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家庭菜園の楽しみ方

家庭菜園には、自分で育てたものを収穫して食べられる、分かりやすい楽しさがあります。

朝、カーテンを開けたついでにベランダを見る。昨日より葉が一枚増えていたり、小さな実がついていたりする。まだ収穫には早くても、少しずつ変わっていく姿を見るだけで、毎日の中に小さな楽しみができます。

買ってきた野菜を料理するのとは違い、自分で水をやり、成長を見守ったものには、形が少しいびつでも愛着が湧きそうです。

一方で、植物を育てることには少し不安もあります。

毎日水をやらなければならないのか。
ベランダが狭くてもできるのか。
虫が苦手でも続けられるのか。
旅行で家を空けるときはどうするのか。
土や道具をそろえると、いくらくらいかかるのか。
頑張って育てても、まったく収穫できないことはあるのか。

私自身、家庭菜園というと、広い庭や畑がある人の趣味という印象が少しありました。

けれど、調べてみると、小さなプランター一つと育てやすい苗があれば、ベランダや玄関先でも始められます。

最初から何種類も育てたり、たくさん収穫したりする必要はありません。

一種類だけ選び、土が乾いていないかを見て、少しずつ成長を確かめる。そのくらいからでも、家庭菜園の楽しさは十分に感じられそうです。

※時間や費用は、自宅のベランダや庭で、プランターを使って一〜数種類の野菜やハーブを育てる場合を想定した目安です。作物、栽培場所、季節、設備によって変わります。



家庭菜園をざっくり整理すると

今回想定したのは、ベランダや小さな庭で、野菜やハーブをプランター栽培する楽しみ方です。

一回の作業時間は約1時間30分ですが、毎回それだけの作業が必要なわけではありません。

普段は、土の乾きや葉の状態を見て、水をやるだけの日もあります。苗を植える日、支柱を立てる日、収穫する日、次の作物へ植え替える日など、節目には少しまとまった時間が必要になります。

毎日長く作業する趣味ではなく、日々の短い確認と、ときどき行う大きな手入れを組み合わせて続ける活動です。


初期費用は約1万5,000円

今回の目安では、家庭菜園を始めるための初期費用は約15,000円です。

基本的に必要になるものは、次のような道具です。

  • プランターや植木鉢

  • 培養土

  • 苗または種

  • 移植ごて

  • じょうろ

  • 園芸用手袋

  • 肥料

  • 収穫や剪定に使うはさみ

すべてを新しく買う場合はそれなりの金額になりますが、小さなプランター一つから始めるなら、8,000円ほどに抑えられる場合もあります。

家庭にあるバケツ、古いスプーン、小さなシャベル、保存容器などを活用できることもあります。

ただし、食品の容器を鉢として再利用する場合は、十分な大きさと排水穴があるかを確認します。見た目がかわいい容器でも、水が抜けなければ根が傷みやすくなります。

最初から自動水やり設備や高価な測定器を買う必要はありません。

まずは一つ育ててみて、日当たりや水やりの癖、自分がどのくらい世話を続けられるかを確かめる方がよさそうです。


年間の費用は約3万7,700円

家庭菜園は、一度道具を買えば終わりではありません。

苗や種、培養土、肥料、防虫用品など、育てるたびに必要になるものがあります。

今回の目安では、年間の費用は約37,700円です。
初期用品の年換算約3,750円
道具の手入れ・交換約5,000円
種・苗・土・肥料など約29,000円
年間合計約37,700円

