アイスクリーム作りの楽しみ方
冷凍庫から容器を取り出し、ふたを開ける。
昨日までは、とろりとしたクリームだったものが、今日はスプーンですくえるアイスクリームになっています。
表面へスプーンを入れると、少しだけ力が必要です。ゆっくり手前へ引くと、薄く削れたアイスが丸まりながら重なっていきます。
器へ盛り、一口食べてみる。
思っていたより、ミルクの味がしっかりしている。
少し固いけれど、口の中ではゆっくりほどける。
市販のものより甘さは控えめで、最後にバニラの香りが残る。
冷凍庫へ入れる前に味見をしたときとは、食感も香り方も少し違います。
アイスクリーム作りは、材料を混ぜて終わる趣味ではありません。
温める。
冷ます。
凍らせる。
途中で混ぜる。
もう一度待つ。
手を動かしていない時間にも、材料は少しずつ変わっています。
ケーキのように、焼き上がった瞬間に完成するわけでもありません。冷凍庫の中でゆっくり固まり、食べられる状態になるまで待つ時間があります。
その日の午後に仕込み、夜に一度確認する。
翌日の休日にふたを開ける。
少し室温へ置き、ちょうどよい柔らかさになるのを待つ。
作る時間と食べる時間が離れているからこそ、冷凍庫を開ける瞬間に、小さな楽しみが残ります。
アイスクリーム作りと聞くと、専用の機械が必要な印象もあります。
アイスクリームメーカーがなければ、なめらかに作れないのではないか。
生クリームや卵を使うと、難しいのではないか。
途中で何度も混ぜるのは大変ではないか。
市販のアイスを買う方が、安くて確実なのではないか。
けれど、最初からお店のような仕上がりを目指さなくても楽しめます。
ボウル、泡立て器、保存容器など、家庭にある道具を使う。少ない材料で一つの味を作る。少し固くても、氷の粒が残っていても、まずは自分で凍らせた一口を食べてみる。
そこから、
もう少し甘さを抑えたい。
次は果物を加えてみたい。
口どけをなめらかにしたい。
温かいお菓子へ添えてみたい。
と、次に試したいことが見つかります。
アイスクリーム作りは、冷たいお菓子を完成させるだけでなく、甘さ、香り、食感、温度を少しずつ自分の好みへ近づけていく趣味です。
今回は、自宅で月に2回ほどアイスクリーム作りを楽しむ場合について、必要な時間と費用、作業の流れ、道具、身体への負担、安全面、そして続けることで変わっていく楽しみ方をまとめました。
※時間、費用、運動量は、自宅で家庭用の量を作る場合の目安です。使用する材料、加熱の有無、冷凍庫の状態、作る量、使用する機器によって変わります。今回の作業時間には、冷凍庫の中で完全に固まるまでの待ち時間を含めていません。
まず知っておきたい基本情報
一回の作業時間
標準で約90分です。
材料を量るところから始め、混ぜる、必要に応じて加熱する、冷ます、容器へ入れるといった作業を想定しています。
短時間の作り方なら、約30分から始められます。
たとえば、加熱を必要としない材料を混ぜて冷凍庫へ入れるところまでなら、手を動かす時間は比較的短くできます。
ただし、30分で食べられる状態になるという意味ではありません。冷凍庫で固めるための待ち時間が別に必要です。
準備や片付けを含む総所要時間
約120分です。
材料の準備、器具の洗浄、加熱後の冷却、保存容器への移し替え、作業台の片付けまで含めた目安です。
冷凍庫へ入れた後は、数時間から一晩ほど待つ作り方もあります。休日の午前中に仕込み、その日の夜や翌日に食べる予定にすると、急がずに進められます。
想定する頻度
月2回、年間24回ほどです。
二週間に一度くらいなら、前回の仕上がりを覚えているうちに次を試せます。
毎回まったく違う味を作る必要はありません。同じ配合を繰り返し、甘さや固さの違いを確かめることも、アイスクリーム作りの面白さです。
