テニスの楽しみ方
テニスには、きれいに打てたときの分かりやすい気持ちよさがあります。
ラケットの中央にボールが当たり、乾いた音と一緒にネットの向こうへ飛んでいく。相手が返したボールをもう一度打ち返し、短くてもラリーが続く。
テレビで見る試合のような速いボールを打てなくても、相手と一往復できただけで、少しうれしくなりそうです。
その一方で、初めて始めるには少し準備が必要な印象もあります。
ラケットや専用の靴を買わなければならないのか。
コートはどこで借りられるのか。
一緒にする人がいなくても始められるのか。
運動から離れていてもついていけるのか。
ボールを相手のコートへ返せないうちは、楽しめないのか。
36歳の今から始めると考えると、いきなり道具を一式そろえて、経験者の中へ入るのは少し不安があります。
けれど、テニススクールや体験会ではラケットを借りられる場合があります。最初は短い距離からボールを打ち、ラリーではなく、ラケットに当てるところから始められます。
運動経験の有無よりも、自分に合った速さで練習できる場所を選ぶことの方が大切です。
※時間や費用は、レンタルまたは入門用ラケットを使い、公共コート、スクール、友人との練習などで月に2回ほど楽しむ場合を想定した目安です。地域、施設、レッスンの有無によって変わります。
まず知っておきたい基本情報
一回のプレー時間 約2時間
年間の実施回数 約27回
一回あたりの費用換算 約2,100円
年間の費用 約56,700円
道具を購入する場合の初期費用 約30,000円
必要な人数 二人から楽しめる
始めやすさ スクールやレンタルを利用すれば始めやすい
身体的な負担 中程度。動き方によっては高くなる
楽しさの中心 打球の手応え、ラリー、上達、相手との駆け引き
年間27回は、月に2回ほどのペースです。
毎週練習しなければ楽しめない競技ではありません。月に数回でも、前回よりボールが飛ぶようになったり、ラリーが一往復増えたりする変化を感じられます。
ただし、相手、コート、天候の三つをそろえる必要があります。
思い立った瞬間に一人で始める趣味ではないため、スクールの定期レッスンや、予約しやすい公共コートを見つけておくと続けやすくなります。
ボールを打ち合うこと自体が楽しいスポーツ
テニスの目的は、相手が返しにくい場所へボールを打ち、得点することです。
けれど、始めたばかりの頃は、試合で勝つことよりも、相手とボールをつなぐことが楽しさの中心になります。
一度ボールを打つ。
相手が返す。
もう一度、自分が返す。
このやり取りが続くだけで、一人でボールを打つ練習とは違う面白さが生まれます。
相手が打ったボールは、毎回同じ場所へ来るとは限りません。速さ、高さ、回転、落ちる位置を見ながら、自分が動いて調整します。
慣れてくると、ただ返すだけでなく、
相手のいない場所へ打つ。
深いボールと短いボールを使い分ける。
速さを変える。
次に返ってくる場所を予測する。
といった駆け引きが加わります。
最初はラケットへ当てる喜び、次はラリーが続く喜び、その先には試合で作戦が成功する喜びがあります。
上達するたびに、面白さの中心が少しずつ変わっていくスポーツです。
時間と費用
一回のプレー時間は約2時間です。
着替え、準備運動、片付け、移動まで含めると、休日の予定としては3時間ほど見ておくと慌ただしくなりません。
スクールの体験レッスンであれば、60分から90分ほどで終わる場合もあります。
最初の体験にかかる費用
コート代または体験レッスン料 施設によって異なる
レンタルラケット 無料〜500円程度
交通費 約500円
飲み物など 約300円
体験時の目安 約1,500〜4,000円
ラケットを借りられる施設なら、初回から30,000円分の道具を買う必要はありません。
まず一度体験し、今後も続けられそうかを確かめられます。
自分の道具を購入する場合
入門用ラケット 約10,000〜15,000円
テニスシューズ 約7,000〜10,000円
ボール、グリップテープ、ケースなど 約3,000〜5,000円
ウェアや小物 必要に応じて追加
初期費用の目安 約20,000〜30,000円
運動着やタオル、飲料ボトルは、家庭にあるものを使えます。
最初に優先したいのは、ラケットよりも足に合う靴です。テニスでは前後左右へ動き、急に止まることがあります。一般的な運動靴で参加できる体験会もありますが、続けるならコートに合ったテニスシューズを選びます。
年間費用の目安