月平均では3,000円ほどです。

ただし、一つか二つのプランターだけを育てる場合は、もっと費用を抑えられます。

一方で、栽培する種類を増やし、大型プランター、防虫ネット、支柱、土壌測定用品などをそろえていくと、費用は少しずつ増えていきます。

家庭菜園は、必ずしも野菜を安く手に入れるための方法ではありません。

土や苗、道具へかけた金額だけを考えると、お店で野菜を買った方が安い場合もあります。

それでも、自分で育てたものを収穫する経験や、毎日の成長を見守る時間には、買い物とは違う価値があります。

節約だけを目的にするより、育てることと食べることの両方を楽しむ趣味として考える方が合いそうです。


最初に確認したいのは、日当たりと水場

家庭菜園を始める前に、まず確認したいのが栽培場所です。

かわいいプランターや育てたい野菜を先に選びたくなりますが、植物が育つかどうかは、置く場所の条件に大きく左右されます。

確認したいのは、次のような点です。

  • 一日にどのくらい日が当たるか

  • 風が強すぎないか

  • 水やりをしやすいか

  • 水が流れても問題ないか

  • プランターを安全に置けるか

  • 室外機の熱風が直接当たらないか

  • 洗濯物や通路の邪魔にならないか

  • 土や水を含んだ重量に耐えられるか

  • マンションや住宅の規則に反していないか

同じベランダでも、午前だけ日が当たる場所と、一日中ほとんど日陰になる場所があります。

日当たりが足りない場所で、強い光を必要とする野菜を育てると、思うように成長しないことがあります。

先に自宅の環境を見て、その条件に合う作物を選ぶ方が失敗を減らせそうです。


ベランダでは、重さと排水にも注意したい

プランターは、空の状態では軽く見えます。

けれど、土と水が入るとかなり重くなります。

大型のプランターを複数置く場合は、ベランダや屋上の耐荷重、床の状態、避難経路などを確認する必要があります。

手すりの上や、不安定な台の上へ鉢を置くのも危険です。

強風で倒れたり、落下したりしないよう、安定した場所へ置きます。

水やり後の排水にも注意します。

土や肥料を含んだ水が隣の住戸や下の階へ流れたり、排水口を詰まらせたりしないようにします。

プランターの下へ受け皿を置く方法もありますが、水をためたままにすると、根や虫の問題につながることがあります。

マンションや集合住宅では、管理規約も確認します。

「自分のベランダだから自由に置ける」とは限らないため、始める前に確認しておく方が安心です。


最初の作物は、育てやすさから選ぶ

家庭菜園を始めるなら、最初は育ててみたい気持ちと、自宅の環境の両方から作物を選びます。

初心者向けとして紹介されることが多いのは、ハーブや葉物、小型の果菜類などです。

ただし、一般的に育てやすいと言われる種類でも、日当たりや季節が合わなければ、うまく育たないことがあります。

選ぶときは、次の点を確認します。

  • 種まきや植え付けに適した季節

  • 必要な日照時間

  • 成長後の大きさ

  • 必要な鉢の深さ

  • 支柱が必要か

  • 収穫までの日数

  • 水やりの頻度

  • 虫や病気の出やすさ

  • 一株からどのくらい収穫できるか

初めてなら、種から育てるより、すでに少し成長した苗を購入する方が進めやすい場合があります。

