紹興酒の楽しみ方
はじめに
琥珀色の酒を小さなグラスへ注ぐと、米の甘さ、熟した果実、香ばしい穀物、しょうゆやカラメルを思わせる香りが、ゆっくりと立ち上がります。
ひと口目には少し強く感じた酸味も、料理を挟んでもう一度口へ含むと、先ほどとは違う丸みを見せる。常温だった一杯を少し温めれば、閉じていた香りがさらに広がります。
紹興酒には、どこか難しそうな印象もあります。
「独特の香りが強く、飲みにくいのではないか」
「ザラメを入れるのが正式な飲み方なのだろうか」
「古い年数が書かれた高価なものを選ばないと、本当の味は分からないのではないか」
けれど、最初から希少な熟成酒や専用の酒器を用意する必要はありません。手頃な定番品を1本選び、常温で少量を味わった後、温度や料理を変えてみるだけでも、紹興酒の持つ甘味、酸味、うま味、熟成香の重なりが見えてきます。
紹興酒は、中国の浙江省紹興市で造られる伝統的な醸造酒です。日本酒やワインと同じく、原料を発酵させて造る酒であり、焼酎やウイスキーのように蒸留する酒ではありません。
今回は、月に1回ほど、自宅で少量を楽しみながら学ぶ場合を想定し、紹興酒の基本、費用、最初の1本の選び方、温度による違い、料理との合わせ方、保存方法、安全に楽しむための考え方をまとめます。
紹興酒の基本情報
主な楽しみ方 市販の紹興酒を少量ずつ味わい、熟成年数、甘辛、温度、料理との組み合わせによる違いを確かめる
おすすめの頻度 月1回ほど
1回の時間 約45〜60分
短く楽しむ場合 約20分から
準備と片付けを含む総所要時間 約60〜75分
主な場所 自宅の食卓など、落ち着いて飲食できる場所
最初に必要なもの 紹興酒1本、小さめのグラス、水、食事または軽い料理
最初の目標 常温で香りを確かめ、料理を食べる前と後で印象がどう変わるかを見つける
紹興酒は、一度に何種類も並べなければ楽しめない酒ではありません。同じ1本でも、常温、少し冷やした状態、ぬるめの燗、ロックなどへ変えると、香りや酸味の見え方が変わります。
月1回という頻度なら、最初の月は常温、次は燗、その次は違う料理と合わせるというように、1本を何度かに分けて楽しめます。飲む量を増やすのではなく、条件を一つずつ変えて比べることが、趣味として長く続けるコツです。
紹興酒は中国の「黄酒」の一つ
中国では、米や麦などの穀物を発酵させて造る酒を、広く「黄酒(ホワンチュウ)」と呼びます。
紹興酒は、その黄酒の中でも、中国浙江省の紹興地域で造られるものです。精白したもち米、小麦から造る麦曲、紹興の鑑湖水などを用い、発酵、圧搾、加熱、貯蔵を経て仕上げられます。
そのため、黄酒と書かれた商品がすべて紹興酒というわけではありません。紹興以外の地域で造られる黄酒にも、それぞれの原料や製法、土地の個性があります。
日本の売り場では「紹興酒」「紹興花彫酒」「陳年紹興酒」「紹興加飯酒」など、さまざまな名前の商品が並びます。初めて見ると別の酒のように感じますが、銘柄、造り、熟成、容器、商品等級などを組み合わせて表示しているものが多くあります。
「陳3年」「陳5年」は熟成の手がかり
瓶に書かれた「陳3年」「陳5年」「陳8年」などの表記は、熟成に関する一つの手がかりになります。
熟成によって、香りが複雑になり、刺激が穏やかに感じられることがあります。ただし、数字が大きければ必ず自分の好みに合うとは限りません。
若い酒には、軽快な酸味や穀物の素直な香りがあります。長く熟成した酒には、乾燥果実、ナッツ、香辛料、しょうゆ、カラメルなどを思わせる複雑さが現れることがあります。
最初の1本では、熟成年数の長さを競うより、購入しやすい3〜5年ほどの定番品から始めると、紹興酒らしい味わいと価格のバランスを取りやすくなります。