主な実施場所
自宅のキッチンです。
材料を清潔に扱える作業台、加熱に使うコンロ、冷却できる冷蔵庫、十分な空きのある冷凍庫があれば取り組めます。
予約
自宅で作る場合は必要ありません。
天候にもほとんど左右されないため、雨の日や、外出する予定のない休日にも始められます。
運動強度の目安
今回のデータでは、立った状態での調理や材料を混ぜる動きを含む活動として、平均約2.5METsで整理しています。
一時間当たりの平均消費カロリー
体重60kgの人が平均2.5METsで一時間取り組んだ場合、単純計算では約158kcalです。
標準の90分なら、約240kcalに相当します。
ただし、材料を冷ます時間、説明を確認する時間、冷凍庫へ入れる前後の待ち時間もあります。実際の消費量は、立っている時間、泡立てや混ぜる作業の量、体格などによって変わります。
アイスクリーム作りは運動量を増やすための趣味ではありませんが、座って過ごす休日とは違い、立って手や腕を使う時間を作れます。
初回体験費
0円から約400円ほどが目安です。
ボウル、泡立て器、保存容器などをすでに持っていれば、主に材料費だけで試せます。
初期費用
標準約6,000円です。
手持ちの調理器具を活用しながら、温度計、計量用品、保存容器など、不足している物を補う想定です。
当日支出
標準約400円です。
主に牛乳、生クリーム、砂糖、卵、果物など、その日に使う材料費を想定しています。
年間費用
約11,500円です。
月2回、年間24回作り、初期費用を複数年使用する場合の編集上の算定です。
楽しさの中心
液体が冷たいデザートへ変わること、甘さや口どけを自分で調整できること、季節の材料を味へ取り入れられること、少しの違いが食感へ表れること、誰かへ小さな一皿を渡せることです。
アイスクリーム作りは、味より先に食感が変わる
材料を混ぜた直後のアイスクリームのもとは、とろりとした液体や、柔らかなクリーム状です。
その段階で味見をすると、甘さや香りは分かります。
けれど、冷凍庫へ入れた後は、同じ材料でも感じ方が変わります。
冷たくなると、甘さの感じ方が少し穏やかになります。
香りの立ち方も変わります。
液体の中にあった水分が凍り、口の中でほどける速さが変わります。
なめらかにできた日は、舌の上ですっと溶けていきます。
氷の粒が大きくなった日は、少ししゃりっとした食感になります。
同じ味でも、柔らかく仕上がったものと固く仕上がったものでは、印象が違います。
アイスクリーム作りでは、味付けだけでなく、冷やし方や混ぜ方も仕上がりの一部です。
材料を増やさなくても、
冷凍前の生地をしっかり冷やす。
凍り始めに混ぜる。
空気を含ませる。
保存容器の形を変える。
食べる前に少し室温へ置く。
といった違いで、口どけが変わります。
最初は「おいしい味を作ること」へ目が向きます。
けれど、何度か作ると、「この味をどんな食感にしたいか」まで考えるようになります。
濃厚で、少しゆっくり溶けるもの。
軽く、空気を含んだもの。
果物の粒が残るもの。
少ししゃりっとした氷菓に近いもの。
冷凍庫の中で起きる変化まで想像できるようになると、アイスクリーム作りはレシピを再現するだけではなくなります。
初めては、一つの味を最後まで作る
初めてアイスクリームを作るときは、何種類もの材料を入れたくなるかもしれません。
果物。
チョコレート。
クッキー。
ナッツ。
キャラメルソース。
リキュールやスパイス。
けれど、最初は材料を増やしすぎない方が、何によって仕上がりが変わったのか分かりやすくなります。
最初の目標は、一つの味を最後まで完成させることです。
ミルク。
バニラ。
ヨーグルト。
一種類の果物。
味を一つに絞れば、甘さ、固さ、口どけへ意識を向けられます。
少し固くても構いません。