コートやスクール利用料 年間約30,000〜35,000円
ボール、グリップ、ストリングなど 年間約12,000円
道具代の年換算 年間約6,000円
道具の手入れや交換 年間約5,000円
交通費や飲み物など 利用状況により追加
年間合計 約56,700円
月平均では約4,700円です。
公共コートを友人と割り勘で使えば、費用を抑えられます。毎週スクールへ通う場合や、大会、遠征へ参加する場合は、この金額より高くなります。
初めてのテニスは、こんな流れになる
初回から正式な試合をするのではなく、ラケットとボールへ少しずつ慣れていきます。
1.道具とコートの安全を確認する
ラケットの握り方やコートの範囲を確認します。
周囲でほかの人がラケットを振っているときは近づかず、自分が振る前にも後ろや隣を見ます。
2.ボールをラケットで弾ませる
最初はネットを越えるように打たず、ラケットの上でボールを弾ませます。
ボールとラケットの距離や、中央へ当たったときの感触を覚えます。
3.短い距離から打つ
ネットの近くなどで、相手に軽く投げてもらったボールを返します。
大きく振るより、ラケット面を相手へ向け、ボールを押す感覚から始めます。
4.少しずつ距離を広げる
ボールが安定して返るようになったら、相手との距離を広げます。
最初は速く打つことより、相手が返しやすい場所へ送ることを目標にします。
5.サーブと得点方法を覚える
ラリーに慣れてきたら、サーブから始める流れや得点の数え方を覚えます。
すぐに正式な試合をするのではなく、短いゲーム形式から試します。
6.整理運動と片付けをする
使用後はボールを集め、ラケットやシューズの状態を確認します。
急に運動を終えず、軽く歩いたり脚を伸ばしたりして身体を落ち着かせます。
最初はボールが思うように飛ばなくても普通
テニスを初めてすると、ボールが空振りになったり、ラケットの端へ当たったりします。
当たっても、ネットへかかる。大きく上へ飛ぶ。隣のコートへ転がっていく。
見ていると簡単そうなのに、実際には思うように返せないことがあります。
これは腕の力が足りないからとは限りません。
ボールとの距離。
ラケット面の向き。
当たるタイミング。
身体の位置。
いくつもの条件が合わさって、打球の方向が決まります。
最初から強く振るより、近い位置からゆっくり当てる方が、感覚をつかみやすくなります。
一球きれいに当たったときの音や手応えは、空振りを何度か経験した後ほど、はっきり感じられそうです。
テニスならではの楽しさ
テニスの面白さは、相手と競いながら、同時に相手がいるからこそプレーが続くことです。
初心者同士では、相手が打ち返しやすいボールを送り合い、何回続くかを楽しめます。
上達すると、相手を動かし、返しにくい場所へ打つ競技へ変わります。
協力して続けるラリーと、相手から得点を取る試合。その両方を同じコートで楽しめます。
また、上達を数字で確認しやすいところも特徴です。
一回しか続かなかったラリーが三回になる。
サーブが一球入る。
苦手だったバックハンドで返せる。
初めてポイントを取る。
以前できなかったことが、その場ではっきり分かります。
身体を動かした爽快感だけでなく、小さな成功を積み重ねられることが、続けたくなる理由になりそうです。
一緒にする人がいない場合
テニスは基本的に相手が必要です。
身近に経験者や一緒に始める人がいない場合は、テニススクールが利用しやすい選択肢になります。
スクールでは、同じくらいの経験者と一緒に練習でき、ボールやコートも準備されています。ラケットを貸し出している施設もあります。
選ぶときは、
初心者クラスがあるか。
体験レッスンを利用できるか。
ラケットを借りられるか。
一クラスの人数はどのくらいか。
通いやすい曜日と時間か。
屋内か屋外か。
を確認します。
人との交流より、まず基本を覚えたい場合は、少人数や個人レッスンもあります。ただし、その分費用は高くなります。
最初は、一回の体験レッスンで施設の雰囲気を見るくらいで十分です。
初めてそろえる道具
テニス用品は多くありますが、最初にすべてを購入する必要はありません。
最低限必要なもの
レンタルまたは入門用ラケット
テニスシューズ、または体験会で認められた運動靴
動きやすい服
飲料水
タオル
続けるなら用意したいもの
自分に合うラケット
グリップテープ
ラケットバッグ
予備のボール
帽子
日焼け止め
スポーツ用ソックス
最初は買わなくてよいもの
複数の高性能ラケット
高価なストリング
ボールマシン
スマートセンサー
心拍計
