見出し画像

野球の楽しみ方

はじめに

グラブを構えた正面へ白いボールが飛んできて、革の内側に小さな衝撃が残る。

捕ったボールを握り直して相手へ返すと、少し遅れて乾いた音が聞こえます。投げる、捕る、打つ、走るという一つひとつの動作は単純に見えても、実際にグラウンドへ立つと、ボールの速さや距離、風、足元の状態によって毎回違う感触があります。

野球を始めてみたいと思っても、「子どもの頃から経験していないと入れないのでは」「九人集めなければできないのでは」「道具を全部そろえると高そう」と感じるかもしれません。けれど、すでに活動している草野球チームや地域クラブへ体験参加するなら、最初から自分でチームや対戦相手を用意する必要はありません。

初心者や久しぶりに野球をする人を受け入れているチームもあり、初回はキャッチボールや軽い守備練習から参加できる場合があります。グラブを借りられるか確認し、動きやすい服と運動靴を用意するところから始められます。

今回は、サークルやクラブで軟式野球を続ける場合を中心に、費用、チームの選び方、最初の一日の流れ、用具、安全に楽しむための注意点、続けるほど変わっていく面白さまでをまとめます。


野球の基本情報

主な楽しみ方 地域や職場などのチームへ所属し、練習や試合を通して投球、捕球、打撃、走塁を楽しむ

おすすめの頻度 週1回前後、または月2〜4回

1回の活動時間 練習は約2〜3時間、試合日は約3〜5時間

短時間で楽しむ場合 キャッチボールや打撃練習を中心に約60〜90分

移動や着替えを含む総所要時間 約3〜5時間

主な場所 公共の野球場、河川敷グラウンド、学校開放施設、民間運動場

最初の入口 チームの見学、体験参加、初心者向け練習会

初日に用意したいもの 動きやすい服、運動靴、帽子、タオル、飲み物

一般の草野球では、主に軟式球を使います。硬式球より扱いやすいとはいえ、勢いよく飛んでくるボールやバットが身体へ当たればけがにつながるため、遊びの試合でも周囲への声かけと基本的な防具は欠かせません。

試合は基本的に九人で行いますが、チームの所属人数を九人だけにすると、仕事や家庭の予定、体調不良で人数が足りなくなりやすくなります。そのため、実際のクラブでは交代要員や運営担当を含めて、十数人から二十人ほどが所属していることもあります。

全員が毎週参加するとは限りません。月に一度ほど試合へ出る人、練習を中心に参加する人、スコア記録や用具管理を手伝う人など、関わり方はチームによって異なります。

野球にかかる費用

草野球の費用は、どこまでチームが用具を共有しているか、活動回数、公共施設の利用料、大会参加の有無によって変わります。入力データにある年間約5万8,500円は一つの想定としては考えられますが、全員に同じ金額がかかるわけではありません。

初めは、体験参加、個人用具、チーム会費、参加ごとの費用を分けて考えると分かりやすくなります。

最初の体験にかかる費用

体験参加費 無料〜1,500円ほど

グラブ 借りられれば0円

バットやボール チームの共用品を使用できることが多い

服装 手持ちの運動着で可

運動靴 手持ち品で可の場合あり

飲み物、交通費 実費

体験参加では、ユニフォームやスパイクを購入する必要はありません。グラブを借りられるか、土のグラウンドでも一般的な運動靴で参加できるかを事前に確認します。

初回から試合へ出るチームもありますが、野球経験が少ない場合は、まず練習日へ参加した方がチームの雰囲気やボールの速さを確かめやすくなります。体験時に費用が発生する場合は、球場代や保険、用具代のどこまで含まれているかも聞いておきます。

入団後の個人用具

軟式用グラブ 約8,000〜25,000円

トレーニングシューズやスパイク 約7,000〜15,000円

練習用ウェア 手持ち品から始められる

帽子 約2,000〜4,000円

チームユニフォーム 約10,000〜25,000円

ベルト、ソックス、アンダーシャツ 合計約3,000〜8,000円

バッティンググローブ 必要に応じて約2,000〜5,000円

グラブは、高価なものほど初心者に使いやすいとは限りません。守る位置がまだ決まっていないうちは、内野、外野のどちらにも対応しやすい一般的な軟式用グラブを選ぶと使い回しやすくなります。

