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ドッグランの楽しみ方

入口の前でリードを持ち、柵の向こうを犬と一緒に眺める。

広い場所を走っている犬。
飼い主の近くで匂いを嗅いでいる犬。
何頭かで追いかけ合っている犬。
ほかの犬とは遊ばず、柵沿いをゆっくり歩いている犬。

扉を開けたら、すぐにリードを外すのではなく、最初はそのまま中の様子を確かめます。

犬の身体が固くなっていないか。
ほかの犬を強く見つめ続けていないか。
飼い主の後ろへ隠れようとしていないか。
反対に、勢いよく飛び出そうとしていないか。

落ち着いて周囲を見られているなら、施設のルールに従ってリードを外します。

先ほどまで飼い主の横を歩いていた犬が、少し離れた場所まで走っていく。地面の匂いを嗅ぎ、振り返ってこちらを確認し、また別の方向へ進んでいきます。

ドッグランは、犬同士を必ず仲良く遊ばせる場所ではありません。

管理された区画の中で、犬が自由に歩いたり走ったりする様子を見守り、その日の体調や気分に合う運動量を探す場所です。

ほかの犬と追いかけ合うことを楽しむ犬もいれば、一頭で匂いを確かめる方が落ち着く犬もいます。入口から中を見ただけで緊張する犬や、混雑している場所を好まない犬もいます。

交流しなかったから、ドッグランを楽しめなかったとは限りません。

一方で、初めて利用するときには迷うこともあります。

どのような証明書や登録が必要なのか。
リードはいつ外せばよいのか。
ほかの犬へ近づいてもよいのか。
小型犬と大型犬は同じ区画を使うのか。
一回にどのくらいの時間と費用がかかるのか。
犬同士の遊びと、止めた方がよい状態をどう見分けるのか。
自分の犬が怖がった場合、そのまま慣らすべきなのか。

