ドーナツ作りの楽しみ方
はじめに
輪にした生地をそっと油へ入れると、鍋の底へ少し沈んだあと、細かな泡をまといながら浮かび上がってきます。白かった表面がゆっくりきつね色へ変わり、裏返すころには、生地と油の香ばしい匂いがキッチンいっぱいに広がります。
網へ取り出し、まだほんのり温かいうちに砂糖をまぶす。粉だった材料が、ふっくらとした一個のドーナツへ変わるまでを目の前で見られることが、手作りならではの楽しさです。
ドーナツというと、専門店のようなふわふわの生地や、つやのあるグレーズ、きれいなリング形を想像して、「家では難しそう」と感じるかもしれません。けれど、家庭のドーナツ作りには、発酵させるイーストドーナツだけでなく、ベーキングパウダーで膨らませるケーキドーナツなど、比較的短い時間から試せる作り方もあります。
最初から何種類も作る必要はありません。一つの基本生地を作り、揚げたてへ砂糖をまぶして食べるところから始めれば、次はきな粉、シナモン、チョコレート、その次は発酵生地と、自然に楽しみ方を広げられます。
ドーナツ作りの基本情報
主な楽しみ方 自宅で生地を作り、成形して油で揚げ、砂糖やグレーズなどで仕上げる
おすすめの頻度 月2回前後
1回の所要時間 ケーキドーナツなら60〜90分ほど、発酵させるイーストドーナツなら2時間前後から
短時間で楽しむ場合 発酵不要の簡単な生地なら45〜60分ほどから
一度に作る量 6〜8個程度から始めると家庭で扱いやすい
主な場所 自宅のキッチン
始めやすさ ボウル、鍋、キッチンスケールなど一般的な調理道具を活用できる。専用のドーナツ型がなくても作れる
注意したいところ 高温の揚げ油を扱うため、成形そのものより揚げる工程に余裕を持つ
ドーナツは、作り方によって必要な時間がかなり変わります。ベーキングパウダーを使う生地なら発酵を待たずに進められますが、イーストドーナツではこねたあとに発酵させる時間が必要です。
入力データでは標準90分となっていますが、すべてのドーナツを同じ時間で考える必要はありません。初めての一日は短時間のタイプ、休日にゆっくり作れる日はイーストタイプというように、使える時間に合わせて選ぶこともできます。
ドーナツ作りにかかる費用
家庭にボウルや鍋、キッチンスケールがある場合、ドーナツ作りで毎回必要になる費用の中心は材料です。
基本的なドーナツ6〜8個なら、小麦粉、砂糖、卵、牛乳、バターや油脂、ベーキングパウダーまたはイーストなどを使います。実際に一回で消費する量として考えると、シンプルなシュガードーナツなら500〜900円前後からが一つの目安です。
ここで少し分けて考えたいのが揚げ油です。
鍋へ数百ミリリットルの油を入れるとしても、その全量がドーナツへ吸収されて一回でなくなるわけではありません。反対に、初めて揚げ物をする家庭で小麦粉、砂糖、油、イーストなどを袋やボトル単位ですべて購入すれば、その日の買い物代は実際に消費した材料費より高くなります。
そのため、初回の買い物では1,500〜2,500円ほどかかっても、その材料の多くを次回へ残せることがあります。普段から小麦粉、砂糖、卵、食用油を使っている家庭なら、追加するものはイーストやトッピング程度で済む場合もあります。
チョコレート、ナッツ、クリーム、果物などを加えると、一回1,000〜2,000円ほどまで上がることがあります。月2回の趣味として考えるなら、毎回豪華なトッピングを増やすより、基本の生地と仕上げを変えながら楽しむほうが費用を抑えやすくなります。
最初から専用道具をそろえなくてもいい
ドーナツ作りでは、家にある調理道具をかなり活用できます。
最初に必要なもの
キッチンスケール
大きめのボウル
ゴムべら、または木べら
めん棒
深さのある鍋
菜箸またはトング
揚げたドーナツを置く網やバット
キッチンペーパー
耐熱性のある道具
タイマー
リング形を作るためのドーナツカッターは便利ですが、必須ではありません。大小の丸い抜き型やコップなど、食品に使える清潔な道具を組み合わせて抜く方法もあります。
イーストドーナツを何度も作るなら、スケッパーや温度計があると便利です。特に温度計は揚げ油だけでなく、生地や仕込み水の温度を見るときにも使えるため、作る回数が増えてから買い足しても無駄になりにくい道具です。
大型のスタンドミキサーや発酵器、何種類もの専用型は初回には必要ありません。手で作ってみて、「こねる作業を楽にしたい」「発酵を安定させたい」と感じてから検討すれば十分です。
