フットサルの楽しみ方
コートの端でボールを受け、近くにいる味方へ短いパスを出す。
そのまま少し前へ走ると、今度は別の味方からボールが戻ってくる。相手が近づく前にもう一度つなぎ、空いた場所へ動いた人がゴールへ向かってシュートを打ちます。
自分が得点したわけではなくても、最初に出した一本のパスが、攻撃の始まりになっています。
フットサルは、少人数でパスをつなぎながら得点を目指す競技です。
コートが比較的コンパクトなため、攻撃と守備の切り替わりが速く、ボールへ関わる機会も多くなります。
ボールを持っていないときにも、
味方がパスを出せる場所へ動く。
相手の進路をふさぐ。
ゴール前へ戻る。
交代して外から試合を見る。
といった役割があります。
サッカー経験がなければ、最初はボールを足元へ止めるだけでも難しく感じるかもしれません。
それでも、強いシュートや難しいドリブルができなければ参加できない競技ではありません。近い相手へ短いパスを出し、ボールを失ったら守備へ戻る。その二つを繰り返すだけでも、試合の流れへ入れます。
一方で、初めて参加するときには気になることもあります。
一人でも参加できるのか。
どのくらい走るのか。
サッカー経験者ばかりではないのか。
一回にどのくらい時間と費用がかかるのか。
専用のシューズは必要なのか。
体力が続かなかったら、途中で休めるのか。
フットサルは運動量の多い競技ですが、交代を使いながら短く出場することもできます。
最初から試合のすべてへ出続けるのではなく、数分動いて休み、もう一度コートへ戻る方法なら、自分の体力を確かめながら参加できます。
今回は、フットサルに必要な時間と費用、一人で参加する方法、初心者が最初に意識したい動き、道具、安全、続けることで変わる楽しみ方をまとめました。
※費用や運動量は、施設で行われる一般的な個人参加や友人同士のゲームへ参加する場合の目安です。施設、コート面、参加形式によって変わります。
フットサルをざっくり整理すると
プレー時間 約2時間
移動を含めた時間 約2時間40分から3時間
準備・着替え 約10〜15分
年間の参加回数 年18回程度
当日の支出 約1,300円
一回あたりの費用換算 約1,700円
年間の費用 約30,000円
最初にそろえる費用 約12,000〜15,000円
参加人数の目安 一回六人以上
一人での参加 個人参加型なら可能
予約の目安 前日までに確認
運動量の目安 約7,000歩
楽しさの中心 パス、シュート、攻守の切り替え、連携、得点、チームでの共有
プレー時間は、約2時間です。
移動、受付、着替え、ウォームアップまで含めると、休日には3時間ほど空けておくと安心です。
フットサルでは、短い距離を何度も走ります。
一定の速さで二時間走り続けるわけではありませんが、止まる、走る、方向を変える動作が繰り返されます。目安では、60kgの人で600kcal前後に相当する運動量になる場合もあります。
体重、出場時間、試合の強度による差は大きいため、消費量よりも、息の上がり方や脚の疲れを見ながら休憩します。
フットサルは、少人数だから全員に役割が回ってくる
広いコートで行う競技では、ボールから離れた時間が長くなることがあります。
フットサルでは、攻撃と守備が短い時間で入れ替わります。
味方のシュートが相手に止められた瞬間、自分たちは守備側になります。反対に、ボールを奪えばすぐに攻撃が始まります。
そのため、一回の試合の中で、
パスを受ける。
ボールを奪う。
シュートを打つ。
ゴール前へ戻る。
味方の動きを見る。
といった場面が何度も訪れます。
初心者の場合、すべての場面で正しい場所へ動くことは難しいものです。
最初は、ボールを追いかけ続けるのではなく、味方と少し離れた場所に立ちます。
ボールを持っている人の近くへ全員が集まると、パスを出せる場所がなくなります。
味方から見える場所へ動き、ボールを受けたら近い相手へ返す。それだけでも、攻撃の選択肢を一つ増やせます。
初めてなら、個人参加型から試せる
フットサルを始めるには、最初からチームを作る必要はありません。