最初から長時間過ごしたり、多くの犬と交流させたりする必要はありません。

利用条件を確認し、比較的空いている時間に訪れる。入場後はリードを付けたまま環境を見せ、落ち着いていれば短時間だけ自由に動かす。

呼び戻しが難しい、興奮が強い、怖がっていると感じたら、その日は早めに退出します。

今回は、ドッグランに必要な時間と費用、施設の選び方、初回利用の流れ、犬同士の様子の見方、必要な持ち物、安全上の注意、続けることで変わる楽しみ方をまとめました。

※時間や費用は、自宅から片道30分程度の屋外ドッグランを、年8回ほど利用する場合の目安です。施設の料金、登録条件、犬の大きさ、交通手段によって変わります。



ドッグランをざっくり整理すると

施設で過ごす時間 約60〜90分

移動を含む時間 約2時間前後

初回に試したい滞在時間 15〜30分程度から

年間の利用回数 年8回前後

初回体験費 約3,000〜4,000円

普段の散歩用品を使う場合の初期費用 ほぼ0円

必要な用品を新しくそろえる場合 約10,000〜20,000円

当日の支出 約3,500円

年間の費用 約27,600円

一緒に利用する人数 飼い主一人から

天候の影響 大きい

楽しさの中心 自由運動、犬の行動観察、いつもと違う匂いや場所、飼い主との呼び戻し、利用者との交流

一回の滞在時間は約60〜90分が目安ですが、初めての犬が最初から一時間遊び続ける必要はありません。

広い場所へ入ること。

知らない犬が近くにいること。

普段と違う匂いや音を受け取ること。

それだけでも犬にとっては大きな刺激になる場合があります。

初回は15〜30分ほどから始め、走った距離より、帰宅後まで落ち着いて過ごせたかを見ます。


ドッグランは、犬を自由にする場所であると同時に飼い主が見守る場所

リードを外せる区画へ入ると、犬が自由になったように感じます。

けれど、飼い主の役割がなくなるわけではありません。

むしろ、リードで直接動きを止められない分、犬の位置、表情、周囲との距離を見続ける必要があります。

犬の近くにいる

ベンチへ座ったまま会話を続けたり、スマートフォンだけを見たりせず、自分の犬がどこにいるかを確認します。

排泄。

ほかの犬との接触。

柵やゲートの近く。

拾い食い。

小さな変化へすぐ対応できる距離を保ちます。

飼い主同士の会話だけで判断しない

「うちの犬は大丈夫です」と言われても、犬同士の相性までは分かりません。

相手の飼い主へ挨拶しながらも、実際の犬の姿勢と動きを見ます。

どちらかが逃げ続けている。

一頭だけが追い続けている。

身体が固まっている。

距離を取る余地がない。

そのような場合は、飼い主同士で犬を離します。

自由運動と放置は違う

犬が好きな場所を歩くことと、飼い主が関わらなくてよいことは別です。

時々名前を呼ぶ。

飼い主の近くへ戻れたら落ち着いて褒める。

水分と休憩を取る。

興奮が高まる前に短くリードを付ける。

自由に動く時間と、飼い主へ意識を戻す時間を交互に作ります。

走らない犬もいる

ドッグランへ入っても、地面の匂いを嗅ぐだけの犬がいます。

飼い主の近くから離れない犬もいます。

ほかの犬と遊ばず、周囲をゆっくり歩くだけでも構いません。

走らせるために追い立てたり、ほかの犬の近くへ無理に連れて行ったりしません。


初回体験費・初期費用・当日支出を分けて考える

ドッグランは、普段の散歩用品を利用できれば、大きな初期費用をかけずに始められます。

初回体験費

施設利用料 約1,000円

交通費 約800円

飼い主の飲食費 約300円

登録・駐車・小さな追加費用 約600円

清掃用品や飲料など 約300円

合計 約3,000〜4,000円

無料で利用できる公共型の施設もあれば、会員登録や一頭ごとの利用料が必要な施設もあります。

初回登録料、駐車料金、更新料が別にかかる場合もあります。

初期費用

すでに使用している、

首輪またはハーネス。

リード。

迷子札。

給水用品。

排泄物処理袋。

タオル。

これらを使える場合、

初期費用 ほぼ0円

です。

新しく安全用品や散歩バッグなどをそろえる場合は、

約10,000〜20,000円

が一つの目安です。

当日の支出

施設利用料、交通、飲食などを合わせて、

当日の支出 約3,500円

が目安です。

遠方の大型施設や、カフェ、トリミング、宿泊などを併設した施設を利用すると、支出は増えます。

年間の費用

年8回ほど利用する場合、

年間の費用 約27,600円

が目安です。

ドッグランへ行く回数を増やすことが、犬にとって必ずよいとは限りません。

散歩、室内遊び、匂いを嗅ぐ時間などと使い分けます。


初めての施設は、広さより区画と管理方法で選ぶ

広いドッグランは魅力的ですが、初めての犬には、広すぎる場所や犬の多い施設が負担になる場合があります。

施設の大きさだけでなく、管理の仕組みを確認します。

利用条件が明確である

登録方法。

必要な健康・予防に関する情報。

利用できる犬の年齢や頭数。

犬種や大きさによる区画。

持ち込める玩具や食べ物。

施設ごとに条件が異なります。

必要な書類や情報は、訪問当日ではなく事前に確認します。

二重扉になっている

入口が二重のゲートになっている施設では、一つ目の扉を閉めてから二つ目を開けます。

前の利用者が通過している途中に扉を開けず、自分の犬にも入退場時はリードを付けます。

