VRゲームの楽しみ方
ヘッドセットをかぶると、いつもの部屋が視界から消え、目の前に別の世界が広がる。
顔を向けた方向に景色が続き、手を伸ばせば物に触れ、振り返れば背後にも空間がある。VRゲームには、画面の外から登場人物を動かすゲームとは違い、自分自身がその場所に立っているように感じられる面白さがあります。
「機械の設定が難しそう」「遊んでいるうちに気分が悪くならないか心配」と感じる人もいるかもしれません。確かに、一般的なゲームより確認しておきたいことはありますが、最初から高性能なパソコンや広い専用部屋を用意する必要はありません。
単体で動くVRヘッドセットや初心者向けの作品も増えており、遊ぶ場所と安全を整えれば、自宅でも始められます。
VRゲームは、ただ映像を立体的に見るものではありません。身体の向きや手の動きまで遊びの一部になることで、世界を眺めるだけではなく、その中で行動する感覚を楽しめる趣味です。
VRゲームの基本情報
主な場所 自宅
楽しむ人数 一人が中心。オンラインでは複数人でも楽しめる
おすすめの頻度 週1回ほど
標準的な時間 約2時間40分
短く楽しむ場合 約55分
準備や片付けを含む時間 約2時間50分
施設への依存 低い
天候への影響 ほとんど受けない
自宅で遊べるため、天候や外出の予定に左右されにくい趣味です。ただし、通常のテレビゲームとは違い、ヘッドセットを準備し、周囲にぶつかる物がないか確認する時間が必要です。
初めて遊ぶ日は、55分より短くても構いません。VRに慣れていない状態で長時間続けるより、10〜20分ほど遊んで一度ヘッドセットを外し、体調を確かめる方が安心です。
慣れてくると、物語を進めたり、複数のステージに挑戦したりして、2時間前後遊ぶこともあります。長く遊ぶ場合も、途中に休憩を挟みながら楽しみます。
初期費用は手持ちの環境で大きく変わる
VRゲームの費用は、すでに対応機器を持っているか、ヘッドセットから新しく揃えるかで大きく変わります。
最小の初期費用 0円ほど
標準的な初期費用 約36,000円
本格的に揃える場合 約180,000円
1回あたりの費用 約0〜1,000円
年間費用の目安 約21,500円
初期費用を0円に近づけられるのは、家族や知人の機器を借りられる場合や、すでにVRヘッドセットと対応ソフトを持っている場合です。何も持っていない状態から始めるなら、基本的にはヘッドセットの購入費が必要になります。
費用を抑えたい人には、パソコンへ接続しなくても使える単体型のVRヘッドセットが候補になります。機器だけで動くため、対応する高性能パソコンを別に用意する必要がありません。
一方、映像の細かさや選べる作品、拡張性を重視する場合は、パソコン接続型の環境もあります。ヘッドセットに加えて、対応するパソコン、接続用品、周辺機器などを揃えると、費用は10万円を大きく超えることがあります。
継続中にかかる費用は、ゲームソフト、追加コンテンツ、月額サービス、交換用のフェイスパッドなどです。無料で遊べる作品もありますが、まずは一度に多く購入せず、自分が遊びたい作品を一つ選ぶ方が無理なく始められます。
VRゲームの3つのおすすめポイント
1.ゲームの世界に「入る」感覚を味わえる
VRゲームの一番大きな魅力は、世界との距離が近く感じられることです。
通常のゲームでは、画面の中に風景や人物が映っています。VRでは視界の大部分がゲームの世界で覆われ、顔を動かすと景色も自然についてきます。人物が近くに立つと、本当に同じ空間にいるように感じることもあります。
高い場所から下をのぞく、暗い通路を自分の足で進む、目の前に飛んできた物をよける。操作内容は単純でも、身体がその状況を受け取ることで、強い緊張感や驚きが生まれます。
物語を楽しむ作品では、出来事を外から眺めるのではなく、その場に居合わせたような気持ちになれます。映像作品や通常のゲームとは少し違う形で、世界観へ深く入り込めるところがVRならではです。
