ホースボールの楽しみ方
はじめに
馬場の中央を4頭の馬が駆け、6本の取っ手がついた球が選手から選手へ渡っていきます。味方が3人でパスをつなぐと、最後は高さのある丸いゴールへ向かってシュート。馬術の静かな合図と、球技の素早い判断が同じ流れの中で重なるのがホースボールです。
馬の横へ深く身体を傾けて球を拾う姿から、初めて見ると「乗馬経験が長い人だけの競技」と感じるかもしれません。けれど、最初から試合の速さへ入る必要はなく、馬に乗らずに球を投げる、常歩で停止と方向転換を確かめる、指導者の管理下で短いパスを試すところから始められます。日本にも完全予約制の体験窓口があり、馬と人の安全を急がず整えながら、一歩ずつ近づける競技です。
ホースボールの基本情報
ホースボールは、馬に乗った選手が手で球を運び、味方へパスし、相手側の円形ゴールへ投げ入れて得点を競うチームスポーツです。現代の競技規則は1970年代後半のフランスで形づくられ、1999年には国際的な統括体制が整いました。2015年には、世界各地で行われる馬術競技の1つとして位置づけられています。
日本では2012年から普及と選手育成の取り組みが進み、日本代表も2022年にフランス、2025年にアルゼンチンで開かれたワールドカップへ参加しました。海外だけの競技ではありませんが、全国の乗馬クラブで日常的に習える段階ではありません。国内の体験窓口へ事前に相談し、受け入れ可能な日を確かめるのが現実的な入口です。
1チームは選手6人と馬6頭で構成され、同時に馬場へ出るのは4人です。残る2人は交代要員となり、得点後や球が外へ出たとき、タイムアウトなどのプレーが止まった場面で交代できます。正式試合では最低3人いれば続行できますが、初心者の練習は人数を満たすことより、馬同士の距離を十分に取れる内容を選びます。
馬場は長方形で、国際規則の範囲は長さ60〜75m、幅20〜30m、理想的な広さは65m×25mです。長辺の外側には幅3〜5mの安全区域があり、地面は平らで柔らかく、滑りにくい状態が求められます。一般の広場へゴールだけを置けば行える競技ではなく、馬の脚元、境界、安全区域まで整った馬術施設が必要です。
両端のゴールは内径1mの円で、輪の下端が地面から3.5mの高さにあります。球は明るい色のサッカーボールを革製のハーネスで包み、6本の取っ手をつけたものです。部門によって3号球または4号球を使い、現行の国際規則では女性部門とU21女子は3号、プロエリートとU21混合は4号とされています。
攻撃では、同じチームの異なる3人が少なくとも3回パスを交わしてからでなければ、得点は認められません。手渡しはパスに数えられず、球を落としたり相手に奪われたりすると、3回の数え直しになります。1人が球を持てるのは10秒までなので、遠くへ投げ続けるだけでなく、味方が受けやすい場所へ動くことが欠かせません。
地面へ落ちた球は、馬から降りず、馬を動かしたまま拾います。停止した馬から拾うことは正式規則では認められず、球の周囲5mでは拾う権利を持つ選手の進路を守る細かな決まりがあります。拾って上体が戻るまで相手は妨害できないため、深く傾く華やかな動きほど、安全のための順序が丁寧に決められています。
試合は10分ずつの前後半、合計20分で、ハーフタイムは3分です。各チームは前後半に1回ずつ30秒のタイムアウトを求められ、高温時には馬と選手を冷やすための追加休止が設けられることもあります。観戦するときは、得点だけでなく、球を持たない3人の進路と休止中の馬の様子を見ると競技の奥行きが伝わります。
正式競技には馬同士が同じ方向へ進みながら肩の高さで接触する守備や、相手が持つ球を片手で奪い合う場面もあります。ただし、接触角度は45度を超えず、急な進路変更や、球を持たない選手への接触は認められません。初心者の体験では接触を再現せず、歩く速さで馬を制御し、相手と十分な間隔を保てることから始めます。
ホースボールにかかる費用