ドーナツ作りをおすすめする3つの理由
1.油へ入れた瞬間から、形と色が変わっていく
ドーナツ作りで特に印象的なのは、揚げる時間です。
成形した生地を油へ入れると、周囲から細かな泡が立ち、生地がゆっくり膨らみます。裏返せば、先に揚げた面にはすでにきつね色がついていて、数分前まで白かった生地とはまるで違う姿になっています。
焼き菓子ではオーブンの扉越しに見る変化を、ドーナツでは鍋の中で間近に見られます。油温や生地の厚みが少し違えば色づく速さも変わるため、一個ずつ揚がっていく様子そのものが作る楽しさになります。
2.同じ生地でも、最後の仕上げで別の一個になる
揚げたてへグラニュー糖をまぶせば、シンプルなシュガードーナツになります。
きな粉と砂糖を合わせる。シナモンシュガーにする。完全に冷ましてからチョコレートをかける。粉糖と水や果汁でグレーズを作る。
生地を一から作り分けなくても、仕上げだけで味と見た目を変えられます。
六個作ったうち、二個は砂糖、二個はきな粉、残りはチョコレートという楽しみ方もできます。一度の作業から複数の味を試せるので、「次はどれを定番にしたいか」を食べ比べることもできます。
3.ふわふわ、さっくり、もちもちと、生地そのものを選べる
ひとことでドーナツといっても、食感は一つではありません。
イーストで発酵させたものは、パンに近いふんわりした生地になります。ベーキングパウダーを使うケーキドーナツは、発酵させずに作れ、ほろっとした焼き菓子に近い食感を楽しめます。
さらに、豆腐や米粉を使ったもの、もちもちした食感を意識したものなど、家庭向けにもさまざまなレシピがあります。
最初は「ドーナツを作る」という一つの趣味でも、続けるうちに「自分は軽いふわふわ生地が好き」「少し詰まった昔ながらのタイプが好き」と好みが見えてきます。形やトッピングだけでなく、生地から自分の好きな一個を探せるところに奥行きがあります。
ドーナツには大きく二つの入口がある
家庭で始めるときに知っておくと分かりやすいのが、発酵させるものと、発酵させないものの違いです。
ケーキドーナツ
薄力粉などの小麦粉にベーキングパウダーを加えて膨らませるタイプです。
生地を作ってからイースト発酵を待たなくてよいため、比較的短い時間で揚げるところまで進めます。さっくり、ほろっとした食感になりやすく、初めての一回にも取り入れやすいドーナツです。
生地を伸ばしてリング形に抜くものだけでなく、丸めたり、スプーンなどで落として揚げたりするレシピもあります。
「今日は午後から作って、おやつに食べたい」という日なら、こちらから始めると予定を組みやすくなります。
イーストドーナツ
強力粉などを使い、イーストで生地を発酵させるタイプです。
こね、一次発酵、分割や成形、二次発酵を経てから揚げるため、ケーキドーナツより時間は必要です。その分、揚げた生地の内側にふわっとした気泡ができ、パンに近い軽さを楽しめます。
専門店で見かけるふっくらしたリングドーナツや、中へクリームを入れるタイプに興味があるなら、こちらを覚えると楽しみが広がります。
どちらから始めても構いません。
短い時間で一連の工程を経験したいならケーキドーナツ。生地の発酵まで含めて休日の趣味にしたいならイーストドーナツ。自分が作りたい食感と使える時間から選ぶのが自然です。
初めての一回は、シンプルなシュガードーナツから
最初は、トッピングや中身を増やさず、揚げた生地へ砂糖をまぶすくらいの仕上げがおすすめです。
複雑な飾りを入れないことで、生地の厚み、揚げ色、火の通り方を見やすくなります。完成して食べたときにも、生地そのものがふんわりしているのか、少し硬いのかを確かめられます。
初回から完璧なリング形にする必要もありません。
少しくらい穴の大きさが違っていても、揚げる前の厚みが極端に違わなければ家庭のおやつとして十分楽しめます。まずは六個ほどを同じ生地から作り、油へ入れてから完成するまでを一度経験することが大切です。
ケーキドーナツなら、混ぜて成形して揚げる
発酵をしないタイプなら、作業の流れは比較的シンプルです。
最初に小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖、卵、牛乳、バターなど、レシピに必要な材料をすべて量ります。揚げ始めてから砂糖を探したり、バットを用意したりしないよう、仕上げ用の材料と揚げたドーナツを置く場所まで先に準備しておきます。
