコン配置の変更 0円

手持ちの箱や結束用品による配線整理 0円から

最初の1回は、購入する物を探すより、現在の不便を三つ書き出すところから始めます。

周辺機器を一つ替える場合

キーボード、マウス、マウスパッド、USBハブ、モニター台などは、数千円から選べます。

高価な製品ほど必ず使いやすいわけではありません。手の大きさ、押し心地、接続方法、机の広さなど、自分の条件に合うことの方が大切です。

マウス 約1,500〜10,000円

キーボード 約2,000〜20,000円

USBハブやカードリーダー 約1,500〜8,000円

モニター台やノートPCスタンド 約2,000〜10,000円

ケーブル整理用品 約500〜3,000円

最初から机全体を買い替えず、最も負担や不便を感じる一か所だけを変えると、費用と効果を比べやすくなります。

内部パーツを交換する場合

デスクトップPCでは、機種や構成によって、メモリ、ストレージ、グラフィックボード、冷却ファンなどを交換できる場合があります。

価格は規格、容量、性能、時期によって大きく変わります。購入前には、現在のPCへ取り付けられるかを確認し、最新の販売価格を比較します。

メモリの増設 約5,000〜20,000円

SSDの追加や交換 約7,000〜25,000円

ケースファンの追加 1台約1,000〜5,000円

CPUクーラーの交換 約3,000〜15,000円

グラフィックボードの交換 数万円から、上位品では10万円を大きく超えることもある

グラフィックボードやCPUを交換すると、電源容量、ケースの寸法、冷却、マザーボード、対応する規格まで確認項目が増えます。初心者はメモリやストレージから入る方が、目的と変化を理解しやすくなります。

年間費用の目安

設定と整理を中心に楽しむなら、年間0〜5,000円ほどでも続けられます。

周辺機器や小さなパーツを時々交換する場合は、年間1万〜5万円ほどが一つの目安です。グラフィックボード、モニター、PCケースなどの大きな交換を行う年は、それ以上になることがあります。

毎週作業するからといって、毎回200円ずつ消耗する趣味ではありません。部品を交換しない時期の費用はほぼなく、必要な改善が見つかったときに予算を使います。

PCカスタマイズをおすすめする3つの理由

1.毎日感じていた小さな不便を、具体的に変えられる

アプリの起動を待つ時間が長い。保存したファイルが見つからない。マウスを動かす場所が狭い。文字が小さく、画面を見るたびに身体が前へ寄ってしまう。

PCを使っていると、故障ではないけれど気になる不便が少しずつ積み重なります。

PCカスタマイズでは、その不便を一つ選び、原因を考えます。起動時に多くのアプリが動いているなら整理し、容量が不足しているなら保存内容を確認し、手首が疲れるならマウスの形や机の位置を見直します。

変更した結果は、次にパソコンを使った日から確かめられます。

派手な性能向上がなくても、「迷わずファイルを開ける」「手を伸ばさず操作できる」といった小さな変化が、毎日の使いやすさにつながります。

2.パソコンの中で、何が働いているのか分かってくる

PCは一つの箱に見えますが、内部ではCPU、メモリ、ストレージ、グラフィックス、電源、冷却部品が役割を分けています。

アプリをいくつも開くとメモリが使われ、写真や動画を保存するとストレージが減り、重い映像処理ではグラフィックスへの負荷が高くなります。

カスタマイズを続けると、部品名を覚えるだけでなく、自分の使い方と部品の役割が結びついてきます。

「動作が遅いから何か高い部品を買う」のではなく、「どの場面で、何が不足しているのか」を確かめられるようになることが、この趣味の大きな面白さです。

3.完成形を一度で決めず、使いながら育てられる

PC環境は、生活や興味の変化によって必要な形が変わります。

文章を書くようになれば、静かで打ちやすいキーボードが欲しくなる。写真編集を始めれば、画面の広さや保存容量が気になる。ゲームを楽しむようになれば、処理性能や冷却へ目が向きます。

最初から将来の用途をすべて予想し、高性能な構成をそろえる必要はありません。

今の目的へ必要な部分を一つ整え、しばらく使い、次の不便が見えたらまた考える。PCカスタマイズには、使う人と一緒に環境が少しずつ変わっていく楽しさがあります。

最初に「何を変えたいか」を決める

カスタマイズを始める前に、欲しい製品ではなく、困っている場面を書き出します。

起動が遅い。
複数のアプリを開くと動作が重い。
保存容量が足りない。
ファンの音が気になる。
画面が狭い。
文字が読みづらい。
机の上がケーブルで混雑している。
ゲームや編集ソフトを快適に使いたい。
外観を自分の好みに整えたい。