犬の大きさで区画が分かれている

小型犬専用。

中・大型犬用。

全犬種共用。

貸切区画。

犬の大きさや遊び方に合わせた場所を選びます。

体重区分だけでなく、施設が定める利用条件へ従います。

休憩と退避がしやすい

混雑したときに距離を取れる場所。

日陰。

ベンチ。

給水場所。

リードを付け直せる空間。

犬が落ち着くまで休める場所があると、無理に遊び続けずに済みます。

スタッフや連絡先が分かる

事故。

設備の破損。

放置された排泄物。

体調不良。

困ったときに、どこへ連絡するかを確認します。

無人施設では、緊急連絡先と利用者の責任範囲を見ます。


ドッグランを利用する一日の流れ

1.出発前に体調と天候を確認する

犬の食欲。

排泄。

歩き方。

元気。

皮膚や被毛の状態。

気になる変化がある日は利用しません。

気温、路面温度、雨、雷、強風も確認します。

暑い日は、日陰の少ない施設や混雑する時間を避けます。

2.必要な登録情報と持ち物を確認する

施設の会員証。

必要な健康・予防に関する情報。

リード。

水。

排泄物処理袋。

タオル。

忘れ物がないか確認します。

犬の装備も、緩みや金具の傷みがないか見ます。

3.入場前に短く散歩する

車や公共交通で移動した場合は、すぐドッグランへ入れず、周囲を少し歩きます。

排泄を済ませ、犬の興奮が落ち着いているかを確認します。

入口前に犬が集まっている場合は、距離を取って待ちます。

4.二重扉を一つずつ通る

駐車場や施設入口では、必ずリードを付けます。

一つ目の扉を閉めたことを確認してから、次の扉を開けます。

ほかの犬が出入りしているときは、同時に通ろうとしません。

5.リードを付けたまま環境を見る

入場直後は、犬の身体の様子を見ます。

周囲の匂いを嗅げるか。

飼い主の声へ反応できるか。

身体が強くこわばっていないか。

興奮して引っ張り続けていないか。

落ち着くまで、無理にリードを外しません。

6.短く自由運動を行う

施設のルールに従い、周囲の状況を確認してリードを外します。

最初は犬から遠く離れず、ほかの犬との接触を見守ります。

数分ごとに名前を呼び、飼い主の近くへ戻れるかも確認します。

7.水分と休憩を取る

走っている途中でも、短く休ませます。

水を飲む量は犬によって異なるため、無理に一度で多く飲ませず、様子を見ながら与えます。

日陰や落ち着ける場所へ移動します。

8.余裕があるうちに退出する

犬が疲れ切るまで遊ばせません。

呼びかけへの反応が弱くなる。

興奮が下がらない。

ほかの犬をしつこく追う。

隠れようとする。

そのような変化があれば、リードを付けて退出します。

9.帰宅後に身体を確認する

足裏。

爪。

皮膚。

被毛。

耳。

目の周囲。

小さなけが、ダニ、草の種、異物などが付いていないか確認します。

利用したタオルや給水器も洗い、乾燥させます。


犬同士の遊びは、動きの速さだけで判断しない

犬同士が走り回っていると、楽しそうにも、争っているようにも見えます。

一つの動きだけで決めず、複数の様子を合わせて見ます。

交代があるかを見る

追う犬と追われる犬が入れ替わる。

一度距離を取り、また近づく。

動きを止め、互いに様子を見る。

遊びには、短い中断や役割の交代が見られることがあります。

一頭だけが逃げ続け、もう一頭が追い続けている場合は、いったん離します。

身体が固くなっていないかを見る

動きを止めたまま強く見つめる。

尾や身体が固くなる。

口元が緊張する。

逃げる場所を探す。

飼い主の後ろへ隠れる。

不安や緊張が疑われる場合は、犬同士を近づけません。

小さな犬を抱き上げる前に周囲を見る

怖がっている小型犬を急に抱き上げると、周囲の犬が集まったり、跳び付いたりする場合があります。

安全にリードを付けられるなら、距離を取りながら退出します。

抱き上げる必要がある場合も、周囲の犬と足元を確認します。

玩具と食べ物は施設の規則を守る

ボールやおやつをきっかけに、犬同士の競争が起きることがあります。

持ち込みが認められている場合も、周囲の犬が集まってきたら使用を中止します。

他人の犬へ、飼い主の許可なく食べ物を与えません。

相性が合わなければ離れる

犬同士を仲良くさせることが、飼い主の目標にならないようにします。

相手と距離を取る。

別の区画へ移る。

時間帯を変える。

その日は退出する。

遊ばせ続けることより、安全に終える判断を優先します。


道具は三つの段階で考える

最低限必要なもの

体格に合う首輪またはハーネス

施設規則に合う固定式リード

迷子札や登録情報

飲料水

犬用の給水容器

排泄物処理袋

タオル

利用に必要な健康・予防情報

財布や決済手段

入退場時には、伸び縮みするリードより、犬との距離を管理しやすい物が求められる場合があります。

施設の規則を確認します。

続けるなら用意したいもの

散歩バッグ

折りたたみ給水器

反射材や小型ライト

足や被毛の清掃用品

雨具

暑さ・寒さへの対策用品

小型の救急用品

車載用の固定具やクレート

施設と犬の反応を残す記録

記録には、

利用した時間帯。

混雑。

犬の様子。

遊んだ時間。

帰宅後の疲れ。

を短く残します。

次に同じ施設を利用するかを判断しやすくなります。

最初は買わなくてよいもの

高価なGPS端末

大型のおもちゃ

ロングリード

ペットカート