表面に氷の粒が見えても構いません。
器へ盛ったときに形が崩れても、自分で混ぜ、冷やし、凍らせたアイスクリームです。
一口食べたとき、
もう少し甘くてもよかった。
少し固いけれど、味は好き。
果物の酸味が思ったより強い。
冷凍前より香りが弱く感じる。
と分かれば、最初の一回から次のテーマが生まれます。
失敗を避けるより、食べながら違いを確かめる。
それが、アイスクリーム作りを続ける入口になります。
アイスクリーム作りで過ごす一日の流れ
1.冷凍庫の場所を先に空ける
材料を混ぜ終わってから保存容器の場所を探すと、冷凍庫の中を慌てて片付けることになります。
最初に、容器を水平に置ける場所を確保します。
アイスクリームメーカーを使う場合は、専用の冷却ボウルを事前に凍らせる必要がある機種もあります。
作り始める前に、冷凍庫の空きと、必要な予冷時間を確認します。
扉の開閉が多い場所よりも、温度が安定しやすい場所へ置けると安心です。
2.使う道具を洗い、材料を量る
ボウル、泡立て器、へら、鍋、保存容器などを清潔にします。
材料は、作業を始める前に量っておきます。
牛乳や生クリームを冷蔵庫から出したまま長く置かないよう、使う順番も考えます。
初めのうちは、砂糖や液体の量を感覚で変えず、記録できる形で量ります。
同じ配合をもう一度作れるようにしておくと、次回との違いを比べやすくなります。
3.材料を混ぜる
加熱をしない作り方なら、材料をボウルへ入れ、砂糖が残らないように混ぜます。
生クリームを泡立てる方法では、泡立てすぎないように状態を見ます。
しっかり泡立てれば空気を多く含みますが、材料や作り方によっては、混ぜすぎると分離しやすくなることもあります。
レシピの完成写真だけでなく、途中の状態も確認しながら進めます。
4.加熱する場合は、温度を見ながら進める
卵を使うカスタード風のアイスクリームなどでは、材料を鍋で加熱する作り方があります。
強い火で急いで温めると、卵が固まり、なめらかさを失うことがあります。
鍋底をへらで混ぜ、状態を見ながら加熱します。
家庭で繰り返し作るなら、温度計があると毎回の条件をそろえやすくなります。
レシピごとに必要な加熱方法は異なるため、使う材料に合った手順に従います。
5.加熱したものは、早めに冷ます
温めたアイスクリームのもとは、そのまま長時間室温へ置かず、清潔な容器へ移して冷まします。
粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やします。
熱いまま冷凍庫へ入れると、冷凍庫内の温度へ影響したり、なめらかに凍りにくくなったりします。
冷たい状態から凍らせ始める方が、仕上がりを整えやすくなります。
6.冷凍庫へ入れ、凍り始めを待つ
保存容器へ移し、ふたをして冷凍庫へ入れます。
専用機器を使わない方法では、凍り始めた頃に一度取り出し、全体を混ぜることがあります。
容器の端から固まり、中央はまだ柔らかい。
その状態を崩して混ぜ、もう一度冷凍庫へ戻します。
これを何度か行うと、大きな氷の粒を崩しやすくなります。
ただし、必要な回数や間隔は作り方によって異なります。
途中で混ぜることに集中しすぎて、冷凍庫の扉を長く開けたままにしないようにします。
7.具材を加えるなら、状態を見て入れる
クッキー、チョコレート、ナッツ、果物などを加える場合は、すべてを最初から入れるとは限りません。
沈みやすいもの。
水分が多いもの。
固く凍りやすいもの。
色が広がりやすいもの。
材料によって、加えるタイミングが変わります。
最初は具材を一種類に絞ると、食感への影響を確かめやすくなります。
入れすぎるとアイスクリームの部分が少なくなり、すくいにくくなることもあります。
主役にしたい味が分かる量から試します。
