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トルコ料理の楽しみ方

はじめに

赤レンズ豆を煮ている鍋から、やわらかな湯気が立ち上がる。玉ねぎとにんじんがほどけるほど煮えたら、ターメリックやクミンを加え、なめらかなスープへ整えていきます。

器へ注いだあと、レモンを少し絞ると、豆の穏やかな甘みに明るい酸味が加わります。隣にはヨーグルトときゅうりを合わせたジャジュク、温めたパンを添えるだけで、自宅で楽しむ最初のトルコ料理の食卓が出来上がります。

トルコ料理というと、回転する肉を削って作るドネルケバブを思い浮かべる人も多いかもしれません。香辛料の強い肉料理が中心で、家庭では特別な設備がなければ作れないようにも感じられます。

けれど、トルコの食卓には、豆や穀物のスープ、オリーブオイルで煮た野菜、ヨーグルトを使う前菜、魚料理、パンや生地料理、乳製品を使う菓子まで幅広い料理があります。地域や家庭、季節によっても、使われる食材と味付けは一つではありません。

初めから大きな肉の塊を焼いたり、薄い生地を何枚も重ねたりする必要はありません。最初は赤レンズ豆のスープを作り、パンと簡単な前菜を添えるところから始められます。身近な材料へ一つずつ新しい味を加えていくと、ケバブだけではなかったトルコの食卓が少しずつ見えてきます。


トルコ料理の基本情報

主な楽しみ方 豆、野菜、肉、魚、穀物、ヨーグルトなどを使い、トルコの家庭料理や地域料理を自宅で作る

おすすめの頻度 月2回前後

1回の調理時間 約60〜120分

短時間で楽しむ場合 赤レンズ豆のスープや簡単なメゼなら約35〜50分から

準備と片付けを含む総所要時間 約90〜150分

最初に作りやすいもの 赤レンズ豆のスープ、ジャジュク、白いんげん豆の煮込み、簡単な羊飼いのサラダ

主な調理場所 自宅の台所

最初に必要なもの 鍋、フライパン、包丁、まな板、ざる、ボウル、計量用品

追加すると使いやすい材料 赤レンズ豆、クミン、乾燥ミント、パプリカパウダー、ブルグル

始めやすさ 普段の野菜、豆、ひき肉、ヨーグルトを使い、香辛料を少量ずつ足して始められる

迷いやすいところ ケバブ、メゼ、家庭の煮込みなど、性質の違う料理を一つの味として考えないこと

トルコ料理には、長時間煮込む肉料理だけでなく、豆や野菜を一つの鍋で仕上げる日常的な料理もあります。ヨーグルトやレモン、香草を添えることで、辛味を強くしなくても味に変化を付けられます。

同じ料理名でも、家庭や地域によって材料や濃さは変わります。一つのレシピを完全な正解としてなぞるより、どの材料が料理の中心になっているのかを確かめ、自宅で繰り返し作れる形へ整える方が長く楽しめます。

トルコ料理にかかる費用

トルコ料理に使う玉ねぎ、にんじん、トマト、じゃがいも、ひき肉、鶏肉、ヨーグルトなどは、普段の食事にも使える材料です。趣味として追加する費用は、赤レンズ豆、ブルグル、特定の香辛料、ザクロ濃縮ソースなどを新しく購入した分として考えます。

手持ちの食材と調味料を使う場合の追加費用 ほぼ0〜500円

赤レンズ豆と基本の香辛料をそろえる場合 約1,000〜2,500円

ブルグルや輸入調味料まで加える場合 約2,000〜5,000円

二人分の食材費 約700〜2,000円

肉料理や魚料理を中心にする場合 約1,500〜3,500円前後

月2回続ける場合の年間追加費用 約1万〜3万円ほど

赤レンズ豆は一袋を一度で使い切るものではなく、スープや煮込みに何度も使えます。クミンやパプリカパウダーも一皿へ使う量は少ないため、初回の購入額をそのまま一食分として考える必要はありません。

最初に買う香辛料は、クミン、パプリカパウダー、乾燥ミントの三つほどで十分です。クミンは豆や肉料理へ、パプリカは煮込みや仕上げの香味油へ、乾燥ミントはスープやヨーグルト料理へ使えます。