ストリングマシン
フォーム撮影専用機器
上級者向けの道具は、課題が分かってから検討できます。
「もっと軽いラケットがよい」「グリップが太く感じる」「ストリングが硬い」といった具体的な不満が出てから選ぶ方が、自分に合うものを見つけやすくなります。
ラケットは、価格より扱いやすさで選ぶ
初心者用のラケットを選ぶときは、高価さよりも、無理なく振れることが大切です。
確認したいのは、
ラケットの重量
グリップの太さ
面の大きさ
全体のバランス
ストリングの状態
です。
重いラケットは安定感がありますが、筋力や振り方によっては腕へ負担がかかります。
軽ければ必ず使いやすいとも限りません。軽すぎると、ボールに押されるように感じる場合があります。
専門店やスクールで相談し、実際に持ってみると選びやすくなります。
最初から競技用の高性能モデルを買うより、扱いやすい入門モデルを使い、フォームを覚える方が現実的です。
身体への負担と安全
テニスは、走り続けるスポーツではありません。
その代わり、短い距離を動き、止まり、方向を変える動作を繰り返します。
一回2時間プレーした場合の目安は、次のようになります。
平均歩数 約5,000歩
推定消費カロリー 約360kcal
水分補給の目安 約1,200ml
主な負担 脚、膝、足首、肩、肘
※プレーの強度、休憩時間、シングルスかダブルスかによって大きく変わります。
始める前には、軽いジョギングや関節運動で身体を温めます。
特に屋外では、暑さへの注意が必要です。
帽子を使う。
水分を取る。
日陰で休む。
気温の高い時間を避ける。
体調が悪い日は中止する。
濡れたコートでは滑りやすくなります。雨が止んでいても、施設の判断に従い、無理にプレーしません。
ラケットを振る前には周囲を確認し、感情的になって投げたり、地面へ強く打ちつけたりしないことも基本です。
続けると変わる楽しみ方
1.ラケットとボールに慣れる
最初は、ボールを弾ませ、近い位置から返します。
一球がラケットに当たり、ネットを越えたときの音と手応えを楽しむ段階です。
2.サーブとラリーを続ける
フォアハンドとバックハンドで返し、数回のラリーを目指します。
前回より一回長く続くだけでも、上達を感じられます。
3.試合を最後まで行う
得点方法やコートの範囲を覚え、サーブから一試合を進めます。
ただ返すだけではなく、相手のいない場所を狙う面白さが加わります。
4.課題を決めて練習する
サーブ、リターン、苦手なショット、フットワークなどを分けて練習します。
試合でうまくいかなかった理由を考え、次の練習へつなげる段階です。
5.自分の目標へ挑戦する
大会成績、勝率、技術、体力など、長期的な目標を持ちます。
練習だけでなく、睡眠や疲労も管理しながら、自分の到達点を少しずつ高めていきます。
こんな日に合いやすい
テニスは、次のような休日に取り入れやすいスポーツです。
身体をしっかり動かしたい日。
一人で運動するより、誰かとやり取りを楽しみたい日。
上達を分かりやすく感じられる趣味が欲しい日。
二時間ほど運動へ集中したい日。
友人や家族と、勝敗にこだわらず身体を動かしたい日。
スクールで定期的に運動する習慣を作りたい日。
一方で、真夏の暑い時間や、雨でコートが滑りやすい日、身体に強い疲れが残っている日には無理をしない方が安心です。
運動量を抑えたい日は、コート全面を使わず、短い距離でラリーをする方法もあります。
最初の目標は、相手へ一球返すこと
テニスを始める前は、サーブを入れ、長いラリーを続け、試合ができなければ楽しめないように感じるかもしれません。
けれど、最初の目標はもっと小さくてよいと思います。
ラケットの中央へボールを当てる。
ネットを一度越える。
相手が返しやすい場所へ一球送る。
その一球を相手が返してくれたら、もうテニスらしいやり取りが始まっています。
36歳から始めるなら、最初にラケットを買うより、レンタルのある初心者向け体験を選びたいです。
速く打つことより、短い距離からゆっくりボールをつなぐ。翌日に身体が動かなくなるほど頑張らず、少し物足りないくらいで終える。
次はもう一回返してみたいと思えたなら、テニスを続ける理由は十分に見つかっているはずです。
休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
これからも、次にやってみたくなる趣味を一つずつ丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