8.食べる少し前に、状態を確認する
家庭の冷凍庫では、アイスクリームがしっかり固くなることがあります。
冷凍庫から出した直後に無理にすくうと、スプーンが曲がったり、容器が動いたりすることがあります。
食べる少し前に冷凍庫から出し、表面へスプーンが入りやすくなるまで待ちます。
室温や量によって柔らかくなる速さは変わります。
一度溶かしすぎたものを何度も再冷凍するのではなく、食べる分だけを清潔な器へ取り分けます。
アイスクリーム作りならではの楽しさ
冷凍庫を開けるまで、完成が少し見えない
材料を混ぜた段階では、味の方向は分かります。
けれど、どのくらい固くなるのか、口どけがどうなるのかは、凍らせてみなければ分かりません。
冷凍庫へ入れた後も、すぐには完成しません。
数時間待ち、ふたを開け、スプーンを入れて初めて、その日の仕上がりが分かります。
この小さな不確かさが、アイスクリーム作りの楽しみになります。
冷凍庫の中で、昨日の作業が続いているように感じられます。
甘さを、自分の休日に合わせられる
市販のアイスクリームは、完成された味です。
自分で作る場合は、甘さや濃さを少しずつ変えられます。
食後に少量食べたい日は、軽い味にする。
コーヒーへ添えたい日は、少し甘めにする。
果物を主役にしたい日は、ミルクの量を調整する。
甘さを減らせば必ずおいしくなるわけではありません。冷たくすると甘さの感じ方が変わるため、冷凍後の味を想像する必要があります。
その加減を自分の好みに近づけていくことが、繰り返す面白さになります。
季節を小さな容器へ閉じ込められる
春のいちご。
夏の桃やメロン。
秋の栗やさつまいも。
冬の柑橘やチョコレート。
旬の材料を使うと、その時期にしか作らない味ができます。
毎回新しい道具を買わなくても、材料を一つ変えるだけで季節が変わります。
同じバニラアイスでも、温かい焼き菓子へ添えると冬らしい一皿になります。
冷たいデザートでありながら、一年を通して楽しみ方を変えられます。
少ない量を、特別な一皿にできる
自宅で作ると、大きな箱いっぱいに作らなくても構いません。
小さな容器へ作り、食後に一すくいだけ盛る。
果物やクッキーを添える。
温かいコーヒーと一緒に食べる。
冷凍庫に自分で作ったアイスクリームが少し残っているだけで、何もない休日の午後にも小さな楽しみができます。
誰かへ渡したとき、反応がすぐ返ってくる
作品づくりでは、完成後に飾ったり保管したりすることがあります。
アイスクリームは、完成したその日に食べてもらえます。
甘さはどうか。
香りは残っているか。
固さは食べやすいか。
また食べたい味か。
反応がすぐに返ってきます。
家族の好みを聞き、次は少し変えてみる。友人が来る日に合わせて、一種類だけ仕込んでおく。
自分の好みを作る楽しさから、誰かのための一皿を考える楽しさへ広がります。
健康面と身体への負担
アイスクリーム作りの運動強度は、今回の想定では平均約2.5METsです。
体重60kgの人が一時間取り組んだ場合、消費カロリーの目安は約158kcalです。
標準の90分なら、単純計算で約240kcalになります。
ただし、材料を冷ます時間や、冷凍庫の状態を待つ時間には、身体を動かしていません。
アイスクリーム作りは運動を目的とする趣味ではありませんが、材料を量る、泡立てる、鍋を混ぜる、容器へ移すなど、立った状態で手や腕を使います。
泡立てや混ぜる作業を無理に続けない
手動で生クリームを泡立てたり、凍り始めたアイスを混ぜたりすると、手首や腕が疲れることがあります。
力を入れ続けず、ボウルが動かないよう安定させます。
疲れて動きが雑になった場合は、一度止まり、姿勢を整えます。
冷凍庫へ出し入れするときに腰を丸めすぎない
冷凍庫の位置によっては、低い場所から容器を取り出すことがあります。