ブルグルは、デュラム小麦などを加熱してから乾燥・粉砕した穀物です。粒の細かさによって、サラダ、団子状の料理、ピラフなど用途が変わるため、料理名を決めてから商品を選びます。

ザクロ濃縮ソース、スマック、タヒニなどもトルコ料理へ広がる材料ですが、初回からすべてを集める必要はありません。まず赤レンズ豆のスープを作り、次に同じクミンを使える豆料理や肉料理へ進むと、材料を無理なく使い切れます。

トルコ料理をおすすめする3つの理由

1.豆や野菜を、香りと酸味で印象のある一皿にできる

赤レンズ豆、白いんげん豆、なす、トマト、ピーマンなどは、日本の家庭でも手に入れやすい食材です。そこへクミン、乾燥ミント、レモンを少し加えると、普段の煮物やスープとは違う輪郭が生まれます。

トルコ料理の魅力は、香辛料を大量に使うことだけではありません。豆のやわらかさへレモンの酸味を添えたり、オリーブオイルで煮た野菜へヨーグルトを合わせたりすることで、穏やかな料理の中にも変化を作ります。

肉を使わない料理でも、豆、穀物、ヨーグルト、ナッツなどを組み合わせれば、食べ応えのある食卓になります。毎回豪華な主菜を用意しなくても、一つの素材を丁寧に仕上げられるところが魅力です。

2.小さな料理を並べ、自分の組み合わせで食べられる

トルコの食卓では、メゼと呼ばれる小さな料理を複数並べることがあります。ヨーグルトの料理、豆のペースト、焼いた野菜、サラダなどを、パンと一緒に少しずつ味わいます。

すべてを同じ日に一から作る必要はありません。ジャジュクを作り、市販のオリーブとパンを添え、主菜はスープにするだけでも、小さな料理を選びながら食べる時間を楽しめます。

レンズ豆のスープへレモンを絞る。

パンへヨーグルトの前菜を載せる。

辛味が欲しいときだけ、唐辛子を少し加える。

一人ひとりが食卓で味を調整できるため、辛いものが好きな人と控えたい人が一緒に食べる日にも組み立てやすくなります。

3.地域を変えると、海、山、農地の食材へ広がる

トルコは、エーゲ海、地中海、黒海に面する地域から、中央部の高原、東部の山地まで、土地の条件が大きく異なります。その違いは、使われる油、穀物、魚、肉、乳製品、香草にも表れます。

エーゲ海沿岸では、オリーブオイルと野菜、野草を使う料理が多く見られます。黒海地方では魚やとうもろこし、東部では肉や乳製品、乾燥果物などが食卓へ登場します。

南東部では、香辛料、肉、ピスタチオなどを使う料理や菓子が知られています。中央アナトリアでは、小麦や豆、ヨーグルトを使う料理、生地料理などが受け継がれています。

一皿を作ったあと、その料理がどの土地と結びついているのかを調べると、レシピの外側にある気候や暮らしも見えてきます。

トルコ料理はケバブだけではない

ケバブは、焼いた肉料理を広く指す言葉で、串焼きだけではありません。地域によって、ひき肉を串へ付けるもの、肉と野菜を煮焼きにするもの、薄切り肉を重ねて回転させるものなど、さまざまな形があります。

一方、家庭の食卓には、スープ、豆の煮込み、野菜料理、ピラフ、ヨーグルトを使う料理なども並びます。肉が少量だけ入る料理や、野菜だけで仕上げるものも多く、すべてがケバブ中心ではありません。