この中から、最も頻繁に困るものを一つ選びます。

動作が遅いと感じても、原因はメモリ不足とは限りません。空き容量の不足、不要な常駐アプリ、更新中の処理、熱、通信環境、使用しているソフトの条件など、複数の可能性があります。

最初に部品を買わず、いつ、どの操作で困るのかを記録します。

「動画編集ソフトを開き、素材を読み込むと遅くなる」「起動直後だけ時間がかかる」というように場面を絞ると、必要な変更を考えやすくなります。

変更前の状態を記録する

PCカスタマイズでは、変更前の記録が大切です。

現在のOS、PCの型番、CPU、メモリ容量、ストレージの種類と空き容量、グラフィックス、接続している周辺機器を確認します。デスクトップPCなら、マザーボード、電源ユニット、PCケースの型番も、内部パーツを選ぶ手がかりになります。

設定を変更する前には、元の画面をスクリーンショットで残します。内部のケーブルや部品を外す場合も、触れる前に複数の角度から写真を撮ります。

記録する項目は、次の程度で十分です。

変更した日 いつ作業したか

困っていたこと 何を改善したかったか

変更した内容 どの設定や部品を変えたか

元へ戻す方法 設定の場所や外した部品

作業後の変化 改善したか、新しい不具合が出たか

記録があれば、うまくいかなかった変更を元へ戻しやすくなります。同じ部品を二度調べたり、以前と同じ設定を繰り返したりすることも減ります。

最初にバックアップを用意する

設定変更だけであっても、大切な写真、文書、制作データは別の場所へ保存しておきます。

クラウドへ同期しているから大丈夫と思わず、どのフォルダーが対象になっているかを確認します。同期とバックアップは同じではなく、元のファイルを削除した結果が別の端末にも反映される場合があります。

内部ストレージの交換、OSの再設定、パーティションの変更などを行う前には、外付けストレージなどにも必要なデータを残します。

バックアップ後は、保存先にファイルが見えるか、一つ開けるかまで確認します。コピーを開始しただけで安心せず、必要なデータを戻せる状態かを確かめます。

現在使っているアプリ、ライセンス、ログイン方法、周辺機器の設定も簡単に記録しておくと、復旧後の作業が楽になります。

お金をかけずに始める五つのカスタマイズ

1.スタートアップアプリを整理する

PCを起動したときに自動で動くアプリが多いと、起動直後の処理が増えます。

必要なセキュリティソフトや機器の制御ソフトをむやみに止めず、毎回自動で開く必要がないものだけを見直します。変更後は再起動し、普段使う機能に問題がないかを確認します。

2.ストレージの空き容量を確認する

写真、動画、ダウンロードしたファイル、使わなくなったアプリが積み重なると、保存場所が分かりにくくなります。

大きなファイルをすぐ削除するのではなく、必要な物、別の場所へ移す物、削除できる物へ分けます。自動的なクリーンアップ機能を使う場合も、何が対象になるかを確認してから設定します。

3.画面表示を自分に合わせる

解像度、文字の大きさ、表示倍率、明るさ、夜間の色合いなどを見直します。

一度に極端な値へ変えず、文字が読みやすく、作業領域を確保できる位置を探します。ノートPCへ外部モニターをつないでいる場合は、画面ごとに表示や配置を確認します。

4.タスクバーと通知を減らす

よく使うアプリだけをタスクバーへ残し、ほとんど開かないものを外します。通知も、必要な連絡や警告まで止めず、集中を途切れさせるものだけを見直します。

画面を装飾することだけでなく、迷わず目的の操作へ入れるように整えることも、立派なカスタマイズです。

5.フォルダーと保存場所を決める

デスクトップへすべてのファイルを置くのではなく、写真、文書、制作中、保管済みなど、自分が迷わない分類を作ります。

細かく分けすぎると保存先を選ぶ負担が増えます。最初は三つから五つほどの大きな分類で始め、必要になったところだけを分けます。

周辺機器は、身体に近いものから見直す

キーボードやマウスは、PC本体よりも長い時間、直接触れる道具です。

性能を上げたいと考えていても、実際の不満が手首の疲れや操作のしにくさであれば、内部パーツより周辺機器を見直した方が効果を感じられることがあります。

キーボードでは、配列、キーの重さ、音、大きさ、無線か有線かを確認します。数字を多く入力する人にはテンキーが便利ですが、マウスを近くへ置きたい人には幅の狭いキーボードが合うこともあります。