重い容器を片手で扱わず、周囲の物へぶつけないようにします。
途中で何度か混ぜる作り方では、同じ動作を繰り返すため、無理のない位置へ容器を置きます。
作る量より、食べる量を先に考える
手作りだからといって、たくさん食べる必要はありません。
作る量を小さくし、一回分ずつ取り分けられる容器にすると、食べる量を調整しやすくなります。
健康効果を目的にする趣味ではありませんが、材料と量を自分で決められることは、手作りならではの実用面です。
一回にかかる費用
アイスクリーム作りは、家庭にある調理器具を使えば、低い費用から始められます。
専用のアイスクリームメーカーがなくても試せる作り方があります。
まずは手持ちの道具で一度作り、途中で混ぜる作業や仕上がりの好みを確かめてから、必要な道具を追加します。
初回体験費
0円から約400円
ボウル、泡立て器、鍋、へら、保存容器などを持っている場合は、主に材料費だけで試せます。
今回の標準的な当日支出は約400円です。
牛乳、生クリーム、砂糖、卵、果物など、選ぶ材料と作る量によって変わります。
初期費用
最小0円
標準約6,000円
上限の目安約36,000円
標準の約6,000円は、家庭の調理器具を使いながら、温度計、計量用品、保存容器、衛生用品などを追加する場合の想定です。
上限の約36,000円は、アイスクリームメーカーや、複数の保存容器、専用のスクープなどをそろえる場合の目安です。
最初の一回から必要な金額ではありません。
当日支出
最小0円
標準約400円
上限の目安約2,500円
主な費用は材料です。
生クリームや果物、チョコレート、ナッツなどを多く使うと、費用は増えます。
一方で、牛乳やヨーグルトなど、家庭にある材料を中心にすれば抑えられます。
今回の400円は、家庭用の量を作る場合の編集上の目安です。
年間費用
約11,500円
月2回、年間24回作る場合の目安です。
初期費用を複数年使用する分と、毎回の材料費を合わせています。
月平均では約960円です。
市販品と単純に価格だけを比べると、材料や手間によっては手作りの方が高くなることもあります。
アイスクリーム作りの価値は、安く大量に作ることよりも、味、甘さ、食感、材料を自分で選べることにあります。
初めて用意するもの
最低限必要なもの
牛乳や生クリームなどの材料
砂糖
作り方に応じて卵、ヨーグルト、果物など
材料を量るスケールや計量器具
ボウル
泡立て器またはへら
必要に応じて小鍋
清潔な保存容器
冷蔵庫と冷凍庫
清潔な布巾や衛生用品
果物を切る場合は、包丁とまな板も使います。
最初は家庭にある道具を使い、小さな容器一つ分から始めます。
続けるなら用意したいもの
デジタルスケール
調理用温度計
シリコン製のへら
蓋付きの浅い保存容器
アイスクリームスクープ
ハンドミキサー
アイスクリームメーカー
少量ずつ保存できる容器
作った配合や仕上がりを残すノート
アイスクリームメーカーは、途中で混ぜる負担を減らし、仕上がりを安定させる助けになります。
ただし、冷却ボウルを事前に凍らせるタイプや、本体で冷却するタイプなどがあります。
収納場所、予冷時間、作る量を確認してから選びます。
最初は買わなくてよいもの
高価なコンプレッサー式の専用機器
大容量の業務用機器
たくさんの専用型や容器
複数種類のスクープ
大量の製菓材料
用途の決まっていないトッピング一式
最初は手作業で一度作り、途中で混ぜることが負担なのか、食感へどこまでこだわりたいのかを確かめます。
少し氷の粒が残る食感も好きかもしれません。
果物を凍らせた軽い味が好みかもしれません。
濃厚なカスタード風を繰り返し作りたいかもしれません。
自分が作りたいアイスクリームが見えてから、道具を選びます。