トルコ料理を始めるときは、次のようなまとまりから一つ選ぶと分かりやすくなります。

スープ 赤レンズ豆のスープ、ヨーグルトのスープ、タルハナスープ

メゼ ジャジュク、フムス、白いんげん豆のサラダ、焼きなすの料理

家庭の煮込み 豆、野菜、肉を使う一鍋料理

生地料理 ピデ、ギョズレメ、ボレキ、マントゥ

米と穀物 米のピラフ、ブルグルピラフ、キスル

肉と魚 各地のケバブ、肉団子、魚介料理

菓子と飲み物 バクラヴァ、ライスプディング、ロクム、紅茶、トルココーヒー

一度に全体を網羅せず、スープから始め、次にメゼ、さらに生地料理というように広げると、それぞれの料理が持つ違いを感じやすくなります。

最初の一品は赤レンズ豆のスープから

赤レンズ豆のスープは、トルコ語でメルジメッキ・チョルバスと呼ばれます。豆が煮崩れやすく、長い浸水を必要としない商品も多いため、初めての豆料理に向いています。

二人分なら、次のような材料が一つの目安です。

・赤レンズ豆 100〜120グラム
・玉ねぎ 2分の1個
・にんじん 2分の1本
・じゃがいも 小1個
・トマトペースト 小さじ1前後
・クミン 少量
・パプリカパウダー 少量
・水またはブイヨン 600〜700ミリリットル
・塩、こしょう
・油またはバター
・レモン

じゃがいもを加えると、豆だけで作るよりとろみが出ます。初めから香辛料を多く入れず、豆と野菜の味を土台に整えます。

1.豆を確認して洗う

赤レンズ豆を皿やざるへ広げ、異物や傷んだ豆がないか確認します。そのあと、水を替えながら洗います。

浸水や加熱時間は商品によって異なるため、袋の表示を確認します。赤レンズ豆は短時間で煮崩れるものが多いものの、すべての商品を同じ時間で扱うものではありません。

2.野菜を小さく切る

玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを小さめに切ります。最後になめらかにする場合は形をそろえすぎなくても構いませんが、大きな塊が残ると煮える時間に差が出ます。

鍋へ油またはバターを入れ、玉ねぎを焦がさないように炒めます。にんじんとじゃがいも、トマトペーストを加え、全体をなじませます。

3.豆と水を加えて煮る

洗った豆と水またはブイヨンを加え、煮立ったら火を弱めます。表面に泡が出た場合は、必要に応じて取り除きます。

豆と野菜が十分にやわらかくなるまで煮ます。水分が減りすぎた場合は、熱い湯を少量ずつ加えます。

4.なめらかさを整える

豆と野菜が崩れるほど煮えたら、そのまま木べらでつぶすか、ハンドブレンダーでなめらかにします。完全なペースト状にせず、少し粒を残しても構いません。

ブレンダーを使う場合は、鍋や器具の説明書に従います。熱いスープがはねないよう、火を止め、刃の部分を液面から出したまま回転させません。

5.香りと濃さを仕上げる

塩、こしょう、クミンを少量加えます。小さなフライパンでバターや油を温め、パプリカパウダーや乾燥ミントを短く熱して、器へ盛ったスープへかける方法もあります。

粉末の香辛料は焦げやすいため、強火で長く加熱しません。香りが立ったらすぐ火を止めます。

食べる直前にレモンを少し絞ると、豆の甘みが引き締まります。最初から鍋全体へ多く加えず、器ごとに調整すると好みを見つけやすくなります。

ジャジュクを添えて食卓を整える

ジャジュクは、ヨーグルト、きゅうり、にんにく、ハーブなどを合わせる料理です。水を加えてさらりと仕上げる形も、濃い状態で前菜のように食べる形もあります。

初回は、無糖のプレーンヨーグルトへ細かく切ったきゅうり、少量のにんにく、塩を加えます。乾燥ミント、ディル、オリーブオイルなどは好みに応じて使います。

きゅうりは水分が多いため、細かく切ったあと軽く水気を切ると、ヨーグルトが薄まりすぎません。にんにくは少量でも香りが残るため、最初はごく控えめにします。

冷たいジャジュクを温かなスープへ添えると、温度と口当たりの違いが生まれます。パンへ載せても、肉料理のソースとして使ってもよく、最初に購入した乾燥ミントの使い道も広がります。