マウスでは、手の大きさ、持ち方、重さ、ボタンの数、左右の形を見ます。高性能なセンサーが必要かどうかより、毎日無理なく動かせることを優先します。

モニターを追加する場合は、机に置ける寸法、端子、PC側の出力、解像度、文字の見え方を確認します。画面が増えると便利になりますが、首を大きく動かす配置では疲れやすくなるため、主に見る画面を正面へ置きます。

内部パーツは、対応規格を確認してから選ぶ

PCパーツには、見た目が似ていても取り付けられない組み合わせがあります。

メモリなら、デスクトップ用かノート用か、DDRの世代、対応容量、空いているスロットを確認します。容量だけを見て購入せず、PCやマザーボードの仕様書へ合わせます。

SSDでは、2.5インチのSATA接続、基板状のM.2など、形と接続方式が異なります。M.2でも長さや対応する規格が違うため、空いている場所へ見た目だけで選ばないようにします。

グラフィックボードでは、マザーボードのスロットだけでなく、ケースへ収まる長さと厚み、電源容量、補助電源端子、周囲の冷却を確認します。

交換前には、次を整理します。

・PCの正確な型番
・メーカーの仕様書とサービスマニュアル
・現在使われている部品の規格
・空いているスロットや取り付け場所
・対応する最大容量
・ケース内の寸法
・電源容量と必要な端子
・OSやソフト側の対応条件
・部品交換による保証への影響
・交換後に元の部品へ戻せるか

一つでも確認できない場合は、購入店、PCメーカー、パーツメーカーへ問い合わせます。

デスクトップPCとノートPCでは範囲が違う

一般的なタワー型デスクトップPCは、内部へアクセスしやすく、メモリ、ストレージ、グラフィックボードなどを交換できる機種が多くあります。

ただし、省スペース型、メーカー独自設計、一体型PCでは、一般的な部品が収まらなかったり、電源やコネクターが専用品だったりすることがあります。

ノートPCはさらに機種差が大きく、メモリやストレージを交換できる製品もあれば、基板へ固定され、利用者が交換できない製品もあります。底面が開くから交換できるとは限りません。

内蔵バッテリー、薄いケーブル、特殊ねじが使われていることもあるため、機種別の公式マニュアルを確認します。保証期間中の製品や、仕事に欠かせない一台は、無理に自分で開けず、メーカーの増設・修理サービスを利用する方法もあります。

最初に用意したい道具

設定変更だけなら、特別な工具は必要ありません。

内部へ触れる場合も、対象のPCへ合う最小限の道具から始めます。

最初に必要なもの

・機種別の取扱説明書やサービスマニュアル
・ねじに合うプラスドライバー
・外したねじを分ける小さな容器
・作業前の状態を撮影するスマートフォン
・手元を照らすライト
・データを保存するバックアップ先
・部品を置ける清潔で安定した作業面

PCケースでは一般的なプラスドライバーを使うことが多いものの、ノートPCや小型機器には別のねじが使われる場合があります。合わない工具で無理に回さず、ねじへ合う先端を確認します。

続けるなら用意したいもの

・静電気対策用のリストストラップやマット
・樹脂製の開口工具
・小部品を分類するケース
・ケーブルをまとめる面ファスナー
・内部を確認するための小型ライト
・温度や使用状況を確認する公式または信頼できるソフト
・起動用や復旧用に使えるUSBメモリー

静電気対策用品は、正しい接続方法を理解して使います。単に手首へ巻くだけではなく、製品の説明とPCメーカーの手順に従います。

最初は買わなくてよいもの

・電動ドライバー
・大型の工具セット
・高価な測定器
・予備の電源ユニット
・液体冷却の一式
・多数のLED部品
・用途が決まっていない変換ケーブル
・大量の熱伝導グリス
・特殊な分解工具