施設によっては、一人ずつ申し込み、その日に集まった参加者でゲームを行う個人参加型の企画があります。
初心者向け。
経験者向け。
交流を重視する回。
女性も参加しやすい回。
年齢や強度を分けた回。
同じ個人参加でも内容は異なります。
予約前には、
初心者でも参加できるか。
試合中心か、練習もあるか。
必要なシューズ。
すね当ての要否。
レンタル用品。
参加費。
キャンセル条件。
を確認します。
初めての場合は、競技志向の強い回より、初心者歓迎や交流型と案内された回を選ぶ方が入りやすくなります。
友人と始める場合も、二人だけで申し込み、同じチームに入れるか施設へ確認できます。
一人で参加しても、試合が始まれば同じチームの人とパスをつなぎます。
自己紹介を長くしなくても、「右にいます」「戻ります」といった短い声から関わりを作れます。
一回にかかる費用
当日の支出は、約1,300円を想定しています。
当日の費用目安
施設利用・参加費 約500円
交通費 約400円
飲料や軽い補給 約300円
その他の費用 約100円
当日の支出 約1,300円
施設や地域によっては、参加費だけで1,000円を超える場合もあります。
シューズやウェアを借りる場合は、レンタル料金も確認します。
一回あたりの費用換算
道具代の年換算や、シューズなどの手入れを含めると、
一回あたりの費用換算 約1,700円
です。
その日に必ず1,700円を支払うという意味ではありません。
購入したシューズやすね当ては、複数回使用します。
年間の費用
参加費と交通費。
飲料などの当日費用。
シューズやウェアの維持。
道具の年換算。
年間の費用 約30,000円
年18回参加する場合の目安です。
月に1〜2回ほどなら、毎週の予定にはせず、身体を動かしたい休日に取り入れられます。
最初に必要な道具
最低限必要なもの
施設のコート面に合うフットサルシューズ
動きやすい運動着
スポーツソックス
すね当て
飲料水
タオル
着替え
ボールやビブスは、施設側が用意している場合があります。
初回は、予約時に備品を確認します。
最初にそろえる費用
フットサルシューズ
すね当て
スポーツソックス
運動着
小型のスポーツバッグ
入門費用 約12,000〜15,000円
すでに運動着、タオル、バッグを持っているなら、主な購入品はシューズとすね当てです。
シューズはコート面に合わせる
フットサル施設には、体育館のような床と、人工芝のコートがあります。
利用できる靴底が施設ごとに決められている場合があります。
普段のランニングシューズやサッカー用スパイクが、そのまま使えるとは限りません。
靴を購入するときは、
利用予定のコート面。
足幅。
かかとの収まり。
横方向へ動いたときの安定性。
施設の規則。
を確認します。
迷う場合は、初回だけ施設でレンタルし、続けると決めてから購入する方法もあります。
続けるなら用意したいもの
速乾性のあるウェア
自分用のボール
空気入れ
シューズ袋
救急用品
必要に応じた足首・膝のサポーター
参加や得点を残す記録
友人同士でコートを借りるようになったら、ボール、ビブス、空気入れなどをチームで分担します。
最初は買わなくてよいもの
複数のコート用シューズ
高価な試合球
GPSや心拍計
アクションカメラ
戦術ボード
ゴールキーパー専用用品
大会用の遠征バッグ
初回から用具を増やすより、まず数回参加し、どのコートでどのくらいの頻度で遊ぶかを確認します。
初めて参加する一回の流れ
1.受付とコートの規則を確認する
施設へ到着したら、受付を済ませ、利用するコートと更衣室を確認します。
シューズの規則。
すね当ての扱い。
アクセサリー。
飲食できる場所。
撮影の可否。
施設ごとに異なる点を先に聞きます。
2.身体を温める
いきなり強く走らず、歩く、軽く走る、足首や股関節を動かすところから始めます。
可能なら、ボールを足元へ止める練習と、近い距離のパスを行います。
最初の試合で動きすぎないよう、呼吸や身体の状態を確認します。