液体の材料と粉類を合わせたら、必要以上にこね続けず、レシピに示された状態まで生地をまとめます。生地を休ませる指定があれば、その間に鍋や揚げ油の準備を進めます。
めん棒で厚みをそろえて伸ばし、リング形へ抜いたら、いよいよ揚げる工程です。
このとき、薄いものと厚いものが混在すると火の通る時間に差が出ます。形を完全にそろえることより、まずは厚みを大きく変えないようにするほうが、揚げ上がりをそろえやすくなります。
イーストドーナツは「待つ時間」も作る工程
ふんわりしたイーストドーナツでは、粉類へ水分を加えて生地をまとめ、表面につやと弾力が出るまでこねます。
そのあと、暖かい場所で一次発酵させます。
発酵は、ただ決められた時間を待つだけではありません。室温によって進み方が変わるので、レシピの時間を目安にしながら、生地がどの程度膨らんでいるかを見ます。
膨らんだ生地を分けて成形し、再び休ませると、最初に作った輪よりふっくらしてきます。
この変化がイーストドーナツの面白いところです。
揚げる前から生地の中では変化が進み、油へ入れたあとさらに膨らむ。ケーキドーナツとは違い、作業していないように見える発酵時間も、完成へつながっています。
待っている間には洗い物を済ませたり、トッピングを用意したりできます。休日に急がず一つのお菓子を作りたい日なら、このゆっくりした流れそのものが楽しみになります。
揚げる前に、必要なものを全部そろえる
ドーナツ作りの中で、途中から別の作業をしにくいのが揚げる時間です。
鍋へ油を入れて加熱し始めたら、キッチンを離れて材料を探すのではなく、揚げる生地、菜箸やトング、網やバット、タイマーなどを手の届く場所へそろえておきます。
仕上げ用の砂糖も先に用意します。
砂糖をまぶすタイプは、ドーナツがまだ少し温かいうちのほうが表面へ付きやすいものがあります。一方、チョコレートやアイシングは十分に冷ましてから仕上げるものが多いため、どのタイミングで仕上げるかはレシピを先に確認します。
揚げ工程に入ってからは、一つひとつのドーナツを見ることに集中する。
この準備だけでも、初めての揚げ物はかなり落ち着いて進められます。
油の温度で、色と中身が変わる
ドーナツを揚げるときは、レシピで指定された油温を基準にします。家庭向けのドーナツでは170〜180℃前後を使うレシピがよく見られますが、生地の種類や厚みによって適した条件は変わります。
温度が高すぎると、表面だけが早く色づき、中まで十分に火が入りにくくなります。反対に低すぎる状態が続けば、揚げ時間が長くなり、生地が油を含みやすくなります。
温度計がある場合は数字を見ながら調整できます。
ない場合も、レシピに示された確認方法を利用できますが、ドーナツ作りを何度もするなら揚げ物に対応した温度計を用意すると、前回と同じ条件を再現しやすくなります。
一度にたくさんの生地を鍋へ入れるのも避けます。
冷たい生地をまとめて入れると油温が下がりやすく、それぞれを裏返す余裕もなくなります。家庭の鍋なら、数個ずつ状態を見ながら揚げるほうが扱いやすくなります。
仕上がりが違ったら、原因を一つに絞る
最初のドーナツが、お店のようにきれいに膨らまなくても珍しいことではありません。
次の回ですべてを変えるより、一番気になった部分を一つだけ見直すと違いが分かりやすくなります。
外側だけ濃く、中が生っぽい
油温が高すぎた、生地が厚すぎた、揚げる時間が短かったなどが考えられます。
次回は同じ配合のまま、油温と生地の厚みを確認します。
思っていたより油っぽい
油温が低い状態で長く揚げた場合などには、仕上がりが重く感じられることがあります。
一度にたくさん入れすぎて油温が下がっていなかったかも振り返ります。
イーストドーナツがあまり膨らまない
イーストの保存状態、発酵させた場所の温度、発酵時間などを確認します。
時計だけでなく、揚げる前の生地がどの程度ふっくらしていたかを覚えておくと比較しやすくなります。
形が大きくゆがむ
成形した時点で厚みが違っていたり、リングの一部だけ細くなっていたりすると、揚げたときにも形の差が出ます。
最初は形の美しさより、同じくらいの厚みで作ることを意識すると調整しやすくなります。
作った日、使った生地、油温、揚げ時間、食べたときの印象を簡単に残すだけでも十分です。数回分の記録がたまれば、自分の鍋とコンロではどのくらいが作りやすいのかが見えてきます。
生地が安定したら、仕上げを変えてみる