革が硬い新品は、購入直後から思いどおりに開閉できるとは限りません。店頭で実際に手を入れ、手首が緩すぎないか、指先が余りすぎないか、無理なく開けるかを確認します。中古品やチームから譲ってもらったグラブを使い、続けられそうだと分かってから買い替える方法もあります。

スパイクは、球場や大会によって金属製の歯を使えないことがあります。最初はゴム底のポイントスパイクや野球用トレーニングシューズを選び、チームの指定を確認してから購入すると安心です。

チームで共有しやすい用具

バット

試合球、練習球

ベース

打者用ヘルメット

捕手用マスク、プロテクター、レガーズ

ボールケース

救急用品

ライン引きや整備用品

バットやヘルメット、捕手用具は、個人でそろえるよりチームで管理するのが一般的です。大会では公認用具や安全基準を満たした防具が必要になるため、自分の判断だけで購入せず、チームの代表者へ確認します。

個人用バットは、チームの活動に慣れ、自分が振りやすい長さや重さが分かってからでも遅くありません。軟式用、硬式用、ソフトボール用では仕様が異なるため、使うボールと大会規定に合ったものを選びます。

継続してかかる費用

年会費 無料〜2万円ほど

参加費 1回500〜1,500円ほど

スポーツ保険 加入区分によって年額が異なる

大会登録費、参加費 チームごとに分担

球場代、審判代 会費または参加費から支払うことが多い

駐車場、交通費 活動場所による

ボールや救急用品などの補充 会費に含む場合が多い

草野球チームの会計方法は、年会費だけを集める形、参加するたびに費用を払う形、両方を組み合わせる形などがあります。年間の参加回数が少ない人には都度払いが合う場合もありますが、大会登録費や保険料は参加回数にかかわらず必要になることがあります。

公共の野球場は、地域や時間帯によって無料の場所から数千円ほどの場所まで幅があります。十人以上で分担すれば一人当たりの負担は小さくなりますが、照明、審判、駐車場、大会参加費が加わると、一日の費用が1,000〜3,000円ほどになる場合もあります。

週1回前後、年間30〜40回ほど参加するなら、個人用具を除く継続費は年間約3万〜8万円が一つの目安です。初年度はグラブ、シューズ、ユニフォームを購入するため、合計約6万〜13万円ほどを見ておくと余裕があります。

費用を抑えたい場合は、体験後すぐにすべて買わず、グラブから少しずつそろえます。バット、ヘルメット、捕手用具まで個人で購入すると負担が大きくなるため、チームの共用品を先に確認することが大切です。

野球をおすすめする3つの理由

1.投げる、捕る、打つ、走るを一つの競技で味わえる

野球では、守備についている時間と打席へ向かう時間で、身体の使い方が大きく変わります。ボールを追いかけて走り、両手で捕球し、相手が受けやすい位置へ投げる。攻撃になれば、今度はボールが来る瞬間を待ち、バットを振り、塁へ向かって走ります。

一つの動きだけを繰り返すのではなく、短い時間の中で役割が切り替わるところが野球らしい魅力です。強く打てない日にも、正確な送球や声かけ、次の塁を狙う走塁でチームへ関われます。

久しぶりに運動する人は、最初からすべてを上手にこなす必要はありません。キャッチボールで相手の胸元へ返せた、ゴロを正面で止められた、打球を前へ転がせたという一つの成功が、次の練習につながります。

2.一球ごとに、全員の役割が動く

投手が一球を投げると、打者だけでなく、九人の守備位置と走者の判断が同時に動きます。内野手は打球の方向を予測し、外野手は前後の距離を調整し、捕手は次のプレーを考えます。

同じゴロでも、走者がいない場面と満塁の場面では、捕ったあとに投げる場所が変わります。自分のところへボールが来なくても、ベースをカバーする、送球の後ろへ回る、味方へ声をかけるといった仕事があります。

一人の力だけで完結しないため、経験を重ねるほど、目立つプレー以外の大切さが見えるようになります。味方が捕りやすい送球をする、次の人が動きやすい場所へ立つという小さな配慮が、試合全体をつないでいきます。