3.短いパスを味方へつなぐ
試合が始まったら、遠くの味方へ強く蹴るより、近くにいる人へパスを出します。
ボールを受ける前に、周囲を一度見ます。
相手が近ければ、無理に前を向かず、来た方向へ返しても構いません。
一本つなげることが、最初の目標です。
4.パスを出した後に少し動く
パスを出して、その場で止まらないようにします。
横へ数歩動く。
前の空いた場所へ進む。
守備へ戻る。
ボールのない場所へ動くことで、次のパスを受ける準備ができます。
5.交代を使って休む
息が上がったり、脚が動きにくくなったりしたら、交代します。
初心者だから長く出場しなければならないわけではありません。
外から試合を見ると、味方がどこへ動いているかも分かりやすくなります。
水分を取り、呼吸が落ち着いてから再び参加します。
6.終了後に身体と用具を整える
試合後はすぐに座り込まず、短く歩いて呼吸を整えます。
汗を拭き、着替え、水分を取ります。
シューズやすね当ては袋に入れたまま放置せず、帰宅後に汚れと湿気を取り除きます。
フットサルならではの楽しさ
一本のパスから全員が動き始める
自分が出した短いパスを受けて、味方が前を向く。
別の人がゴール前へ走り、守備側も動きます。
一本のパスによって、コート上の位置が一度に変わります。
得点へ直接つながらなくても、攻撃の始まりを作れます。
攻撃と守備の切り替わりが速い
シュートを外した直後、相手の攻撃が始まります。
得点できそうだった場面から、一瞬で自分のゴールを守る場面へ変わります。
その速さが、フットサルの忙しさであり、面白さでもあります。
自分のミスでボールを失っても、すぐ守備へ戻れば、次のプレーへ関われます。
ボールに触れなくても味方を助けられる
空いた場所へ走る。
相手を引きつける。
後ろでパスを受けられる位置に立つ。
味方が動ける場所を残す。
ボールへ触っていない時間にも、チームのためにできることがあります。
得点をチーム全体で共有できる
シュートを決めた人だけでなく、その前にパスを出した人、相手からボールを奪った人、守備を引きつけた人がいます。
一つの得点までに、複数人の動きがつながります。
自分の得点でなくても、攻撃へ関われた手応えを感じられます。
前回より一つできたことが分かりやすい
最初は、ボールを止めることだけでも難しく感じます。
何度か参加すると、
足元へボールを止められた。
相手へ奪われる前にパスを出せた。
一度シュートを打てた。
守備へ戻れた。
という変化が増えていきます。
勝敗だけでなく、自分が試合の中でできたことを数えられます。
初心者が最初に意識したい三つのこと
ボールを強く蹴りすぎない
近い距離のパスでは、強さより方向を意識します。
味方が止めやすい速さで、足元の少し前へ送ります。
強く蹴るほどよいパスになるわけではありません。
味方と同じ場所へ集まりすぎない
ボールがある場所へ全員が近づくと、動ける空間がなくなります。
味方から見える範囲で、数歩離れた場所へ立ちます。
自分がボールを受けることで、次の人が動ける場所も生まれます。
ボールを失ったら守備へ戻る
失敗した場面で立ち止まると、相手は人数の多い状態で攻撃できます。
ボールを奪われたら、自分のゴール方向へ戻ります。
すぐに取り返せなくても、相手の進路へ入るだけで守備へ関われます。
安全に楽しむために
指定されたシューズとすね当てを使う
コートに合わない靴は、滑ったり、足を取られたりする原因になります。
施設の指定を確認し、必要な場合はすね当てを着けます。
靴ひもがほどけていないかも、試合前に確認します。
アクセサリーを外す
時計、指輪、ネックレス、硬い髪飾りなどは、接触時に自分や相手を傷つける可能性があります。
プレー前に外し、安全な場所へ保管します。
爪も長すぎない状態に整えます。
無理に足を出さない
相手がボールを蹴ろうとしている場所へ、遅れて強く足を出すと接触につながります。
ボールだけを見て突っ込まず、相手と周囲を確認します。
初心者向けの場では、激しい接触より安全なプレーを優先します。