撮影機材

競技用のトレーニング用品

多頭用の装備一式

ロングリードは、ドッグラン内で自由に使えるとは限りません。ほかの犬や人へ絡む危険があるため、施設の規則を確認します。

最初は、普段安全に使えている散歩用品と水、排泄物袋、タオルがあれば十分です。


安全に利用するために気をつけたいこと

施設の健康・利用条件を事前に確認する

必要な登録。

健康や予防に関する条件。

犬の年齢。

頭数。

区画。

持ち込み品。

施設ごとの規則に従います。

体調不良や感染症が疑われる状態では利用せず、必要に応じて動物病院へ相談します。

入退場時は必ずリードを付ける

駐車場、受付、ゲート内ではリードを外しません。

二重扉を一つずつ開閉し、ほかの犬が近くにいるときは時間をずらします。

恐怖・攻撃・過度な興奮があれば離れる

犬が嫌がっているのに、慣れさせるため長く残りません。

ほかの犬を追い続ける。

呼び戻しへ反応しない。

身体が固まる。

飼い主の後ろへ隠れる。

唸る、歯を見せるなどの変化がある。

距離を取り、必要なら退出します。

気温と路面を確認する

人が過ごせる気温でも、犬には負担が大きい場合があります。

日陰。

風。

地面の熱さ。

湿度。

水分。

現地で確認します。

雷、強風、大雨、極端な暑さや寒さでは、利用を中止または短縮します。

排泄物をすぐに処理する

自分の犬から目を離さず、排泄へ気づいたらすぐに処理します。

施設の処分方法に従い、放置しません。

水をかけるなどの対応も、施設のルールを確認します。

事故時は犬を離し、施設へ報告する

犬同士の接触や咬傷などが起きた場合は、素手で犬の間へ無理に入らず、飼い主同士で安全に離します。

けがの状態を確認し、施設へ報告します。

必要に応じて動物病院を利用し、相手の飼い主と連絡に必要な情報を確認します。


続けると変わる5段階の楽しみ方

1.短時間の自由運動を安全に終える

最初は利用条件を確認し、比較的空いている時間を選びます。

入場後はリードを付けたまま周囲へ慣らし、落ち着いていれば短時間だけ自由に動かします。

犬の様子を見ながら、無理をする前に退出する段階です。

2.犬に合う時間帯と環境を選ぶ

複数回利用すると、混雑、大きさの違う犬、遊び方、気温によって反応が変わることが見えてきます。

小型犬区画を使う。

少数の犬がいる時間を選ぶ。

遊びと休憩を切り替える。

犬が落ち着いて過ごせる条件を知る段階です。

3.自由運動と飼い主との合図を組み合わせる

さらに続けると、遊んでいる途中でも呼び戻しを行い、短く休ませられるようになります。

犬同士の交流だけを目的にせず、飼い主との合図、興奮の調整、運動量を考えます。

必要なときに遊びを中断できる段階です。

4.行動・健康・施設の安全を見る

関心が深まると、犬のボディランゲージ、健康条件、設備、門の構造、事故時の対応にも目が向きます。

遊びと緊張を見分ける。

体調不良時には利用しない。

施設と利用者の双方に安全上の責任があることを理解する段階です。

5.自分の犬に合う使い方を作る

長く続けると、犬の性格、年齢、体調に合う施設と時間帯が分かってきます。

施設ごとの反応を記録する。

利用時間を短くする。

相性のよい犬が少数いる環境を選ぶ。

散歩や室内遊びも使い分ける。

ドッグランを必須の交流場所にせず、その犬の暮らしを豊かにする選択肢の一つとして扱う段階です。


ドッグランが合いやすいのは、こんな日

犬が広い場所で身体を動かしたがっている日。

普段の散歩とは違う匂いや環境を経験させたい日。

飼い主が犬の遊び方や距離の取り方を観察したい日。

比較的涼しく、天候が安定している日。

空いている時間帯に短く利用できる日。

家族と一緒に犬の運動を見守りたい日。

一方で、犬の体調がよくない日や、暑さ、雷、強風などがある日は利用しません。

ほかの犬を怖がる。

知らない犬が近づくと固まる。

興奮が強く、呼び戻しが難しい。

そのような場合は、ドッグランへ行かない選択も大切です。

静かな散歩。

匂いを嗅ぐ時間。

飼い主との遊び。

犬によって、心地よい運動と刺激の形は異なります。


最初の目標は、たくさん走らせることより飼い主のところへ一度戻ること

ドッグランへ行くと、広い場所を勢いよく走る犬が目に入ります。

自分の犬にも同じように走ってほしい。

ほかの犬と仲良く遊んでほしい。

疲れるまで運動してほしい。

そう思うかもしれません。

けれど、初めての場所で犬が何を選ぶかは、その犬自身が決めます。

入口で周囲を見る。

リードを付けたまま匂いを嗅ぐ。

落ち着いていれば短く自由にする。

犬が少し離れたところで名前を呼ぶ。

飼い主の近くへ戻れたら、静かに褒める。

また遊ばせるか、そのまま帰るかを犬の様子から決める。

ドッグランの最初の目標は、広い区画を何周も走らせることでも、多くの犬と交流させることでもありません。

自由に動いている途中で、飼い主の声へ気づき、一度こちらへ戻ってくること。

帰宅後に犬が落ち着いて水を飲み、いつもの場所で休めたなら、その日は運動量の多さではなく、犬と飼い主が安全に新しい場所を経験できた、十分なドッグランの一日です。


休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
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