種は安く、芽が出るところから楽しめますが、発芽するまでの温度や水分管理が必要です。

まずは一株だけ育ててみたいなら、苗から始める方が変化をつかみやすそうです。


最初から何種類も育てない

ホームセンターや園芸店へ行くと、いろいろな苗が並んでいます。

見ていると、トマトも育てたい。ハーブも欲しい。葉物なら簡単そう。せっかくだから花も一緒に、と増やしたくなります。

けれど、作物ごとに必要な水、肥料、鉢の大きさ、収穫時期は異なります。

最初から何種類も育てると、どの植物にどんな世話をしたのか分からなくなりやすいものです。

私なら、最初は一種類、多くても二種類にします。

水やりの頻度や葉の変化を覚え、最後まで育てられたら、次の季節に一つ増やします。

少ない数から始めると、一株ごとの変化にも気づきやすくなります。


植え付けの日は、一時間半ほど見ておきたい

普段の水やりは短時間で終わりますが、最初に苗を植える日は少し時間が必要です。

置き場所を整える

鉢を置く場所を掃除し、水が流れても問題ないかを確認します。

プランターの大きさと置き方も、この段階で決めます。

道具と土を用意する

プランター、培養土、苗、移植ごて、手袋、じょうろを用意します。

作業場所が汚れやすいため、防水シートや新聞紙などを敷く方法もあります。

プランターへ土を入れる

鉢底材が必要な容器では、案内に従って準備します。

土をいっぱいまで詰め込まず、水やりをしたときに土が流れ出ないよう、上部へ少し余裕を残します。

苗を植える

苗の根を傷めないよう、容器から取り出します。

植える深さは、苗や作物の案内に従います。

深く植えすぎたり、根を無理に崩したりしないようにします。

水を与える

植え付け後は、水が土全体へ行き渡るように与えます。

その後は毎日決まった量を機械的に与えるのではなく、土の乾き方を見ながら調整します。

周囲を片付ける

こぼれた土を集め、袋や道具を片付けます。

排水口へ土を流さないようにします。

最後に、作物名や植え付け日を書いたラベルをつけておくと、後から分かりやすくなります。


水やりは、毎日同じ量ではない

家庭菜園で最初に迷いやすいのが、水やりです。

毎日欠かさず水を与えれば安心だと思いがちですが、土がまだ十分に湿っているのに水を加え続けると、根が傷むことがあります。

反対に、暑い日や風の強い日は、想像より早く乾くことがあります。

水やりの前には、土の表面や鉢の重さ、葉の状態を確認します。

表面が乾いていても、少し中は湿っている場合があります。

作物の種類や季節によっても異なるため、「一日一回」と決めつけず、その日の状態を見ることが大切です。

水を与えるときは、葉の上へ少量かけて終わるのではなく、土へゆっくり与えます。

鉢底から水が流れるほど与える方法が一般的ですが、作物や環境によって適した方法は異なります。

朝や夕方など、気温が比較的穏やかな時間に行うと作業もしやすくなります。


毎日の観察は、五分でも十分

家庭菜園は、まとまった作業だけでなく、短い観察の積み重ねが中心になります。

朝や帰宅後に、数分だけ様子を見ます。

土は乾いているか。
葉の色は変わっていないか。
新しい葉が出ているか。
虫がついていないか。
支柱から茎が外れていないか。
実が大きくなっているか。
風で鉢が倒れそうになっていないか。