3.同じグラウンドでも、毎回違う試合になる

野球場の広さや塁の位置は同じでも、対戦相手、天候、投手、守備位置によって試合の流れは変わります。強い打球が多い日もあれば、四球や小さなミスから得点が動く日もあります。

一度の打席で結果が出なくても、守備や次の打席で取り返す機会があります。逆に、序盤に得点していても、終盤の一球で流れが変わることがあります。

年間を通して活動すると、春の柔らかな土、夏の強い日差し、秋の冷たい風まで、グラウンドの表情も変化します。試合結果だけでなく、季節ごとに同じ仲間と集まる時間そのものが、少しずつ積み重なっていきます。

自分に合うチームを見つける

草野球を長く続けられるかどうかは、技術以上にチームの方針との相性が影響します。初心者歓迎と書かれていても、勝利を優先するチームと、全員の出場を大切にするチームでは、参加したときの雰囲気が異なります。

募集文だけで判断せず、一度見学や体験へ行き、実際の活動を見ることが大切です。

確認したいのは、次のような点です。

初心者やブランクのある人も参加しているか

練習日があるか、試合だけの活動か

全員が試合へ出られる方針か

主な活動地域と曜日はどこか

雨天中止の連絡はいつ届くか

年間の会費と参加費はいくらか

ユニフォームの購入が必要か

保険へ加入しているか

大会へ出る場合、選手登録が必要か

審判、球場整備、用具運搬をどのように分担するか

出欠連絡の期限や欠席時の扱いはどうなっているか

経験者中心のチームでも、基礎から教える時間が用意されていれば初心者が入りやすいことがあります。一方、楽しさを重視するチームでも、試合だけを行い練習がほとんどなければ、初めての人は動きを覚えにくいかもしれません。

参加頻度についても確認します。毎週の参加を求めるチームもあれば、月に一度から参加できるチームもあります。生活の予定と合わないまま入団すると、会費だけを払い続けることになりやすいため、無理なく参加できる活動量を選びます。

野球経験が少ない場合は、そのことを隠さずに伝えます。チーム側も守備位置や練習内容を考えやすくなり、速すぎるボールを突然受けるような状況を避けられます。

初めて参加する一日の流れ

活動日は、集合時刻より十五分ほど早く到着すると、着替えやあいさつを落ち着いて済ませられます。初めての場所では、球場の入口、駐車場所、更衣室、トイレの位置も確認します。

集合とグラウンド準備

チームによっては、ベース、ボール、ヘルメットなどを倉庫や車から運びます。野球はプレー以外の準備も多いため、何を手伝えばよいか分からないときは、代表者や近くの人へ聞きます。

グラウンドへ入るときは、利用時間と前後の団体にも配慮します。前の利用者がいる場合は、許可なく外野へ入ったり、周囲でボールを投げ始めたりしません。

準備運動

肩や肘だけを回すのではなく、歩行や軽いジョギングで身体全体を温めます。そのあと股関節、足首、背中、肩甲骨を動かし、短い距離からキャッチボールを始めます。

久しぶりの野球で、最初から遠投や全力投球をすると肩や肘へ負担がかかります。初日は近い距離で山なりのボールを投げ、身体が温まってから少しずつ距離を広げます。

キャッチボール

相手が捕りやすい胸の高さを目標に、力を抜いて投げます。ボールを捕るときは身体の正面へ入り、グラブだけを遠くへ伸ばしすぎないようにします。

捕球に慣れていない場合は、速い球を投げないよう相手へ伝えてかまいません。距離を短くし、ゆっくりしたボールを確実に捕る方が、無理に速さへ合わせるより安全です。

守備練習

ゴロを捕る練習では、打球の正面へ移動し、腰を落としてグラブを地面の近くへ出します。捕ったあとに立ち上がるのではなく、送球する方向へ身体を運びながら握り替えます。

フライは落下地点を見誤りやすいため、最初から難しい打球を追わず、短い距離のものから始めます。ほかの選手と近づいたときは、捕る人が早めに大きな声を出し、衝突を避けます。

打撃練習

バットを持つ前に、周囲へ人がいないことを確かめます。素振りをする場所と、ボールを打つ場所を分け、打者の後ろへ近づきません。

初心者は、速い投球を打つ前に、置いたボールを打つティーバッティングや、近い距離から軽く投げてもらうトスバッティングから始めると、バットの軌道を確認しやすくなります。