道具を集めること自体も楽しみになりますが、使う予定のない物を先に増やすと、部品とケーブルの管理が難しくなります。

内部パーツを交換する日の流れ

1.作業内容を一つに絞る

メモリとSSDとファンを同じ日に交換するのではなく、最初は一種類だけにします。

交換後に問題が起きたとき、変更した場所が少ないほど原因を探しやすくなります。

2.バックアップと復旧方法を確認する

大切なデータを別の場所へ保存し、現在の設定と部品を記録します。ストレージを交換する場合は、OSとデータをどのように移すのか、交換前に手順を決めます。

3.PCを完全に終了する

通常の手順で電源を切り、接続しているケーブルと周辺機器を外します。デスクトップPCでは電源ユニット側のスイッチも確認し、電源コードを抜きます。

電源を外した後の手順は、機種別のサービスマニュアルに従います。

4.安定した場所でケースを開ける

床や布団の上ではなく、平らで明るく、部品を落としにくい場所を使います。外したパネルやねじは、蹴ったり踏んだりしない位置へ置きます。

内部へ触れる前に写真を撮り、ケーブルの位置を残します。

5.部品の端を持つ

メモリや基板の端子部分を指で触らず、端を持って扱います。向きが合わない部品を強く押し込まず、切り欠きや固定具の位置を確認します。

取り付けに強い力が必要だと感じたら、一度外して規格と向きを見直します。

6.ケースを閉じてから電源を入れる

工具、ねじ、包装材が内部へ残っていないかを確認します。ケーブルがファンへ触れていないか、固定具が閉じているかも見ます。

パネルと必要なねじを戻してから、電源と周辺機器を接続します。

7.認識と動作を確認する

起動後は、交換したメモリ容量やストレージが認識されているかを確認します。異音、異臭、異常な発熱、再起動、画面表示の乱れなどがないかを見ます。

問題があれば使用を続けず、電源を切って元の構成へ戻します。

安全にPCカスタマイズを楽しむために

PC内部の作業は、電源を切っただけで始めず、コンセントや接続機器から切り離します。電源が外れていても、メーカーが指定する残留電力の放電手順や、内蔵バッテリーの扱いを確認します。

静電気は、人体では感じない程度でも電子部品へ影響する可能性があります。乾燥した部屋やカーペットの上を避け、静電気対策用品と機種別の作業手順を使います。

PCの電源ユニットやACアダプターは、外装を開けて内部を修理しません。電源を抜いた後も危険な電圧が残る可能性があり、利用者が内部を整備する前提では作られていません。

ノートPCのバッテリーが膨らみ、底面やキーボード、画面を押し上げている場合も、自分で押し戻したり、穴を開けたりしません。充電と使用を中止し、メーカーや販売店へ相談します。

電源コードやテーブルタップは、机や椅子の脚で踏まず、差し込み口のほこりや変色を確認します。複数の機器を接続する場合は、タップに表示された最大消費電力を超えないようにします。

冷却を良くしようとして、吸気口や排気口の向きをふさいでしまうこともあります。ケースを壁や布へ密着させず、ファンを追加する場合は、空気が入る側と出る側の流れを考えます。

内部清掃では、機種の公式な手入れ方法を確認します。強い液体や家庭用洗剤を基板へ使わず、ファンや細いケーブルへ無理な力を加えません。

動かなくなったときは、変更を一つずつ戻す

部品交換後に電源が入らないと、すぐ故障したと考えてしまいます。

けれど、ケーブルの差し込み不足、メモリの固定不足、モニターを接続する端子の違いなど、組み直しで改善する場合もあります。

慌てて複数の部品を動かさず、最初に電源を切り、接続と取り付けを一つずつ確認します。

設定変更で不具合が出た場合も、変更履歴を見ながら元へ戻します。高速化を目的とした非公式な設定や、内容が分からないコマンドを次々と試すと、原因が増えてしまいます。

次のような場合は、自分で作業を続けず、メーカーや専門店へ相談します。

・焦げたにおいや煙が出た
・電源コードや端子が変色している
・バッテリーが膨らんでいる
・液体をこぼした
・ケース内部で部品が破損した
・電源ユニットの異常が疑われる
・何度も突然電源が切れる
・業務や大切なデータに使うPCが起動しない
・保証期間中で、分解による影響が分からない