作ったあとは室温へ長く置かず、清潔な容器へ入れて冷蔵します。食卓へ出した分を保存容器へ戻さず、食べる量だけ取り分けます。

次に作りやすい家庭料理

クル・ファスリエ

クル・ファスリエは、白いんげん豆を玉ねぎやトマトと煮る家庭料理です。肉を加える作り方も、豆を中心にする作り方もあります。

乾燥豆を使う場合は、浸水と十分な加熱が必要です。初めは水煮豆を使うと、豆を戻す工程を減らし、煮汁と調味料の調整へ集中できます。

米のピラフやパンと合わせると、豆料理だけでも食べ応えのある献立になります。

イマーム・バユルドゥ

イマーム・バユルドゥは、なすへ玉ねぎ、トマト、にんにくなどを詰め、オリーブオイルで調理する料理です。肉を使わず、野菜の甘みと油のコクを楽しめます。

なすへ油を吸わせすぎると重くなるため、焼く、蒸し焼きにするなど、家庭の調理環境に合う方法を選びます。冷まして食べることもでき、メゼの一品としても楽しめます。

キョフテ

キョフテは、ひき肉やブルグルなどを使う料理の総称に近く、地域によって多くの種類があります。肉団子状にして焼くものだけでなく、豆や細かいブルグルを使うものもあります。

初めは牛や羊を含むひき肉へ玉ねぎ、塩、こしょう、クミンを加え、小さく平らにしてフライパンで焼きます。厚くしすぎず、中心まで十分に火を通します。

キスル

キスルは、細かいブルグルへトマトや唐辛子のペースト、香草、レモンなどを合わせる料理です。野菜と酸味を楽しめ、パンやレタスと一緒に食べられます。

使用するブルグルの粒度と戻し方は商品によって異なります。初めはキスル向けと表示された細かいものを選び、袋やレシピの水分量を守ります。

メネメン

メネメンは、卵、トマト、ピーマンなどをフライパンで仕上げる料理です。朝食にも食べられ、パンですくいながら楽しめます。

卵をどの程度固めるかは好みがありますが、家庭で安全に食べられる加熱状態へ仕上げます。スジュクと呼ばれる香辛料入りソーセージを加える作り方もあります。

メゼは三品作らなくても楽しめる

メゼというと、小皿を何枚も並べる食卓を想像しますが、自宅では一品から始められます。ジャジュクを作り、オリーブとパンを添えるだけでも、少しずつ味わう時間を作れます。

次に加えやすいのは、焼いたなすをつぶした料理、白いんげん豆のサラダ、ヨーグルトへハーブを加えた料理などです。手作り一品と市販品を組み合わせれば、調理量を増やさずに品数を持たせられます。

一皿ごとの量は少なくし、食べ切れる範囲へ整えます。オリーブ、チーズ、ナッツなどは、少量でも塩分や満足感があるため、食卓全体の濃さを見ながら盛ります。

すべての料理を同じにんにく味へしないことも大切です。ヨーグルト料理にはにんにく、豆の料理にはレモン、野菜料理には香草というように、味の役割を分けると一皿ごとの違いが見えます。

パンと生地料理へ広げる

トルコの食卓には、さまざまなパンや生地料理があります。丸く焼いたパン、薄い生地、舟形のピデ、ごまの付いた輪形のシミットなど、食べる場面と地域によって形が変わります。

ピデ

ピデは、舟のような形の生地へ肉、チーズ、野菜などを載せて焼く料理です。家庭のオーブンでは、天板へ収まる小さなサイズから試せます。

初回はパン生地を一から作らず、市販のピザ生地を使って形と具の組み合わせを楽しむ方法もあります。元の生地や焼き方とは違いがあるものの、入口として無理なく作れます。

ギョズレメ

ギョズレメは、薄く伸ばした生地へチーズ、ほうれん草、じゃがいも、ひき肉などを包み、鉄板やフライパンで焼く料理です。

生地を薄く伸ばすことが難しい場合は、最初から大きく作らず、小さな一枚で練習します。具を入れすぎると閉じにくく、加熱にも時間がかかります。

ボレキ

ボレキは、薄い生地を重ねたり巻いたりし、チーズ、肉、野菜などを包んで焼く料理です。形や生地は地域や家庭によって多様です。

日本ではフィロ生地や春巻きの皮を使う家庭向けの作り方もあります。元の生地と同じ食感ではないことを理解しながら、具材と焼き上がりを楽しむ方法です。

シミット

シミットは、ごまをまとった輪形のパンです。外側の香ばしさがあり、朝食や軽食としてチーズ、オリーブ、茶などと組み合わせられます。

成形や表面の仕上げに工程があるため、パン作りに慣れてから挑戦してもよいでしょう。最初は購入したシミットやごまパンを、トルコ風の朝食へ取り入れる方法でも楽しめます。