国内で体験できる場所はまだ限られており、千葉県富里市には完全予約制で相談できる入口があります。料金や所要時間は、騎乗経験、馬場、馬の状態、その日に球を使う範囲によって変わるため、総額と内容を予約時に確かめます。乗馬だけの時間と、球を使う練習の時間が同じとは限りません。
2回目以降は、騎乗経験や参加方法によってビジター利用と会員制度に分かれ、騎乗料や指導料が加わることがあります。継続を考えるときは、入会金、会費、1回ごとの費用、保険、用具の貸出を分けて聞くと予算を立てやすくなります。初回の体験料だけで年間費用を見積もらず、自分が通える頻度まで含めて考えます。
体験料だけでなく、次の費用も分けて考えると予定を立てやすくなります。
体験場所までの交通費
ヘルメット、乗馬靴、身体保護具などの貸出料
体験料に騎乗料、指導料、保険料が含まれるか
悪天候や馬の状態による変更・キャンセルの条件
継続時の会費、レッスン料、練習用具、試合登録や遠征の費用
練習場所は公共交通機関だけでは行きにくいことがあり、自家用車やレンタカー、駅からのタクシーも候補になります。タクシーを使う場合は往復の運賃と帰りの迎車方法を先に確かめ、体験の終了時刻に余裕を持たせます。馬の状態や天候で終了時刻が前後しても慌てない予定にしておくと安心です。
初回から専用の球や馬具を購入する必要はありません。どの用具を借りられるか、ヘルメットや乗馬靴に合うサイズがあるかを聞き、必要なら施設が認める物を用意します。一般的な乗馬用品がそのまま正式なホースボールに適合するとは限らないため、競技を続ける段階で指導者に選んでもらう方が安全です。
競技用の馬を個人で購入し、預託や診療、装蹄、飼料、輸送まで負担するのは、初心者の入口ではありません。まず管理された練習馬に乗り、乗馬の基礎と馬の手入れを学びます。自分の用具や馬を持つことより、同じ合図で落ち着いて止まれる時間を重ねる方が、ホースボールへ確かにつながります。
ホースボールをおすすめする3つの理由
馬の歩幅と自分の動きが、1つのパスにつながる
地上の球技なら、受ける相手へ身体を向ければすぐに投げられます。ホースボールでは、その前に馬の速さと方向を整え、自分の姿勢を保ち、馬の耳元へ球を近づけない角度を選びます。短いパスが届くだけでも、人と馬の小さな判断がいくつも重なっています。
力で馬を動かして球へ近づくのではなく、今日の反応を受け取りながら合図を小さくしていくことが大切です。馬が落ち着いたまま味方の横へ進み、球がやさしく手渡る瞬間には、速さとは別の達成感があります。馬術と球技のどちらか一方だけでは出会えない喜びです。
3人3回のパスが、自然に仲間を見る習慣をつくる
シュートが得意な人が球を抱え続けても、ホースボールでは得点できません。異なる3人で3回のパスをつなぐ決まりがあるため、受け場所を作る人、次の人へ渡す人、ゴールを狙う人の動きが必要になります。1人の華やかなプレーより、少し前から始まっていた連係が得点になります。
初めて観戦する日も、球だけを追わず、次に受けようとしている選手へ目を向けてみます。馬の速度を落として味方の後ろへ入る動きや、守備を引きつけて空間を作る動きが見えると、20分の試合がぐっと立体的になります。少人数だからこそ、仲間を思う動きが見つけやすい競技です。
競技の外側にある、馬を整える時間まで楽しめる
試合映像では、深く身体を傾ける拾球や高いゴールへのシュートが目に留まります。けれど、馬と行う競技は、騎乗前に脚元を見て、馬具の擦れを確かめ、運動後に呼吸を落ち着かせる時間があって初めて成り立ちます。馬が健康に次の練習を迎えられることが、勝敗より先にあります。
馬の耳、汗、呼吸、歩き方へ目が向くようになると、乗っている時間だけが趣味ではなくなります。手入れや片づけも含めて1頭の1日を想像できるようになり、牧場や競馬を訪ねたときの見方も変わります。動物とスポーツを楽しむ責任を、日々の小さな行動から学べます。