アイスクリーム作りで気をつけたいこと
手と器具を清潔にする
作業前に手を洗い、ボウル、泡立て器、へら、鍋、保存容器などを清潔にします。
冷凍するから安全になるわけではありません。
途中でスマートフォンや別の食材を触った場合は、必要に応じて手を洗い直します。
卵や乳製品を長く室温へ置かない
牛乳、生クリーム、卵などは、使う直前まで冷蔵しておきます。
材料を出したまま長時間作業せず、混ぜ終わったものも適切に冷やします。
卵を使う場合は、レシピに定められた加熱や取扱方法に従います。
加熱後は早めに冷ます
温めた材料を長く室温へ放置せず、清潔な容器へ移して冷まします。
熱い鍋をそのまま冷凍庫へ入れず、粗熱を取り、冷蔵庫で十分に冷やしてから凍らせます。
果物とまな板を清潔にする
果物を加える場合は、使用する部分を適切に洗い、清潔な包丁とまな板で扱います。
生肉や魚を切った直後の器具を、そのまま使わないようにします。
保存容器へ日付を付ける
手作りのアイスクリームは、市販品と同じ保存期間とは限りません。
作った日と内容を容器へ残し、使用した材料や作り方に応じた期間内に食べます。
長時間室温に置いたものや、一度大きく溶けたものを繰り返し再冷凍しないようにします。
アレルギーを確認する
乳製品、卵、ナッツ、果物などを使う場合は、食べる人のアレルギーを確認します。
誰かへ振る舞うときは、使用した材料を伝えられるようにしておきます。
うまくいかなかった仕上がりも、次の一回へつながる
アイスクリームが思ったより固くなることがあります。
スプーンが入りにくく、室温へ置いてもなかなか柔らかくならない。
反対に、凍らせても柔らかすぎることもあります。
氷の粒が大きくなり、ざらっとした食感になる日もあります。
果物の水分が多く、想像より薄い味になることもあります。
けれど、食べてみると、次に変えたいところが分かります。
冷凍前の生地をもっと冷やす。
混ぜる回数を見直す。
容器を浅くする。
砂糖や脂肪分の配合を確かめる。
果物の量や水分を調整する。
食べる前に室温へ置く時間を変える。
一度の仕上がりが、そのまま次の実験になります。
アイスクリーム作りでは、完璧にできなかった一回も、冷凍庫の中で何が起きたのかを考える材料になります。
続けると変わる楽しみ方
1.一つの味を凍らせて完成させる
最初は、家庭にある道具と少ない材料を使います。
材料を混ぜ、容器へ入れ、冷凍庫へ置く。
途中で必要な作業を行い、食べられる固さまで待つ。
少し固くても、氷の粒が残っていても、自分で作った一すくいを器へ盛ります。
液体だったものを冷たいデザートへ変えられたことが、最初の小さな到達点です。
2.同じ味の食感を安定させる
何度か作ると、前回との違いが分かるようになります。
冷凍前にしっかり冷やす。
混ぜるタイミングをそろえる。
保存容器を同じものにする。
食べる前に置く時間を確かめる。
偶然なめらかになった一回を、少しずつ再現できるようになります。
味だけでなく、口どけを整える面白さが増えます。
3.甘さと材料を自分で選ぶ
基本の仕上がりが分かると、自分で変えられる部分が増えます。
砂糖の量を調整する。
牛乳と生クリームの組み合わせを変える。
ヨーグルトや果物を使う。
チョコレートやナッツを加える。
香りや食感の異なる材料を組み合わせる。
レシピどおりに作る段階から、自分が食べたい味を考える段階へ進みます。
4.季節ごとの小さなシリーズを作る
さらに続けると、一回ずつ違う味を作るだけでなく、テーマを持てるようになります。
春はいちご。
夏は桃やミント。
秋は栗やさつまいも。
冬はチョコレートやスパイス。
同じ材料を産地や品種を変えて比べることもできます。
作った配合、固さ、香りを簡単に記録すれば、一年分の小さなアイスクリームの記録になります。