最初の目標は遠くへ飛ばすことではなく、ボールを見て、バットへ当て、振ったあとに立っていられることです。力いっぱい振ろうとすると頭が動き、足元も崩れやすくなります。

試合や実戦形式

初めて試合へ入ると、アウト数、走者、次の打者など、見るものが急に増えます。すべてを自分だけで判断しようとせず、守備位置やベンチからの声を聞きます。

打球が飛んでこなかった回にも、ベースのカバーや送球の中継があります。分からないプレーがあれば、終わったあとに「どこへ動けばよかったか」を一つだけ聞くと、次の守備で試しやすくなります。

片付けと整備

活動後は、ベースやボールを回収し、グラウンドをならします。借りた用具は汚れを軽く落として決められた場所へ戻し、忘れ物がないか確認します。

野球は、最後のアウトを取ったところで終わるわけではありません。次の団体が使いやすい状態へ整えて帰るところまでが、クラブ活動の一部です。

最初に必要なもの

初回から用意したいもの

動きやすい長袖または半袖のウェア

伸縮性のある長ズボン

帽子

運動靴

タオル

飲み物

着替え

日焼け止め

健康保険証や連絡先を確認できるもの

野球では、スライディングや転倒、ボールとの接触があるため、短パンより長ズボンの方が肌を守りやすくなります。帽子は日差しを避けるだけでなく、周囲から顔の向きを見分けやすくする役割もあります。

続けるなら用意したいもの

自分の手に合う軟式用グラブ

野球用トレーニングシューズまたはポイントスパイク

チーム指定のユニフォーム

アンダーシャツ

野球用ベルト

ストッキングまたはソックス

バッティンググローブ

用具を入れるバッグ

自分用のグラブを持つと、毎回同じ形と感触で捕球できます。使用後は表面の土を落とし、直射日光や高温になる車内を避けて乾かします。雨でぬれたときも、ドライヤーなどで急激に熱を加えず、風通しのよい日陰でゆっくり乾燥させます。

最初は買わなくてよいもの

個人用バット

打者用ヘルメット

捕手用の防具一式

複数のポジション別グラブ

高価なオーダーユニフォーム

金属製スパイク

大容量の遠征用バッグ

野球用品は種類が多いため、売り場へ行くとすべて必要に見えるかもしれません。しかし、バット、防具、ボールはチームで共有できることが多く、最初から個人で買う必要はありません。

守備位置が決まる前に捕手用ミットや一塁手用ミットを購入しても、実際には別の位置を守ることがあります。最初の数か月は一般的なグラブを使い、自分が続けたい役割が見えてから専門的な用具を選びます。

初心者が覚えておきたい試合の見方

野球の細かなルールをすべて暗記してから参加する必要はありません。最初は、攻撃と守備を交代しながら、走者が本塁へ戻ると得点になるという基本を押さえます。

守備では、まず次の四つを確認します。

アウトはいくつか

走者はどの塁にいるか

打者は右打ちか左打ちか

打球を捕ったら、どこへ投げるか

走者がいなければ、基本は一塁でアウトを取ります。走者がいる場合は、次の塁へ進ませないために、二塁や三塁へ投げることもあります。

自分のところへ打球が来てから考え始めると間に合わないため、投球前に「ゴロなら一塁」「自分の後ろへ飛んだら中継へ入る」と一つだけ準備します。経験者が守備位置から声を出してくれるチームなら、その声を聞いて動けばかまいません。

攻撃では、打席の順番とアウト数を見ます。自分の二人ほど前になったらヘルメットやバットを準備し、指定された場所で待ちます。ベンチや次打者席の近くで不用意に素振りをせず、決められた範囲を使います。

出塁したあとは、打球だけを見続けるのではなく、ベースコーチの指示も確認します。無理に次の塁を狙うより、最初は確実に止まることを優先します。

安全に野球を続けるために

野球で特に注意したいのは、投球による肩や肘への負担、打球、バット、選手同士の衝突、暑さです。野球に関係のない防じん用品や化学防護用品は必要ありませんが、ボールとバットが動く範囲を全員が共有する必要があります。