毎日見ていると、小さな違いに気づきやすくなります。

昨日はなかったつぼみがある。
葉の裏に小さな虫がいる。
土がいつもより早く乾いている。
茎が急に伸びている。

大きな問題になってから慌てるより、早い段階で対応できます。

今回の想定では、植物を眺めたり世話をしたりする時間は、一回15分ほどからです。

長時間作業しなくても、毎日少し目を向けるだけで、植物との距離が近くなっていきます。


肥料は、多く与えればよいわけではない

植物がなかなか大きくならないと、肥料を増やしたくなることがあります。

けれど、肥料は多ければ多いほどよいものではありません。

作物や成長段階に合わない量を与えると、根や葉へ負担をかけることがあります。

購入した肥料の表示を確認し、対象となる作物、使用量、頻度を守ります。

複数の肥料を自己判断で混ぜたり、予定より短い間隔で追加したりしないようにします。

成長が遅い原因は、肥料不足だけとは限りません。

日照不足。
気温。
水の与えすぎ。
鉢の小ささ。
病気や害虫。
根の状態。

いくつかの原因が考えられます。

すぐに肥料を増やすのではなく、環境全体を確認します。


虫を完全に避けるのは難しい

家庭菜園を始めるとき、虫が気になる人は多いと思います。

私も、収穫の楽しさには惹かれますが、葉の裏に虫がびっしりついていたら少し困ります。

植物を屋外で育てる以上、虫との関わりを完全になくすのは難しそうです。

ただし、毎日少し観察し、早い段階で見つけることで、増える前に対応できる場合があります。

葉の表だけでなく、裏側や茎の付け根も確認します。

防虫ネットを使う方法もありますが、作物の受粉や風通しとの関係を考える必要があります。

薬剤を使う場合は、食用の作物へ使用できるものか、希釈方法、使用回数、収穫前に空ける日数などを必ず確認します。

「園芸用だから何にでも使える」と考えず、表示された作物と方法を守ります。

虫が苦手な人は、比較的管理しやすいハーブ類や、室内に取り込みやすい小型の鉢から試す方法もあります。


収穫のタイミングも一つの楽しみ

家庭菜園では、育てるだけでなく、いつ収穫するかを自分で決めます。

実がついたからとすぐに取るのではなく、色や大きさ、作物ごとの目安を確認します。

少し早く収穫した方が柔らかいものもあれば、十分に色づくまで待つものもあります。

初めて育てる作物では、どの状態が食べ頃なのか分かりにくいことがあります。

種や苗の説明、栽培情報を確認し、必要であれば写真に残して比べます。

収穫が遅れると、硬くなったり、株へ負担がかかったりする場合もあります。

「もう少し大きくなるかもしれない」と待ちすぎず、適切な時期に収穫することも世話の一部です。

自分で収穫したものを、その日の食事へ使えるのは、家庭菜園で一番分かりやすくうれしい瞬間だと思います。


収穫量が少なくても、失敗とは限らない

家庭菜園を始めると、たくさん採れる写真や動画が目に入ります。

同じように育てれば、自宅でもかごいっぱいに収穫できるように思えます。

けれど、実際の収穫量は、日当たり、気温、品種、鉢の大きさ、害虫などに左右されます。

一株から数個しか採れないこともあります。

形が小さい。
表面に傷がある。
思っていたほど甘くない。
葉物が虫に食べられている。

そんなこともありそうです。

ただ、一つでも最後まで育ち、自分で収穫できたなら、育てる流れを経験できています。

収穫量だけで評価せず、

芽が出た。
花が咲いた。
実がついた。
病気に早く気づけた。
次に改善したいことが分かった。

といった過程も成果として考えたいところです。


育てたものを料理に使う

収穫した野菜やハーブは、量が少なくても食卓へ取り入れられます。

ハーブを飲み物へ加える。
葉物をサラダへ少し入れる。
小さな実を料理の彩りに使う。
家族と一つずつ味見する。

大量に採れなくても、自分で育てたものが食事の一部になるだけで、いつもの料理が少し特別に感じられます。

収穫後は、土や汚れを落とし、食べられる状態かを確認します。

薬剤を使っている場合は、収穫前に必要な日数など、表示された条件を守ります。

傷んだ部分や病気が疑われる部分を、無理に食べる必要はありません。

収穫するところまでではなく、安全に洗い、保存し、食べるところまでが家庭菜園です。


身体への負担は軽めでも、暑さには注意したい

家庭菜園は、激しい運動ではありません。

今回想定した平均的な運動強度は3.2METsほどで、低強度から中強度の活動です。

身体的な目安1回あたり主な作業時間約1時間15分立っている時間約70分座る・しゃがむ時間約5分屋外で過ごす時間約75分日光を浴びる時間約60分平均歩数約1,500歩推定消費カロリー約240kcal水分補給の目安約500ml