5.誰かのための一皿へ広げる
長く続けると、自分の好みだけでなく、食べる人や場面に合わせて作るようになります。
子どもと一緒に食べる味。
甘さを控えたい人へ渡す味。
温かい焼き菓子へ添える味。
食事の最後に少量だけ出す味。
器や添えるものまで考え、一皿として整えます。
家族や友人へ作り方を伝えたり、レシピや写真を記録したりする楽しみも生まれます。
販売を考える場合は、自宅の趣味とは別に、営業許可、施設、衛生管理、表示などの条件を確認する必要があります。
まずは身近な人へ安全に振る舞い、反応を聞きながら、自分の味を育てていく段階です。
アイスクリーム作りが合いやすいのは、こんな日
外へ出かけず、自宅で季節を感じるものを作りたい日。
雨や暑さを気にせず、キッチンで静かに手を動かしたい日。
作業をしたその場ですぐ食べるより、翌日の楽しみを残したい日。
甘さや材料を、自分の好みに合わせたい日。
市販品にはない小さな組み合わせを試したい日。
家族や友人へ、食後の一すくいを用意したい日。
お菓子作りに興味はあるけれど、細かな飾り付けや焼成から始めるのは少し重い日。
季節の果物を、ジャムやケーキとは違う形で楽しみたい日。
一方で、すぐに完成品を食べたい日や、冷凍庫に空きがない日、途中で混ぜる時間を取りにくい日には、少し取り組みにくいことがあります。
アイスクリーム作りには、待つ時間があります。
その待ち時間まで含めて、翌日の休日へ小さな楽しみを残したい日に合いやすい趣味です。
初めてなら、明日の一すくいを仕込む
初めてアイスクリームを作るなら、一つの味を小さな容器へ仕込みたいです。
冷凍庫の場所を空け、使う道具を洗う。
材料を量り、ボウルの中でゆっくり混ぜる。
必要な作り方なら温め、粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。
冷たくなった生地を容器へ移し、ふたをして冷凍庫へ入れる。
その日の作業は、そこでいったん終わります。
すぐに結果が分からないまま、冷凍庫の扉を閉める。
翌日、ふたを開けると、昨日まで液体だったものが、冷たい一皿へ変わっています。
スプーンが入りにくければ、少し待つ。
きれいな丸にならなくても、一すくいだけ器へ盛る。
食べてみて、
少し固い。
もう少し甘くてもいい。
ミルクの香りが思ったより残っている。
と気づけたら、最初のアイスクリーム作りとして十分です。
調べる前より、冷たいお菓子を作るより明日の楽しみを仕込む趣味に感じました
調べる前は、アイスクリーム作りには、専用の機械でなめらかな食感を作る印象がありました。
お店のようにきれいにすくえなければ、十分に楽しめないようにも感じます。
けれど、工程を見ていくと、面白さは完成した一皿だけではありませんでした。
材料を混ぜる。
少し味見をする。
冷たくなると甘さがどう変わるかを想像する。
冷凍庫へ入れる。
固まり始めた状態を確かめる。
翌日、ふたを開ける。
昨日の作業が、時間を置いて違う形で戻ってきます。
アイスクリーム作りの最初の目標は、店で売られているような丸い一玉を作ることではありません。
自分で混ぜたものが、冷凍庫の中で一すくいのデザートへ変わるのを待つこと。
次に作ったとき、その一すくいが前回より少しなめらかで、自分の好きな甘さへ近づいていたなら。
いつもの冷凍庫は、食品を保存する場所だけではなく、明日の小さな楽しみを静かに育てておく場所へ変わっていきそうです。
休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
これからも、次にやってみたくなる趣味を一つずつ丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