投げる量を急に増やさない

数年ぶりに野球をすると、気持ちは以前と同じでも、肩や肘の状態は変わっています。初日から長い距離を何十球も全力で投げず、近い距離から始めます。

投球中に肩や肘へ鋭い痛みが出たら、その日の投球を中止します。少し休めば投げられるからと繰り返すと、動きをかばって別の場所まで痛めることがあります。

投手を担当する場合は、試合前の投球数だけでなく、ブルペンやキャッチボールを含めた全体量を考えます。草野球でも、一人に長い回を任せ続けず、複数の投手で分担できるチームの方が負担を調整しやすくなります。

バットを振る範囲へ入らない

打者の近くでは、本人が止まっているように見えても、急に素振りを始める可能性があります。打席、次打者席、ベンチ前など、バットを振る場所を決め、そこへ後ろから近づきません。

バットを手渡すときは、相手が持ったことを確認してから離します。地面へ投げたり、立てかけたままにしたりすると、転倒や破損につながります。

ボールから目を離さない

守備練習中は、担当している打球だけでなく、別の場所から飛んでくるボールにも注意します。複数の組が同時に投げる場合は、方向が交差しないよう配置を決めます。

送球がそれたときは、黙って見送らず「ボール」「危ない」と大きな声を出します。近くの人へ危険を伝える声は、捕球技術と同じくらい重要です。

フライを複数人で追うときは、捕る人が早めに声を出します。外野手と内野手が互いに譲らず走り込むと、大きな衝突につながるため、チーム内で誰を優先するか決めておきます。

試合では防具と大会規定を守る

大会や連盟の試合では、打者、走者、次打者などに公認ヘルメットの着用が求められます。捕手は、マスク、ヘルメット、プロテクター、レガーズなど、規定に合う防具を使います。

ヘルメットや捕手用具にひび、変形、留め具の破損がある場合は、そのまま使い続けません。古い防具を長期間共有しているチームでは、シーズン前に状態を確認します。

登録大会へ参加する場合は、所属する支部や大会の最新規則を確認します。選手の二重登録を禁止している大会もあるため、複数のチームへ参加している人は、どのチームで登録するかを事前に相談します。

暑さと天候を軽く考えない

野球は日陰の少ないグラウンドで数時間過ごすことがあります。夏は試合開始前から水分を取り、守備の合間にも少量ずつ補給します。

頭痛、吐き気、足がつる、受け答えがおかしい、まっすぐ歩けないといった変化があれば、本人の希望だけで続行させず、涼しい場所へ移します。高温時には試合時間を短くする、休憩を増やす、中止や延期を選ぶことも必要です。

捕手は防具の内側へ熱がこもりやすいため、攻守交代時にマスクやプロテクターを外し、身体の熱を逃がします。ベンチには多めの飲料、冷却用品、日よけを用意しておくと安心です。

雨天時は、表面が乾いて見えても、ベース周辺や芝と土の境目が滑りやすくなります。雷鳴が聞こえる状況では、試合を続けず、安全な建物や車内へ避難します。

練習のない日にもできること

野球の練習には広い場所が必要と思われやすいものの、自宅では道具を振り回さずに身体の動きを確かめられます。

タオルを持って投球動作をゆっくり行う、片足で立ってバランスを確認する、股関節や肩甲骨を動かす、軽いスクワットで下半身を整えるといった内容なら、短時間でも続けられます。

ただし、室内でボールを強く投げたり、バットを振ったりするのは危険です。天井、照明、家具だけでなく、窓の外や隣室にいる人にも影響します。素振りは十分な広さのある屋外や専用施設で行います。

バッティングセンターを利用するときも、試合前日に何十球も全力で振る必要はありません。疲れてフォームが崩れる前に切り上げ、翌日の肩や腰へ張りを残しすぎないようにします。

試合後には、一つだけ振り返りを残す方法もあります。

ゴロを待ちすぎて送球が遅れた

捕る前に投げる方向を決められた

打席で一球目からボールを見られた

走者がいる場面でカバーへ動けた

打率や勝敗だけでなく、自分が準備できたことを記録すると、次の活動で試す内容が見つかります。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