基本のシュガードーナツを一度作ったら、次は生地を変えるより、表面の仕上げから広げると違いが分かりやすくなります。
きな粉
砂糖ときな粉を合わせ、揚げたドーナツへまぶします。
香ばしさが加わり、グラニュー糖だけとは違うやさしい甘さになります。同じ生地を半分ずつ仕上げれば、その場で食べ比べられます。
シナモンシュガー
砂糖へシナモンを加えるだけでも香りが大きく変わります。
材料をたくさん増やさず、少し大人っぽい風味にしたいときにも試しやすい仕上げです。
チョコレート
十分に冷ましたドーナツの片面を溶かしたチョコレートへ付けたり、細くかけたりします。
ミルク、ビター、ホワイトと種類を変えられ、ナッツやココナッツなどを少量散らせば食感も加えられます。
グレーズ
粉糖を少量の水分で溶いたグレーズなら、つやのある表面を作れます。
レモンなどの果汁を使えば、甘さの中へ酸味を加えることもできます。少し色を付けたり、上から飾りを加えたりすれば、見た目を考える楽しみも広がります。
一度に全部を試す必要はありません。
基本の生地を変えず、今日はシナモン、次はチョコレートというように仕上げを一つずつ増やすと、ドーナツそのものの違いを楽しみながら続けられます。
リングだけでなく、形から変えることもできる
ドーナツと聞くと輪を思い浮かべますが、家庭では形にも決まりはありません。
リング形の中央を抜いたときに残る小さな生地を、そのまま丸いドーナツとして揚げることもできます。初めから一口サイズに丸めれば、砂糖やきな粉をまぶしやすい小さなドーナツになります。
イースト生地に慣れてくれば、穴を開けず丸く成形し、揚げたあとにクリームやジャムを入れる方法もあります。
形を変えると、生地の中心まで火が入る時間も変わります。厚みのあるものや中身を入れるものへ進むときは、自己流で揚げ時間だけ延ばすのではなく、その形に合ったレシピを使うと安心です。
輪をきれいに作ることが目的の日。
小さな丸をたくさん作る日。
クリーム入りへ挑戦する日。
同じ生地でも、完成した姿を先に考えることで作業の楽しみが変わります。
揚げ油を扱う日は、安全を最優先にする
ドーナツ作りで最も大切な注意点は、高温の油です。
揚げ始める前に鍋の周囲を片づけ、濡れた道具や水の入った器を近くに置かないようにします。生地の表面にも余計な水分を付けず、油へ投げ入れず静かに入れます。
加熱中は鍋のそばを離れません。
電話や別の家事でキッチンを離れる必要があるときは、火をつけたままにせず、まず加熱を止めます。揚げ物中に別の料理を同時進行しすぎないことも、自宅で安心して楽しむためには大切です。
油へ水を入れるのは危険です。
また、万一油から火が出た場合も、水をかけて消そうとしてはいけません。家庭で使っているコンロや消火設備の扱いをあらかじめ確認し、油を加熱している間は「目を離さない」ことを基本にします。
揚げたてのドーナツも、中には熱が残っています。
特にクリームを詰めたり、子どもと一緒に食べたりする場合は、熱いまま急いで口にせず少し落ち着かせます。
卵や乳製品を使う場合は、作業前後の手洗いと器具の衛生管理も普段の料理と同じように行います。クリーム入りなど傷みやすい仕上げをしたものは、プレーンなシュガードーナツと同じ保存方法だと思わず、使った材料に合わせて冷蔵し、早めに食べます。
揚げたてを食べられるのは、手作りならでは
ドーナツ作りでは、完成直後の時間にも大きな楽しみがあります。
表面にはまだ揚げたてらしい軽い歯触りがあり、中は温かく、生地の香りもよく感じられます。市販品を買って帰るのとは違い、網へ上げた数分後の状態を味わえるのは、自分で揚げたからこそです。
その一方、すべてを熱いうちに食べきる必要はありません。
十分に冷めたものは乾燥しないよう保存し、できるだけ早めに楽しみます。イーストドーナツは時間がたつと食感が変わりやすいため、一度に大量に作るより、家で食べ切りやすい6〜8個程度から始めると無理がありません。
チョコレートやグレーズで仕上げる場合は、粗熱が取れてから作業します。
揚げたてを一つだけ砂糖で食べ、残りは冷めてから別の仕上げにする。そんなふうに、作った当日の中でも二つの楽しみ方を作れます。
続けるほど変わる五つの楽しみ方
第1段階 まずは一種類を揚げてみる
最初は、シンプルなドーナツを一回完成させます。
材料を量り、生地をまとめ、形を作って油へ入れる。表裏を揚げて網へ取り出し、砂糖をまぶすところまで進めば、家庭のドーナツ作りで中心になる流れを一通り経験できます。