「加飯」「善醸」などは甘辛や造りを知る手がかり
紹興酒には、元紅酒、加飯酒、善醸酒、香雪酒といった伝統的な区分があります。
日本で比較的見かけやすいのは、米や麦曲を多めに使って濃醇に仕上げる加飯酒です。善醸酒は、仕込みに酒を用いることで甘味や厚みを持たせたタイプとして知られています。
ただし、日本の店頭では区分が詳しく書かれていない商品もあります。初めて選ぶときは、難しい名称だけで判断せず、ラベルや輸入元の商品説明にある「すっきり」「芳醇」「やや甘口」「濃厚」などの言葉も参考にします。
紹興酒にかかる費用
紹興酒を自宅で楽しむために、包丁、調理器具、温度計などを新しくそろえる必要はありません。
手持ちのグラスと小さな計量カップがあれば、費用の中心は紹興酒そのものと、一緒に食べる料理です。
最初の1本にかかる費用
国内で流通する定番の紹興酒は、600ml前後で1,000〜2,000円ほどから見つけられます。
3〜5年ほどの熟成品でも、1,000円台で購入できる商品があります。8年、10年などの熟成品や、陶器の壺、贈答用の箱へ入った商品では、3,000〜6,000円以上になることもあります。
最初から高価な壺入りを選ぶ必要はありません。透明な瓶に入った定番品の方が、残量を確認しやすく、日常の料理にも合わせやすいことがあります。
手持ちの紹興酒を使う場合 0円から
定番品を1本購入する場合 約1,000〜2,000円
少し熟成した商品を選ぶ場合 約2,000〜4,000円
酒器や料理も用意する場合 合計約2,000〜5,000円
1回分の費用
1回に飲む量を30〜60mlほどにすると、600mlの瓶を10〜20回ほどに分けられます。
1,200円の紹興酒を50ml使う場合、酒そのものの費用は約100円です。水、氷、簡単な料理を合わせても、1回約200〜700円ほどで楽しめます。
高価な熟成酒を少量味わう場合や、紹興酒に合わせて特別な料理を用意する場合は、1回1,000円を超えることもあります。それでも、毎回新しい瓶を開けず、同じ1本を違う条件で試せば費用を抑えられます。
年間費用の目安
月1回、年間12回楽しむ場合は、年間約6,000〜15,000円ほどが一つの目安です。
手頃な定番品を数本選び、普段の夕食と合わせるなら、年間8,000円前後でも十分に続けられます。熟成年数の長い商品、飲み比べセット、取り寄せの料理などを増やすと、年間20,000円を超えることもあります。
節約したい場合は、次の方法があります。
・最初は600ml前後の定番品を1本だけ買う
・手持ちのグラスを使う
・中華料理を新しく何品も作らず、普段の夕食と合わせる
・高価な熟成品は、小瓶や飲食店の1杯で試す
・同じ1本を常温、燗、ロックに分けて楽しむ
紹興酒をおすすめする3つの理由
1.甘味、酸味、うま味、熟成香が一杯の中で重なる
紹興酒の味は、単純に甘い、辛いという言葉だけでは捉えにくいところがあります。
口へ含むと、最初に穀物やカラメルを思わせる甘い香りがあり、その後から独特の酸味、発酵由来のうま味、少しの苦味や渋味が現れます。熟成した商品では、干しぶどう、プルーン、ナッツ、しょうゆ、きのこ、香辛料などを思わせる香りが重なることもあります。
初めて飲んだときには、どの言葉で表せばよいか迷うかもしれません。
その場合は、専門的な表現を探す必要はありません。
「甘い香りがするのに、口では酸味を感じた」
「しょうゆのような香りが、中華料理を食べると穏やかになった」
「温める前より、果物のような香りが増えた」
このような小さな変化を見つけるだけで、紹興酒の見え方は少しずつ広がります。
2.温度を変えるだけで、同じ1本が違って感じられる
紹興酒は、常温、冷やす、ロック、燗など、複数の温度で楽しめます。