始める場所と最初の道具を選ぶ
国内で始めるなら、ホースボールの体験・レッスンを受け付ける窓口へ連絡し、希望日と現在の乗馬経験を伝えます。完全予約制の場所では、希望した日に必ず受けられるとは限りません。馬と指導者の予定、馬場の状態を含め、予約確定の返事を待ってから出かけます。
乗馬未経験、引き馬だけ、常歩と速歩ができる、駈歩まで経験があるなど、できることを具体的に伝えます。身長、体重、年齢、運動習慣、過去の落馬、腰や膝、肩の不安、服薬や持病も事前相談の材料です。できるように見せるより、安心して任せられる馬と内容を選んでもらうことが大切です。
初回は、動きやすく脚をこすりにくい長ズボン、季節に合う上着、飲み物、タオル、着替えを用意します。指輪、腕時計、長いネックレス、揺れるイヤリングなど、手綱や球の取っ手へ引っかかる物は外します。長い髪は視界やヘルメットのあごひもを妨げない位置でまとめます。
騎乗には、頭へ合う乗馬用ヘルメットと、かかとのある適切な乗馬靴が必要です。正式競技では国際的な安全基準に適合するヘルメットをあごひもまで締め、長靴または条件を満たすショートブーツとハーフチャップを使います。背中と膝を守る柔らかなプロテクターも推奨されるため、初回は施設の貸出範囲と採用基準を確認します。
専用球は6本の革製取っ手を備え、一般のサッカーボールとは重さも持ち方も異なります。最初は施設の球を使い、両手で胸元へ受ける、片手で持つ、数m先へやさしく投げる練習から始めます。公園で似た取っ手をつけて投げ合う場合でも馬は使わず、人や窓、車へ飛ばない場所を選びます。
馬には、鞍や手綱のほか、球を拾うときに騎手の姿勢を支えるピックアップストラップを装着します。正式競技ではスタンディングマルタンガール、4肢すべての保護、オーバーリーチブーツも必要で、ストラップは腹の下を通してマルタンガールの輪へ正しく通します。初めて見る馬具を自分で締めず、馬の体格に合わせて指導者や管理者に装着してもらいます。
練習馬には、停止、発進、方向転換が安定し、近くを別の馬が通っても落ち着けることが求められます。球や人が身体の横へ下がる動き、取っ手や装具の音にも段階的に慣れている必要があります。競走経験がある、速く走れるといった理由だけで競技へ向くわけではなく、その日の心身の状態も含めて担当者が判断します。
通常の乗馬施設へ自分で球を持ち込み、許可なく馬上練習をすることはできません。馬が球の動きに驚く可能性があり、ほかの利用者や馬にも危険が及びます。馬場、安全区域、救護、馬を休ませる場所がそろい、ホースボールを理解する指導者がいる時間だけに行います。
初めてホースボールを体験する1日の流れ
前日まで|予約内容と当日の範囲を確かめる
日時、集合場所、料金、支払方法、服装、貸出品、雨天や暑さによる変更方法を確認します。車で向かう場合は駐車場所、タクシーの場合は帰りの迎車方法まで決めます。急な来訪はせず、主催者から予約確定の連絡を受けてから予定を整えます。
初回に行う内容も聞いておきます。乗馬未経験なら馬への近づき方と常歩が中心になることもあり、経験者でも当日の馬の状態によって球を使わない場合があります。「試合のような体験」ではなく、自分と馬に合う安全な入口を相談します。
到着後|馬の動線と身体装備を確認する
受付を済ませたら、馬の出入り口、待つ場所、荷物置き場、立ち入らない区域を教わります。厩舎や馬場へ先に入らず、スタッフの案内を待ちます。バッグや飲み物は馬が触れず、球も飛んでこない場所へ置きます。
ヘルメットは頭を振ってもずれず、あごひもが緩まない大きさに合わせます。靴のかかと、衣服の引っかかり、プロテクターの位置も確認し、傷や強い衝撃を受けた形跡がある借用品は交換を相談します。痛みや体調の変化があれば、騎乗前に伝えます。