少しくらい形が不ぞろいでも構いません。
揚げたてを割ってみて、中まできちんと火が入り、どんな食感になったかを確かめる。そこが次の一回の基準になります。
第2段階 同じ生地を安定して揚げる
何度か作ると、自宅の鍋へ何個ずつ入れると扱いやすいか、どのくらいで色づくかが分かってきます。
イースト生地なら、揚げる技術だけでなく発酵の見方も少しずつ身についてきます。前回と近い大きさ、近い色、近い食感で仕上げられるようになると、揚げる瞬間にも余裕が出てきます。
この段階では、新しい材料を増やすことより、好きだった一個をもう一度作ること自体が面白くなります。
第3段階 自分の好きな生地と仕上げを見つける
ケーキドーナツとイーストドーナツを比べたり、砂糖、きな粉、シナモン、チョコレートと仕上げを変えたりします。
すると、「ふわふわの生地に薄いグレーズが好き」「少し詰まった生地へきな粉をたっぷり付けたい」と、自分の好みが具体的になってきます。
レシピをそのまま完成させるところから、食べたいドーナツに合わせてレシピを選ぶところへ。楽しみの中心が少し変わります。
第4段階 形や中身まで組み立てる
リング形だけでなく、一口サイズ、ねじった形、丸いドーナツなどへ広げます。
中へカスタードやクリーム、ジャムを入れれば、表面だけを変えていたころとは違う組み合わせを考えられます。
生地、形、中身、表面。
四つの要素をどう合わせるかによって、一つの基本からかなり違うドーナツを作れるようになります。
季節の果物を使ったクリームを考えたり、秋にはきな粉や黒ごま、冬には濃いチョコレートを選んだりと、一年の中で作り分ける楽しみも生まれます。
第5段階 自分の定番を休日の一皿にする
続けていると、毎回新しいドーナツへ挑戦しなくてもよくなります。
時間のある日は発酵させたふわふわのリング。
短い午後ならケーキドーナツ。
家族と食べる日は三種類の砂糖を用意する。
人が集まる日には一口サイズを多めに作る。
そんなふうに、その日の時間や食べる人に合わせて作るものを選べるようになります。
「ドーナツを作れる」ことから、「今日はどのドーナツにしよう」と考えられることへ。
自分の台所に定番の配合や仕上げができていくことも、この趣味を続けた先にある楽しさです。
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パン作り
イーストドーナツで、生地をこねて発酵を待つ時間が好きになったら、パン作りへ広げると工程のつながりがよく分かります。ドーナツでは最後に油で揚げていた生地をオーブンで焼くことで、同じ小麦粉と酵母から違う食感や香りが生まれます。
菓子作り
ドーナツのトッピングや生地の違いが面白くなったら、菓子作り全体へ広げてみるのも自然です。焼く、冷やす、蒸す、固めるなど、揚げる以外の方法を知ることで、自分が好きな材料や作業も見つけやすくなります。
クッキー作り
短い時間で生地を作り、形を整える楽しさを続けたいなら、クッキー作りもよく合います。高温の揚げ油を使わずオーブンで焼くため、ドーナツとは違う休日のお菓子作りとして使い分けることもできます。
油の中で膨らむ一個を、揚げたてで味わう
ドーナツ作りの始まりは、小麦粉や砂糖が並んだいつものキッチンです。
そこへ卵や牛乳を加え、生地を作り、手のひらほどの輪へ整える。油へ入れれば細かな泡が周りを包み、数分後には両面に焼き色ならぬ「揚げ色」がついた一個が網の上へ戻ってきます。
最初から専門店のような仕上げを目指さなくても構いません。
一個だけ少し丸い。
穴の大きさが違う。
砂糖が片側に多く付いている。
家庭で初めて作るなら、そんな違いも含めてその日のドーナツです。
揚げたてを一つ食べて、「次はもう少しふわふわにしたい」と思えばイースト生地へ。「この食感が好きだから、次はきな粉にしたい」と思えば仕上げを変える。
一回作るたびに、次に試したい一個が見つかります。
次の休日は、まず六つほど。
鍋の中で自分の作った生地がゆっくり浮かび、きつね色へ変わっていくところから、ドーナツ作りを始めてみるのもよさそうです。
休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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