第1段階 ボールを捕り、相手へ返す

初めは、近い距離のキャッチボールを続けるだけでも十分です。グラブの中央で捕り、握り替え、相手が捕りやすい高さへ返せると、二人の間に一定のリズムが生まれます。

打撃でも、遠くへ飛ばすことより、ボールを見てバットへ当てるところから始めます。守備や走塁を含め、一つのプレーへ落ち着いて参加できたことが最初の手応えになります。

第2段階 基本動作を次のプレーへつなげる

捕っただけで終わらず、どこへ投げるかを考える。打っただけで止まらず、一塁へ走る。単独だった動作が次のプレーとつながり始めます。

キャッチボールでは足を使って正面へ入り、守備では捕球後の送球を想定して身体を運びます。打席でも、振ったあとにバランスを保ち、走り出せる形を意識します。

第3段階 守備位置と試合状況を読む

走者、アウト数、打者の特徴によって、自分の立つ位置を少しずつ変えられるようになります。前へ守るのか、長打に備えて下がるのかを考えると、ボールが飛んでくる前の時間まで野球になります。

攻撃でも、強く打つことだけが正解ではありません。走者を進める、相手の守備位置を見る、無理な球へ手を出さないといった判断が、得点へつながることがあります。

第4段階 自分の役割を持ちながら、チーム全体を見る

内野、外野、捕手、投手など、得意な役割が見つかると、必要な練習が具体的になります。それと同時に、自分の守備位置だけでなく、味方がどこへ動いているかも見えるようになります。

声をかける、中継へ入る、ベースをカバーする、相手の走者へ次の塁を諦めさせる。記録には残らない動きが、一つのアウトや失点を防ぎます。

第5段階 試合を支え、次の人が参加できる場をつくる

野球を続けると、プレー以外の役割にも目が向きます。球場を予約する、対戦相手と連絡を取る、審判を担当する、用具を点検する、初心者へキャッチボールの相手を申し出ることも、チームを続けるために必要です。

年齢や体調によって、以前と同じ位置を守れなくなることもあります。活動回数を減らす、代打で参加する、運営を手伝うなど、関わり方を変えながら続けられます。

野球の楽しさは、毎回よい成績を残すことだけではありません。誰かが次の週末にもグラウンドへ来られるよう、場所と時間を整えていくことも、長く続けた先にある楽しみです。

あわせて楽しみたい関連する趣味

バッティングセンター

バッティングセンターでは、チームの予定がない日にも、自分のペースで打撃を楽しめます。球速を選び、一球ごとのタイミングやバットへ当たった感触を確かめられるため、野球を始める前の入口にも、試合の合間の練習にも向いています。


プロ野球観戦

実際に野球を始めてから試合を見ると、打球だけでなく、ボールが投げられる前の守備位置やカバーの動きにも気づけるようになります。選手の距離の取り方や走者への声かけなど、自分の練習へ持ち帰れる見どころが増えていきます。


キャッチボール

キャッチボールは、二人とボール、グラブがあれば始められる、野球のもっとも身近な部分です。試合へ出る時間が取れない日にも、相手の胸元へ投げ、捕って返すリズムをゆっくり楽しめます。

広い公園ならどこでもできるわけではないため、球技が認められた場所を選び、通行人や子どもが近づいたときは一度止めます。短い距離から始めれば、初心者同士でも無理なく続けられます。

一球を受け取るところから、試合へつながっていく

野球を始めるために、最初から九人の仲間を集めたり、立派なバットを買ったりする必要はありません。まずは活動日の合うチームを一つ探し、練習を見学して、グラブを借りられる体験へ参加してみます。

最初のキャッチボールでは、ボールがグラブの端へ当たったり、相手の頭上へそれたりするかもしれません。それでも、少し距離を縮め、力を抜いて投げ直せば、やがて相手の構えた場所へ届く一球が生まれます。

捕る人がいて、投げ返す人がいる。

その小さな往復へ打撃や走塁、守備の連係が加わり、一つの試合へ広がっていくところに、野球の面白さがあります。次の休日は、勝敗より先に、土の上で一球を受け取る感触から始めてみてはいかがでしょうか。


休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。

ほかの趣味やレジャーも探してみたい方は、こちらの一覧から気になるものを覗いてみてください。

記事作成に使用している元情報や、データの整理方針についてはこちらで紹介しています。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集