担当する馬の名前を聞き、どちら側から近づくか、触れてよい場所を教わります。耳の向き、目、呼吸、立ち方を見ながら、急に顔や後ろ脚へ手を伸ばしません。球やピックアップストラップも、馬の反応を確かめながら見せます。
鞍、腹帯、手綱、マルタンガール、脚の保護具は、担当者と一緒に状態を見ます。参加者が最終判断をするのではなく、擦れや緩み、歩様の違和感に気づいたら知らせます。馬を知ろうとする時間が、最初の練習になります。
地上練習|取っ手を持ち、受けて、短く渡す
馬から離れた指定区域で、専用球の取っ手を片手で持ちます。胸の前で両手を使って受け、身体をねじりすぎず、数m先の相手へ山なりに投げます。強く投げるより、相手が手を伸ばさず受けられる位置へ3回続けます。
異なる3人で3回のパスをつなぐ正式規則も、地上なら落ち着いて覚えられます。手から手へ直接渡すだけではパスに数えないこと、球を落とすと数え直すことを試します。馬へ乗る前に球の重さと取っ手の動きを知っておくと、騎乗中の力みが減ります。
乗馬の確認|球を持たずに止まる、進む、曲がる
騎乗したら、まず両手で手綱を持ち、常歩で発進、停止、大きな方向転換を行います。前の馬へ近づきすぎない距離を覚え、指導者の合図で同じ場所に止まれるかを確かめます。姿勢が崩れる日は、速歩や球へ進みません。
次に、指導者が許可した範囲で片手の手綱を試します。空いた手を少し横へ動かしても上体と脚が安定し、馬が同じ合図で止まれることが目安です。不安があれば、球の練習は地上だけで終えても十分な体験になります。
馬上のパス|常歩で近い相手へ球をつなぐ
馬が球を怖がらず、騎手も片手で姿勢を保てる場合は、停止またはゆっくりした常歩から短いパスを行います。球は馬の目や耳へ近づけず、味方と馬同士の間隔を広く取ります。受ける人は声と手で準備を示し、無理に届かない球へ手を伸ばしません。
初回は10秒や3回の規則を急いで再現せず、1回ごとに姿勢と馬の反応を戻します。球が落ちたら勝手に拾いに行かず、指導者の合図で回収します。1本のやさしいパスを馬が落ち着いて終えられれば、十分な成功です。
拾球の入口|深く傾く前に、安全な形を覚える
地面の球を拾う練習は、指導者が乗馬技術と馬の状態を認めた場合だけ行います。最初は馬を使わず姿勢を確認したり、地上のスタッフが持つ球へ軽く手を伸ばしたりして、ピックアップストラップの支え方を覚えます。身体だけを急に下げず、脚、腰、視線の順を教わります。
正式な拾球は馬を動かしたまま行い、試合開始時には駈歩が求められますが、これは初回の目標ではありません。届かなければ球を通り過ぎ、5m以上離れてから次の動きを待ちます。動画の深い姿勢をまねるより、上体を安全に戻せることを先に身につけます。
ゴール練習|馬を止め、近い位置から輪を狙う
当日の内容にシュートが含まれる場合は、まず地上から円形ゴールを狙います。次に、指導者が指定した位置で馬を止め、近い距離から柔らかく球を投げます。入った数より、投げたあとも手綱と姿勢を整えられたかを確かめます。
少人数の練習では、3人でゆっくりパスをつなぎ、最後の人がシュートする流れを試せます。守備の接触、球の奪い合い、急な方向転換は入れません。味方の名前を呼び、球を持たない人が受け場所へ動く楽しさを味わいます。
終了後|馬を休ませ、身体と用具を振り返る
球を片づけたら常歩で馬をゆっくり歩かせ、呼吸と汗が落ち着くのを待ちます。下馬後は担当者の手順に従って鞍や保護具を外し、脚の熱、腫れ、擦れ、歩き方を確認します。水や休息を与える時期は、馬の管理者に任せます。
自分の頭、首、肩、腰、手首、膝にも違和感がないかを確かめます。借用品の傷を一緒に見て返し、球を使った時間、安心してできた歩様、怖かった動きを短く伝えます。次回はその日の疲れと馬の様子を踏まえて決めます。
安全に楽しむために確認したい5つのこと
ヘルメットと乗馬靴は、球を使わない日も省かない