痛みや強い不調を我慢しない
胸の痛み、めまい、強い息苦しさ、関節の痛みなどを感じたら、プレーを中止します。
疲れて動きが遅くなると、接触や転倒も起こりやすくなります。
最後まで出場することより、早めに交代することを優先します。
水分と休憩を取る
室内コートでも、運動によって汗をかきます。
目安として1L前後の飲料を用意し、少しずつ補給します。
暑い日や換気が弱い環境では、試合間の休憩を長めに取ります。
用具を洗浄・乾燥する
シューズ、すね当て、ソックス、ウェアには汗や汚れが残ります。
使用後は乾燥させ、必要に応じて洗浄します。
ボールを持っている場合は、空気圧や表面の傷も確認します。
続けると変わる楽しみ方
1.一本のパスを味方へつなぐ
最初はボールを止め、近い相手へ短いパスを出します。
短いゲームへ参加し、攻撃と守備の両方でコートを動きます。
得点よりも、味方と一度ボールをつなぐことが最初の目標です。
2.自分の位置と役割を知る
複数回参加すると、ボールを受けられる場所や、守備へ戻る位置が分かってきます。
周囲を見てパスを受け、出した後にもう一度動きます。
一試合の中で、継続して味方の選択肢を作る段階です。
3.チームで攻撃と守備を組み立てる
さらに続けると、個人の動きだけでなく、複数人の連携を考えるようになります。
パス交換で相手の位置をずらす。
数的に有利な場所を作る。
守備する相手を受け渡す。
同じ形をチームで再現する段階です。
4.身体管理とチーム運営を考える
関心が深まると、運動量、出場時間、交代、ウォームアップ、審判基準にも目が向きます。
経験や体力の異なる参加者がいる中で、役割や強度を調整します。
勝敗だけでなく、安全に継続できるチームを作る段階です。
5.チームとして大会へ挑戦する
長く続けると、大会やリーグを目標にできます。
年間の練習計画を作り、役割別の課題を改善し、対戦相手の特徴を見ます。
個人技、体力、連携を組み合わせ、チームとして過去の成績を越えることへ挑戦する段階です。
フットサルが合いやすいのは、こんな日
二〜三時間ほど、しっかり身体を動かしたい日。
友人と会話だけでなく、同じ競技を楽しみたい日。
一人で参加できるチームスポーツを探している日。
短いパスや小さな成功を積み重ねたい日。
屋内コートで天候の影響を抑えたい日。
勝敗と交流の両方を楽しみたい日。
月に一〜二回、運動する予定を作りたい日。
ボールを使う競技を、少人数から始めたい日。
一方で、脚や関節に痛みがある日、睡眠不足が強い日、翌日に身体を使う予定がある日には、参加時間や強度を抑えた方が安心です。
初回から二時間すべてのゲームへ出る必要はありません。
短く交代しながら、自分がどのくらい動けるかを確かめます。
最初の目標は、シュートより一本のパスをつなぐこと
フットサルを始める前は、ゴールを決めなければ試合で活躍できないように感じるかもしれません。
けれど、得点へたどり着くまでには、いくつもの小さなプレーがあります。
味方から見える場所へ動く。
ボールを足元へ止める。
近い相手へパスする。
パスを出した後に、もう一度動く。
ボールを失ったら守備へ戻る。
初めての試合では、華やかなドリブルや強いシュートができなくても構いません。
自分へ来たボールを一度止め、近くの味方へ届けられたなら、試合の流れへ参加できています。
その味方が次の人へつなぎ、最後に誰かがシュートを打つかもしれません。
フットサルの最初の目標は、自分が得点することではなく、一本のパスを味方へつなぎ、その後もチームの動きへ残ること。
数秒だけ続いたボールの往復が、次の参加では二往復、三往復と伸びていく。その変化から、ただ走るだけだったコートが、仲間と選択を共有する場所へ変わっていきます。
休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
これからも、次にやってみたくなる趣味を一つずつ丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