2.手や身体を動かすことが遊びになる
VRゲームでは、コントローラーを振る、物をつかむ、しゃがむ、身体を傾けるといった動作が、そのまま操作になります。
剣を振る作品では腕の動きが攻撃になり、リズムゲームでは音楽に合わせて両手を動かします。スポーツ系の作品なら、ボールを投げたりラケットを振ったりする感覚も楽しめます。
座ったまま遊べる作品もありますが、立って全身を使う作品では、一般的なゲームより身体を動かす時間が増えます。運動そのものを目的にしなくても、遊びに夢中になるうちに汗をかくことがあります。
ただし、ゲーム内では広い場所にいるように見えても、現実では自宅の限られた空間に立っています。夢中になるほど周囲が見えなくなるため、安全な範囲を先に決めることが欠かせません。
3.体験できる世界の幅が広い
VRゲームには、冒険、パズル、音楽、スポーツ、ホラー、乗り物、交流など、さまざまな種類があります。
幻想的な世界を歩く作品もあれば、飛行機や自動車の運転席に座る作品、絵を描いたり立体物を作ったりする作品もあります。旅行気分で景色を眺める、静かな空間で映像を見るといった、勝ち負けのない楽しみ方もできます。
オンライン対応の作品では、遠くにいる人と同じ空間に集まり、会話やゲームを楽しむこともできます。アバターを通して身ぶりが伝わるため、音声だけの交流とは少し違った親しみがあります。
一つの遊び方に限られず、その日の気分に合わせて体験を選べることも、VRを長く楽しむ理由になります。
最初の一作は動きの穏やかなものを選ぶ
初めてのVRゲームでは、人気や映像の派手さだけでなく、身体への負担が少ない作品を選ぶことが大切です。
ゲーム内を滑るように移動する作品や、乗り物で高速移動する作品は、目で見ている動きと現実の身体感覚に差が生まれやすく、VR酔いにつながることがあります。
最初は、立っている場所が大きく移動しない作品や、短い場面ごとに区切られている作品が向いています。音楽に合わせて手を動かすゲーム、目の前の物を操作するパズル、定位置から周囲を眺める体験などは、比較的始めやすい種類です。
移動のある作品を選ぶ場合は、瞬間的に場所を移す方式や、視野を狭める機能、座って遊ぶ設定があるかを確認します。酔いやすさには個人差があるため、他の人が平気だった作品でも、自分に合うとは限りません。
最初の目標は、長く遊ぶことではありません。
「ヘッドセットをつけた状態に慣れる」
「コントローラーで物を持つ」
「周囲を見渡してみる」
これだけでも、VRという遊び方の新鮮さは十分に分かります。
最初に必要な道具
VRゲームを始めるためには、VRに対応した機器が必要です。
最初に必要なもの
VRヘッドセット
対応するコントローラー
VRゲームのソフトやアプリ
安全に動ける場所
インターネット環境
環境によって必要になるもの
対応するパソコンや家庭用ゲーム機
接続ケーブル
イヤホンやヘッドホン
眼鏡用スペーサー
交換用フェイスパッド
充電用品
ヘッドセットを選ぶときは、遊びたいソフトに対応しているかを最初に確認します。同じVRゲームでも、すべての機器で遊べるとは限りません。
装着感も大切です。重さだけでなく、顔への当たり方、頭に固定しやすいか、眼鏡をかけたまま使えるかによって、長時間の疲れやすさが変わります。
購入前に体験できる機会があれば、映像のきれいさだけでなく、頭を動かしたときのずれや圧迫感も確認します。家族で共有する場合は、顔に触れる部分を拭きやすいか、交換できるかも見ておくと使いやすくなります。
収納場所も先に決めておきます。レンズへ直射日光が当たる場所や、高温になる場所は避け、落下しにくいところに保管します。
遊ぶ前に部屋を整える
VRゲームでは、ヘッドセットをつけると現実の部屋が見えにくくなります。始める前に、動く範囲から机、椅子、飲み物、コード類などを移動させます。