正式競技では、国際的な試験基準に適合する乗馬用ヘルメットを着け、あごひもを常に締めます。靴も適切な乗馬用の形が必要で、柔らかな背中と膝のプロテクターが推奨されています。体験では主催者の基準を優先し、一般の自転車用ヘルメットやスニーカーで代用しません。
落馬や頭部への衝撃があったら、見た目にけががなくても騎乗を止めます。頭痛、吐き気、ふらつき、ぼんやりする、見え方が変わるといった症状を我慢せず、救護と医療の助言に従います。強い衝撃を受けたヘルメットも、そのまま使い続けません。
拾球と球の奪い合いは、許可された段階だけ行う
地面の球へ身体を下げる動きには、乗馬の安定、馬の慣れ、正しく装着されたピックアップストラップが必要です。球を拾う選手が上体を戻すまで、相手は妨害できません。初心者同士で球の近くへ集まったり、止まった馬から無理に手を伸ばしたりしないようにします。
正式試合の球の奪い合いは、同時に1人の守備だけが片手で行い、どちらかの姿勢が崩れたら球を離す決まりです。体験では、取っ手を引き合う練習や馬同士の接触を入れません。競技映像の動きを地上や一般の乗馬レッスンで再現しないことが大切です。
馬の速度と進路を制御できないときは、すぐ離脱する
安全は拾球の優先権より上に置かれ、選手は球を持っているかどうかにかかわらず、馬の速度と方向を制御しなければなりません。急に減速する、進路を横切る、相手の前で立ち止まる動きは衝突につながります。指導者の合図が届かない、停止できないと感じたら、球を追わず安全な場所へ移ります。
接触を伴う守備は、同じ方向へ進み、肩の高さで制御し、45度を超えない角度が前提です。球を持たない相手への接触や、腕で押す行為は認められません。初心者の練習は常に非接触とし、前後左右の馬へ十分な距離を保ちます。
馬の脚、呼吸、気持ちを勝敗より先に見る
公式戦に出る馬は5歳以上で、健康状態と競技への適性を確認されます。疲労、跛行、けがのある馬を競技へ出すこと、過度に鞭や拍車を使うこと、食事や水、運動を十分に与えないことは認められません。馬の福祉に疑いがあれば試合は止められ、いったん外れた馬を許可なく戻すこともできません。
体験でも、呼吸が戻らない、汗の様子が普段と違う、歩幅が乱れる、耳を伏せ続ける、装具の場所を嫌がるといった変化を見逃さないようにします。参加者が「もう1回だけ」と運動を延ばさず、指導者と馬の管理者の中止判断に従います。馬を休ませる時間まで含めて、その日の活動です。
馬具、馬場、天候、救護体制をまとめて確かめる
正式競技では、4肢の保護具、オーバーリーチブーツ、スタンディングマルタンガール、正しく通したピックアップストラップが必要です。鞍や手綱を含むすべての馬具は、壊れておらず、馬へ合い、確実に留まっていなければなりません。練習前後に擦れや緩みを見て、破損があれば交換します。
馬場は平らで滑りにくく、球が外へ出たときの安全区域と馬を休ませる場所が必要です。雷、強風、大雨、酷暑、足場の悪化があれば、予約時間が残っていても中止や内容変更を受け入れます。人の救護、獣医師への連絡、保険、緊急時の集合場所まで分かる施設を選びます。
経験を重ねると変わる5つの楽しみ方
第1段階|馬と球を別々に知り、観戦の入口をつくる
最初は乗馬で停止、発進、大きな方向転換を学び、地上では専用球を受けて短く投げます。2つを急いで重ねず、ヘルメットの着け方、馬への近づき方、球の取っ手の持ち方を丁寧に覚えます。馬が穏やかに終えられることが、次へ進む目安です。
試合映像では、4人のうち誰が球を持ち、残る3人がどこへ動くかを見ます。3人3回のパスと10秒の決まりが分かるだけで、速い映像にも小さな区切りが生まれます。体験へ行けない時期も、観戦から十分に楽しめます。
第2段階|常歩で片手の手綱と短いパスをつなぐ
常歩で姿勢を保ち、片手の手綱でも合図どおり止まり、広く曲がれるようにします。近くの味方へ球を渡し、受けたあとはすぐに両手の姿勢へ戻します。パスの成功だけでなく、馬の耳や呼吸を見られたかを振り返ります。