ヨーグルトは甘味だけの食品ではない

日本ではヨーグルトを果物や砂糖と一緒に食べることが多いものの、トルコ料理では塩味の料理にも広く使われます。野菜と合わせる、肉料理へ添える、スープへ加えるなど、ソースや料理の一部として働きます。

ジャジュクのほか、焼いたなす、にんじん、ほうれん草などをヨーグルトで和える料理もあります。にんにく、塩、乾燥ミントを少量加えるだけで、温かな料理へ添えやすい副菜になります。

ヨーグルトを加熱する料理では、分離を防ぐために卵や小麦粉を合わせる方法もあります。初めから自己流で鍋へ大量に入れず、作り方の示されたレシピを使います。

アイランは、ヨーグルト、水、塩を混ぜる飲み物です。市販の無糖ヨーグルトで家庭向けに試せますが、塩を入れすぎず、少量から味を整えます。

甘味と飲み物まで含めて楽しむ

トルコ料理の食卓は、主菜で終わるとは限りません。食後には紅茶やコーヒー、甘い菓子を少量楽しむ文化があります。

バクラヴァは、薄い生地を何層にも重ね、ナッツとシロップを使う菓子です。生地作りから挑戦すると工程が多いため、最初は市販品を少量購入し、紅茶やコーヒーと合わせて味を知る方法もあります。

ストラッチは、米を使うミルクプディングです。家庭の鍋で作りやすく、香辛料の料理を食べたあとの穏やかな甘味として楽しめます。

トルコの紅茶は、小さなグラスへ注いで飲まれることがあります。家庭では普段の紅茶を少し濃いめにいれ、砂糖を別に用意するだけでも、食後の時間をゆっくり整えられます。

トルココーヒーは、極細挽きの粉を水とともに小鍋で加熱し、粉をこさずに注ぐ方法です。専用のジェズヴェや細かな粉が必要になるため、コーヒーそのものに興味が広がってから試すとよいでしょう。

家庭で安全に楽しむために

肉や生のひき肉を扱った包丁、まな板、トング、皿は、加熱後の料理へそのまま使いません。先にサラダや香草を準備し、最後に生肉を扱うと器具を分けやすくなります。

キョフテ、ケバブ、ひき肉を使う生地料理などは、外側へ焼き色が付いても中心が生のことがあります。厚く作りすぎず、中心まで十分に加熱します。

家庭での食中毒予防では、肉類などの中心部を75℃で1分以上加熱することが一つの目安です。見た目だけで分かりにくい場合は、食品用温度計を使います。

豆の料理では、乾燥豆の商品表示に従って浸水と加熱を行います。生や加熱不足のまま味見せず、中心まで十分にやわらかくします。

ヨーグルトを使うメゼ、サラダ、切った野菜などは、室温へ長く置きません。食卓へ出す量だけを取り分け、残りは清潔な容器へ入れて冷蔵します。

煮込みやスープを保存する場合は、鍋のまま室温でゆっくり冷まさず、浅い容器へ小分けして速やかに冷蔵または冷凍します。再加熱では全体を混ぜ、中心まで十分に温めます。

ナッツ、ごま、乳製品、小麦、卵などを使う料理が多くあります。人へ出す場合は、市販のパン、ペースト、菓子も含めて原材料とアレルギー表示を確認します。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