常温では、甘味、酸味、熟成香の全体を捉えやすくなります。少し冷やすと香りが穏やかになり、口当たりが引き締まります。氷を入れると、最初はすっきりし、氷が溶けるにつれて濃さが変わります。
ぬるめに温めると、もち米や熟成由来の香りが開き、酸味が柔らかく感じられることがあります。一方で、温めすぎるとアルコールの香りが強く立つこともあります。
新しい銘柄を次々に買うより、同じ酒を別の日に違う温度で飲んでみる。その方が、費用も飲酒量も増やさず、比較する面白さを深められます。
3.料理を食べる前と後で、味の印象が変わる
紹興酒は、そのまま味わうだけでなく、食事と一緒に楽しむことで魅力が見えやすくなります。
油を使った炒め物の後では酸味が心地よく感じられ、甘辛い煮込みの後では熟成香が料理へ溶け込むことがあります。香辛料の効いた料理では、紹興酒の甘味やうま味が、辛さの後に残る香りを受け止めます。
相性のよい料理を正解として覚える必要はありません。
料理の前にひと口。
料理を食べてから、もうひと口。
この2回を比べるだけで、料理が酒を変え、酒が料理を変える感覚を確かめられます。
最初の1本は「飲用」と「料理用」を分けて選ぶ
紹興酒を探していると、酒売り場だけでなく、中華調味料の棚にも似た瓶が並んでいます。
飲用を目的にする場合は、商品名だけでなく、原材料、アルコール分、酒類の表示を確認します。「紹興酒」「黄酒」などと表示された飲用商品を選ぶと分かりやすくなります。
料理用の商品には、調味料として使いやすいよう食塩などを加えたものがあります。料理用としては便利ですが、飲用の紹興酒と同じようにグラスへ注いで味わう商品ではありません。
反対に、飲用の紹興酒を料理へ少量使うことはできます。ただし、飲む趣味として始めるなら、最初の1本を調理へ大量に使わず、まず香りと味を確かめる分を残しておきます。
初心者向けの選び方
最初は、次の条件を目安にすると選びやすくなります。
・容量は500〜640mlほど
・価格は1,000〜2,000円ほど
・アルコール分は14〜17%前後
・3〜5年ほどの熟成表記
・輸入元や販売元の商品説明が確認できる
・「やや甘口」「まろやか」「軽快」など、味の方向が書かれている
独特の酸味に不安がある場合は、甘味が少しあり、柔らかな口当たりをうたう商品が入りやすいことがあります。紹興酒らしい濃醇さを知りたい場合は、加飯酒や、常温・燗向きと説明された商品を選びます。
年数だけで選ばない
熟成10年、15年と書かれた商品は魅力的ですが、初心者にとって必ずしも最も飲みやすいとは限りません。
熟成香が複雑になるほど、乾燥果実、しょうゆ、木、香辛料などを思わせる個性も強く感じられることがあります。まず定番品の味を知り、その後で熟成年数の長い酒と比べた方が、違いを言葉にしやすくなります。
常温、燗、ロックで変わる楽しみ方
最初は常温から
初回は、室温の紹興酒を小さなグラスへ30mlほど注ぎます。
すぐに口へ入れず、グラスを少し離して香りを確かめます。強いアルコール臭を感じた場合は、鼻を近づけすぎず、時間を置いてからもう一度香ります。
口へ含む量も少量で構いません。舌の上で長く転がそうとせず、甘味、酸味、香りのどれが最初に残ったかを確かめます。
冷やして軽やかにする
紹興酒の香りが濃く感じられる場合は、瓶または注いだ分を少し冷やします。
温度が下がると香りが穏やかになり、酸味や口当たりが引き締まって感じられます。暑い時期や、香辛料を使った料理と合わせるときにも試しやすい方法です。
冷やしすぎると香りが分かりにくくなることがあるため、最初から氷のように冷たくするより、冷蔵庫で軽く冷やす程度から始めます。
ロックで時間による変化を見る