同じ馬場でも、乗る馬が変われば歩幅や合図への反応が変わります。強い合図で一律に動かすのではなく、その馬に合う声、脚、手綱の使い方を教わります。1頭ごとの違いに気づくことが、球技の判断にもつながります。
第3段階|拾球と3人の連係を、非接触で育てる
指導者が認めたら、常歩や段階に合う歩様で地面の球へ近づき、拾って上体を戻す動きを練習します。届かなければ通り過ぎ、球の周囲5mから離れる習慣を身につけます。深く傾けたことより、安全な進路を選べたことを大切にします。
少人数の練習では、異なる3人で3回パスをつなぎ、最後にシュートします。球を持たない人は、味方の前をふさがず、次に受けられる場所へ動きます。得点の1つ前、2つ前のパスに面白さが見えてくる段階です。
第4段階|正式規則の速さと守備を、順に身につける
駈歩でも馬を制御し、球を持つ10秒を意識できるようになったら、ラインアウト、拾球の優先権、反則とペナルティーを学びます。接触守備は非接触の位置取りを十分に重ねたあと、経験ある指導者と審判の管理下で進めます。相手へ触れる技術より、危険な角度へ入らない判断が先です。
正式試合へ出るには、会員登録、保険、選手と馬の資格、用具基準、獣医検査などをそろえます。馬は原則として1日1試合で、短縮試合の条件を満たす場合だけ2試合が認められます。人の出場機会を増やすために、馬の回復時間を削らないようにします。
第5段階|馬の福祉と、次の人の入口を支える
経験を重ねると、試合に出るだけでなく、馬具点検、馬の準備とクールダウン、馬場の安全確認、初心者の地上練習にも関われます。初めての人へ速い拾球を勧めず、乗馬と球を別々に覚える順を案内します。競技を長く残すには、安全な入口を丁寧に整える人が必要です。
国内の練習を続けながら、海外大会の観戦や国際交流へ目を向ける楽しみもあります。国や部門で球の大きさや大会運営に違いがあるため、その土地の規則と馬文化を尊重します。勝敗だけでなく、馬が健やかに次の季節を迎えられることまで考えられると、ホースボールとの付き合い方が深まります。
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牧場体験の楽しみ方
馬へ近づくときの立ち位置や声のかけ方、日々の食事と手入れに触れられます。牧場体験はホースボールの騎乗練習ではありませんが、馬を競技の道具ではなく、体調と気持ちのある生き物として見る入口になります。
競馬の楽しみ方
馬が速く走る姿の向こうに、調教、装蹄、輸送、レース後のケアを支える人がいます。着順を競う競馬と、球を3人でつなぐホースボールは別の競技ですが、歩様や呼吸、騎手との合図へ目を向けるきっかけになります。
バスケットボールの楽しみ方
限られた時間で味方へ球を渡し、高いゴールを狙う面白さに親しめます。足でコートを走るバスケットボールと馬上のホースボールでは身体の使い方が大きく異なりますが、球を持たない人が受け場所を作る見方は、どちらの観戦にも役立ちます。
馬の一歩と3人のパスが、丸いゴールへつながっていく
ホースボールの華やかさは、高いゴールへ吸い込まれるシュートや、馬の横へ深く傾く拾球だけにあるのではありません。馬の歩幅を感じ、味方が受けやすい速さで球を渡し、運動後は脚と呼吸を静かに確かめる。その一つひとつがつながって、4人と4頭の流れが生まれます。
日本ではまだ、近所の施設へふらりと出かけて毎週参加できる趣味ではありません。それでも、完全予約制の体験へ相談し、乗馬と球を別々に覚え、馬の状態に合わせて少しずつ重ねる道があります。馬を大切にする気持ちを真ん中に置けば、速さの印象の奥にある、やさしく奥深いチームスポーツが見えてきます。
休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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