手を横へ伸ばし、少し前後に動いても物へ当たらない広さがあると安心です。天井の照明、棚の角、開いた扉など、目の高さ以外にある物にも注意します。
ペットや小さな子どもがいる家庭では、遊んでいる途中に範囲へ入ってこないようにします。本人には見えなくても、周囲の人には腕を大きく振っている状態です。
多くの機器には、安全に動ける範囲を設定する機能があります。境界線は家具のぎりぎりではなく、少し余裕を残して設定します。慣れてきても境界を消さず、部屋の配置を変えたときは設定し直します。
イヤホンを使う場合も、外の音がまったく聞こえない状態には注意が必要です。一人で遊ぶときは、インターホンや周囲の呼びかけに気づける音量にしておくと安心です。
VR酔いと疲れを我慢しない
VRゲームでは、目で見える動きと、身体が感じる動きが一致しないことで、吐き気、頭痛、冷や汗、ふらつきなどが出ることがあります。
少し気持ち悪いと感じた時点で、ヘッドセットを外して休みます。「続けていれば慣れる」と我慢すると、症状が強くなり、その後も不快感が残ることがあります。
初めは短時間に区切り、体調のよい日に遊びます。睡眠不足、空腹、疲労が強い日は酔いやすくなることがあるため、無理に遊ばない方が安心です。
ヘッドセットを外した直後は、現実の距離感へ戻るまで少し時間が必要なこともあります。すぐに階段を使ったり、自動車や自転車を運転したりせず、座って体調を確かめます。
目だけでなく、首や肩にも負担がかかります。前方を見続けたり、重いヘッドセットを支えたりするため、数十分ごとに休憩し、首や肩を軽く動かします。
VRゲームは夢中になりやすいからこそ、体調を崩す前に終えることが、長く楽しむための大切なコツです。
5段階で広がるVRゲームの楽しみ方
段階1 VR空間を見渡してみる
ヘッドセットの装着やコントローラーの操作に慣れる段階です。周囲を見る、物を持つ、ボタンを押すといった基本的な体験だけでも、普段のゲームとの違いを感じられます。
段階2 一つの作品を落ち着いて遊ぶ
短いステージや簡単なゲームを最後まで楽しめるようになります。自分が酔いにくい移動方法や、無理なく遊べる時間も少しずつ分かってきます。
段階3 自分に合う体験を見つける
音楽、運動、物語、探索、交流など、好みの方向が見えてきます。遊ぶ作品に合わせて、部屋の使い方や設定も調整できるようになります。
段階4 難しい操作や深い没入を楽しむ
素早い動きが必要なゲームや、長い物語、オンラインでの協力プレイなどへ進みます。操作が身体になじむことで、機器を意識せずゲームの世界へ集中しやすくなります。
段階5 交流や制作へ楽しみを広げる
オンラインイベントへ参加する、プレイ動画を作る、VR空間や立体作品を制作するなど、遊ぶ以外の方向へ興味が広がります。体験を人へ紹介したり、初心者の案内をしたりする楽しみ方もあります。
この5段階は、上手さを競うための順番ではありません。短い体験を繰り返す人もいれば、一つの作品をじっくり楽しむ人もいます。自分が心地よく遊べる範囲を見つけることが、VRを続けるうえでは何より大切です。
VRゲームを休日の趣味に
VRゲームは、部屋にいながら、普段とはまったく違う場所へ入り込める趣味です。
遠くの景色を眺めたり、音楽に合わせて身体を動かしたり、物語の登場人物と同じ空間に立ったりする。作品が変われば、体験の雰囲気も大きく変わります。
一方で、楽しさに夢中になるほど、現実の家具や身体の疲れを忘れやすくなります。安全な範囲を整え、短い時間から始め、少しでも違和感があれば休むことが欠かせません。
最初は、穏やかな作品を10分ほど体験してみる。
ヘッドセットを外したあとに「もう少し見てみたい」と思えたなら、そこから自分に合うVRの世界をゆっくり探していけます。
「休日のよりみち帖」では、ほかにもさまざまな趣味の始め方や楽しみ方を紹介しています。新しい休日の過ごし方を探している方は、ぜひフォローして、次のよりみちも一緒に楽しんでみてください。