大きめの氷を1個入れ、紹興酒を少量注ぎます。
最初は濃く冷たい状態ですが、時間とともに氷が溶け、香りと味が少しずつ軽くなります。一杯の中で変化が分かるため、常温の味が強く感じられた人にも向いています。
飲みやすくなっても、含まれるアルコール量が消えるわけではありません。氷が溶けた分を注ぎ足さず、最初に使う量を決めます。
燗で香りを開く
耐熱性の小さな容器へ紹興酒を入れ、湯せんでゆっくり温めます。
温めると、穀物、熟した果実、カラメルなどを思わせる香りが広がりやすくなります。熱くしすぎるとアルコールの刺激が強くなるため、まずはぬるめから試します。
瓶のまま直火へかけたり、密閉した容器を電子レンジへ入れたりしません。少量だけ別の耐熱容器へ移し、温度を確認しながら扱います。
ザラメは必須ではない
日本の中華料理店では、紹興酒へザラメや氷砂糖を添えることがあります。
甘味を加えると酸味や熟成香が穏やかになり、飲みやすく感じることがあります。ただし、紹興酒を楽しむための必須の作法ではありません。
初回は何も入れずに少量を味わい、酸味が強ければ、次のひと口へほんの少しだけ甘味を加えて比べます。最初から多く入れると、紹興酒そのものの違いが分かりにくくなります。
初めての55分は、1本と一皿をゆっくり比べる
1.食事と水を先に用意する
空腹の状態で始めず、普段の夕食や軽い料理を用意します。
紹興酒とは別に、水を入れたグラスも置きます。その日に飲む量を30〜60mlほど計り、残りの瓶は一度食卓から離しておくと、無意識の注ぎ足しを防げます。
2.ラベルを5分だけ読む
原産地、アルコール分、熟成年数、原材料を確認します。
情報をすべて調べようとすると、飲む前に疲れてしまいます。最初は「紹興産・17%・5年・もち米と小麦」のように、分かる部分だけを短く残します。
3.常温で香りを確かめる
10〜20mlほどを小さなグラスへ注ぎます。
色を眺め、少し離れて香りを確かめます。穀物、果物、木、しょうゆ、カラメルなど、思い浮かんだものを一つだけ書きます。
正しい香りを当てることが目的ではありません。自分が何を感じたかを残すことが、次の比較軸になります。
4.料理を一口食べる
餃子、炒め物、煮豚、豆腐料理など、用意した一皿を食べます。
その後でもう一度紹興酒を少量含み、酸味、甘味、香りのどれが変わったかを確認します。印象が変わらなくても、失敗ではありません。
5.残りを別の温度で試す
残りの一部を少し冷やすか、湯せんでぬるく温めます。
常温と比べて、香りが強くなったか、穏やかになったかを確認します。一度に常温、冷酒、燗、ロックのすべてを飲まず、2種類ほどに絞ります。
6.飲み切らずに終えてよい
予定した量を飲み終えたら、瓶に残っていることを理由に追加しません。
「常温より燗が好みだった」「甘辛い料理の後に酸味が穏やかになった」という一言を記録し、水を飲んで終えます。残りは別の休日の楽しみとして取っておきます。
紹興酒と合わせやすい料理
餃子や春巻き
焼き餃子や春巻きの香ばしい皮、肉や野菜のうま味は、紹興酒の酸味や熟成香と合わせやすい組み合わせです。
酢やしょうゆを多く付けると酒の印象が隠れやすいため、最初の一口は控えめな味付けで試します。その後、たれを加えた場合と比べても楽しめます。
麻婆豆腐や回鍋肉
豆板醤、甜麺醤、みそ、しょうゆなどを使った濃い味の料理には、紹興酒の甘味とうま味が重なります。
辛味の強い料理では、酒を勢いよく飲んで辛さを流そうとしないことが大切です。料理、水、紹興酒の順でゆっくり進めます。
煮豚や角煮
しょうゆ、砂糖、香辛料を使った肉の煮込みは、紹興酒の熟成香とつながりやすい料理です。