※消費カロリーは体重60kgを基準にした目安です。作業内容や気温によって変わります。

作業中は、しゃがむ、立つ、土や水を運ぶ、鉢を動かすといった動作があります。

小さなプランターでも、土と水が入ると重くなります。

無理に一人で持ち上げず、必要であれば中身を分けたり、運搬用の台を使ったりします。

特に注意したいのが、夏の暑さです。

植物へ水をやるために外へ出ても、人の方が暑さで体調を崩すことがあります。

猛暑の日は早朝や夕方など比較的涼しい時間を選び、帽子、水分、休憩を意識します。

作業をすべて終わらせようと無理をせず、暑さが強い日は短時間で切り上げます。


旅行や忙しい時期の水やりを考えておく

家庭菜園は自宅でできる一方、自分が忙しい時期にも植物は育ち続けます。

特に夏は、短期間水やりができないだけでも、土が乾くことがあります。

旅行や帰省で家を空ける予定があるなら、始める前に管理方法を考えておきます。

家族や知人へ頼む。
自動水やり用品を試す。
鉢を日差しの弱い場所へ一時的に移す。
旅行の多い時期は新しい苗を増やさない。
乾燥に比較的強い作物を選ぶ。

自動水やり設備は便利ですが、設置しただけで安心とは限りません。

水量や動作を事前に試し、詰まりや漏れがないかを確認します。

生活の予定と植物の世話が合わないと、趣味が負担に感じられます。

自分が無理なく見られる数だけ育てることが大切です。


家庭菜園は、一人で静かに続けられる

家庭菜園は、一人で行いやすい趣味です。

今回想定した人数は平均1.2人ほどで、自分のペースで世話をする人が中心です。

誰かと予定を合わせなくても、朝や夕方の少し空いた時間に作業できます。

水をやる。
葉を見る。
支柱を直す。
収穫する。

それぞれは短い作業です。

一方で、家族と育てる場合は、水やりや収穫を分担できます。

ただし、誰がいつ水をやったか分からなくなると、与えすぎることがあります。

世話を分担するときは、簡単な記録や声かけがあると安心です。

子どもやペットがいる家庭では、肥料、薬剤、刃物、支柱などを触れない場所へ保管します。


最初にそろえたいもの

家庭菜園を始めるときに、最低限必要なのは次のようなものです。

プランターまたは鉢

育てる作物の根や成長後の大きさに合うものを選びます。

小さすぎると、乾燥しやすく、根を十分に伸ばせないことがあります。

培養土

初めてなら、育てたい野菜やハーブに対応した市販の培養土が使いやすそうです。

庭や公園の土を勝手に持ち帰って使うのは避けます。

苗または種

最初は一種類、多くても二種類に絞ります。

植え付け時期と自宅の日当たりに合うものを選びます。

移植ごて

苗を植えたり、土を加えたりするために使います。

家庭にある古いスプーンなどで代用できる場合もありますが、園芸専用に分けた方が衛生的です。

じょうろ

土を大きく掘らず、ゆっくり水を与えられるものを選びます。

置き場所と鉢の数に合う大きさが便利です。

園芸用手袋

土、肥料、植物を扱うときに使います。

作業後は手袋だけに頼らず、手も洗います。

肥料

最初から複数種類を買う必要はありません。

育てる作物に合うものを一つ選び、表示された量を守ります。


最初から買わなくてもよいもの

園芸用品を見ていると、便利そうなものがたくさんあります。

自動水やり設備。
高性能な土壌測定器。
育苗器。
植物育成ライト。
温室。
コンポスト。
電動噴霧器。
大型の収納庫。

どれも栽培方法によっては役立ちますが、プランター一つから始める段階では必要ありません。

最初は、プランター、土、苗、じょうろ、手袋があれば十分です。

支柱や防虫ネットも、育てる作物に必要だと分かってから用意できます。

道具を先にそろえるより、作物に合わせて必要なものを追加する方が、収納にも困りにくくなります。


土や肥料の置き場所も考えておきたい

家庭菜園を始めると、鉢以外にも物が増えます。

余った培養土。
肥料。
支柱。
防虫ネット。
じょうろ。
手袋。
はさみ。
収穫用のかご。