元へ戻すことは失敗ではありません。安全な状態へ戻し、分からない部分を調べ直すところまでがPCカスタマイズです。

古いPCは、部品を増やす前に対応状況を確認する

メモリやSSDを増やしても、OSや必要なソフトの対応条件を満たせないことがあります。

CPUなど、一般の利用者が簡単には交換できない部分が対応条件へ関わる場合もあります。古いPCへ無理に新しいOSを導入するのではなく、メーカーの対応情報やPCの正常性確認機能を使います。

また、必要なソフトが求める性能も確認します。

文章作成とウェブ閲覧が中心なら、グラフィックボードを追加しても大きな変化を感じにくいかもしれません。動画編集や3D制作では、CPU、メモリ、ストレージ、グラフィックスをまとめて考える必要があります。

一部だけを高性能にしても、他の部品、電源、冷却が追いつかなければ、期待した結果にならないことがあります。

追加費用が大きくなる場合は、部品交換、メーカー修理、対応する中古PC、新品への買い替えを比較します。使い続けることだけを正解にせず、安全性と総額を見て決めます。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

第1段階 無料の設定を一つ整える

最初は、壁紙、タスクバー、通知、保存場所など、元へ戻しやすい設定を一つ変更します。

何となく見た目を変えるだけでなく、「目的のアプリを迷わず開く」「文字を読みやすくする」といった小さな目的を決めます。

第2段階 机と周辺機器を使いやすくする

キーボード、マウス、モニター、ケーブルの位置を見直します。

机の広さや身体の動きに合わせて配置すると、PC本体の性能とは別の場所にも、使いやすさを変える余地があることへ気づきます。

第3段階 使用状況から必要な部品を選ぶ

メモリ使用量、ストレージの空き、ソフトの推奨条件などを確認し、必要な場合だけパーツを追加します。

容量や数字の大きさだけで選ばず、規格、寸法、電源、保証を調べるところまで含めて楽しみます。

第4段階 性能、静かさ、外観のバランスを整える

処理性能だけでなく、冷却、ファンの音、配線、ケース内の空気の流れ、机との調和まで考えます。

光る部品を選ぶ場合も、色を増やすことだけを目的にせず、明るさや点灯方法を自分の部屋へ合わせます。落ち着いた外観や消灯を選ぶことも、カスタマイズの一つです。

第5段階 目的に合う構成を自分で設計する

続けるうちに、「写真を整理しやすいPC」「静かに文章を書ける環境」「ゲームと配信を両立する構成」など、自分なりのテーマが生まれます。

必要な性能と予算を整理し、既存PCの改良、自作PC、次の買い替えを比較できるようになります。部品を増やすことではなく、必要な物と不要な物を説明できることが、一つの深まりです。

あわせて楽しみたい関連する趣味

自作PC

自作PCは、CPU、マザーボード、メモリ、ストレージ、電源、ケースなどを自分で選び、一台のパソコンとして組み立てる趣味です。既存PCのカスタマイズを通して規格や部品の役割が分かってくると、構成を最初から考える楽しみへ進めます。

電子工作

電子工作は、電源、スイッチ、LED、センサーなどを組み合わせ、光や音、動きを作る趣味です。PCとは扱う範囲が異なりますが、低電圧の回路から部品の役割を学ぶことで、周辺機器や基板を見る視点が増えていきます。


デジタル断捨離

デジタル断捨離は、ファイル、写真、アプリ、アカウントなどを見直し、必要な情報へたどり着きやすくする趣味です。部品を増やす前に保存内容や使い方を整理すると、現在のPCへ本当に必要な改善も見つけやすくなります。

いつもの一台を、自分の使い方へ近づけていく

PCのカスタマイズは、ケースを開けた瞬間から始まるものではありません。

毎朝使うアプリを開きやすくする。見失っていたファイルの置き場所を決める。手首に合う位置へマウスを動かす。空き容量を確かめたうえで、必要ならストレージを追加する。

一つの変更は小さくても、それを毎日使う時間の中で確かめると、自分に必要な環境が少しずつ見えてきます。

次の休日は、新しい部品を探す前に、PCを使っていて困ることを三つ書き出してみてください。

その中から、無料で元へ戻せるものを一つだけ選ぶ。変更前の画面を残し、設定を変え、いつもの作業をしてみる。

PCカスタマイズの最初の楽しさは、性能表の数字ではなく、「前より少し使いやすい」と感じる、その小さな違いの中にあります。


休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。

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