八角や桂皮を使った料理では、酒の中にある香辛料のような印象が見つかることがあります。脂の多い料理には、少し冷やした紹興酒やロックも試せます。
蒸し魚や蒸し鶏
濃い料理だけでなく、ねぎやしょうがを使った蒸し料理とも合わせられます。
穏やかな米の甘味を持つ紹興酒や、比較的若く軽快な商品なら、魚や鶏肉の味を覆いすぎずに楽しめます。酒の香りが強い場合は、少量の水を加える方法もあります。
チーズやナッツ
中華料理を作らない日には、チーズ、無塩ナッツ、ドライフルーツなどを少量添えられます。
熟成した紹興酒とチーズを合わせると、発酵や熟成によるうま味の重なりが見えやすくなります。紹興酒を中華料理だけに限定せず、身近な食材と少しずつ比べるのも楽しみ方の一つです。
最初に必要なもの
最初に必要なもの
・飲用の紹興酒1本
・小さめのグラス
・水を飲むための別のグラス
・30ml前後を量れる計量カップ
・食事または軽い料理
グラスは、手持ちの小さなワイングラス、冷酒用グラス、薄手のコップなどで構いません。香りを確かめたい場合は、口が少しすぼまった形が使いやすくなります。
続けるなら用意したいもの
・耐熱性の燗用容器
・小さな酒杯
・大きめの氷を作る製氷容器
・開栓日を書けるラベル
・味や料理を記録するノート
中国の酒器を集める楽しみもありますが、飲み方や好みが分かる前に多く買う必要はありません。
最初は買わなくてよいもの
・高価な陶器の酒器一式
・大型の酒燗器
・紹興酒専用の保管棚
・大きな壺入りの商品
・複数の熟成年数をそろえた高価なセット
・家庭で酒を醸造するための道具
この記事で扱うのは、市販されている紹興酒を味わい、学ぶ趣味です。自宅で酒を造る内容ではありません。
開栓後の保存と扱い方
紹興酒は、栓をしっかり閉め、直射日光と高温を避けて保管します。
商品の種類や輸入元によって推奨される保存方法が異なるため、瓶の表示を優先します。開栓後に冷蔵保存を勧める商品は冷蔵庫へ入れ、常温保存できる場合も、暖房器具やコンロの近くには置きません。
注ぐときは、清潔で乾いた計量カップを使います。水や料理が付いたグラスから瓶へ酒を戻すことは避けます。
開栓日をラベルへ書いておくと、いつから飲んでいるか分かります。時間がたつと香りが少しずつ変わることがあるため、少量ずつ長期間放置するより、状態を確認しながら無理のない範囲で楽しみます。
濁り、異臭、栓の異常など、購入時とは明らかに違う変化がある場合は無理に飲みません。
安全に楽しむために
紹興酒は14〜17%前後の商品が多く、ビールなどに比べて少量でも純アルコール量が増えやすい酒です。
口当たりが柔らかい商品や、甘味を加えた飲み方でも、含まれるアルコールがなくなるわけではありません。味わいを比べる趣味だからこそ、量を先に決めておきます。
純アルコール量を確かめる
純アルコール量は、次の式で計算できます。
摂取量ml × アルコール度数 ÷ 100 × 0.8
17%の紹興酒を50ml飲む場合、純アルコール量は約6.8gです。100mlでは約13.6gになります。
小さな酒杯は量が分かりにくいため、最初に計量カップでその日の分を取ります。
水と食事を一緒に取る
空腹時の飲酒を避け、食事と一緒にゆっくり飲みます。
紹興酒とは別に水を置き、交互に口へ運びます。水を飲んでも体内へ入ったアルコールが消えるわけではありませんが、酒だけを続けて飲むことを防ぎ、時間をかけやすくなります。
飲酒しない場合
日本では20歳未満の飲酒は禁止されています。
運転する予定がある人、妊娠中や授乳期の人、体質的にアルコールを受け付けない人は飲酒を避けます。服薬中や治療中の場合は、薬とアルコールの関係を医師や薬剤師へ確認します。
飲酒後は、自動車だけでなく自転車などの運転も行いません。火、刃物、機械を使う作業も、飲む前に済ませます。