今回の想定では、道具や資材を保管するために、約180リットルほどのスペースが必要になる場合があります。

土や肥料を開封したまま屋外へ置くと、雨や湿気の影響を受けることがあります。

密閉できる容器へ入れ、表示が分かる状態で保管します。

農薬や薬剤は、食品用の容器へ移し替えず、元の表示が確認できる状態にします。

子どもやペットが触れない場所へ分けて保管することも大切です。

家庭菜園は栽培場所だけでなく、道具と資材の収納場所まで含めて考えると続けやすくなります。


古い土や枯れた株は、地域の方法で処分する

栽培が終わると、使った土や枯れた植物が残ります。

土だから自然へ返せばよいように思えますが、公園や空き地、川などへ勝手に捨てることはできません。

病気や害虫がついた株をほかの場所へ捨てると、広げてしまう可能性もあります。

古い土、枯れた株、薬剤の容器などは、住んでいる地域の分別や処分方法を確認します。

土を再利用する場合も、そのまま次の作物へ使えるとは限りません。

病気、害虫、肥料分、排水性などを確認し、適切な方法で整えます。

難しければ、新しい培養土を使い、古い土は地域の方法で処分する方が安心です。


家庭菜園は、続けると一年の見方が変わっていく

最初は一株を枯らさず育てることで精いっぱいでも、続けるうちに季節や天気を見る目が少しずつ変わります。

第1段階 初めて家庭菜園を始める

最初は、育てやすい作物を一種類選びます。

小さなプランターへ苗や種を植え、土の乾きに合わせて水を与えます。

この段階では、たくさん収穫することより、芽や葉、実が育つ変化を見ることが大切です。

自分で世話をしたものを一つでも収穫し、食べられたことが最初の達成になります。

第2段階 日常管理を安定させる

複数回育てると、作物ごとの違いが少しずつ分かってきます。

水を好むもの。
乾燥に比較的強いもの。
支柱が必要なもの。
早めに収穫した方がよいもの。

葉の色や土の状態を見ながら、追肥、間引き、支柱立て、防虫などを行います。

枯らす原因を減らし、適切な時期に収穫できるようになる段階です。

第3段階 季節や品種を考えて育てる

さらに続けると、栽培する季節と収穫時期を考えるようになります。

春に植えるもの。
夏に育つもの。
涼しい時期に向くもの。
収穫後に次の鉢へ植えられるもの。

栽培カレンダーを作り、時期を少しずつずらして植えることで、収穫が一度に集中しないよう調整します。

限られたベランダや庭を、季節ごとに使う段階です。

第4段階 土・病害虫・安全まで理解する

関心が深くなると、植物だけでなく、土や周囲の環境にも目が向きます。

排水性は適切か。
土の状態は作物に合っているか。
病気の原因は何か。
肥料や薬剤を安全に使えているか。
収穫したものを安心して食べられるか。

不調の原因を、水不足だけでなく、土、気候、病害虫、管理方法から考えられるようになります。

第5段階 自分なりの家庭菜園を作る

長く続けると、自宅の環境と生活に合う育て方が見えてきます。

育てやすかった品種を翌年も選ぶ。
失敗した時期を記録する。
家族が食べる量に合わせて株数を決める。
水やりや費用を管理する。
収穫したものを人と分ける。

たくさん育てることより、自分が無理なく世話できる範囲で、毎年続けられる菜園を作る段階です。


栽培記録は、写真一枚からでいい

家庭菜園を続けるなら、簡単な記録を残しておくと役立ちます。

植えた日。
苗や種の種類。
最初に花が咲いた日。
収穫した日。
虫や病気が出た時期。
使った肥料。
失敗したこと。

すべてを細かく書く必要はありません。

週に一度、同じ位置から写真を撮るだけでも、成長の変化が分かります。

「葉が黄色くなった」
「水やりを増やした」
「この時期から実がついた」

という一言を残しておくと、次の年に同じ作物を育てるときの参考になります。

植物の成長はゆっくりなので、毎日見ていると変化へ気づきにくいことがあります。

写真を並べたとき、思っていた以上に大きく育っていたことに驚くかもしれません。


毎年同じようには育たない