第1段階 赤レンズ豆のスープを一杯作る

最初は、赤レンズ豆、玉ねぎ、にんじんをやわらかく煮、クミンとレモンで味を整えます。香辛料を増やすことより、豆の濃さと口当たりを自分の好みに合わせます。

パンと一緒に食べ、次回は乾燥ミントを加えるなど、一つだけ条件を変えます。一杯を無理なく完成させることが最初の入口です。

第2段階 ヨーグルトと野菜のメゼを添える

ジャジュクや焼き野菜の前菜を作り、温かなスープと冷たい料理を組み合わせます。塩気、にんにく、酸味を調整し、一皿ごとの役割を分けます。

すべてを手作りせず、オリーブやパンを市販品へ任せても構いません。食卓全体を作る感覚が少しずつ育ちます。

第3段階 豆、肉、生地の料理へ広げる

白いんげん豆の煮込み、キョフテ、キスル、ギョズレメなどを一品ずつ試します。同じクミンやパプリカが、豆、肉、穀物でどのように働くかを比べます。

一度に多くの専用食材を増やさず、今ある材料を次の料理へつなげることで、自宅の定番が見つかります。

第4段階 地域や食べる時間から料理を選ぶ

エーゲ海沿岸の野菜料理、黒海の魚料理、中央部の生地料理、南東部の肉や菓子など、地域を一つ選んで調べます。朝食、家庭の昼食、メゼを囲む夕食という場面から料理を探す方法もあります。

料理名だけでなく、使われる油、穀物、乳製品、季節の食材を見ると、土地と暮らしの違いが感じられます。

第5段階 一つの食卓として組み立てる

スープ、メゼ、豆や肉の主菜、パン、飲み物を、食べる人と時間に合わせて組み合わせます。すべてを同じ日に一から作らず、メゼは先に準備し、当日はスープと主菜を仕上げる方法もあります。

旅先や店で食べた料理を自宅で作り直したり、家族や友人と地域による違いを比べたりすると、味の記憶が台所へつながります。一つの正解へ近づくのではなく、土地と人々への敬意を持ちながら、また作りたい料理を増やしていくことが深い楽しみになります。

あわせて楽しみたい関連する趣味

パン作り

パン作りは、小麦粉、水、酵母などを混ぜ、生地が膨らみ、焼き色と香りが生まれる過程を楽しむ趣味です。トルコ料理では、スープやメゼをパンと一緒に食べることが多く、ピデ、シミット、平たいパンなどへ関心を広げられます。

初めから伝統的な形を完全に再現せず、普段のパンでメゼを楽しんだあと、食卓に合う生地を一つずつ作ってみると無理なくつながります。


コーヒー

コーヒーは、豆、焙煎、挽き方、抽出方法による香りと味の違いを楽しむ趣味です。トルココーヒーでは極細挽きの粉を水と一緒に加熱し、粉をこさずに小さなカップへ注ぐため、ドリップとは違う口当たりと飲み方に出会えます。

食後にロクムやバクラヴァを少量添えれば、料理のあとまで含めたトルコの食卓へ興味を広げられます。


野菜料理

野菜料理は、季節の野菜を選び、焼く、煮る、蒸す、和えるといった方法で一皿へ仕上げる趣味です。トルコ料理には、なす、トマト、豆、葉物、野草などをオリーブオイルやヨーグルトと組み合わせる料理が多くあります。

肉料理だけに偏らず、野菜の甘み、酸味、香草の香りを生かしたメゼや煮込みへ進みたい人に相性のよい楽しみ方です。


豆のスープから、トルコの食卓を広げていく

トルコ料理を始めるために、大きな肉の塊も、何種類もの香辛料も必要ありません。赤レンズ豆をやわらかく煮、クミンを少し加え、食べる直前にレモンを絞るところから始められます。

次の休日には、赤レンズ豆と玉ねぎ、にんじんを用意してみてください。豆を煮ている間にきゅうりを切り、ヨーグルトと合わせれば、温かなスープと冷たいジャジュクの二品が出来上がります。

パンをちぎってメゼを載せ、次はスープへ浸してみる。途中で乾燥ミントやパプリカの香りを少し加えると、同じ食卓の中で味が新しく整います。

その次には白いんげん豆を煮込み、キョフテを焼き、休日の朝にはメネメンを作ってみる。一品ずつ知っていくうちに、ケバブだけではなかった、海や山、農地と多くの地域がつながるトルコの食卓が、ゆっくり見えてきます。


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