酒に強いことを目標にしない
紹興酒の楽しみは、多く飲めるようになることではありません。
香りを確かめるだけなら、10〜20mlでも変化を見つけられます。少量で顔が赤くなる、動悸がする、気分が悪くなる場合は、体質へ慣れようとせず飲酒を中止します。
眠るため、不安を紛らわせるために飲む回数が増えている場合は、趣味としての比較をいったん休み、飲酒習慣を見直すことを優先します。
続けるほど変わる五つの楽しみ方
第1段階 定番の1本を常温で味わう
最初は、手頃な3〜5年ほどの紹興酒を1本選びます。
色、香り、甘味、酸味を確かめ、思いついた言葉を一つ残します。「想像より酸味があった」「熟した果物のように感じた」という短い感想で十分です。
第2段階 同じ1本の温度を変える
別の日に、常温、少し冷やした状態、ぬるめの燗を比べます。
温度が変わると、香りの強さ、酸味、甘味、口当たりがどのように動くかを確かめます。好みの温度が見つかると、次の1本も選びやすくなります。
第3段階 料理との組み合わせを作る
餃子、蒸し鶏、麻婆豆腐、煮込み料理など、一皿ずつ合わせます。
料理の前後で酒の印象を比べ、自分が心地よく感じた組み合わせを記録します。評判のよい定番だけでなく、チーズや和食など、身近な料理も試せます。
第4段階 熟成年数や造りの違いを比べる
定番品に慣れたら、若い酒と長期熟成酒、加飯酒と甘味のあるタイプなどを少量ずつ比べます。
同時に何本も開ける必要はありません。飲食店の1杯、小瓶、飲み比べ会なども利用し、量を増やさず違いを知ります。
第5段階 紹興の土地と黄酒文化へ広げる
紹興酒を深めると、紹興の水郷、もち米、麦曲、冬の仕込み、甕での貯蔵など、酒の背景へ関心が広がります。
紹興以外の黄酒を味わう、中国料理の地域差を知る、酒器や食文化を調べるといった楽しみ方もあります。銘柄を多く所有するより、一杯の背景を理解し、自分の言葉で誰かへ伝えられることが、長く続けた先の豊かさになります。
あわせて楽しみたい関連する趣味
中華料理
中華料理は、紹興酒の甘味、酸味、熟成香が料理によってどう変わるかを確かめられる趣味です。炒め物だけでなく、蒸し料理、煮込み、点心などへ広げると、同じ1本にも違う合わせ方が見つかります。
中国茶
中国茶は、同じ中国の飲み物文化に触れながら、酒を飲まない日にも香り、温度、器の違いを楽しめます。紹興酒と茶を別々に味わうことで、発酵や熟成、食後の過ごし方にも関心が広がります。
酒蔵・ワイナリー見学
製造現場を訪ねる趣味では、原料、発酵、貯蔵、熟成が一つの商品になるまでの流れを立体的に知ることができます。日本の酒蔵やワイナリーで得た視点を持つと、紹興酒の甕や熟成年数、造り手の説明も、より具体的に想像できるようになります。
琥珀色の一杯に、米と水と時間を見つける
紹興酒を楽しむために、最初から難しい名称や長い歴史をすべて覚える必要はありません。
手頃な1本を選び、小さなグラスへ決めた量だけ注ぐ。香りを確かめ、一口料理を食べてから、もう一度味わう。別の日には少し温め、常温との違いを探してみる。
それだけでも、紹興酒は「中華料理店で出てくる独特な酒」から、米、小麦、水、発酵、熟成の時間を味わう飲み物へ変わります。
次の休日は、3〜5年ほどの定番品を1本探し、常温の小さな一杯から始めてみてください。飲み切ることではなく、昨日まで気づかなかった香りを一つ見つけることが、紹興酒を趣味にする最初の一歩です。
休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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