家庭菜園では、同じ苗と土を使っても、毎年同じ結果になるとは限りません。

暑さ。
雨の量。
日照時間。
風。
虫の発生。
植え付けた時期。

その年の条件によって成長が変わります。

前年にたくさん採れた作物が、今年はうまく育たないこともあります。

最初は残念に感じますが、その違いも長く続ける面白さの一つです。

去年との違いを見ながら、水やりや植え付け時期を少し変える。

自然を完全に思いどおりにするのではなく、その年の条件に合わせて工夫します。


収穫を人と分ける楽しさもある

家庭菜園では、収穫したものを家族や友人と分けられます。

たくさん採れたハーブ。
一度に色づいた実。
使い切れない葉物。

少量でも「自分で育てたものです」と渡すと、会話のきっかけになります。

ただし、人へ渡す場合は、どのように育てたかを伝えられるようにします。

薬剤を使った場合は、使用方法や収穫までの期間を守っていることが前提です。

無理に人へ配るためにたくさん育てる必要はありません。

自分や家族が食べられる量を基準にし、余ったときだけ分けるくらいが続けやすそうです。


家庭菜園が合いやすいのは、こんな暮らし

家庭菜園は、次のような生活へ取り入れやすそうです。

自宅で長く続けられる趣味を探している。
毎日少しずつ変化するものを見たい。
植物を育てることに興味がある。
自分で収穫したものを料理に使いたい。
短い世話を習慣にすることが苦にならない。
季節を感じられる趣味が欲しい。
すぐに結果が出なくても待つ時間を楽しめる。

反対に、長期間家を空けることが多い人や、毎日の確認が難しい人は、始める前に管理方法を考える必要があります。

虫や土を扱うことに強い抵抗がある場合も、いきなり大型のプランターへ挑戦せず、小さなハーブ一鉢から試す方が安心です。


初めてなら、苗を一株だけ育ててみる

初めて家庭菜園を始めるなら、プランター一つと苗一株からでも十分です。

まず、ベランダや庭の日当たりを確認します。

その場所と季節に合う苗を一つ選び、必要な大きさのプランター、培養土、じょうろ、手袋を用意します。

植え付けた後は、毎日決まった量を与えるのではなく、土と葉の状態を見て水をやります。

写真を撮りながら、一週間ごとの変化を見るのも楽しそうです。

最初から大きな収穫を目指さず、一つでも食べられるところまで育てられたら十分です。

途中で枯れてしまったとしても、

日が足りなかったのか。
水を与えすぎたのか。
鉢が小さかったのか。
季節が合わなかったのか。

次に確かめたいことが一つ残ります。


調べる前より、食べ物を待つ趣味に感じました

調べる前は、家庭菜園は、自宅で新鮮な野菜を収穫するための趣味だと思っていました。

けれど、収穫できるのは最後の一部分です。

置く場所を考える。
土と苗を用意する。
植え付ける。
水をやる。
葉の変化を見る。
虫や病気を確認する。
支柱を立てる。
花が咲く。
実が少しずつ大きくなる。
食べ頃を待つ。

その間には、何も目立った変化がない日もあります。

それでも毎日少し見ていると、ある朝、小さな芽や花を見つけます。

すぐに成果が出る趣味ではないからこそ、その変化がうれしく感じられるのだと思います。

また、家庭菜園は野菜を作るだけでなく、季節や天気を以前より細かく見るきっかけにもなります。

今日は暑いから、土が早く乾きそう。
風が強いから、支柱を確認しておこう。
雨が続いたから、水やりは控えよう。

植物を通して、普段はあまり気にしていなかった自然の変化が、生活の中へ入ってきます。

私なら、最初は小さなプランターと苗一株から始めます。

ホームセンターでたくさんの苗を見ても、一つだけ選ぶ。毎朝、コーヒーを飲む前にベランダを見て、土が乾いているかを確認します。

最初の収穫が一つだけでも、それを洗って食事へ添える。

「自分で育てたものを食べた」という小さな達成感を味わえたなら、家庭菜園の最初の季節は十分に楽しめたと言えそうです。

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